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月光坂の花屋敷 秋

gekkouzaka no hanayashiki aki

月光坡的花宅邸

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表題作月光坂の花屋敷 秋

小鳥遊,官僚,花屋敷の下宿人
柏木幸哉,会計士,花屋敷の家主

その他の収録作品

  • 花ざかりの家(描き下ろし)

あらすじ

月光坂の花屋敷に暮らすのは、
子どもがいながら男に抱かれるのを好む大人の男と、
その男に片想いする男。
そして、そんな男に恋している少年。
三人の想いが複雑に絡み合いながら、
求めるものは──…

花に囲まれた屋敷で、新しい時間が流れだす。

作品情報

作品名
月光坂の花屋敷 秋
著者
木下けい子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
シリーズ
月光坂の花屋敷
発売日
ISBN
9784813030775
3.9

(92)

(37)

萌々

(27)

(16)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
18
得点
348
評価数
92
平均
3.9 / 5
神率
40.2%

レビュー投稿数18

切なさに泣ける完結巻

『月光坂の花屋敷 春』の続編で、こちらで完結となるシリーズ。狡くて弱い大人の恋。

もうこれ、表紙からグッとくる。自分の中では文句なし、の神作です。
風に吹かれながら、幸哉に向けて手を差し出す小鳥遊と、その小鳥遊の目を見返す幸哉…前巻では交わってなかった目線。。

この巻も序盤から切なさマックスです。号泣はしないんだけど、目にじわっと涙が浮いてきちゃう系。とにかく泣けるんだ…

小鳥遊が眼鏡を外して呟く「つれえ…」に思わず泣きそうに、、
「俺を好きになってよ」って、自分が何度も何度も心からぶつけて来た言葉を、愛してる人の息子から言われるなんて( ; ; )

結人から小鳥遊への告白も、断られても思わず縋り付いてしまう結人の姿に、涙。
「たばこはやめえたほうがいいよ。長生きできないし」ーこの言葉に含まれてる幸哉の想いに、涙。
そしてそれに対し「昔の俺なら今のでやめてたな でも今はやめられないでしょ まだ俺に心がないのに」って返す小鳥遊の想いにも、涙。

で、最後の海岸での二人のシーンがもうね…自分からどんどんどんどん不幸になっていこうとする幸哉を、「最低なあんたを愛してる」って言い切れる小鳥遊ーーーー!!!

「あんた」呼びだし、なんだか生意気ではあるんだけど、しっかり見えるその愛がね、めちゃくちゃいいです…(ああ語彙力)

秋になったら、また読み返したくなっちゃうんだろうな。

0

自己評価の低い男を愛するには強い気持ちが必要

自己評価の低いおじさん(受)とイケメンの話。
多分、続き物ですよね?最初の話を読まずに読んだんだけど、背景はなかなか難しそう。
片思いの男の子供を育てている、誰とでも寝るおじさん幸哉。その片思いをしていた男の影をずっと引きずっているのもあり、自己評価が低い。
そしてそんな男に惚れた小鳥遊。冷たくされても嫌いになれない。
そして息子(14)。

幸哉の自己評価の低さには、正直そこまで自分を責めなくてもと思う。普段は天然な感じでホンワカしてるのに、小鳥遊からの愛情にはなかなか厳しい。
でも小鳥遊が幸哉にどんな扱いを受けても好きでい続ける強い気持ちを持ってた。そのおかげでハピエンになれたと思う。
小鳥遊が一途なイケメンなところがカッコイイ。
幸哉の自己評価の低さが改善されるようにこれからも愛し続けて欲しいです。

0

小鳥遊よかったね

木下先生か描かれる黒髪長身クールイケメンがめちゃくちゃ好きなタイプでして。
本作では、小鳥遊がいい。
メガネ越しではあるけれども、いいお顔をたくさん見せて頂きほくほくでした。
おまけにこのタイプはスタイルも良いので、ずっと見ちゃう。
そしてこのタイプは、無愛想だけど、愛が重いしね。好きだわ〜。

お屋敷がステキですわね、この2人どうなるのかしら、とぐいぐい読んでいましたが、だんだん幸哉にイラっときてしまいましてw
それでも、そんな幸哉のことをわかっていてもずっと好きな小鳥遊から目が離せず。
「辛い〜」とまで言うくらいなのに、それでも好きなんだから応援せずにはいられませんでした。

や〜どういうくっつき方をするかと思いましたが、ドラマチックに、2人ともしあわせそうでよかったです。ほっとしました。

0

よかった!

前巻では、なかなか複雑な大人の恋だなぁ…と感じましたが、今回は、幸哉も小鳥遊も幸せになってよかった!
やっと両思いになり、まるで新婚のような2人が可愛くてにんまりしてしまいました。

気持ちが繋がらず、体だけの関係であった前巻の2人も好きなのですが、やっぱり両思いカップルはいいですね。

回想シーンで、若かりし頃の小鳥遊が幸哉とエッチした後の場面で出てくるのですが、若いときの純朴な雰囲気の小鳥遊も可愛くて好きだなぁ。
笑顔がキュートです。

くっついた後の2人の話ももう少し読みたいなぁ。
痴話喧嘩したり、デートしたり、まだまだ2人の話がどこかで読めますように。

0

些細な点が…、いや、些細か?

