宵闇の茶室を舞台に、クールなイケメン茶道家と和菓子見習い職人が繰り広げるエロティック・ラブストーリー!

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表題作宵越しの恋

糀谷准平,29歳,中高の同級生で老舗和菓子屋の息子
逢坂深尋,29歳,記憶喪失のふりをする元パティシエ

その他の収録作品

  • 朝な、夕な、酔いどれの恋
  • 背中越しの恋
  • あとがき

あらすじ

目覚めたのは病院のベッドの上――

転落事故で一時的に記憶が飛んだ深尋は、中学高校時代の同級生で、かつて嫌がらせをしていた相手・准平と再会する。苦い過去を思い出しいたたまれない気持ちの深尋に、あろうことか准平は「深尋は俺の恋人だ」と告げた。これは准平の復讐? 神様からの懺悔のお告げ? 記憶喪失のままのふりをして准平の真意を探ろうとする深尋だが、いつも優しく自分に触れる彼の手に悪意は感じられなくて――。重ねた嘘と密やかな触れあいの狭間で続くふたりの奇妙な関係の行く末は?

作品情報

作品名
宵越しの恋
著者
川琴ゆい華 
イラスト
橋本あおい 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルール文庫ブルーライン
発売日
ISBN
9784040669854
4

(267)

(102)

萌々

(100)

(45)

中立

(10)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
28
得点
1055
評価数
267
平均
4 / 5
神率
38.2%

レビュー投稿数28

和菓子を食べたくなりました

 表紙からステキでした。
めちゃめちゃ甘くて優しい表情の攻め様の准平。
バックの色、あれが瑠璃紺色なのかな?
そんな色の名前、初めて知りました。とってもきれい。

 内容の説明はすでに分かりやすく皆様が書かれているので、言いたい感想を。
ともかく攻め様の准平が優しくて甘いっっ。
記憶喪失(すぐ思い出したけど)で恋人だって言って同居に持ち込んだ受け様の深尋が大好き、今、隣にいるのが嬉しくてたまらないって態度や表情に出しまくりで。
受け様が大好きーーっていう攻め様、という関係が大好きな私としてはもういいわーいいわー、でした。
和菓子や桜、茶道、といった和テイストがちりばめられていて、そり辺もよかった。
深尋が子供みたいに素直にきらきらと和菓子を見てるから、私も食べたなりましたよ。
最後に2人で嘘をついてことを話して好きだって言い合って、その後のえちもあまーい。
橋本あおい先生の挿絵もとても優しく甘くてとっても合ってました。

10

やさしい気持ちになれる

同級生の再会と記憶喪失、定番な題材ではあるけれど展開にテンポがあり飽きさせません。深刻な話になるのかと思いきや早々にふたりの日常のお話になり明るい雰囲気で進むので軽快に読み進められます。

導入から次の展開にいくところで、あっ!と思わせるところかいいです。
ワタシが単純だからそう思うのかもしれませんが、初っぱなからやられたという感じでしたw

深尋は失恋してやけ酒をして鉄橋から転落したらしい。
気がつくと病院でそれまでの記憶がなかった。
付き添いとして来たのは、同い年くらいの男で深尋の恋人だと言うが…

高校の同級生と病院で再会。
深尋は高校時代に准平をいじめていた自分に恋人と偽ってまでどうして面倒をみるのかわからずそれを知りたくて、深尋もまた、まだ記憶が戻っていないと嘘をついて准平の自宅で世話になることにする。

准平の想いはもうダダ漏れなのですが深尋は理解できず昔の仕返しのつもりだと思っています。
ですが、准平は本当に親切でやさしく、もちろん手なんか出したりしません。
記憶が早く戻るようにとつけ始めた日記でふたりはいつしかエア交換日記を始めます。
書いたことをリアルでは答えないけれどそれとなく答えを伝える。
なんとも微笑ましくこのじりじりした感じがたまりません!

