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家事代行のバイトと雇い主という関係を少しずつ変化させていくふたりの日々には、微笑ましさとドキドキがたっぷり。
契約ありきの繋がりなので刹那的なところもあるんですが、幹太の気持ちがはじめから明かされていたことで
変わり者な柳の本心が見えてくるまでの『恋人代行』としてのアレコレを
それほどハラハラせずに見守れていました。
ですが…
それぞれの駆け引きが全然噛み合わないのでお互い相手の想いに一向に辿り着かず、どこまでいっても平行線な関係が続いていくことに段々「あれっ?」という気持ちになってきて。
好きだからこそ一歩踏み出せなかったのもわかるけど、ふたりともあまりにヘタレすぎやしませんかね…。
セックスする度に毎回5万なんて大金が動いてるのも理解できない。例えそれに手を付けていなくても"渡す→受け取る"という流れが繰り返されている時点でアウトな気がしました。
さらにそれを自分らで解決できなくて叔父に泣きついてしまうというところでスッと冷めてしまって。
ぶつかるのが怖くても、そこは自分で線を引く強さを幹太には見せて欲しかったな…。
最終的には無事両想いとなるわけですが、最後までモヤモヤを引きずったまま読み終わってしまいました。
とにかく攻が可愛い超稀な作品かと思われます!
可愛いというのは性格!見た目はもさい!
「ごめんねぇ~!」「ごめんねぇ~!」とボロボロ泣いてしまうところとか、こんな何もできない情けない人、そりゃー世話焼き幹太くんは放っておけないでしょ!!
2人のすれ違いはBLありがちで少しわざとらしいとは思いましたが、そういうのを凌駕するくらいに攻が情けなくて可愛い!
「かけていい?」と聞いておきながら「え!?そういう!?」
幹太くんもビックリ!ですが読む方もビックリ、そしてハハハ…と乾いた笑いが出ました。
積極的なのか臆病なのか、変な柳さん。
マトモな生活ができない攻と世話焼き受!相性バッチリ!
ちなみに表紙は大丈夫ですが挿絵はかっぽう着の着方が堂々と間違っています。ビックリする間違え方をしています。
大学の講師に密かに憧れを抱いている幹太は、
叔父の手伝いをするべく、便利屋のバイトをしています。
家事全般をこなし、お金にシビアな面を見せつつ
お客さんの為を思って、つい無理をしてしまうこともしばしば。
ある日、年間契約という異例のお客さんの話を叔父から聞くと
それはなんとあの大学講師の柳で…。
幹太が、若いながらも頑張る姿は尊敬に値します!w
いくらバイトだとは言え、金勘定だけではなく
親身になってくれるあたりにとても優しさを感じました。
でも、柳には終始魅力を感じられなくて…;;
無口で知的なイメージの講師が
実は片づけられないとか、食べる事もままならないような
あやうい感じの大人だというのはギャップかもしれませんが
それってただダメなだけでは…??と思ってしまって…。
食べたいものを作ると言った幹太に「カレー!」と言ったのも、
いや、カレーが悪いわけではないのですが
子供のような笑顔を…うーん、笑顔も悪くないんですけど
なんだか違和感が拭えなくて…。
こういう無邪気なところに幹太は惹かれたのかもしれませんが
私は柳の良さに気付けないままでした。すみません。
柳が幹太を好きになる理由はもちろんわかりましたけど。
お金云々で好きな人に抱かれるのは勿論ショックな事でしょうけども
それって自分も了承した事だし、
ツラくなったからって叔父さんに泣きつくのもどうかなーとも思ってしまいました。
大学生って、大人になりきってないし
バイト先のトップは叔父さんですから仕方ないのかも…。
誤解を解こうと思ったら結構簡単な事じゃないのかなとか考えてしまい
すれちがいの醍醐味を台無しにしてしまった私です…。
幹太の頑張りを称えて、中立とさせていただきます。
攻めのキャラに終始翻弄される受けの気持ちが手に取るようにわかるくらい、自分自身翻弄されながら最後までハラハラドキドキしながら読みました。
受けの幹太くん。
かわいい!本当にかわいい!!性格も、サバサバしてるようででも悩みまくりの男の子で、ひたすら可愛かったとしか言いようがありません。
流されてエッチするキャラはあまり好きではないのですが、好きな人相手だと仕方無いのかもしれないし、幹太くん自身先生だけの経験のようなので、特に気になりませんでした。
お相手の柳先生。
最初は気難しいクールなキャラかな?と思いながら読んでたのですが、徐々に甘えていく姿を、あれ?あれれ?と戸惑いながら読み進めていたら、最後の最後にまさかのその設定キャラ!!
と、最後まで予想出来ない展開で、とても面白かったです。
特にかなりシリアスになる場面というものもなく、お邪魔虫さんも全く出てこないので、嫌いになるキャラも居らず、気持よく読むことが出来ました。
ただ、柳さんはいつ幹太くんを好きになったんだろう?
カフェテリアに残された田所はどうなったんだろう?
代行屋の社長?の叔父さん、どうしたんだろう?
2人はいずれ一緒に住まなきゃいけないレベルで、柳さんやばいよね?
と、気になるとこは多々残ってますが。
個人的には続編などあれば絶対読みたくなるくらい好きな1冊です。
お勧め頂いた作品です。全編受け視点です。
露文学講師の柳(攻)の家政夫として、幹太(受)がアルバイトに通うお話です。家政夫といっても、実態は便利屋。
大学では講師と学生として、攻めの自宅ではお客様と家政夫としてほぼ毎日顔を合わせます。にもかかわらず、くっつくまでは綱渡りのような関係性に冷や冷やします。
家政夫といっても便利屋なので、友人代行果ては恋人代行も事業として引き受け可能。ただし、社則で交接は禁止。社則を破ってまで、高額な金銭のやりとりを持ち出してまで攻めに抱かれたった受けの心情は切ないものがあります。
二点気になるとすれば、ひとつは攻めの寝室を掃除した時に見つけてしまったアダルトDVDを見過ごしてあげなかったこと。同性愛にかぎらず気まずい(笑)これは受けの奥手と若さゆえ仕方のない面でもあります。
もう一つは便利屋社長の叔父に、攻めとの交接を暴露してしまったこと。報連相として話したのかもしれないですが、個人の究極のプライバシーを暴露してしまったのは引っかかります。
最後の、攻めの泣き落としが良かったです!無愛想で情けなく何を考えてるのか分からない攻めが、本当は好きだったんだと感極まって流す涙が本当に良かったです。
栗城さんの文体は、本当にきちんとしていて読みやすい。
