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あの名作『春恋』の待望の続刊!!
アキと美里が別離の道を選んでから5年後。
アキにとって美里は、美里にとってアキは自分の一部であり好きであることが消えることのない二人。
恋人という関係を通り越して運命で結ばれているようなアキと美里が羨ましかったです。
でもそんな思いを抱いたまま恋人シーナとの関係をはっきりさせない美里には少しイラッとしました。
はじめはシーナの性格が好きではなかったのですが、最後自分が悪者になり美里を送りだすシーナは可愛そうでした。
好きだけど報われない思いは、どんな人であれ痛いですね・・・
再会してもなかなかくっつかない二人にハラハラさせられましたが、後半はラブラブなのろけ生活をみせつけられた感じです(苦笑)
でも切なく優しい大好きな作品でした。
こちらは春恋の続編になるわけですが、私は春恋を読んだ後ずっと何故美里はあの時あんなに好きだったアキとの別れを受け入れたのか?別れてしまう必要があったのか?何故好きな相手と5年の間会おうとしなかったのか?と疑問に思っていました。
男同士とか親にバレたとかまだ高校生だったとか生徒と先生とか状況的に難しいのは良く理解していたけれど、美里の想いがすごく強かったし更にやっと両思いになったんだし近くに住んで居るんだから別れなくても内緒でつき合えるんじゃないの?って思ってたんですよね。アキの性格状難しいかもしれないけれど(笑)。
それが、アキの「美里が女なら良かったのに…」の言葉がその後の5年の原因になっていたとは…。やっと疑問が解消されました。
しかしながらその言葉に対するアキの説明は私には少し解り辛い様に感じました。言いたい事は何となく解るけれど文章にして伝えるのは難しいのでしょうか。そこだけがちょっと???て感じました。
それでもこの本で二人がやっと結ばれてあまあまなその後の生活まで読めるのはとても嬉しくて幸せな気分になれました。
うぅ!もどかしい!
相思相愛なのに、お互いの幸せの為に、こんなにも離れている2人。
再会もしているのに、それでも元には戻れない。
美里の彼シーナと、マリ子とマリ子ダンナの4人で、アキの絵画教室の展覧会に行く場面はハラハラしました。絶対何かが起きる!
あの時アキが、シーナの仕事に対する考え(飲み会について)に活を入れたのは、美里の彼だから。美里の為に。
あぁ、ホントに成長して、スパダリになったアキに悶えました!大人の男です。
美里が、執筆活動や自分と社会人との差に悩んだときに、助言したアキの言葉は、世の社会人に読んでもらいたい。美里のことを理解しているアキだから、言えることでもあるのですが。
何度も会ったり、偶然出会ったりするのに、ちゃんと2人の気持ちが重なるまで凄く時間がかかりました。男同士って、これくらいの覚悟がなければだめなのでしょうね。
でも、その時間の分、みんなが認めてくれた2人を見るのは幸せでした。
5年の歳月で、登場人物達の心の成長が見られるのも、この作品の良いところだと思います。
星5にしようか悩みましたが、星4ですね。
「春恋」を読んで期待していたんですが、ちょっとモヤモヤしちゃう場面があり星4にしました。
やっぱり二人が想い合っていて、復縁したのはいいんですけど、5年前に別れた時のアキの言葉が言葉足らずで、美里が誤解していた?みたいなのがよくわからなくて。そこを解き明かす時のアキも説明がましいというか、ちょっと不自然に感じました。そこだけ気になってしまい残念でした。
それでもやっぱり切なさの表現はすごいと思ったし、周りを巻き込んでしまってもやっぱりお互いの存在は絶対なんだなと思えて、読んでいて幸せな気持ちになりました。
『春恋』のラストで5年目の再会をしたアキと美里の二人。
その後の彼等がまとまるまでのこの本作は、コピーの文字「そしてアキの色に、染まるまで」たしかにそうかもしれない。
同性愛がマイノリティーであること、まだ学生という年齢であったこと、その他青年期のあれやこれやがテーマだった前作は非常に現実を帯びたものだったのに、
この作品では、主人公二人は「BL」の主人公となり、
彼等を取り巻く、マリ子ちゃん、彼女の夫、美里の恋人シーナ、周囲の人間が現実だった。
再会して、美里はアキの絵のモデルをしたりして恋人のシーナより頻繁に会っているようだ。
明らかに心はアキに向いている。
アキには色々な事で「ごめんね」と言いながら、シーナへの美里の態度は傲慢さを感じる。
シーナが年下であること。
小説を書いている美里と、就職して世間の現実の波にもまれているシーナと、価値観が違っているのが見える。
美里が怖いと拒むからまだ身体の関係はなくキスだけで我慢させている、それだけでも充分にシーナの存在は美里の都合でしかないと思われた。
またアキも早々に彼女と別れている。
二人、気持ちが互いに通じている事がわかっているのに、美里の親との約束があるからだろうか?(しかし美里は男と付き合っているぞ)
それを思いやりといってしまうには、あまりにも二人の世界に浸りすぎているように見えた。
すでに寄り添っているはずの二人が、まだ過去にこだわり、美里の恋人の存在もあり、再び一緒になってはいけないのだと思いながらも、どうしようもできないでいるのを、美里の恋人のシーナが美里の心が自分にないのをはっきりと認めて、潔く失恋しておぜん立てをしてあげたからこそ、二人はくっついた。
それを切なさあふれる展開でとつとつと見せて行った。
なのに、ラストに来て「子供が産めない」男同士の関係であるというマイノリティの方向へ触れさせて、二人の一緒に生きていく覚悟を見せている部分に、妙な違和感を覚えてしまったのでした。
そこに読者として入り込んだり、よかったね、と喜べたり、するよりもグダグダを感じてしまう方が大きかった。
いっそ前作の別れたままの、苦しい小説で終わってくれた方が自分に良い話しだったと、この次作を読んで思ってしまったのです。
冒頭に書いた「BL」な二人という部分、ハッピーエンドを迎える二人は確かに救われるのだが、今一つぬるま湯につかった感じがしてしまう。
むしろ、現実を背負う脇役の人々に共感を覚えてしまったのでした。
リアリストには向いてない話しなのかな?
【アキの日】では一緒に暮らし始めて三カ月目の蜜月の様子
【一年六ヶ月 秋、雨の夜】では1年六か月後、美里の両親と和解するエピソードとシーナとの再会の話し
【行色】仕事で北海道に来た美里、ほんとうはアキと来たかった。
短編はいずれも甘いもので、本編と切り離して読むことができる。