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本当の恋人に、なれますか?――
作品情報などあまり調べずに購入。英田サキさんだし面白いに決まってる!しかも奈良千春さんとのタッグのシリーズ。しかし今回は同レーベルの他作品と違い、警察・ヤクザ・麻薬など出てきません。ハードボイルド要素無し。ホラー・ミステリーというかファンタジー。表紙も全巻絵本みたいな雰囲気で素敵。
今作はシリーズ3作目。毎回ストーリーに関する幽霊が一回は出てくるのでホラー好きには嬉しい。ラブの面ではテンポが遅く今作でやっと主役カップルが結ばれます。あかずの間の伏線も回収。次作の最終巻ではいよいよ母親の事件の犯人とミツルの父親がわかるのかも。来週届くので楽しみです。
受けの旭は苦労人だけど意地っ張りで攻めの澁澤先生にそんな事言っちゃダメ!とハラハラしましたが、34歳×21歳のカップルなのでてんでお子様で何でも攻めにはお見通しだったみたいです。強情な所は毛を逆立てた猫みたいに可愛いと思われてたのかも。
しかし先生も難攻不落の攻めだったので気持ちが通じ合うまでに旭もずいぶん可哀想な思いをしました。素敵なお屋敷に執事までいるってBLドリームというかちょっとお伽話みたいな所も楽しめます。
シリーズ三冊目。旭の刺々しさが増し、非常に読み辛かった。
荻野が旭のイラストサイトについて不穏な空気を匂わせており、これが伏線になっているかと思いきや関係なかったらしく、渋澤の過去と向き合うストーリーだった。
謎に迫りたいがゆえに執事に詰め寄る旭に嫌な予感を覚えていたら、その後もいろんなところで引っ掛かり続けてしまった。振った薫の部屋に居候するとか、他人に怪我をさせて一番に出てくるのが渋澤への言い訳の言葉だとか(いくら相手が酷いとはいえ)、ミツルが渋澤との約束を破ったことをあっさり渋澤に言ってしまうとことか。
旭は渋澤の義弟の執着愛に嫌悪を示していたが、私には速水から寝取ろうと渋澤に迫った旭も大差はないように思えた。
渋澤の過去との対峙は、シーンとしては盛り上がりまくっていたのにノりきれなかった。旭が渋澤を説得するセリフは筋が通っていないし、霊を説得するセリフは純粋な善意からに聞こえない。渋澤に気持ちを残したあの状況で言われても、旭と渋澤の間にある障害(弟の幽霊)を排除したい気持ちが一切ないとは思えない。
解決後にめでたく告白されたら、今まで辛かったからと自己中心的な考えで上から目線になって怖かった。今現在収入もなく居候させてもらっている身で、出て行かないなんてまだ言ってあげない、って……ドン引き。
正直な感想は困ったなーという感じ。読めば読むほど旭を受け入れられなくなっていく。
設定としてこういう性格なら問題ないが、薫や渋澤の反応を見るに違うっぽい。陰謀論にでもハマりそうな妄想を繰り広げる様子を心配性だと甘やかしたり(薫)、何でも言っちゃってるのに内に溜め込むタイプだと健気扱いしたり(渋澤)、いちいちどこが!?とツッコミたくなってしまう。そうでもない受けを作中キャラが聖人君子かのように持ち上げるのは苦手。
また前作でも思ったが、旭は相手の逃げ場を失くす言い回しで追い詰めるセリフが何度もあってしんどい。険のある言葉を矢継ぎ早に放っていて、聞くに堪えなかった。
ずっと謎だった過去が明かされた渋澤よりも、私の中では薫の好感度が上がった。
メインカプを応援したい気持ちが微塵も湧いてこなくて、残り一冊をどうしようと困っている。
表紙は素晴らしかった。じっくり見たくなる細かな描き込みがとても好き。本文だけなら中立に近い。
2013年刊。
ヘブンノウズ3巻目は、物語の後半に入って一気に動きが出たかのような展開だ。
今回は『恋人は作らない主義』を主張する渋澤の過去がクローズアップされている。
渋澤は周囲の友人知人とは上手く交流も深めているのに、何故だか義弟・広也との接し方だけは、生前も死後もことごこく失敗しているようだ。
渋澤の両親に関しての回想を通して、彼自身が接し方を誤った原因を淡々と語っている。
