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美・MENSパーティ この美メン、取扱注意につき

bi mens party

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表題作美・MENSパーティ この美メン、取扱注意につき

深水然 有名ヘアサロンのトップスタイリスト
仲里趣利 大企業グループ御曹司で絵本作家(28)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

人気上昇中の絵本作家、趣利は大の人嫌い。
スポンサーとの面会を理由に、出版社に勤める従姉、鷹司から無理やりヘアサロンに行かされるはめに。
だが担当スタイリストの深水は予想外に気遣いの達人で、趣利は好印象を抱く。
それからまもなく、趣利は再び従姉の命令で渋々あるパーティに顔を出すことに。
実はそれ、売れっ子BL漫画家・正美の美不足を補うためのものなのだが、趣利はそこで深水と再会し…。

作品情報

作品名
美・MENSパーティ この美メン、取扱注意につき
著者
牧山とも 
イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
シリーズ
美・MENSパーティ
発売日
ISBN
9784781610955
3.4

(5)

(0)

萌々

(2)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
17
評価数
5
平均
3.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

早く枯れてしまいたい美形変人の画家の転機

牧山ともさん、初よみです。
せりふや造語が面白いですね。
クスッと笑ってしまう場面が多くて楽しめました。

生活能力のない受けと面倒見のいい攻めの組み合わせは好物です。
『きみがいなけりゃ〜』の東海林さんとかね

面倒見のいい穏やかなスタイリストとゲイでもない変人の画家が、どうまとまって行くのか見ものでした。
ちょっとずつ近づいて、野生の仔猫を餌付けしてインプリンティングしていくみたいでした。

仕事関係者で親戚でもある鷹司さんがずうずうしくうざいお嬢さんでした。

好きなシーン、面白かったところ
・人嫌いで淡白なあまり、「早く枯れたい」
・趣利の人に対する評価は嫌いかどうでもいい、それと家族枠。
・食べ物の好き嫌いも激しい趣利、一緒に食事をする然に確認させる …〉苦手食物混入有無判定人
・人に気を使うのが嫌、以前付き合いがありそれなりに親しかった相手は余計面倒。
・最後の方でやっと思いが通じての初エッチシーン、経験豊富な然に対し嫉妬混じりに趣利の言ったこと「昔の相手にした以上のことをしろ、お前の最後の伴侶になるつもりだから」
これってプロポーズですよね。

こんな美メンだけどとっつきにくくて感じ悪い変人によくぞ惚れてくれたもんです。
然によって少しは人並みに改造されることでしょう。

1

生きるのがしんどそうだわー

「美・MENSパーティ」シリーズの最新刊。
美・MENSパーティとは、BL漫画家である海老原正美(PN野々宮ユリカ)が萌えを補給するために開かれるパーティです。だからこのパーティに招待されるのはイケメンぞろいという、まさにBLのためにあるような舞台。
ちなみに一作目の「ヘタレ」は正美の兄が受け。
萌えのためには自分の兄ですらネタにしてしまう正美には脱帽です。

今回は、スタイリストの深水(攻)と絵本作家の趣利(受)のお話。

このシリーズ、必ずどちらかが変人なのですが、今回の変人枠は趣利のほうでした。
とにかく気難しい!
ここまで人間嫌いだと、生きるのがしんどいだろうなぁと思ってしまうくらい。
しかも容赦なく攻撃的なので、社会生活を円滑に進められないようで。
ちょっと大人になりなよーと思ってしまった。

対する深水は超できた人です。
これくらい穏やかな人でないと、趣利の相手はできないよな…と納得です。
ひと言で言い表すなら…人間嫌いで獰猛な猫を飼いならすオカンを見ている感じ。
洋服や髪をセットしてあげ、仕事に熱中して食事をしない趣利にご飯を作ってあげ、
趣利の機嫌に先回りして怒らせないような気づかいができるのです。

このお話、山場はほぼなかったですねー。
7~8割趣利視点なんですけど、正直なところ深水視点のほうが面白いと思う。
一作目の爆笑系からは遠ざかっていっているので、そういうのを求めていると肩透かしをくらってしまうかもしれないです。

すごく個人的なオススメポイントは、ふたりの初H。
人間嫌いな趣利にとってはもちろん初体験なんですが、嫌がるかと思いきややたら楽しんでいるところ(笑)
「せっかくだから」ってなんだそれ!と笑わせてもらいました。

2

取扱注意レベルが危険度マックスな受け

世界的に有名な絵本作家でイラストレーターの受けになる仲里は対人スキルが
著しく乏しく、人見知りで言葉を発すれば毒舌とも違う直情型で言葉をオブラートに
包むことも出来ないし、更に世の中の人間は嫌いかどうでもいいかの二択しか
存在していないとはっきり言い切ってしまうある意味傍若無人な受け。

ストレスにも弱そうだし、極端なものぐさでもあるし、普通なら一般社会から
はじき出されるタイプだけど、そこは芸術家で変人でもエキセントリックでも
OKな世界にいるから生きていける。
人と会話も直接体に接触されるのも苦手で、ダメダメな感じなのに天然で浮世離れしてて
でも特別枠まで行くことが出来る数少ない相手にはなんとか付き合える。
そんな現代社会で生きにくそうな仲里が後に唯一と言っていいくらい傍にいても
触れられてもいいと思える相手が責めになるトップスタイリストの然。

出会いは仲里の身内の紹介で嫌々行ったヘアーサロンで始めはとても和やかには
見えないような邂逅で思わるのですが、再開も身内に頼まれ行ったあのパーティー。
しかし、そこでも挨拶で終わる程度。
仲里にしてみればかなり相手を褒めてヘアカットの礼を珍しく言っているのですが、
言われた相手にすれば、嫌味なのか不機嫌なのかわからない態度。

そして3度目の出会いが、身内に無理やりさせられた出版社企画の絵画教室。
人と会うのも会話するのも体調を不調にさせるほど苦手なのに3ヶ月も続けることに。
抽選で選ばれた10人の生徒を教えることになるのですが、そこに然もいるのです。
これも偶然で、二人の関係も一目惚れだとか、甘い感じはギリギリまで無し。

然にしてみればあまりの対人スキルの無さにほだされ、作品を創る段階では
食事も睡眠も超が付くくらい不規則になる仲里を見かねて手をかけてしまう感じ。
警戒心が非常に強いネコ科の猛獣を手懐けているような雰囲気もあります。

でもその猛獣も一旦手懐ければ、思いもよらぬ素直な甘えたブリを発揮してます。
もちろん天然で無意識なのですから罪なやつなのです。
それに仲里自身も然に対してだけ特別な感情がいつの間にか育っている。
然も程よい相手との距離をとりつつもやはり元がゲイだから、
好みのタイプとは全然違う相手で、面倒を見るより見られたいタイプが仲里と出会い
面倒を見なければならないタイプにいつの間にかハマっているのです。

あのパーティーに参加する資格がある二人ですから、誰もが振り向くイケメン美貌。
片方はトップスタイリストで仕事柄人間関係も人あしらいも完璧ですが
受ける側が変人以上なので、くっ付く時も何やら可笑しな告白状態で笑えます。
受けキャラでもかなり個性的すぎるタイプがなかなか新鮮でした。

2

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