准平は老舗の和菓子屋の次男で外商を担当し、兄が跡取りで和菓子職人をしています。その日本的な雰囲気も物語に花を添えます。
着物を着ることも多く、茶道教室をしたりいろいろなことを吸収して活かすために習い事をしたり、そんな准平にいつしか影響され惹かれていく深尋。
高校時代のことを反省し、嘘をついてることも苦しくなってきます。

ふたりの同居生活を中心に物語りは進みますが、准平の家族が暖かくて良いです。
ゲイと言うことはカミングアウトしていて、しかもバツイチで子供のいる兄はバイで、兄にうっかりいきさつがバレてしまった深尋の相談に乗ってくれたり、障壁は低いのです。
あとはお互いの気持ちを確かめるだけ。

あまりはらはらドキドキという展開ではなく、静かにふたりの付かず離れずの生活が描かれているところが気に入りました。

たくさん和菓子の説明も出てくるし准平がお茶を立てる雰囲気がいいです。
自分でも久しぶりにお茶を立てたくなりました!
とりあえず和菓子を買いに走ります(笑)

9

緋褪色、若苗色、黄檗色、淡水色、躑躅色

色マニアな私。
この小説には色彩がちらほら出てきます。
和の要素がふんだんに散りばめた奥ゆかしさがたまらなくて神評価です。
小説の詳しい内容は他の方のレビューを御覧になると解りやすいので
私は勝手ながら省略します。
この小説に出てくる色について(もはやレビューではないです)

【緋褪色(ひさめいろ)】
緋色のあせたような鈍い調子の赤系の色。
古代から赤には厄除けの信仰があった。

【若苗色(わかなえいろ)】
田植えの時期の若い苗のような新鮮な黄緑色のこと。
夏の色として平安時代から使われてきました。

【黄檗色(きはだいろ)】
黄檗(おうばく)キハダの樹脂で染めた赤みの少ない黄色。

【淡水色(うすみずいろ)】
万葉集には、水色は水縹と記されてます。
平安時代の散文には水縹と水色が使われ、中世以降は水色が主流になった。
縹色(はなだいろ)とは薄い藍(あい)色。

【躑躅色(つつじいろ)】
つつじの花のような紫色の鮮やかなピンクのこと。
アザレアピンク。

季節の色に囲まれているこの日本はとても素敵で幸せだと改めて感じました。
和菓子の名前が頻繁にこの小説に出てきますので老舗の和菓子屋へ行きたくなりました。
お抹茶と共に。
着物を装着しますと背筋ピーーーーーンってなりますのは私だけではないことがわかり、橋本あおいさんの挿絵よかったです。

7

和菓子たべたーい!

手のひらから色とりどりの紙がヒラヒラ落ちていく、という美しい描写から始まる本作。
橋本あおい先生の挿絵も相まって、最初から最後まで美しくてキュンキュンする小説でした。
いちゃいちゃのシーンは勿論大好物ですが、
このお話に限ってはこの美しい冒頭が1番印象的です(*´∪`)


目覚めたら病院で、記憶が曖昧な中、学生時代に嫌いだった男が今の恋人だと現れて…というストーリー。
あらすじだけで萌える!
読んでいる途中はハラハラしましたが、
受けが恋に落ちていくところや、攻めの可愛いところ、エロシーンではちょっといじわるなところがすごくツボにハマりました。

今年読んだ小説で(まだ始まったばかりですがw今のところベストです♡)

5

絶妙な関係性

WEB公開で読んでおり、設定の絶妙な上手さと、キュンとくる切なくも甘い展開にやられ、「これは文庫されても買い!だな!」と思っていました。
記憶喪失だと嘘を付く攻め准平と、嘘をつかれていると気付きながら記憶喪失のフリをする受け深尋の、今にも壊れてしまいそうな絶妙な関係性。交換日記を通して少しずつ探りあったり、同居生活や和菓子屋という准平の家業と通して近づいて行ったりしながらも、常にお互いに嘘をつきあっているという後ろめたさ、本当は恨まれているのではと言うの不安感が交錯しています。甘いんだか切ないんだか、ハラハラしっぱなしでした。
2人とも嘘をつかれているので、表の顔と裏の表情が違っていて、キャラクターに多面性があるのも良い。
そのうえ、読んでいて常に「一体いつこの嘘がばれるのか!?」という緊張感があるので、BLとしてだけでなく単純に読み物として面白かったです。

3

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