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この短編集は神短編集です。
出版から5年も経っているので未読の方は少ないかと思いますが、もしいらっしゃったら絶対読むべきです。攻めの顔色を窺う受けにはうんざり、惚れた弱みに付け込むのは最低、友達同士でかきっこまでは100歩譲って分かってもキスする意味が分からないと思っている方には超絶おすすめです。
今までの溜まり溜まった鬱憤や疑問がすべてすっきりしました。
【今日も月が綺麗】神!!
これ!求めていたのはこういう攻めと受け!!痺れました。
付き合って6年、同棲1年目の高校の先輩後輩カップルの話です。
つい先ほど木下先生の「リアリストによるロマンティシズム」のレビューで「余裕の攻めを苦しめてやれる受けが見たいんだー!」と願望を垂れ流してきたところだったのでびっくりです。
自分から好きになって付き合った大好きな先輩。お互いが社会人になって、一緒に暮らすようになって、しあわせなことばかりじゃなくて不満も募ってくる。しなくていい衝突をしたり、言わなきゃいけないことを言わずに懐柔しようとしたり、ぎくしゃくごたごた。
この作品の何が良いかって、受けが攻めの懐柔を跳ねのけたり、捨て台詞を吐いたり、これ見よがしに家出できる子なのです。大体受けが攻めを好きで好きで、という場合、すぐ絆される。腹に溜め込みながらも抱きしめられたら簡単に許してしまう子多数ですよね。
優位に立って余裕ぶってる攻めを焦らせてくれる受けってほぼいない。「そこで許さないでー。調子にのるからー」と今まで何度紙に向かって叫んだことか。
だけど、この作品では受けがちゃんと怒る。許さない。そして攻めは深く反省するのです。受けもちゃんと自分に非があったことも気付ける。素晴らしいカップル。
大体6年も付き合って、惚れた方が負けなんてないんですよね。両方惚れてるんだから。
大学4年間なんて遊びたい盛りもお互いに捧げて、今は一緒に住んでいると言うのに「付き合ってもらっている」というレベルの話ではないのです。でも不安になる。だからもっとちゃんと伝えるよ、という流れ、最高でした。
終わりの方のモノローグはちょっと「え…、受けはまだ攻めを信じてないの?」と不安になる空気が少しあったのですが、ページをめくって安心しました。続きがありましたよ、とっておきの続きが。
台詞もモノローグも全部いちいち胸に響くので、是非読んでほしいです!
【明日も空は青い】神!!
こちらも最高でした。
どうしようもない女王様な先輩と何でも言うことを聞く下僕後輩。
寡黙で従順な下僕の下剋上ほど恐ろしいものはないですね。満足!
【瓢箪から駒が出る】神!!
友達同士でするのは自慰の延長とか入れてもオナ◯代わりやディ◯ド代わりというセフレ族に「一人でできる行為をただ2人でしてるだけで意味も感情もないって言うなら、どうして2人じゃないとできないキスまでするの!?」と苛立ちを覚えていた方に朗報です。
わたしたちの説(セフレと言ってもキスするからには気持ちがあるに違いない)を強力にサポートしてくれる作品はこちらです。
いろいろな作品は、数有れど。やっぱり、木下けい子先生のお話はいーなぁ~!
短編集ですが、短いながらどの作品を読んでも洒落ている。
私、にやつきながら読んじゃうタイプなんでスマホ外読みはマスク必須です。
こちらは、リーマンの恋が3CP❤️
どれも、リーマンが魅力的。
きっと気に入るCPがいるはずですよ!
【今日も月が綺麗】
先輩後輩の同棲CPです。
仁木先輩はひとつ年上で営業職リーマン。瑛太はデザイナーです。
瑛太の押しで付き合って、同棲してなんですが、好きなのは自分だけみたいになって日和がちな瑛太。だけど、ちゃんと2人に愛があるのを確認出来たので良かった!
