異人の助手×年上技師、時代物主従BL待望の続編!

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明治従属タングステン―或る手紙―

meiji juzoku tungsten aru tegami

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表題作明治従属タングステン―或る手紙―

エドワード、亮二の助手/恋人、25歳〜34歳
佐伯亮二、電気技師、35歳〜44歳

同時収録作品明治従属タングステン―或る手紙―

中原薫、実業家、亮二の恩人、22歳〜48歳
佐伯亮二、中原の書生→電気技師、17歳〜27歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし:甘い休暇II(9P)
  • あとがき
  • カバー下漫画(2P)

あらすじ

大正七年。第一次大戦を経て日本は束の間の好景気に沸いていた。
30代半ばになった計画技師の亮二は、恋人であり仕事の片腕でもあるエドと共に各地を転々とし、
電力普及に尽力する日々を送っていた。そこに、亮二の恩人である中原からの手紙が届き――…。

若き亮二を描いた過去編とエドの親族を巡る物語を収録!
真実が明らかになる必読のシリーズ続編!

■収録内容
・「明治従属タングステン―或る手紙ー」第1話~第4話…COMICフルール掲載作を加筆修正
・「甘い休暇2」…描きおろし10P
・本体表紙…描きおろしマンガ2P

作品情報

作品名
明治従属タングステン―或る手紙―
著者
たつもとみお 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
フルールコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784046835215
4.7

(53)

(40)

萌々

(11)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
250
評価数
53
平均
4.7 / 5
神率
75.5%

レビュー投稿数9

壮大な時代恋物語の集大成

エド×亮二


『明治従属タングステン』の続編。
物語の集大成で、
全てが繋がり、全てが納得できる。すっきりした。

壮大な時代恋物語が大好物。

まるで実際に存在していたような
3人の男の生涯が、背景と見事に絡み合い、
愛によって変わる、変わられる彼らの生き方や、
現実感に満ちたシリアスな迫力が感動的で、
自然に物語に没入し、終わった後も余韻に浸ります。


『明治従属タングステン』の結末から6年後の大正7年。
亮二とエドの元にある手紙が届いた。
そこから、
亮二(17歳から)と中原の出会いからの経緯や、
中原の人生が明らかになる。という過去形の展開が始まる。

亮二の不憫さや、
中原のへ健気な想いに胸が締め付けられる。
中原のために努力して、
結局、中原の勝手に振り回して・・・
あの時の電話の内容・・・全部が切ない。

中原も苦しんでいたのだろう。
暗闇に包まれる罪にに迫ったり、
妻を愛しているにも関わらず、亮二のことが欲しがる。
(不倫は良くない。)
亮二に対する感情は同情からくる独占欲?
それとも何か別の感情なのか?・・・深い。

そして、現在形に戻って、
エドの出生も解けて、
さらに、エドの妹も登場し、
さらにさらに、
この続編での驚きと喜びが待っている。

どんなことがあってもエドの支えから成長していく亮二。
どんなことがあっても亮二から離れることはないエド。
家族のような2人の愛。
お互いに支え合いながら、
電力に尽力し、困難を乗り越えて
エッチもしっかりして、
穏やかな雰囲気で、
幸せな日々を築いていく様子が本当に温かい。

中原がいるこそ、今の亮二がいる。
亮二がいるこそ、今のエドがいる。
そして、愛して合う亮二とエドがいる。

明治から大正への時代を跨ぎ、そして昭和へ。
戦争、国の変遷、震災、電力普及という激動の中、
亮二の半生で2人の男性と出会うことで、
運命に導かれるように、
どうしようもなかった切ない恋から乗り越えて、
10歳の年の差の究極の主従恋模様にうっとりしてしまいました。

8

在りし日の日本を舞台に描かれた上質なメンズラブの世界

文明の成長と発展が著しい在りし日の日本の姿を背景に描き出されていく男たちの物語は、相変わらずの見応えある重厚な世界観でした。
絵柄の美しさ、しっとりと落ち着いた独特の空気感は、上質な作品であることの象徴。メンズラブ(Men’s Love)の言葉の方がストンと落ちる、大人の男の芳香にうっとりと溺れました。

