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幼い頃に神隠しに遭い、異界を長く経験した人間は、もとの世界に戻っても違和感と疎外感を抱き続けるらしい。依冶のベースにあるのは、ここは本当の自分の居場所ではない、という感覚。
そこへ昔、自分を連れ去った山の神、藍染が現れたために、依冶は二度と失いたくないという一心で、身も心も全て捧げてしまうような状態に。
藍染も神様というわりに決して万能ではなく、人々の生活が豊かになった代わりに、信仰心も失われてしまい、現代では忘れ去られようとしている存在で。そのため、異界と現実との道が閉ざされてしまいそうになっており、もう二度と依冶に会えなくなると思った藍染は、猫の姿になって人間界に降りてきたという。
中盤くらいまでは、離ればなれになっていた寂しさを埋めるように、求めあう二人がとても甘いのだが、後半からちょっと毛色が変わっていってしまう。
鴉の姿の神様と、その依り代である寧近とのバトルが始まり、その辺りからどうも展開に乗りきれなくなってしまった。
藍染が戦いで傷つくのも、依冶が鴉に犯されるのも、読んでいてしんどい。藍染はどんどん追い詰められておかしくなるし、最後は性器までも獣化した状態でのエッチなのだが、無知な私は、えっ、猫のってそんなんなの?と目が点になってしまい…。
一応ハッピーエンドではあるものの、これからも戦いは続く、というようなところで終わっていること、藍染と契りを交わした依冶に、完全に「普通の人間らしさ」がなくなっているように見えることで、一抹の心配と寂しさのようなものが残る、なんとも言えない読後感。
続編で一応は元気な二人を見ることができるのだが、そちらを読んだ後もあまり感想は変わらず…。
もやもやしたまま本を閉じた後、とりあえず猫や鳥のtnkの形状をググりたくなった。
読み終えた感想として一番に感じるのは、なぜか漂うそこはかとない寂しさ。
愛に溢れているし、ハッピーエンドでもあるのにどうしてかなと考えると、
この物語全体が依治と藍染だけの世界に偏っているから。
この二人の他に、いわゆる普通の人間は戸ヶ里教授(とモブの学生)しか出てこなくて、
依治の現実世界との繋がりがほとんど感じらない。
依治は完全に藍染に依存していて、藍染もまた然り。
藍染にとって依治は依代なので、依存し、守るというのはわかるのですが、
依治の世界が閉ざされすぎている印象。
本当に藍染しか生き甲斐がなくて、それがなくなればなにもないという。
依治の世界には藍染しかないというところに、寂しさを感じる。
だから、ラブラブなハッピーエンドなのに、もやっと感が残る。
続編があるということで、人として強くなっている依治の成長に期待。
藍染は、今のまま、いつも依治を好き好きでいて欲しいv
そして、相変わらずザリザリしていて欲しいvvv
次に期待を込めつつ「萌×1」
電子書籍で読了。挿絵有り。
笠井画伯のイラストは電子でも美麗。でも絵を楽しむのなら紙の本の方が良いと思います。デジタルはやはり細い線とかが上手く出ていない様に思われます。
「何故だ、沙野先生なのに甘い」
「おかしい。いつもならこんなもんで済まないはずだ。次のページで急に突き放した様な文体に豹変して恐ろしいこと(エロ含む)が起きるのでは」
……などと、ずーっと思いつつ読み続けましたが、慈愛に包まれたまま終了。
あ、甘いといっても「沙野先生比」です。
(怜悧な文章を書かれる方なので「沙野さん」呼びができません)
流血及び痛いエロはありますので、バイオレンス耐性のない方は「甘い」なんて思わないでね。
でも、沙野先生好きの私としては「トムヤムクンを頼んだらココナッツアイスが出てきた感じ」がしました。美味しいんだけど、期待してたのとちがうなー、っていうか。
この後、私は連続して関連作品を読み、やはり沙野先生は沙野先生だ、と思い知らされることになります。
笠井先生挿絵目当てでget
お話自体は中立。
あとがきに笠井先生が1P描いてくださってます。
そこに描かれている ちび依冶に腰が砕けたので萌(笑)。
笠井先生のあとがきは 藍染に依冶が抱きついている構図。
そのちび依冶、すんごく可愛いの!!!!!!!!!!
