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運命に翻弄されるドラマティックラブ!!
シリーズと言っても差し支えが内容に感じる闘牛を舞台にした3作目、
今までの2作と今回も単独で読んでも面白いのですが、3冊合わせて読むと更に
面白さが限りなく膨らみ壮大なイメージになります。
生と死、光と影、苛烈すぎる愛の深さを感じさせるのがこの作品を含めた3作品。
今回の作品では前作2作のキャラも出ていて、スピンオフな感じもありとても面白い。
普通のラブものとは一線を画しているけれど、闘牛の世界、戦う男の生き様や
愛の示し方に圧倒される感じで、読んでいるとギラギラした熱を感じさせる地を
イメージしながら、いつの間にか闘牛の世界感へトリップするような気がするのです。
三者三様のストーリーで、今回の作品が個人的に1番切なさといじらしさが感じられて
好きでしたね、たった一人にだけビッチで、それも周りにはどれだけ遊んでいるとか
男を咥えこんでいるなんて噂されようとも、繊細な心をすっぽり隠し蓮っ葉な態度で
愛する者の為に闘牛をしている。
内容的には受けになる理央の片思い的な感じに思えるところから始まる。
理央視点で描かれているので、記憶を失くす前のレジェスとの関係は誤解と擦れ違いと
言ってもいいような流れではありますが、その誤解もすれ違いも理央を深く愛する故に
結果的にはレジェスがそんな風に仕向けているように感じられます。
命をかけた情熱と深い愛情、見え隠れする生と死、華藤さんの作品で闘牛に興味が出ました。
闘牛の熱い魂が作品から溢れ出ているようで、とても惹きこまれます。
また、この世界感を是非味わいたいと思わせる作品で素晴らしいストーリーでした。
スペインの闘牛を舞台にした、愛と魂の継承の物語。
闘牛と闘牛士への熱い愛と敬意に満ちた物語世界は、乾いたヒマワリと蒼穹と、血の臭いと濃厚なセックスの臭い。
あぁ、やっぱり好きだわ、、、華藤えれな。
華藤さんが描く闘牛の世界は本当に特別で格別な陶酔感。
これはやっぱり、作者様の愛の熱さ深さなのかしら。
闘牛の魅力を伝導しつつ、しっかり成長物語とラブロマンスもエロも取り込んで、涙腺のお掃除もバッチリ。
登場するスペインの、街も荒野も闘牛場も、自分では見たことのない景色のはずなのに、本当にその光景が目の前に広がるよう。
こんなに物語り世界に入る込めるのって、もちろんそれは、作者様の情熱あってこそなのだろうけど、それ以上に、私としては華藤さんの文体がとっても私自身のリズムに合っていて、読んでいて本当に気持ちいい。
他のマタドールの本も発掘して読み直したくなった。
世間から男娼あがりの性悪ビッチと呼ばれる美貌の闘牛士理央とかつて理央を弄んで捨てた男レジェスの物語。
スペインには行ったことがないのですが、読み始めからあちらの国の乾いた熱を感じさせるような出だしでした。
難聴で記憶喪失が付き人で思い人という始まりでそれだけでワクワクものでした。
やがて理央が引かれるレジェスという男がどういう人物であるかわかっていくのですが、決して理央に優しくするわけでもなく聖人君子でもありません。
はっきりいって悪くて黒い男。
でも闘牛に関する腕も哲学的な考えも一級で、理央が惹かれていくのも頷けます。
また理央の性悪ビッチを周りから言われているのに実はレジェスに一途で、レジェスが記憶喪失になっていらいずっと禁欲生活をしているという下りは本当に萌えツボでした。
また、悪夢にうなされてしまう理央に難聴であっても寝室にやってくるレジェスのシーンではこの二人は本当に深いところで繋がれりあっているんだなと感じました。
理央を守るために勇士を見せるラストシーンのレジェスの姿は圧巻です。
闘牛の熱狂!緊迫感!!
健気で苦しい恋路、闘牛士の誇りと師弟愛に高まる震える~
シリーズ3作品め、と知らずにこちらから読んでしまったけど問題なく世界に入り込め刹那的情緒的すさまじい熱量に打ちのめされました!
英雄レジェスの傲慢さに翻弄されていたのに、
記憶をなくし、真摯に付き従う優しさに苦しむ…
記憶喪失ものの葛藤と闘牛スタイルの葛藤が相乗効果で胸にくる!!
