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くされ縁~人気ミステリ作家としがないライターの場合~

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表題作くされ縁~人気ミステリ作家としがないライターの場合~

辻勲斗 大学の同級生で今は同居人 人気ミステリ作家
藤沢麦太郎 小説家志望のフリーライター

その他の収録作品

  • 若気のいたり

あらすじ

麦太郎は、小説家を夢見るフリーライター。とはいえ、30歳過ぎても花咲かない自分の才能に最近少し疑いが…。一方、大学からつるんでいる同居人の勲斗は、今売れに売れてる人気ミステリ作家。でもって、投稿作が落選して落ち込む麦太郎の前に、「どこでも紹介してやる」と編集部の名刺をずらっと並べるような無神経なヤツだ。ある日、うっかり酒(麦太郎はやけ酒…、勲斗は祝い酒☆)を飲み過ぎてしまった2人は──!?

作品情報

作品名
くされ縁~人気ミステリ作家としがないライターの場合~
著者
森本あき 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775520147
3

(4)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
11
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

くされ縁が、恋愛へ

小説家とライター。
学生時代から不思議と縁が切れない二人が、30歳を過ぎてようやく恋人になるまで(気持ちを打ち明け合うまで)のお話。

大学時代のミステリ研の友人で、今では同居生活を送る麦太郎と勲斗。
ライター業で何とか生計を立てつつ、新人賞に小説を投稿している麦太郎と、公務員志望だったが今では超売れっ子ミステリ作家の勲斗。
二人は学生時代、遊び感覚で身体関係にあり、卒業後再会して同居を始めてからは普通の友人として過ごす日々。
しかし、久々に二人で飲みすぎた翌朝、学生時代を思い出した勢いで、10年振りに勲斗に抱かれてしまう麦太郎。過去を思い出し、学生の頃からその才能も含めて勲斗が好きだったことを再確認し…という話。

実は互いに好意がありながらも、麦太郎は臆病、勲斗は現実的過ぎて進展せず、ズルズルと腐れ縁が続いていた二人。
ヌルイ関係にも思えますが、学生時代のエピソードを読むと、ただの偶然頼りの縁とは言えないものもあり。
勲斗の影響で読書家になり、それが現在のライター業の仕事につながっている麦太郎。
公務員志望の超安定志向だったが、結局は作家になって麦太郎を選んだ勲斗。
必ずしも望んだ生き方ではなかったが、書き続けるという道を自分の意志で選び、
その選択の中に、少なからず互いの存在があったことを考えると、この腐れ縁は、二人の意志が引き寄せたものでもあるんじゃないかと。

全体的に、ほのぼの・甘々な空気感ではありますが、
必ずしも望んだ道ではなかった現在の職業、偶然か必然か重なり続けた二人の道…などなど、軽いタッチの話ながら深いテーマもあり。
最後には、人生帳尻合うように出来てんな~などと何だか感慨深いものも感じてしまいました。

恋人になる前も何だかんだ仲が良い二人なんですが、
後半の二人の告白合戦~ラブラブな絡みは、付き合いが長い故の率直さと素直さがあって、特に甘々でした(*´∀`*)
また恋人になった後も、お互い作家として自分のポリシーは譲らず、しかし互いの作品やスタンスを認め合っている…という関係が崩れない(むしろ強固になっている)ところが、良いパートナー同士だなと思わせます。
片思いが成就し、ライターの仕事も軌道に乗り始めた麦太郎の、幸福感あふれる涙が微笑ましくも感動的な、良いラストでした。

書き下ろしは学生時代の話で、ライターになる決意をする麦太郎と、公務員にこだわる勲斗の考えの違いが楽しくも切ない。
これが最後だと思いながら勲斗に抱かれる麦太郎が不憫で、意味深な発言してんなよと勲斗に若干イラっとしますがw
当時の色々なことも無駄ではなかったと振り返る現在の麦太郎のモノローグは希望に満ちていて、幸せな未来を予想させる爽やかな結びでした。

4

好みが分かれるのでは?

基本、作家買いで購入する以外はイラストで購入する私なので
今作も小椋ムク先生のイラストで手にとってしまった一人です。
(表紙の感じはすっごく萌なんで)
しかし、カラーのイラストだけは「ん?なんか太って見える・・・」
他は素敵なのに残念!

ストーリーは、途中まではこれって恋愛になるのか?って読んでいたのが
うわ、実は大学時代からの・・・ってそういうことかー。
と、実に素直に読んでいた私です。
攻の勲斗は無神経、自己中でどこがいいんだ?この人のって感じなんですが
受の麦太郎(名前かわいい!)がそんなところも受けいれてしまっているので
本人がいいならいいのかと妙に納得してしまった。
ただ、想いが通じた後のエッチ時のムギはうわーだめ、ないわぁ。
このシーンで萌が減りました。

0

ナルシー自己中傲慢だけど好きなのよ

この作家さんらしい傲慢攻め様が出てくるお話の定番かと思いながら読みました。
ちょっといつもより受け様が可愛らしくてなよなよメソメソ感は意外にも少ない。
もっとも大学生時代からの同級生で腐れ縁同士の設定だし、攻め様も受け様も作家や
フリーライターと言う仕事柄か、自分の信念を持っているのでいつもの感じよりは
世代的にも年齢がいつもより上な雰囲気のお話でしたね。

ただ、やっぱり好きになれないと言うのが個人的な感想ですねぇ、不器用で自分の
気持ちを素直に表せないタイプの傲慢だったら大好物なのですが、この作家さんの描く
今回の攻め様には萌えを感じない、ご都合主義的な雰囲気がしてダメでした。
それでも、こんな攻め様だから、自己中ながらもホントはやりたくない小説家をしながら
将来は公務員になりたいなんて希望や夢があるけれど、その夢をきっぱり諦め
受け様を手に入れるのだから、ナルシー自己中の精一杯の愛なのだろう事は解る。

そして、そんな攻め様の良いも悪いも10年来の付き合いで嫌と言う程解っているのに
そんな攻め様でも好きな受け様がそれを理解して幸せならOKなんだろうと思える話。
単なる個人的な好みの問題なのですが、攻めキャラが好きになれなかった作品。

2

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