吹き出しは「あいじょめ(ハート)」~
なぜかきちんと活字体なのがおしまれる・・・先生の手書きがよいよーん(TT)
(かたや藍染は 依冶をらぶらぶでじょりじょりなめてる構図なんだけどさ
でかい成獣verで ほぼピューマ・・・・ちと怖い)
お話の方が、どシリアスだったので、最後のこのページでめっちゃ癒されました・・・・
メインじゃないところで萌え萌えになって、すいません。
肝心のお話。
最後、救われた感で終われたのは良かったのですが
途中で退場されていった他の方々の無念を思うと、寂しい。
たたられるのは嫌だけど、やっぱり神っちゃ神なんで
週末に、近所の神社にちゃんとお参りしてこよう・・と思いました。
あんまり甘々、はぴはぴなお話しではないですし、
そんなにグロではないですが 流血シーン、獣姦ありますし
あんまり初心者むけじゃないかな と思います。
笠井先生の挿絵は絶好調なんですけどね。
子供のころに神隠しにあった依冶は人の住む世界より、異界での生活を求め人に打ち解けることが出来ず、ほかの人からは変わり者と言われては傷つくことを繰り返す日々。
そんなある日の帰り道、依冶は弱った黒猫を見つけて家に連れ帰ります。その黒猫は翌日には人間の姿になっていて、自分が昨日依冶が拾った猫だと告げます。
自分が依冶を神隠しにあわせ、異界で一緒に生活していたと言われますが依冶は異界での生活を覚えていないので最初は信じらません。それでも藍染と一緒にいるなかで異界にいたときのような懐かしさを感じ、おぼろげに異界での藍染との生活を思い出します。
藍染は、山の守り神でありながらパソコンを使いこなしたり、買い物を楽しんだりと人の生活に自然と溶け込んでいくところが面白かったです。
山の守り神である藍染は、人間の住む世界で人型を保ち続けるために霊力を補う依代の存在が必要でした。藍染は依代に選んだ依冶の素肌に触れることで霊力を補い、2人の関係はどんどん深いものに。
依冶は人間の世界より藍染たちのいる異界での生活に戻りたいと希望しますが、人間の依冶が異界に長い時間いるとその精神が壊れてしまうことから藍染はそれをこばみます。そして藍染も、自分が守ってきた山と人間の世界との境界が閉じてしまうと精神が壊れ消滅してしまう、または禍津日神となって人を憎み害をなす存在になってしまうかもしれない、もしそうなったときには依冶に自分を殺して欲しいと頼みます。
そんな中、人間の世界ではふかかいな事件が相次いでおこりその事件について藍染が調べていることに、依冶は気が付きます。
その事件は禍津日神となったものたちが起こしていて、依冶の住む世界を守りたいと思う藍染はたった1人で禍津日神との戦いを続け傷ついていきます。
藍染を守りたい依冶、依冶を守りたい藍染。2人の必死の想いがすれ違ったり、傷つけあったりしながらもお互いを求めることで乗り越えていきます。
藍染は、強気で俺様なところのある神様ですが依冶を真摯に愛し、自分が依冶を欲しいと思う感情以上に依冶が幸せであることを大切にしようとする思いの深さを持っています。
依冶も、自分にとっての何物にも代えられない唯一の存在として藍染を守ろうと身体をはるところが愛おしかったです。
これからも2人の戦いは続き、傷つくこともあるだろうけれど2人の愛と絆で幸せな日々を過ごすんだろうな~と思いました。
こんな風にお互いを深く愛し合う藍染と依冶の姿に、自分の気持ちも満たされるようでした。
そしてエロシーンも充実していて、藍染の舌のざらざら感やいやらしさ、藍染本来の獣姿でのセックスなどもありそちらも面白かったです