表題作東京心中 第4部

宮坂絢(みやさか けん)22歳/新米AD
矢野聖司(やの せいじ)29歳/先輩AD

あらすじ

「オレの全て矢野さんのモノですから! 好きに使って下さい」
 ついに同棲を始めた宮坂と矢野さん。そんな中、突然二人の前に現れる宮坂の元カノ・いずみ。同棲開始早々、二人の関係に暗雲が……。――さらに、一大事!! 矢野さんとアメリカ野郎・橘が二人きりの部屋で……! 恋敵・橘との三角関係の行方は……!? 明かされる矢野さんの映画と宮坂への想い。大人気「東京心中」シリーズ・第四部! 矢野さんを追いかける宮坂は泥沼に溺れていく……。

作品情報

作品名
東京心中 第4部
著者
トウテムポール 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
シリーズ
東京心中
4.4

(7)

(4)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
31
評価数
7
平均
4.4 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数4

男が男に身体を許す所以。

映画を追い求める男と、その男を追う男。両者が相まみえた時、どんなBLストーリーが生まれるのか。

舞台はTV番組制作会社。映像ディレクターの矢野は大阪出の見た目女性で中身男前。(…なんて定石やないかーい!)この男の部下である宮坂はヒゲが伸びるとボーボーに濃い、岩手出身で器用貧乏なイマどきの若者。物語序盤の浜辺のシーンではすでに二人には通じ合うものがあることが仄めかされていて、そこから二人の関係がどう発展していくかが気になって、一気に引っ張られました。

宮坂が当初、矢野を女性のように見ている様子とか、矢野は宮坂とのチュウには抵抗がないところとか、仕事のためなら男と寝る覚悟があるとか、男同士が一線越えちゃう布石がちゃんと打たれています。宮坂は相手の心も身体も手にしたい。矢野は一緒にいるだけで満足で、えっちなんかしなくてもいい。(実際、チュウからなかなか発展しない。)「好き」の表し方は人それぞれだと、外見も含めた二人の対照的な傾向を描いておきながら、なお、矢野が宮坂に応えようとしている姿がいい。本能的に許していながら、本能的に抗っているというのか、いくら美人で小柄とはいえ、矢野はやはり漢。初めて身体の一戦を交える際の彼の抵抗する姿や、イタす度に気合を入れないと臨めないギャグのセンス、大変、好きでした。

矢野は仕事一筋で映画という実体のない芸術にのめり込んでいるゆえ、他人にあまり興味がなく、自分をわかりやすくプレゼンできないタイプですが、宮坂に猛烈アタック(死語)されて恋愛関係に持ち込まれたことにより、彼こそがその「泥沼」から自分を引き揚げてくれる存在であることに気づく。一方、宮坂は好きだからといって何度身体を交えても、「矢野さん」という存在はいつも遠い憧れのままで、追っかけずにはいられない。でも、実は彼のそんな、仕事に打ち込んだり、好きな映画を追いかける姿に惚れ込んでいるのだと思い至る。二人の間には、対象に限りなく近づきつつも決して交わることのない漸近線のような、尊すぎて触れられない、深い敬意が横たわっているような…。

そんな二人をとりまくサブキャラも彩豊かで、二人のストーリーを支えています。また、作家さんによって地味に施された細やかな配慮が、時折笑わせてくれるのですよ。問題は個性的な画ですが、岡田あーみん先生(古っ)をフツーに読んでこられた方なら乗り越えられるはず。…はず。

電子版で一気に読んだので、先のレビュアーさんに倣って、こちらに投稿させていただきました。

4

面白かった!!!

いや~、個人的には物凄くハマリました!!

私も電子書籍で最初にサンプル読んで、
もう一気に第四部までガーッと読みました。
矢野さんが……
もう、もう、可愛すぎる!!!
ヘタレな宮坂くんの、矢野さんへの愛が半端ないです。
面白いし笑えるし、エッチも矢野さんへの愛が溢れてて凄く良い。
エッチ中の矢野さんの色気が……(悶え

東京心中は大分前から知ってましたが、
自分も好みの絵柄ではなかった為
正直、敬遠してました。
が、なんとなく気になって読んでみたら
本当に面白い。
他の方も書かれてましたが、テレビ番組制作の
仕事の内容とか、個人的には、番組の裏を見れた
ような気がして凄く興味深かったです。

「遠くから眺めていたほど、綺麗なものじゃない。」

矢野さんの泥沼にはまっていく部分、
足を踏み入れた後での後悔、現実での厳しさ、
宮坂くんへの妬ましいと思う気持ち、
なんだか共感できました。
東京心中は女性キャラもそれぞれ個性があって、
特にユカさん!!!宮坂くんより大好きです(笑)

久々にこの先も読みたい!って良い作品に
出会えたので、早く続きが待ち遠しいです。

3

ネタバレなし

矢野さんが具体的に宮坂に対してどんな気持ちを持っているのかが語られ、自分も落ち着けました。良かったね、宮坂。ネタバレしたくないのでいつもボンヤリしたレビューですみませんが、2人の関係は順調、大丈夫です。主に宮坂が自分自身でも把握しきれていなかった自分自身を、はじめて本当に人を好きになることで知っていく過程に共感しきり。物わかり良く、カッコ良く、キレイな恋愛なんて物足りないですよね。

0

最後まで引っかかったまま。

全部電子書籍で読んだので、電子書籍四巻の感想です。
一応、読んだ最後の巻なので、まとめという感じで。
「このBLがすごい!」で一位だったという事で読んでみたのですが、面白かったんですよ。
最後まで一気に読めましたし。
ただBLっぽい漫画でいいんじゃないかなという気もしてしまいました。宮坂くんが一方的に大好きで空回りしてる感じの。
というくらい、矢野さんが何だか中途半端でBL読んで楽しい!という感じがしないのですよ。
もう少し萌えと云うか、甘い部分も欲しいかなあと。
いや、あるはあるんですが。何だろう。
自分の萌えと合わなかっただけかも。

あと自分がなまじ映画関係に進もうと思ってた時期があったので、そこらの食い違いも引っかかるんですかね。
映画は食えないし、本当に「映画が好き!」みたいな映画ばかじゃないとやっていけないのですよ。
宮坂くんはあれでとてもいいと思うんですが、矢野さんで時々「ん?」と思ってしまいます。

あと、電子書籍の書き下ろし。書き下ろしは嬉しいんですけれど、ほぼ宣伝っていうのは…………これが一番萎えました。
これはなしじゃないですかね。

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