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繰り返しなぞっていたというそのイメージの中に、想像の中でさえ自分の姿を置いてみようとしない男が、歯がゆくて腹立たしくて、愛しい。
鬼・健気・溺愛・すれ違い・媚薬・触手などなど、戦いシーンもありてんこ盛りファンタジーでした。
小さい頃もうすぐ大人になると知って行動を起こすシン。愛する千鳥をそばに居ない間もずっと守ってきた自己犠牲の姿にはグッときました。
「どんな責めを受けても、この体だけのことだと思えばつらくはなかった。」こんな攻め…どんな事があってもハッピーエンドじゃなきゃ許されません。
鬼や森、人間との関係の設定を綿密に考えられていて、解き明かされていくとシンの行動の真相が分かる話の流れがとても良かったです。
ちょっと設定が壮大過ぎて、戦いも読みたい気分では無かったので演出過多に感じましたが…
あと結魂の儀というの、シンはどのタイミングでしたのか明確に書いてないですよね?読解力の問題?ずっとキスのことだと思っていたけど違うし、あの事故の時の台詞はちょっと違うので私には分からなかったです。
でも頑なに愛する千鳥を逃そうとするシンが絶対にブレないとこ、めちゃ良いな。
「黒猫褌付けて子供みたいで可愛いねぇ」と女性に言われるシーンがあり、調べてみたらその通り可愛かった(笑)
鬼人と人間の異世界ファンタジー。一途な鬼人攻めがとても良かった。
導入はホラーちっくな挿絵と子供時代の残酷エピソードでシリアス寄り。千鳥は恋ができないといい、周囲と群れないタイプに描かれている。が、そこから作品の雰囲気は二転三転し、場面ごとに千鳥の性格も変わっていった。
異世界に来てからは、子育て要素が加わりほのぼの路線に。千鳥はシンを親の仇と思ったままなのに簡単に仲良くしている。冒頭で憎しみが語られていた相手なので、違和感が消えなかった。
中盤、元の世界に戻ろうと逃げ出す千鳥は、食虫植物に襲われる。これがまた唐突な登場で、しかもなぜエロ漫画仕様の触手のごとき働きをするのかよく分からなかった。戸惑いながら読んでいると、こんなところで千鳥はシンへの気持ちを自覚する。大事なシーンがここか……と少々引き気味に。
その後二人は肉体的に結ばれるも、シンが初めてとのことでまた微妙な気持ちに。催淫効果でおかしくなってる相手が初めてか……。
なんだかんだあってから、千鳥はシンの一途な想いと真相を知る。これがめちゃくちゃ良くて感動的なのに、千鳥は今はもう好かれてないかも?と悩み始める。あんな話を聞いた後でのこれは、上がったテンションが盛り下がり、物語から気持ちが離れてしまう。
ラストの戦いは蛇足に思えた。最後の方は継ぎ足し継ぎ足し書いたような不自然さ。全体を通して見ると一貫性がなくごちゃごちゃしていて、変な構成だと思った。
シンのキャラはとても好き。子供時代の二人のエピソードがもっと読みたかったな。
人外BL大好物なのでタイトル買いです。
子供の頃に親しくしていた友だちが実は人ではなく鬼で、自分の父親を殺害した場面を見てしまった人間受と、そんな受にずっと心を寄せていた鬼攻の話です。
何だかもう読んでいてもどかしかったです。
誤解とすれ違いのある意味王道ものなんですが、結構拗らせている受がかなり不憫で切なかった。鬼である攻も色々と拗らせてる不憫攻。不憫と不憫が大変美味しく絡まり合い、どうしてそうなった! みたいなすれ違いっぷりが涙を誘います。
この作品、非常に脇役が魅力的であり、人外+子育てまで楽しめるというお得仕様でした。ちみっこもふもふが大好物な私としては、もうこれ以上ないほどのご褒美でしたので、最後まで楽しく切なく甘く美味しく頂くことができました。
プレイに触手まで投入して下さり、サービス精神旺盛すぎて倒れそう。