レジェスを再び失いたくない守りたい一心で
はすっぱな振りをする理央が健気で健気で…
どんなことしてもレジェスが愛した闘牛の世界に居続けるって!!
でも肝心なことは言えない立ち向かえない…ぎゅっとなります。
哲学的に闘牛を愛し、生と死と愛の狭間で生きてるレジェスには理央が必要だったんだなと分かるまでが切ない切ない
熱をぶつけるのは傲慢も傲慢だけど、同じ高みにいられる理央への愛だろうけど不器用すぎる!!
記憶なくして無骨に守る姿も聴覚ないのにいろいろ察するのは愛を感じるけど、武骨すぎて~本当に酷い男よ…
なんといっても闘牛前に体の全てを晒して、
戦うための衣装を一つ一つレジェスに身につけさせてもらう行為が
なんとも静粛荘厳で官能的でした。
"素肌と命を預けるのは俺だけにしろ" ってとこまで来たのが胸にきました!
華藤さんのマタドールシリーズ。
生と死に立ち向かう闘牛という世界に身を置く男たちの抱える愛の形とその世界。
また今回も、その世界にどっぷりとつかりました。
時間軸が同じなので『神に弄ばれた恋』『愛のマタドール』の主人公達や登場人物がリンクしますが、まったく単発でもOKになっています。
この本には作者さんの好きと萌えが詰まっていて、大げさな表現かもしれないのですが自分がその世界にいるような作品との一体感をもたらしてくれるのです。
そして、彼等の関係と心が心を掴んではなさない。
男娼上がりのビッチと言われながらも実は過去愛した人だけを思い、5年間誰とも関係を持っていない日系アルゼンチン人のマタドール理央(ロサリオ)
彼の付き人は、5年前の闘牛中の事故で記憶と聴覚と何もかも失くした英雄と言われた元マタドール・レジェス。
闘牛の時の哲学的で牛と真っ向から対峙する冷静そうなその姿とは正反対のように、闘牛後に熱を発散するように傲慢に激しく理央を求める関係だった二人。
理央はまだレジェスを愛しているのだが、実は彼は愛する人をそばに置きながら葛藤しているのです。
マタドールだった時の昔の自分には傲慢だったレジェスと、現在の優しくおだやかなレジェと、どちらも同じレジェスなのに現在のレジェスに愛を告白してしまうと昔の彼を否定してしまうことになる。
レジェスが記憶を失なっているだけに、現実を知ったら自分から離れてしまうのではないかという不安があり、それにこだわり続けている理央。
作中牧場主のアベル(神に弄ばれ~の主人公)が確信をついた鋭い観察を理央に述べている。
記憶は失っても本質は変わっていない。
二人だけの時の昔の傲慢なレジェスをアベルは知らないが、闘牛を通して見ているその本質が本当の姿だよと暗にしめしているようなのです。
それは後に全てが解るレジェスの抱えていたもの、どうして彼が理央に惹かれて行ったのか激しく彼を求めたのか、その理由を知るにつけ、そして物語の中で回想される過去の物語をはじめ、そんな色々を見て行くと裏付けられていることがわかります。
理央の生い立ちや、レジェスのマタドールとしての姿。
現在のビッチを振舞い、イロモノ的な闘牛をする理央の姿。
どれもこれもが、闘牛士という存在前提があってこその悲哀と苦しみを伴っておりそれが胸に響くのです。
確かに本の帯にある「命がけのエクスタシー」は間違いありません。
今回は生きていることを実感するための交わりでもあるのかもしれませんが、自分を刻みつけるための命を与える為の交わりでもあったと思うからです。
ラストクライマックス展開、怪我をした傷口が開いて危機一髪になった理央を助けに入るレジェスのシーンが、イラストともども一番の盛り上がりでした。
レジェスの記憶についてがちょっとひっかからなくも~ですが、全体の雰囲気に呑まれてしまっておりそのつっかかりは些細なことでしょうか。
初めて知ったのは、闘牛士の衣装の付け方と順番です。
全裸でストッキングから全て付き人が身につけさせる。
その描写はほんの少しではあったのですが、そこに何か感情があった時は実にエロティックな行為に映るのですね。新しい発見でした♪
華藤さん流のドラマティックはどうしてこんなに魅了するのでしょうか。
いっぱい伝えたいことがあるのに伝えられないもどかしさ、そのくらい素敵でした。
そして今回の葛西リカコさんのこのカバーイラストもとても素敵で・・・