仁木先輩がかなり、瑛太ラブだったのだな。
【明日も、空は青い】
こちらも先輩後輩。
いや~こちらの先輩、小山内はクズ。後輩の溝口が自分を好きと知りながらパシリにもセフレにも使っていました。
だけど、溝口の方が一枚上手。実は、調子に乗りがちな小山内の性格を把握して、お仕置きしてました。
ぐずぐずに甘やかされて、時にお仕置き。これは、小山内が溝口から離れられないなぁ…と感心しました❤️
【瓢箪から駒が出る】
同じヤリマンな彼女とそれぞれ付き合っていた広尾と神田。
何故か、別れた彼女繋がりで仲良くなっていく話。
お互いに居心地良くて、性的にもイけるぜ!みたいなノリで抜きっこしちゃう…
広尾は巨根らしいです!受け攻めは、とりあえず保留ですが、せっかく良いモノを持っている広尾が攻めでよろしいかと思います。
さっくり読めるけど、味がある。木下けい子先生はすごいなぁと再確認しました。
3作品収録の短編集、全部大好きでした!
表題作の二人が特に最高~。切ない恋を実らせた告白からの超現実的な同棲シーン。おならで始まる斬新さwあの素敵だった先輩がこんなことに…っ!って衝撃なんだけど、それがものすごくキュンと刺さる感じでした。恋の先にある二人のお話をじっくり見せてもらえる…ってときめくw
受けの皆川は正直ウジウジウザっ子タイプで本来なら苦手なんですが、真剣に怒ってるのにセリフがいちいち笑いを誘うから憎めないw(ち○こにはもう飽きたて!爆笑…w)それにとっても素直だし、すぐに反省できる良い大人w
攻めの先輩は、余裕っぽく見せてるけど結構単純で可愛いところもあって、キュンでした!ふらっと流されて浮気しそうなとこあるなーと思って見てたら、ちゃんと自分で自覚してたみたいで、ちゃんと言ってくれた二人のぶつかり合いシーンはすごく良かったです。
その後のえちシーンで先輩が落としてくれた爆弾も良かったw皆川愛されてるー!
冒頭告白シーンのカッコイイ先輩はどこにもいなくなっちゃったけど、より愛しい先輩が現実として隣に在る実感が伝わってきて、萌え泣きそうでしたw
2作目は後輩をいいように使ってた先輩が、とあることで後輩を怒らせ、見放されるお話。流れとしてはベタなんですが、この後輩君がわりとイイ性格してまして。ニヤって笑う表情の中に切なさもあったりして、とても良かったです。えちシーンのセリフで笑ったw
3作目は冷静に考えるとおかしくない?って会話が延々繰り広げられる、攻め×攻めバトル?広尾が謎の説得力を持つ話術で言いくるめていく過程が面白いですw二人とも女の趣味悪すぎだし、ズギュンとクルポイントも今のどこで!?ってなる感じだけど、妙~に上手くいきそうな気がしましたw
やっぱり木下先生の漫画は疲れた時の癒しにぴったりです!表題作は何度も読み返すと思います。
短編が3つ。
表題作は、高校時代からの付き合いの先輩後輩のカップル。
後輩のが社会人になったのを機会に同棲をしているカップルだが、
暮らし始めてみると、思っていたのとは違う現実の問題が出て来る……
倦怠期ってことなのかな?
お互い自分のがんばりしか見えなくなってしまって、些細なことにも腹が立って、
歯車が合わなくなる様子が上手く描かれている。
それを乗り越えて気持ちを確かめあっていく様は、ベタなんだけれどキュンとする。
すごくグッときたのは、同僚の女性の
「先輩っつたってね、アタシからみたら大学出たばかりのぺーぺーなの、
それも大企業の営業職だよ、ただの下僕だよ」というセリフ。
こういうちょっと情けない部分も含めたリアリティが、すごくいい。
そして「先輩のちんこにはもう飽きた!」問題も、またいい(笑)
2つ目も高校時代の先輩後輩の話『明日も空は青い』。
無表情に何でもいうことをきく後輩は、便利な下僕扱いだったが……
口絵はこの二人なのだが、パンツ干している図がいいな!