そして人間サイドでは、受の妹との絆や家族愛もしっかりと書かれていて、この辺りを読んでいる間中、涙腺が緩んで仕方がなかったです。
自分のことよりも妹を優先し、貧乏くじばかり引いてきた受と、自分の身分や命すらも受のためには投げ出してしまえる攻。
ある意味似たもの同士なCPなんですが、ふたりを取り巻く世界には優しさが満ちていて、悪意すらも跳ね返してしまえる強さが愛しかったです。
後日談の禾烈視点のお話は、これまた涙なしに読めませんでした。
こみ上げてくるものが堪えられない。何かが違っていたら……と考えても詮無いことではありますが、考えずにはいられません。
個人的に、いつか禾烈の封印が解かれる日が来て、しかもその封印を解くのが成長した黒羽だったりして、黒羽×禾烈のスピンオフとか読めたら最高に滾るなと思いました。禾烈受とか悶えそうです。安定の当て馬萌えでした。
鬼人と人間ーー種族を超えた、切なくて一途な愛が描かれる和風異世界ファンタジーです。
千鳥の親族が残したノートにまつわる仕掛けもあり、少々ホラーちっくな序盤からかなり惹き込まれて読みました。また、鬼人と人間の間にある確執や鬼人たちの生活に関する設定がしっかりしていて、最後まで世界観に浸ることができました。森羅のストイックさや千鳥を溺愛する様子に萌え、とっても可愛い子供達に萌え、後半の緊迫感のある展開も面白かったと思います。
「神」評価にはあと一歩かなと感じたのは、異世界に来てからの千鳥のキャラ変がイマイチ腑に落ちなかったのと、話題の(?)触手のシーンが唐突に感じられた点です。千鳥は、序盤では触るもの皆傷つけるナイフのように尖った青年だったのに終盤では素直で可愛いお嫁さんと化していて、これと言ったキャラ変の切欠もあったようななかったような感じで少々モヤモヤしました。うーん…まあ素直で可愛いお嫁さんは大好きですけど。
それと、イラストがなんか惜しいな~と感じました。序盤の殺伐とした雰囲気には合っていたと思うのですが、後半以降の甘々なシーンにあまりマッチしておらず、しかも…どのイラストも千鳥が可愛くないんです(泣) 文中で森羅が「可愛い」を連呼しているのでどうしても違和感が拭えませんでした。
書き下ろしはひたすら切なかったです。続編があれば読みたいです。
28歳の工事現場作業員(受け)が、トンネル崩落事故をきっかけに異世界へトリップ。
そこで、父を殺した鬼によく似た謎の男(攻め)に助けられ…という仄暗い雰囲気が魅力のファンタジー。
伝奇ホラーを思わせる導入部は大変魅力的。
トンネルの崩落シーンに被せて引用される祖父の手記も不気味で、何が始まるのかいやでもワクワクさせられます。
受けの千鳥は、幼い頃に父を亡くし、中卒で就職し妹を養ってきた苦労人。
攻めに着物の裾から下半身(もろ出し)が見えていることを指摘されても、
「だよな、目がド腐れるよな!」
なんて返すさっぱりした性格が魅力的です。
攻めのシン(森羅)は、寡黙で温厚で、千鳥をひたすら愛し命をかけて彼を守り抜く姿勢が一貫した健気な鬼。
人間による鬼虐殺の歴史、鬼の階級社会といったシビアで残酷な設定の中で、彼の千鳥に対する一貫した無償の愛は引き立っており、本書の泣きどころの一つです。
切なくドラマティックな舞台設定は悪くないですが、触手や張型などの読者サービス的なエロシーンが、物語全体を安っぽくしているのは残念。
女が男に張型を使うシーンなど、シリアスな展開の中でいささか上滑りしていた気がします。
千鳥のキャラクターにしても、最初の男前キャラどこ行った?ってほど最後には森羅にメロメロになってしまうのがものすごいコレジャナイ感。
嫁扱いされるのは設定上仕方ないにしても、キャラクターの個性が後半に行くにつれ失われ、よくある花嫁BLのようなラストに落ち着いてしまうのは勿体無い気がしました。
上記を考慮し、導入部は神、総合では萌評価とさせて頂きます。