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日下=ニッカ
平片数馬=ピース
和馬だから平和でピースなのかと思ったら数馬でした。
少し分かりにくいのはわざとなのか。四宮先生の作品はいつもまま分かりにくいけれど、今回は腑に落ちないこともありちょっと別枠。あと3話ぐらいあって、例の願いを叶えるソレとか、平片の感情などゆっくり描いてくれたらもう少し分かりやすくなったかなぁ。自分の中の最強カードである"死ぬこと"がなんとなく軽く扱われている印象があってどうもモヤモヤとしてしまった。
萌〜萌2
ストーリー構成、テーマは実に四宮先生らしく、ふわふわしたタッチの中に静かに問いかけてくるものがあって、読み進めるほど味があるなぁと感じられる作品でした。ただ、キャラの判別が私には少し難しく、展開や台詞の意味を考えさせられるのはまったく構わないけれど、それ以外のところですんなり読めなかったのが若干ストレスに。登場人物が少ない作品や短編集だと気になりませんでしたが、似たような年齢のキャラがたくさん登場する長編だと、読みにくいかもしれません。ただ、それを差し引いてもテーマは本当に素敵で、BLとしての萌えもあり、十分魅力的な作品でした。
大切な人を失わないために、自らの才能を奪われることも厭わない子供達。未成年でそんな決断ができる彼らをすごいと思う反面、未成年だからこそそんな闇雲な決断ができるのかもとも思ったり。彼らの決断はけっして責められるようなことではなかった。大切な人を失うのは、他の何ものにも勝る恐怖だと思います。でも、彼らは時を経て気付くんです。自分の決断は、純粋な自己犠牲ではなく見返りを求めてはいなかったか、自分に比べて相手の熱量が少ないかもしれないことに怖れを抱いてはいなかったか、相手はその決断を喜んではいないのではないか。
どれも図星。だけど、平片があの時決断しなければ、日下が生きていなかったのも、また事実です。彼の決断は確かに、今2人がこの世で傍にいられる日々を守ってくれたんです。だから、私には彼らの決断を責められない。そこで、才能を取り戻しに行こうとする2人が逞しく、未来への希望を持ったきらきらした子供達だなぁと感じました。その心を大人になっても忘れないでいて欲しいと、願います。
これからの季節にぴったし。
優しいけどやるせないお話もありました~。
怪談なので、幽霊が出てくるという事は死んでるということで・・・。
主人公2人は、友情以上恋人未満。
手をつなぐっていうシチュエーション、萌ます( *´艸`)
ちゅっ、て感じの軽いキスもありましたが。
色々な幽霊が彼らに関わってきてお話が進みます。
最初の方の灰色のお話が好きというか涙しました。
虐待とかは辛いです。
でも、灰色の存在があって本当に良かった。
優しく懐かしい空気感漂うお話でした。
春先に「川果町よろづ奇縁譚」のレビューをしたので、今度は夏っぽいこちらの作品を。
タイトルに「怪談」とありますが、オカルト度合いは「川果町よろづ奇縁譚」とそんなに変わらないと思います。
四宮さんらしいフワフワと浮遊感のある心地よさで綴られる不思議でやさしい怪異譚です。
川で溺れてから“ゆうれい”が見えるようになった〔日下(ニッカ)〕と〔平片(ピース)〕が、ゆうれいたちとの出会いを通して大事なことを少しずつ紐解くように教わっていくお話。
2人の視点で交互にお話は進んでいくけど、主人公はピース君のほうかな。
四宮さんの作品は、何のお話なのかよく分からなくても気にせずとりあえずさらっと一回最後まで読み進めてみるのがベター。
最後まで読むと、きっと誰の身にも覚えがあるであろうあるふたつの感情にまつわるお話だったことに気付き、そしてじわっとさせられます。
自分の大切な人が事故などで死にかけた時に人ならざるものが現れて「才能と引き換えに君の願いを一つ叶えてあげるよ」と囁いたら、あなたはどうしますか?
きっと多くの人は、この物語に出てくる子たちのように自己を犠牲にすることを厭わず「大切な人が助かるなら」と取引しちゃうと思う。
───だけど、あなたのその無償の愛情は本当に“見返り”は求めていませんか?
───あなたのその行為は“相手から見て”、本当にしてほしかったことだと思いますか?
そんなことを問いかけてくるお話です。
お話の雰囲気はとてもやさしいのに、胸に鋭く刺さる言葉がたくさんありました。
最終話が思わず泣けてきちゃうようなとてもとても素敵な展開なんです。
引き換えに渡した才能を“取り返しに”いくの。
そこで取引を持ちかけていたゆうれいと向き合うんだけど、すごくハッとするようなことをゆうれいが言うんです。
そして最後はぜんぶが在るべきところへ戻っていく。
そんな素敵な終わり方にじーんときました。
このお話で描かれているものって、もしかしたらより女性的な感覚なのかもしれないなぁと思いました。
最初は本当に無償で尽くしていたはずなのに、いつからか少しずつ見返りを期待するようになっていたり、相手の立場に立って考えてみることを忘れて無償の愛をあげている自分に自己満足していたり。
そして最後のゆうれいの話は、ちゃんと自分だけのギフトを持っているのに、隣の芝生は青くてもっとギフトが欲しくて妄執で雁字搦めになった時に優しく目を覚まさせてくれるようなお話。
心の熱をすーっと下げてくれます。
四宮作品は、BLを求めて読んじゃうと肩透かしを食らうけど、ただ純粋に何か心に刺さるものが読みたいって思った時に手を伸ばしたくなるようなお話が多いですね。
絵も雰囲気も好みで、怪談は大好物なので購入。
でも最初で挫けました。
誰が誰だかわからない。
読み進めても全く分からなくて焦りました。う、うーん。私の読解力がないだけなのか。
途中からやっとわかってきて面白くなりました。
本当、最初からキャラの位置づけが分かり易ければよかったのに。
怪談といっても怖くなく、BLなんですが友情ちょい越えくらい。
逆にこの話でがっつりエロ!とかやられたらがっかりなので、それはなくていいのですが(笑)
絵はとてもいいので、キャラの判別と状況説明が明快だったらもっと読みやすいのではないですかねえ。