最後の短い話『瓢箪から駒が出る』。
同じ女に二股(実は六股だったらしいが!)かけられていた男二人、神田さんと広尾さん。
(名前がまたおかしいよ、残りの4人は四谷さんとか竹橋さんとかかしら?w)
雑誌の攻め×攻め特集に掲載された話とか。
男同士のアホくさくもおかしい見栄の張り合い、いやこの二人楽しいです♪
ファンタジックな表紙が、また素敵でした☆
ここ最近の木下さんの作品でいちばん好き!
短編でも詰め込み感も物足りなさもナシです。
おとぎ話みたいな表紙とタイトルを見て、明治時代に夏目漱石が英語の授業で「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね。」と訳したという話を思い出しました。
【今日も月が綺麗】
高校からの恋人である先輩と同棲を始めた瑛太。
表題作はロマンスの欠片もなく始まりました…ファンタジックな表紙はどこへ!?
リアルなデジャヴに苦笑い。
夫婦ってこんなことがよくあります…。
日常と共に掠れてくる特別性。
好きで一緒に居たくて住んだのに生活を始めると遠く感じてしまう。
どっちの方が疲れてる、頑張ってる、は比べられないんですよね、等価ではない。
近すぎるだけに、ほんのちょっとの言葉の足りなさから発生する『わかりあえない』がほどよく軽く、可愛いらしく描かれています。
でも一緒になって初めて気づくことから想いを深めていけることもある。
モノローグとともに抱き合うふたりからじんわり暖かさが伝わります。
大好きとありがとうは惜しまず伝えましょう←自省を含めて。
合コン鉢合わせ現場での黒いアイコンタクトに笑いました。
【明日も空は青い】
クズ系キター!
女を渡り歩き、都合の良い時だけ後輩の溝口を頼る小山内。
どこがいいの…何に惹かれたの…溝口!
人間性の綻びたような小山内が自分には溝口しかいない!と抱きつく殊勝な場面も数ページ後には『ヤラせてやってる』テイストに戻ってるし(笑)
無口で表情の薄い溝口がそれまでの従順ではないの台詞を吐く表情が良いです。
小山内のどんな部分に惹かれて…みたいな説明をすると面白味が薄れちゃうかもしれないから、最初から好きでした、な設定でいいのかな。
【瓢箪から駒が出る】
穴兄弟(下品でスミマセン…)として出逢った広尾と神田。
このふたり妙に気になるー!
キュンときてギュン!ってなるー!!
攻め×攻め特集で描かれたふたりはウェットな部分はなくシンプルで風通しがいいです。
てらいのない誘い方といい恋人という甘さは感じないのにムズムズしてにやけてしまう~。
掛け合いが会話が面白くて楽しい!
木下さん、短編もいいなぁ、もっと読みたいなぁ、と思いました。
>snowblackさま
こんにちは~、コメントありがとうございます(`∇´ゞ
夏目漱石に「月が…」、二葉亭四迷には「わたし、死んでもいいわ」と訳された「I love you」。
日本語って深い~、と思い知らされたのはバラエティ番組でした(笑)
それ以来、月を見ると粋な文豪たちを思い出すようになりまして。
ケンカしてても、おならプーでも、それでも今夜も「I love you」なふたり、良いですよね(*´艸`)
ところで、件のバラエティではスカパラの谷中敦さんが「I love you」を「もうあとに戻れないな」と訳されていて萌え死に寸前でしたw
クリボウ様、
いつもお世話になっております。
レビュー拝見して、あ!と声を上げて膝を打ってしまいました。
全然思いつかなかったんですが、漱石のエピソードからのタイトルだと考えるととても意味深いですね。
英語教師時代の漱石が、「I love you」を「我君ヲ愛ス」と訳した生徒に対して、
「月が綺麗ですね、とでも訳しておけ、日本人にはそれで伝わる」と言ったエピソード……
それが伝わらず齟齬を生じた二人が、その意味を二人で味わえるようになるまで。
そして、今日も二人はI love youという物語ですね!
ありがとうございました♪