小説

  • あなたの好きな人について聞かせて

あなたの好きな人について聞かせて

anata no suki na hito ni tsuite kikasete

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作あなたの好きな人について聞かせて

泉野蓉平・星川を助けて骨折した高校生17歳
星川路郎・作家を目指すコンビニバイト23歳

あらすじ

コンビニバイトで生計を立てつつ作家を目指している路郎は、ある日ネタを考えながら歩いていて車に轢かれかける。間一髪で路郎を助けてくれたのが、コンビニの客でもある高校生の蓉平だった。
自分のせいで骨折して入院する羽目になった蓉平に、何かお詫びをしたいと申し出たところ、彼は毎日SSを書いて持ってこいと言いだして!?

ツンデレ毒舌高校生と天然お人好し小説家の卵の年下攻スイート・ダイアリーv

作品情報

作品名
あなたの好きな人について聞かせて
著者
小林典雅 
イラスト
おおやかずみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523601
3.7

(65)

(17)

萌々

(28)

(11)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
236
評価数
65
平均
3.7 / 5
神率
26.2%

レビュー投稿数13

作家志望の受けが書くSSのトンチキぶりがおもしろい

作家志望の路郎(受け)が骨折入院させてしまった高校生の蓉平(攻め)から出された詫び条件は「一年以内に新人賞を獲ってその賞金を慰謝料にしろ」というもの。
そして「文章を見てやるから毎日5枚以上のSSを持ってこい!」と言われていろんなお題のSSを書くことになる……というお話なんだけど、このSSのトンチキっぷりが笑えました。

なにしろ最初のお題は「『星ミチル』という源氏名のオネエキャラの一人称で自分の半生を書け」というやつ。

面白いんです。
作家が書くプロ志望のまだ未完成ぎみな文章っていうのが。
本当に書いてるのはもちろん小林典雅さんなんだけど、あくまで書いてるのは路郎という作家志望の青年というところが。

おまけにこの路郎ときたら、超ボケボケキャラ。
「保守的」というお題でなぜか時代物の百合SSを書いてきちゃうわ、下心満載で出した「羞恥プレイ」というお題には、毛穴パックをしたままバイトをする羽目になったSSを書き上げてくるわ……

対する攻めの蓉平は、路郎からこっそり「ツンツン坊主」と命名されるほど毒舌。
だけど、小憎たらしい言動からごくごく僅かだけど路郎に対する思慕がうっすら透けて見えるので、そこが萌える。

そして路郎のあまりのボケ鈍チンっぷりに業を煮やした蓉平が、途中からどんどん押せ押せになって、挙げ句の果てに「ミチルン」「蓉たん」などあだ名で呼び合いたいと言い出す蓉平。
おまえ、そんなキャラだったのか……!みたいな。

この路郎は、作品にリアルな社会悪や悪役を作中に登場させないというポリシーの持ち主なんですね。
痛くて重い高尚作品のほうが評価されやすいのもわかってる。
でも「人生はそんな甘いものじゃない」とすべての小説で言わなくたっていい、
現実世界で充分つらいことがあるから、深みとか重みとかなくてもほっとできるような、心地よく読める話が書きたいと。

これはまさに小林典雅さんの作品そのものだなと。
そしてこれに諸手をあげて賛成!です。
こういうフフっと笑えて楽しく読める作品が無いと困ります。

この作品に深みとか重みとかは皆無だけど、こういう斜め上の突拍子もないものは小林典雅さんしか書けないと思うので、神です。

11

優しい世界

おおやかずみ先生の挿絵に小林先生の年下攻めという私にとって素晴らしい一冊です。

某ドラマを見て年下攻めに再熱し再読しましたが萌えが詰まってました。

泉野くんのハイスペックさと優しさとツンデレ加減にキュンキュンしまくりました。

攻めも受けも良い子で優しい世界です。

エロシーンは少ないですがキュンが止まりませんでした。

おすすめです。

3

言葉が大事

どんなに心で思っても、言葉にしなきゃ、自分の気持ちは伝わらない。

小説家を目指している路郎は、コンビニでのバイト中も、道を歩いているときも、小説の構想を頭の中でこねくり、こねくり。
今日もポヤンと歩いてて、うっかり車道に出てしまい、そこをイケメン高校生くんにすんでの所で助けられたけど、代わりに高校生くんが骨折してしまい、、、。

入院した高校生くんと話しているうちに、路郎は彼に毎日小説の習作を書いていって見せることになります。

主人公が小説家を目指している設定なので、主人公が書いてくる、ちょっととんちきな短編小説がおもしろい。
この辺は作者の小林先生も大いに楽しんで描かれたようです。
で、この主人公の路郎が、小説家なんて言葉を使う仕事を目指している割には、人の言葉の機微に疎いというか、ツン過ぎる蓉平のアプローチに全く気付かないし、
小説家なんて仕事を目指してるだけあって、すべてを自分の頭の中だけで自己完結しがち。
どちらも、一言ちゃんと言葉にして口に出していれば、些細なことですれ違うこともなかったのに、、、。

まあ、お話としては、ちょっとぐらいもめてくれないと盛り上がらないからね。

さて、はたして路郎の心の叫びは届くのか!

5

安定の作風に満足♪

待ちに待った典雅さんの新作!
私が典雅作品に求めるものは、肩の力が抜けそうな笑いと癒しなので、この作品も、充分期待に応えてくれました。

典雅さんの作品に多く見られる「本筋とは関係ない小ネタ」は、今回は主人公の書くSSという形で出てきますが、これがまた期待を裏切らない。
ホント、BLでこういう「ぷっ」「くくくっ」と言う笑いをあやまたずくれる作家さんは他にいないと思いますし、ぶれずに姿勢を貫いてくれるので安心して読めますよね~♪
実際、今作でも、何回声に出して笑ってしまったか!
擬人化SSも笑いましたが「百合じゃないですか」のツッコミにも吹き出しましたし、ネタだけの「柑橘擬人化お笑いコンビもの」も読んでみたい!と悶絶しそうでした(笑)
主人公の天然ボケっぷりも、さすが典雅さん!の安定感。
たいてい主人公の心の中で展開されているツッコミが、今回は攻めのツンデレ台詞として展開されます。余計な一言てんこもりのツッコミにも何度も笑いました♪

後書きにありましたが「すこしでも元気な気分になるビタミンBL」を狙っている典雅さん。
ありがとう、元気になれました!
一週間くらいおいて、また読んで、気持ちも新たに笑いたいと思います^^

2

作中のSSが最高!

クスっと笑えるラブコメで、普通に面白かったです。
作中で作家志望の路郎が、事故に合わせた高校生の蓉平に書かされるSSが面白くて、とんでもない内容に顔がにやけてしまいました。
ちょっと笑わせようと狙いすぎている気としましたが、毛穴パックもシャンプーリンスコンディショナーボディソープの話も楽しかったです^^

ラブストーリーとしては強引だし、攻めの蓉平がうまく受けを丸め込んでるなと思いました(笑)
上手いこと言ってHな事を……という目論見が分かりやすく、でもそこが若さ溢れていて憎めなかった。

全体的にサラっと気軽に読めて、ラストまで面白かったです!
読むと元気が出るような、そんな作品でした。


1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP