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ミューオタでもあり特に「オペラ座の怪人」が好きなワタシとしては読まずにはいられませんでした!
作家さんと同じくクリスがファントムを選んでほしい派なので、この物語に気持ちよく酔えました。
時代は大正。この時代背景もなんかそそられます。
ウィーンに留学していた英彬は、東洋人にもかかわらずオペラ歌手としてたいへん期待されていた。だが嫉妬にかられた何者かに放火され半身に火傷を負い日本へ戻る。
顔には革の仮面をつけ自室に閉じこもる日々。
ある日、弟に連れ出されて「椿姫」の公演を観に劇場へ赴くがそこで10歳のハーフで盲目の少年雪乃と出会う。
英彬は自分の歌声を聴かれてしまった雪乃に毎日のように歌を教えるようになる。雪乃が愛おしくなった英彬は点字を教え、盲学校へも行かせます。
この辺はあしながおじさんを想像させますね。
雪乃は成長し、劇場でコーラスとして舞台に立つようになりますが、ある日主役が喉を壊し舞台に立てなくなってチャンスが巡ってきます。
その時に初めて、雪乃は英彬の正体を知ることになりますが…
雪乃が10歳から17歳になるまでの長い長いお話。
ふたりのお互いへの深い想いが甘く切ないです。えっちシーンがなくても良いくらいふたりのお互いへの愛情が伝わってきます。
英彬は歌の師として経済的にも雪乃を支え暖かい愛情を注ぎ、雪乃は英彬の閉ざされた心を癒してそして同じように障害を持つ者として英彬を深く理解します。
英彬はオペラ歌手として認められていく雪乃を手放そうとするところは切ないです。でも離れる方が雪乃には辛いのです。
その想いをすがりつくように告げるのですが、雪乃からの告白はとても大人っぽく感じられて感動的でした。
英彬の二卵性の双子の弟の嘉彬は、雪乃がそばにいることで兄が癒されているだろうことを理解して見守りそしてふたりで一緒にいられるように計らったりするところにも胸を打たれました。
いろんな要素が個人的にツボ過ぎて幸せ気分いっぱいです。
最高の演出で舞台を観た気分にさせられました♪
たとえあなたの顔を見ることができなくても…。盲目の少年と元オペラ歌手の身分&年の差ラブストーリー。「オペラ座の怪人」をモチーフに描かれた時代物です。ああ、久しぶりに萌えたというよりきゅんきゅんしてしまいました。やっぱこういうお話に弱いのって年齢かなぁ。
裕福な年長者がいたいけで不憫な子に目をかけて護り、同時に才能を開花させて支援する。おまけに両者とも見目麗しいときちゃ、懐かしの少女漫画脳が活性化せずにいられませんです、はい。美丈夫の双子の青年が登場するオープニングからして妄想が膨らみ、先が知りたくなって一気に読んでしまいました。
劇場に住み込み、雑用係をしている十歳の少年・雪乃。彼が公演後の後片付けをしていると、舞台の方から男性の美しい歌声が聞こえてきた。その日を境に雪乃は彼から歌を教えてもらうようになるのだが…。
男の雪乃に対する愛しさに溢れる様子や、彼にただ会いたいと切望する雪乃の思いがひたすら純粋で美しい。雪乃が成長して行き、男との間に官能的なものが芽生え始める瞬間に悶えつつも、雪乃が子供だった頃の二人の関係に一番癒されました。かわい先生のお話は品があって本当に素敵。
同人誌に発表した作品を改稿した作品なのだそうですが、先生の表現をお借りするとこういう「夜のお伽噺風」なお話、大好きです。あとがきを読むにつけ、ミュージカルやオペラ鑑賞が趣味だったらもっとお話の世界に入り込めたのかもしれないのだけれど、代わりに昔触れた芸術映画や近代小説なんかを思い起こしてイメージを膨らませ、自分なりにひっそりと楽しませてもらいました。『人でなしの恋』と少しリンクしているそうなので、そちらもぜひ読んでみたいと思います。
あしながおじさん、マイフェアレディ的なストーリーです。
将来を期待されていたオペラ歌手の攻めが酷い火傷をおってしまい、夢も希望もなくなって排他的になっていたところ、純真無垢な盲目の受けに出会って救われていきます。
カタルシスです。
親子のような関係性だったので、萌えはあまり感じませんでしたが、純粋に良い話でした。
幼い受けが攻めに学ぶことの楽しさや人としての喜びを教えてもらう場面では、思わずうるっときました。
大正時代の懐かしいような世界観も良かったです。
電子書籍で読了。挿絵なし。
今回は私がオペラ好きということもあって、挿絵がない故に、勝手にビジュアルを想像する楽しみもありました。イラストなし電子書籍ってこんな風な楽しみ方もあるのね。新しい発見。
かわいさんが感じていた疑問は舞台や映画で「オペラ座の怪人」を見たことがある乙女なら、皆が感じることではないのでしょうか!乙女かどうかは別にして、私もそう思ったもん。
「本来、こうあるべき」な「オペラ座の怪人」がここにある。
ちなみに、私の高塚はずっとアルバレスの声で歌ってくれていました。
「オペラ座の怪人」をかわい先生がBLにしたら、こんなに優しいお話になるんだなあ…。穏やかで心が洗われるようで、とてもよかった。一途に英彬を慕う雪乃がピュアで癒されるし、自分の正体を明かさず、盲学校に行かせてやったり、歌を教えてやる英彬もあしながおじさんのようで萌えた。
6年間もの長い間、ほぼ毎晩劇場で秘密のレッスンをしていたというシチュにも萌えるんだけど、劇場側のスタッフなど本当に誰も一度も気づかなかったんだろうか、とちょっと不思議には思った。二人がすんなり結ばれるのが物足りない気もするので、そのあたりでハラハラするような一波乱があったら神評価にしてたかも。
でもお互いを思う気持ちがこんなに、どちらに対してもプラスの方向に向かう、というお話は、読んでいて素直に気持ちがいいのでこれはこれで。英彬は雪乃に救われてよかったなあと、読後、暖かい気持ちになれた作品。