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正直なところ、この『グリーン・レヴェリー』シリーズはあまり好みじゃないんです。
そのスピンオフということでたいして期待していなかったんですが、よかったですね。面白かった。
冒頭からいきなりHシーンなのはともかく、Hはするけど恋人同士というわけじゃない(まあセフレなんでしょうか)というのは個人的な好みとは違うんですが、キャラクターが魅力的だったので気にせずに入り込めました。
とにかく前作『爪先にあまく満ちている』は攻の寛がダメで、いっそ脇の健児(今作の攻)の方がいいんじゃないのかというくらいだったので。
健児は(こちらでは特に)ホントいい男だった。俺様に見えて世話焼き体質ってこういう攻キャラクター好きだなあ。
和以(受)も最初のイメージからどんどん可愛くなって行くんですよね。このシリーズ恒例の『トラウマ持ち受』ではあるんですが、今までほど行き過ぎてなくて私はそこがいいと思ったんです。
そしてラストのSSが好きだな。コミカルで面白くて、ほのぼので切なさも含んでて。すごく短いんですけどね。
イヤもうキャラクターがよかったんです。メインはもちろん脇キャラクターもなかなか味があって面白かった。まあ、またこの中からスピンオフ行くのか~と思うとちょっと微妙ではあるんですけどね。
ストーリー展開は相変わらずちょっとくどい部分はあるんですが、そう言えば珍しく『壊れた』敵方キャラクターが男だった!うわ新鮮だ。
これ、あとがきで言われていた最初の構想通り『オラオラ×ビッチ』だったら、私はたぶん1回さら~っと読んでそれっきりだったかもしれませんね。あまり好みじゃないので。
トータルではかなり楽しめました。シリーズでは別格というくらい好きですね。
あとがきで言われていたのでは、どうやらこのスピンオフをベースに(本来の『グリーン・レヴェリー』ではなくこちらのなんでも屋『アノニム』を舞台に)さらにシリーズ展開して行くのかな?
↑でも書いたように特にスピンオフは求めてないんですが、続けるという前提なら個人的にはまだそのほうが嬉しいです。
アノニムに勤める社員:笹塚健児×元モデル、現カフェの店長:芳野和以です。
順番的に「心臓がふかく爆ぜている」→「静かにことばは揺れている」→「爪先にあまく満ちている」の順番で今回は4作品目ですが、前作を読んでいなくても普通に読めます。
前作のキャラが申し訳程度に出てくるので、読んでたほうがより面白いとは思いますが・・・
ていうか、まず健児が前作で出てきてるんですが、あんまり記憶に残るような
キャラではなかったので、びっくりしましたww
でも今回はシリーズの中で一番読みやすい話でした。
3作品全部、性悪女子のせいで話がややこしくなっていてイライラしながら
読んでいたのですが、今回は性悪女子は出てこず、たちの悪いストーカーの
せいで、なんやかんや事件が起きます。
しかし、BLの作品を通じてストーカーの最新情報を知るとは思いませんでしたね。
ホント酷いわって思いました。
正直、和以は淫乱受けなのかなぁ~と思っていたのですが、実はそうじゃなかった
っていうのがよかったですね!