おわー、気になる点がー。
残留決定なのだがー。

春を読んで疑問に思っていたことが、えー。すっきりしなかったです。
盛大にネタバレしますので、未読の方はご注意をm(._.)m





まず死んだ友人。
もともと病気持ちだったんですね。
それでかおりのことが好きで付き合っていたと。子供ができて焦って、雪哉に相談して、雪哉が全部ひっくるめて面倒みることにした、と。
そうだったのかー。てっきりわたし、かおりに惹かれる友人に先んじて雪哉がかおりに求婚したせいで、友人がこころを病んでしまったのかと思ってました。夏目漱石の世界。
そうなると前回小鳥遊がかおりに事情を聞きに行ったときに語られた内容は、全部作り話だったということですか?
でもそうだとしたら、春の前半にあった回想シーンのかおりがよく分からない。かおりが「雪哉君は遠くで眺めとく系で結婚とかしちゃだめなタイプだった」的な台詞を言ってるところです。
遥斗と付き合っていて子供も遥斗の子供だって認識してるんですよね?それで雪哉とは「便宜上の夫婦」ということではないの?何というか、この回想シーンのかおりの台詞だけ見ると、小鳥遊に語られた「熱心にアプローチされて結婚した」という方が正しく思えてしまう。
ということは、かおりと遥斗付き合って子供できる→遥斗「子供ムリ」雪哉「僕に任せとけ」→雪哉、かおりに求婚。遥斗とかおり、別れる→かおり、雪哉の熱い想いを信じて結婚→かおり、雪哉からの愛情を感じられない結婚生活に不満→遥斗、死ぬ→雪哉とかおり、離婚。ということ?
フィクションで作者が提示していない部分まで知ろうとするのは無意味だとは分かってます。分かってるけど納得がいかない…。
かおりは遥斗と雪哉の間にあった話を知らなかったとして、そしたらもっとすごい女性ですよね。他の男の子供ごと結婚するとか。図太い。
まあ、この図太さがなければ、血縁関係のない父親のところへ子供を置いて出て行けないか…。

この点もすごく謎だけど、遥斗に話を戻します。
もともとウツだったのか、病気を気に病んでウツになったのか分かりませんが、すごく勝手な人間過ぎて…。子供の責任は取らないし、自殺未遂したり、自殺したり。さんざん迷惑をかけた相手に「愛してるから死なないでくれ」と言われた翌日に遺書書いて死ぬとか。本当に雪哉の気持ちに気付いてなかったとでも?善意だけで他人の子を妊娠している女性を引き受けると?
いや、もういい。死んだ人はいいけれど、雪哉もそこまで気に…病むか。病みますね。

かおりもかおりで分からないのです。自分の子、しかも雪哉とは血が繋がっていない子供を置いていくとか。雪哉がお人好しすぎて…。あ、でも忘れ形見として置いていってほしいという雪哉の願いを聞き入れたのかもしれませんね。

ふう、邪推に妄想、深読みし過ぎて頭の中が大変です。

そこまで遥斗のことで責任を感じるなら、雪哉が小鳥遊に手を出した軽率さが本当に軽率すぎですよね。自分はもうひとを好きにならないけど、自分に好意を向けている人間にちょっかい出してからかってやろうって…。
死んだ遥斗に届かない想いを抱き続けるのは雪哉の自由だけど、そこに小鳥遊は無関係なわけで、同じように届かない想いを抱く小鳥遊に自分を重ねるとか悪趣味にも程があるという感想しか出てこない。
だけど実際はそれは建前で、本当は救われたかったんだと思います。自分は愛した人を死に追いやってしまったけれど、まだ誰かに愛してもらえる、許してもらえると思いたかったんじゃないかな。
だから誰にでも「抱かれる」けど、小鳥遊には「抱かれたい」し、小鳥遊の腕の中だとほっとするんだと読んでる方は分かるのに、全然分からないんだなあ、雪哉。

さらに深読みするなら、小鳥遊が「自分は遥斗の身代わり」と言っていましたが、どちらかというと精神的には同じように苦しむ雪哉の分身的存在なんですよね。
誰彼構わず抱かれるのは別に遥斗に抱かれる代わりとは思えなくて、むしろ遥斗への贖罪のために自分の身を汚し続けているようにしか見えませんでした。何というか死んでしまったので何とも言えないけれど、遥斗に雪哉が抱かれてたがっていたようには思えなくて。
より一層深読みするならば、遥斗の子供を育てながら、自分は生産性のない行為に耽ることで「何も生み出さない自分」を再確認しているような。とにかく自傷行為に近いものに感じてしまいました。
その中で小鳥遊とだけは何か意味が違って、自分と重なる人間に抱かれることで汚れた自分を浄化するとか、深読み怖いですね。どこまでも果てしない。

最終的にはいいように収まりましたが、うーん。
遥斗、嫌なやつでしたね、ほんと。

2

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