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表題作フェアビアンカ

学生写真家で3度留年の4回生 阿久津類
大学写真部員の後輩 矢野

その他の収録作品

  • 続話(描き下ろし)

あらすじ

大学の写真部員である矢野は、天然だけど格好良くて誰からも好かれる先輩の阿久津から突然告白される。
しかし「伝えるだけでよかった」なんて、以降何事もなかったかのように振舞われることに矢野は戸惑いを隠せない。
応えも何も求めてこない阿久津に自分ばかりが意識しているとイライラが募り―…。

作品情報

作品名
フェアビアンカ
著者
嶋二 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784864420952
3.3

(44)

(6)

萌々

(13)

(19)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
15
得点
142
評価数
44
平均
3.3 / 5
神率
13.6%

レビュー投稿数15

張り合ってもいいじゃない、男の子だもの

大学の写真サークルに所属する矢野の話です。

当時新入生だった矢野がサークルに入るきっかけになった一輪の花の写真。
それを撮ったのは、現在3度目の4回生をやっている阿久津。
才能ゆえに授業に出る暇もなくカメラマンとして国内外を飛び回る彼に「好きだ」と言われた矢野は…。

という始まりで、「好き」と言われて意識する。
意識してみたところで、理由が分からないから戸惑うばかりです。
これ、少女漫画だったらあっさりCP成立ですよね。
在学中から業界でひっぱりだこの天才カメラマン、しかもあらゆるサークルが人寄せパンダとして欲しがるほどのイケメン。
そんなひとから告白されたら、それはもうシンデレラストーリーですよ。
「地味でモテないわたしが…!?」と言いつつも、「実は私も好きだったの…。阿久津先輩は雲の上の人だから叶わないと思ってた…」と俯きがちに返事して、抱擁からのアゴクイ、そしてキスする2人の足元には「the end」の文字が。

そう簡単に終わらないのがBLでございます。
男同士という問題がまずありますね。
さらに男性というのは本能的に競い合ってしまう生き物なんだそうです。
昔読んだ、男性脳と女性脳の会話の違いを心理学的に解説した記事を思い出しました。
「いい店を見つけた」というトピックの場合、女性は「今度連れて行って!」となる共感脳だけど、男性は「俺もこの前すごい店行ってさー」と張り合う競争脳。
SNSの発達のせいか、最近は女性でも「わたしだって!」という方が多いように思うけれど、男性の場合は自己顕示欲による後付けではなくて本能だそうで。

そんなことを踏まえてこの作品を読むと、それはもうきついだろうなあと思うわけです。
同じ分野を志しつつも、かたや天才、自分は凡才。
男性としても、かたやモテモテのイケメン、自分はふつう。
劣等感しかない。
「あのひとは別人種」と線を引いて、自分を慰めるしかない。
そんなひとに「好きだ」と言われたら、どういう反応を起こすかという部分がかなりしっかりと描かれていました。
「モテないけど!写真もパッとしないけど!おれ、あの人に告られた!」という優越感と同時に「もしかしてバカにされてる?」という猜疑心や自虐も感じる。
その折り合いをうまくつけられるようになるには、相手のフォローがあってこそなんだけど、この阿久津という子、からきしだめであります。
天才でイケメンだけど不器用 vs 平凡だけどプライドはあります系の、素直になれないもだもだと、うまく立ち回れないわたわたでした。

女子の先輩の立ち位置が微妙だけど、読み応えはありました。

タイトルが回収されたか分からなくて、どういう意味だろうと思って調べてみたら、白バラのことなんですね。
阿久津が撮った写真の被写体だったのかな?
しっくり来なくて花言葉を調べてみたら、「尊敬」「わたしはあなたにふさわしい」とフラワーエデュケーションジャパンさんのHPに載っていました。
尊敬しているけれど釣り合わない、という気持ちから、ふさわしいと思えるようになるまでの矢野の気持ち!?と気付いて、しみじみ作家さんはこういう知識をどこから拾ってくるんだろうと感服しました。

1

阿久津先輩かわいい

先生の作品にしては珍しいテイスト?全部読んでいるわけじゃないけど。天然イケメン攻め。私は好きなキャラだ。

0

等身大の女々しさ

『フェアブランカ』は、イングリッシュローズのこと。
花言葉は、〝尊敬〟〝私はあなたにふさわしい〟です。
矢野と阿久津、どちらにも当てはまる言葉だと思います。

格好良くて写真の才能もある阿久津に告白された矢野は、
戸惑いながらも阿久津のことが気になってしまい……
というお話です。

矢野がけっこう卑屈で見ていてイライラするのですが、
とても等身大だと思います。
みんなの憧れの人に告白されて感じる優越感だったり、
独占欲だったり……とてもリアルに感じました。
だからこそ、女々しい矢野にイラつくんだと思います^^;

そして、阿久津はなぜ矢野だったのか……?
そこがハッキリしなかったのが残念でした。

ただ、2人でいる時の不思議な雰囲気が好きでした。
結局、矢野が絆されちゃうわけですが、
ただの独占欲じゃないよね……?と少し心配になりました。

0

早くくっついて〜〜

一話目の最初で告白という、ちょっと変わった作品!
でも、その後が..早くくっつけといいたくなるほどのスローな展開!

もどかしい、じれったい!!そんな気持ちを久々に感じました。

攻めの阿久津先輩は矢野に告白したはいいが、特になにもしようとしないんですよ!
いや、好きならなんかしろよ!と突っ込みたくなっちゃいます。
阿久津先輩、イケメンでカメラの才能もあり、完璧に近いんですけどなんていうんでしょう、、恋愛偏差値ひっくいんですよ!
ちょっとのことで照れたりしちゃって、、、かわいいです。

完璧、美形、ぐいぐいやりたい放題の攻め様を最近まで好んで見てきたので、新鮮で面白かったです。

実は最初読んだときはそこまで面白いとは思いませんでした笑
でも、何度も読み直すうちにじわじわと好きになっていった作品でした。

1

ちっちゃい会話

吹き出しの中じゃなくて、吹き出しの外のちっちゃい会話が面白い。阿久津先輩への矢野のツッコミ。
10円が落ちた先の矢印付きのミゾという案内とか。

落ちた10円で、矢野が体で払ってって冗談で言ったはずなのに、阿久津先輩が本気で照れてるのは可愛かった。
矢野の肩からずり落ちるリュックのヒモと、矢野の心の叫び。
なんか、このシーンが一番好きかも。

カバー裏の事後の二人のイラスト。ちょっと、照れてる阿久津先輩とおパンツをはいてる矢野が可愛い。

1

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