あと、次回も続編が出そうな感じなので、非常に楽しみですね。
どうやら、前作までは「グリーン・レヴェリー」(会社)の話でしたが、今作から「アノニム」に移行するみたいなので次は仁千佳(和以の甥)の話を希望ですね。
スピンオフだそうですが、私は前作は読んでないです。
それでも問題なく読めました。
最初からエッチシーンだったのにちょっとびっくりしました(笑)
しかも結構濃厚。
最初がそれだったので、どんなイロものカップルなんだ!?と思いながら読み始めたのですが、内容はそんなにエロエロではなかったです。
攻め様は、何でも屋の社員、健児。ワイルド系のイケメン。強面で、俺様系かと思いきや、面倒見がよくて正義感も強い。
4つ年下の年下攻めですが、健児はなんでもそつなくこなすしっかり者のイメージなので、あんまり年下攻めっぽくないです。
受け様は、カフェの雇われ店長、和以。元モデル。派手な美形で、ちょっと捕らえづらい人とズレた感じの性格だと思います。
冒頭のHシーンの印象だとものすごいビッチみたいなのですが、和以はある意味すごくピュアというか、繊細というか…。守ってあげたくなるタイプ。
お互いの連絡先も知らない冷めたセフレ関係だった二人が、仕事で健児が和以を護衛することで内面に触れて、心も繋がります。
最後のページに、和以が本当に健児のことが好きなんだなって描写があって、きゅんっとして泣きそうになりました。
1ページ目からHしてる二人ですが、ちゃんとおつきあいすることになったのはかなり後半。
後日の短編がちょっとだけ同時収録されてますが、ラブラブになった後のふたりのお話がもっと読みたいな〜と思いました。
ちなみに、ページ数に対してそんなにHシーン多くないですけど、内容はものすごく濃厚で、今までの崎谷先生の作品の中でも一番かも?ってくらいでした。
いきなりエチシーンって、私も一瞬別の作家さんが脳裏に浮かんだわ。
さて、この作品、一応シリーズの続き物って言うか、スピンアウト物ですが、シリーズ未読だったら、わざわざ1作目から読まなくても大丈夫。
って言うか、崎谷先生追っかけファンじゃない崎谷初心者さんなら、寧ろシリーズ1,2作目は読む必要ない。
どうしても健児の義弟が気になるのなら、「爪先に~」位は読んでみても悪くはないけど、崎谷初心者さんは無理して読まなくてもいいと思う。
この作品、珍しく受けがポジティブ。
っていうか、ポジティブとは、またちょっと違うけど、過去に色々あっても、それをトラウマにしてグズグズ引きずっていたりしない。
攻めの子が、普通で、真っ当で、揺るぎないところもいい。
せっかく甘い感じで結末がついたんだから、もう、これで終わって、これ以上のスピンアウトとかしなくてもいいと思うなぁ。
前作で魅力を光らせていたイイ男健児くんのお話です。
探偵業のような仕事から雑用係まで、いろんな仕事を請け負うなんでも屋「アノニム」で働く健児くん。
そこに、セフレとして付き合いのあるアノニム所長の義弟である和以からストーカー被害の相談がメールで届きます。
それまで、和以とは基本的に身体の関係だけでお互いの過去にはそんなに触れてこなかった健児ですが、ストーカー対策として24時間体制で警護するうちに和以のこれまでの環境や生い立ちなどを知ることになります。
ふだんは人を食ったような笑顔とふわふわした態度でその本心を素直に見せることのない和以でしたが、たまに感情をにじませて悲しい表情や諦観したような表情を見せることがあり、世話焼き体質の健児はそんな和以がどんどんほっとけなくなっていきます。
和以の過去は、普通と真逆の日々でした。たくさんの人を魅了して、たくさんの人の期待に応えて、和以を特別視する人だらけの中で過ごす日々。
そんな中で和以が求めたのは、変わらずある場所や普通の日常でした。
物語の中での和以は、健児に誘いをかけたりいろんな顔を見せてくれますがそんな健児の前で見せる表情と、これまで和以に誘いをかけてきた人たちに見せてきた表情は違うものなのかなと思いました。健児の気を引こうと色々している和以は艶っぽかったり、綺麗だったり、可愛かったりして愛おしいのですがそんな和以の無邪気だったりいろんな顔を見て、和以を好きになったひとはこれまでいなかったのかな?と。
それだけ、和以にとって健児は特別な存在だったというところに切なさといとおしさが生まれてきます。
健児は、來可とのことが胸の中にしこりのように残っていて和以とのことも素直に考えることが出来なかったり。目をそらそうとしているところに和以を大切に思う所長の創十郎やその息子の仁千佳から葉っぱをかけられ、苛立ったり。
そんな時に、來可が健児を訪ねてきて二人は再会します。來可と離れて約1年半の時間が経つ中であのころとは違った顔を見せる來可に健児のなかでのわだかまりも自然と溶けていきます。前作の終わりではまだちょっと不安定さの残る來可だったのでここで寛と過ごす中で、來可らしさや自分への自信みたいなものを取り戻している姿が見れてほんとうに良かったです。
面倒見が良くて、過保護、自分の内側に入れた人間には甘い健児は和以を甘やかしすぎないようにと自分の気持ちを抑えながらも、和以への愛情を膨らませていく姿が微笑ましかったです。
素直に好きだとは告げないけれど、ちゃんと大切にしているところはやっぱりカッコ良い、いい男でした!
後書きで、今後はアノニムを舞台に続編が続くかも、とあったので今後も健児や和以のラブラブが見れることを楽しみにしていようと思います。