執事の宇喜田や薫が言葉僅かながらに語る部分からも、広也はかなり難しい子だったのが伺える。
しかし相当執着心が強そうで誰の説得にも耳を貸そうとしなさそうだった割りには、あっさりとこの世を去っていったな…
渋澤はガツンとやられたけれどさ。
広也の無念をどう昇華するかってよりも、渋澤が引きずっている過去をどうやって振り切るかってのに注目がいくような流れだった。
その点については、旭が渋澤に"彼の為にいつまでもここに縛ってはいけない"というふうにはっきりと言い切れたのが良かった。
そんなゴタゴタを通して渋澤自身が大変だったのは読んでの通りなのだが、彼自身の我が強いせいか"らしくない状態"であっても独特さってのを見せつけられた感はある。
ペンギンのドキュメントを観ながらぼんやりとピーナッツを数えていたりとか、セフレだった速水と呆気なく別れた執着の無さとか、旭が薫に靡いていっているのを黙認しながらもしっかりと気にしている様子とかさ…
そして吹っ切れた渋澤はこんなにも変わるものかといった旭へのアプローチ、やっとこさ年上溺愛攻めの本領発揮かい!!といった終盤にはニヤケまくった(笑)
恐らく次巻は旭・ミツル兄弟の母親が亡くなった事件の真相が明らかになっていくのだろうね。
この長編を読んでいって一番気になる部分とはいえ、せっかく旭もミツルも同居人達に打ち解けて以前の明るさを取り戻しつつあるというのに、まだ大きな試練があるのか…
いけ好かない野郎だと思っていた速水やっぱりやなやつでした。
兄弟して澁澤を騙して財産目当てだとか薫にまで手を出しているとこき下ろすのですから。
ミツルを侮辱され、かっとした旭が平手打ちしたはずみで転倒して怪我をしたのも計算のうちだと思うとますます憎たらしくなる。
まっすぐな旭には思いもよらない人の悪意です。
霊となっても執着する人と速水が二人の邪魔をするせいで、
一進一退どころか後退してるとも思われる澁澤×旭です。
一向に進展しない関係に焦れる旭の思い切った行動に拍手です。
霊との対決シーンでは、何かと後ろ向きだったり自罰的な旭が澁澤のために立ち上がり、鉄拳を奮ったという感じが伝わってきて手に汗握りました。
ちっとホラーファンタジーじみたところのある巻でしたが、これによって二人の思いが通じて停滞していた関係がやっと動き出せました。
薫は最後までいい人だけで終わってしまったのは残念。
薫も安らぎと幸せが訪れますようにと祈りたくなりました。
ミツルが旭に言った言葉に泣けました。
「ほかの人も大好きだし別れるのは辛いけれど、あっちゃんが一番好き。あっちゃんがいてくれたら平気」
そして、「もっと頑張る」という旭に対して「頑張らなくてもいい。今のあっちゃんが大好きだから」
見返りも取引もないそのままの旭を受け入れ好きだと言ってくれるミツルがいてくれて本当によかったと思いました。
そして3巻目にしてそれもあと残り10ページあるかないかというところになってようやく身も心もきっちり結ばれました。
あー長かったです。
英田作品は全て読ませて頂いており、どれもこれもどのキャラくんたちも大好きなんですが、薫ちゃんはぶっちぎりで大好きです。
恋焦がれる相手はどんなに想っても脈なし、せめてカラダだけでも繋げたいと縋った結果、セフレすらも解消されドン底に突き落とされる旭...それでも好きで好きで...苦しくて苦しくて...
そんなときに薫ちゃんみたいな人に、あんな風に心の隙間にするーーーーっと入ってこられたら常人はひとたまりもありません。。。。
旭みたいな立場の人が100人いたら、99.9人は絶対薫ちゃんになびいてるよ!!!渋澤先生のことを想いながら薫さんに抱かれるなんてできない、わかる、わかるよ、でも大丈夫だよ、誰も旭を責めないよ!!楽になっちゃいなよ!!!ってかあたしゃ薫ちゃんがどんな風に愛する人を抱くのかを知りたいんだ!!旭!!もう一息!!という訳のわからない脳内エールを送りましたが残念ながら届かずwww
渋澤先生への不毛な愛を貫いた旭よ...お前は本当にスゴいぞ。。。。。