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表題作片恋ロマンティック

四條琥藍,幼馴染みでセフレ,トップモデル,26歳
椎名羽汐,アパレルメーカーのパタンナー,26歳

その他の収録作品

  • あとがき
  • その後のロマンティック

あらすじ

人気モデルの琥藍と体だけの関係を続けている椎名。愛を知らない琥藍に気持ちを伝えて、関係が壊れるのを恐れているが…。

作品情報

作品名
片恋ロマンティック
著者
間之あまの 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
片恋ロマンティック
発売日
ISBN
9784344833418
3.6

(75)

(15)

萌々

(34)

(18)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
11
得点
268
評価数
75
平均
3.6 / 5
神率
20%

レビュー投稿数11

切なキュンキュンしたい時に…

これは愛を知らない琥藍(攻)が、愛を知る(自覚する)お話です。この物語、私にはピッタリと来ました。全て過不足なく、こんなに満足する小説は本当に稀で…。

本当はちゃんと親なりに愛情をかけて貰ったのに、それをうまくキャッチ出来ずに(親も上手に渡せなくて)、「愛ってなに。分からない。」「親にもロクに愛され無かった自分が他人に愛して貰える訳ない。」なんて一度でも考えたことがある人には是非読んで欲しい一冊です。

以外ネタバレです。
傷つかないように心を殺し続けてきた琥藍が切ないし、そんな「無」の琥藍を愛する椎名目線でも片想いの切なさで、キュンキュンです。両方を理解してしまうと矛盾なんですけどね、身動きとれずに平行線なんですけどね、、、、。

デザイナーとパタンナーという関係、ベストだと思いました。一対という感じがして。
いくら才能溢れるデザイナーでも構想を子細に理解してくれるパタンナーがいなければそのデザインが世に出ることは出来ないし(自分で1枚1枚パターンをひいてトワルを組む、というのは非効率的なのでおいといてw)、いくら腕の良いパタンナーでもデザインを書く人がいなければただの宝の持ち腐れ…。
どちらかが欠けたら成り立たない。そんな二人の作品は、これまでもこれからもずっと、二人の『愛の宝物』なんでしょう、うんうん。

琥藍があのタイミングで椎名の「裏切り」に遭うのも、ベストだと思った。それが無ければ、琥藍と織絵の和解はあり得なかった。自分の存在意義に関わるような重大なことについて意識を改めるって、余程の事がない限りは無理だと思う。やはり、同じ目に遭わないと理解出来ないものもあると思うし…。あの琥藍にはあれ以外は無かったと思う。

そして織絵の愛情の証拠も、あれがベストだったんだろうと思う。愛情は物で計るものじゃない。それでも、目に見えないものを、それ自体を信じていない人間に示すには、物は大きな材料だと思う。特に忙しい織絵が「ストーカー」レベルで息子の成長記録を丁寧に保管していたからこそ、嫌でもその愛情を理解することができた、せざるを得なかった、ということだと思うから。

というか何より何より、自分の首を絞めるにも等しい、そんな裏切り(愛情としか読めないw)を与えられる椎名の男前っぷりったら………ほんと、男前過ぎて、もう、もう、大好きな受けです。

出来れば想いが通じあった後のラブシーンをもっと見たかったのですが、琥藍、自覚が無いだけでセフレ関係でもあまあまメロメロのセックスをするので、まぁ、いっか(笑)

1

愛がわかるとき

●恋◯◯◯と銘打ったシリーズ(何と呼べばいいんでしょ?)一作目です。

まず、攻めの琥藍のビジュアルがとっても格好良い(≧∇≦)
美形揃いのこのシリーズ内でもNo.1かと。
受けの椎名も美人顔だから、なんとも見栄えの良いCPです。

高校生の頃からセフレとして付き合ってる2人ですが、2人とも両思いだという事が分かります。
ただ琥藍は親の愛情の欠如(本当は愛はあったんですけどね…)により『愛する』という事が分からないからもどかしくって。

すれ違って一旦離れてた琥藍が再び椎名な前に現れ、発した言葉は無自覚の凄い殺し文句でした。
あの発言後の、椎名の男っぷりも良かった〜。
そんな後、琥藍が長年わだかまりがあった母親と向き合えた後、はじめて「椎名を愛してる」と言葉にしたのはキュンときました。

切ないところがありつつも、本当は両思いというのが分かっているため安心して読めた作品でした。

2

愛され下手に切なキュン

大好物の幼なじみでセフレ(`・ω・´)クワッ!
とワクワクしながら手に取ったんですが、
メインよりも攻めの母子関係の印象が強いのがちょっと残念かな。

出会ったのも、仲良くなったキッカケも、
すれ違いも、修復も、恋人関係成就へも、
全ての事柄に大なり小なり関わるのが攻めの母親の存在。

いや、そもそも母親と呼べるかどうか?
少なくとも私には理解しがたい女性だったため萎えました。

でもそれ以外の部分は楽しく読了♪
幼なじみでセフレでサバサバした関係だと本人達は認識してましたが
読者的には溺愛っぷりが見て取れてイチャイチャにしか見えないぞー(∩´///`∩)
また、愛され下手の不器用さにはキュンキュンと涙そそられました。


さて。
攻めは特殊な家庭環境で育ち…というか"家庭"ですらない家で
産まれたときからシッターや家政婦とともに成長しました。
親からの無償の愛とされるものを知らない事実を幼い頃から知性で理解。
愛なんて知らないし、自分の中には生まれることのない感情だと割り切っています。

とうの昔に"母親"という存在は切り捨てた攻めにとって
幼なじみである受けだけは常に側にいて気を許せる特別な存在。
けれど愛を知らない男は特別な感情の名を知りませんでした。

受けが攻めを恋愛の意味で初めて意識したのは、
攻めから「セックスしてみないか」と誘われた時です。
恋の自覚が皮肉にもセフレの始まりだという…;

受け視点だと「切ない片想い」となるのですが、
攻め視点だと受けを大切に思っているのが伝わって。
気持ちは繋がっていないけど甘々な両片思いにニヤニヤしました(∩´///`∩)

そもそもこれをセフレと言っちゃうの?というぐらい甘いッ!
そこらの恋人よりしっかり愛情のあるセックスじゃないのかな、コレ。

受けが嫌がることはしない・痛がることはしない・意識飛んでるときは手を出さない。
次の日足腰立たなくなった受けのためにベッドまで食事を運び"あーん"で食べさせる。
これをサバサバしたセフレというのか…?否だよ!否!!!←

ここまで甘々なのに恋人ではない理由は攻めの性格が大きく作用します。
大切だと思える人が居て、相手を尊重し慈しむような行動が取れるのに、好きではないという…。
愛そのものを知らない攻めが個人的にはとても切なく感じました。

何かしてもらうには相応の対価が必要であり、それは恋愛の上でも同様で。
ようやく受けを特別に思う感情に名前がついたときですら、
自分には受けに返せるものがないからと絶望に駆られてしまうのがもぅ…(;ω;)
攻めの愛され下手っぷりが切なくてウルリときました。

そんな攻めを大きな愛情で支えている受けも良かったです。
自分が攻めにとって特別であることはわかるけど、
恋愛にはなりえないと切なさを滲ませている時のすれ違いにキュンキュンしました。

上にも書いたけどとにかく残念なのが攻めの母親。
世界で活躍している設定ですがとてもそういう風には見えなかったな…。
言動が深窓のお嬢様みたいだなーと。(挿絵も少女っぽさがあって;)
子供を遠ざけた理由を聞けば聞くほど首を傾げてしまいました。

2

無自覚に甘々

幼馴染で同い年な2人がセフレの関係。愛がわからない、愛せないという琥藍のために、椎名は恋人ではなくセックスもする友達としてずっと一緒に過ごしています。でも、琥藍は無自覚ながらも椎名が好きで好きで、らぶらぶなんですよね。それが読んでて初めからわかるので、「早く自覚しなよー」とツッコミを入れながらも、安心して読み進めることができました笑

すれ違いもあるんですが、それも自覚するためのもの。
思いが通じあった2人のらぶらぶ度合いが、甘くて甘くて!
間之先生のは、前読んだ1作があまり好みのものではなくて、
これも足踏みしてたんですが、読んでよかった!
大人同士の甘いお話で、大変癒されました。

1

体温を感じない母子?

(ところで、この一連の〇恋~ってどんなシリーズ名を付けたらいいのだろうね?)

攻め・琥藍(くらん)は世界に通用するトップモデルというだけではなく、匿名でインディゴなるブランドのデザイナーとしても活躍している。
同い年の美人受け・椎名はアパレルメーカーのパタンナーとして手腕を発揮している、公私共に付き合いが充実している友人同士だ。
はた目から見ても既に見目麗しいカップルにしか見えないこの二人、実は『恋愛感情を持っていないが椎名なら試しでも抱ける』と琥藍が言った提案に椎名が乗ったきっかけから、10年余りセフレ関係が続いているのだ。
身体だけの関係に甘んじる一方で愛している本心を隠している、しかも身体の相性は抜群だなんてBLでは両片想いのフラグとしてお約束なんだけどね。

琥藍の帰国早々にバスルーム内で、更にマンションに籠って服を着る間もないという程にラブシーンが多かったが、イヤらしさってのはなかったかな。
これだけ琥藍の溺愛ぶりが駄々洩れで、ただのセフレで済む訳がないじゃぁないの(笑)

ただこの話、琥藍と椎名がきちんとした恋人同士になる過程以上に、絶縁状態となっている琥藍と母親・織絵の絆の修復に重きを置いているなとは感じたが、さすがに復縁は厳しいのでは、と案じた。
育児放棄した母親を許すって相当厳しい事だからね。
それを望んでいない琥藍が、椎名が織絵と通じていたのにショックを受けて音信不通になるのも無理はない。
しかし、どん底な気持ちの時に琥藍が椎名への想いを見つめ直す過程が読めた事で、彼の不器用な恋愛表現が愛しく思えてきたのだった。

最初、織絵と琥藍はどうも母子して体温を感じさせないキャラクターという印象故に馴染み辛い部分もあったが、終盤ではほっこりする場面もあって、期待通りのキラキラした話に満足できた。
そして、評判通りの甘々も堪能できたのだった。

1

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