作者さんのあとがきにて、前作の補完的な意味合いの続編だと仰っていましたが確かにその通りで、今作によって作品が完全な形を成したといえそうです。エドと亮二のことだけでなく、中原とその妻の夫婦関係にも焦点を当てており、正直BLの作品の中で描かれる内容としては多少の違和感がありました。しかし、夫婦の底知れぬ愛や絆を感じる演出が素晴らしく、胸が熱くなりました。
中原の存在がこの作品において重要であることを考えると、彼の人となりや人生について言及することもこの物語を語る上で必要なことなのかも知れませんね。

世が世なら…の時代に左右された複雑な人間模様の描きは秀逸で、群像劇のようなストーリー構成がより作品に深みを与えているのは間違いありません。漫画を読んでいるとは思えない映画のような物語展開に、始まりから終わりまで引き込まれます。
大衆文化の発展と、和洋折衷の文化住宅が普及していく日本の史実を感じとりながら、その世界観を思いっきり堪能しました。


そしてですねー…本命ともいえる、エドと亮二のラブラブシーン(笑)こちらはめちゃくちゃ満足頂けるレベルかと思います^ ^
亮二を抱くことに飢えたエドの焦った顔、それを察した周りの態度……笑っちゃうしかないです。事業に関するお堅い雰囲気と、ちょっとクスッとなるシーンとのバランスがとっても良いなと思いました。


終わりのシーンは、終わりにして始まりを予感させる演出が光っていました。彼らの希望や期待、そして未来といったものを強く感じることができるでしょう。これから先の彼らの功績は、今私たちが生きていく上で欠かせない電気の重要度を見れば一目瞭然です。
フィクションだと分かっていても、彼らの生きてきた物語と今の私の生活が繋がってると考えると何だか嬉しく感じました。

5

2人の生きているその時代の社会と文化が描かれる

このシリーズは、明治時代を舞台とした
時代モノなんですが
その上下巻の話の背景を補完するような本作。

明治という、社会も文化も開かれ
旧いものが廃れ、新しいものを取り入れようという気運が高まった
激動の時代に生きる彼らの価値観、
人との繋がり方が
文字だけではなく、物語の背景として
しっかり描かれていることで、
登場人物たちの気持ちにより近づき、
また魅力が深まります。

個人的にショックだったのは、
性に対して、今よりぞんざいに扱われていたこと
十分に働けない者が慰み者となり
それがかつての亮二さんであったこと。
また、それを救ってくれたのが中原氏で…

とにかく、現実でもそうであるように
ひとことでは表し難い
本人達にしか分からない複雑な
事情というのが、見事に表現されていて
本当に読み応えのある続編。

特に、過去編となる
中原夫婦の関係は、当時の風習を彷彿とさせる
切なくて堪らなくなるものなんですけど
味わい深いといったらいいのでしょうか。
先生のXで、漱石の作品をオマージュされている
ことをおっしゃっていて、
とにかくその中原夫妻の最後が描かれた場面は、美しくて、ぜひゆっくりと味わっていただきたいです。

過去編と合わせて、2人のその後の話も
描かれています。
これも骨太なストーリーでした。
当時の人々があたたかく、
当たり前のように助け合いながら生きる姿に
胸を打たれます。
また、過酷な現実に立ち向かう気骨のある人たち、2人も間違いなくその中にあった人たち
なんだなぁとしみじみ思いました。

思わず、感想が多くなってしまいましたが、
上下巻で感じた、2人の魅力的なキャラが
裏付けられるような、とっても良かったです。
2人の関係も、恋人であり、仕事上の相棒でおり、家族であり、絆は強く、
亮二さんはますます円やかで、2人の時にみせる可愛い表情は堪りません。

そこからのエドの回想は、もうヤバいですよね。
サラッとした回想シーンでしたが、(もう少しあってもいいくらい)めちゃめちゃ感動してしまいました。

3冊というコンパクトなボリュームで
時代モノの迫力、主従関係の魅力が詰まって
本当に読み応えのある素晴らしいお話でした。

ぜひ、上下巻も併せて読まれるのを
オススメしたいです!

3

文句なしの「神」

レビュータイトルどおり、文句全くなし!の「神」評価です。

明治主従BLシリーズ、番外編詰め合わせ集。
先生のあとがきに「蛇足と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが」と書いてありますが、蛇足どころか物語にさらなる深みと奥行きを与えてくれている、神作品です…!もう、どこを読んでも胸がいっぱいになってしまいました。

巻末に二人の足跡を記した年表があって、終盤にはエド34歳、亮二44歳になってます。(若く見える設定ということもあり、二人とも全然その年代には見えず麗しい・:*+.)

個人的には、下巻で衝撃的な展開を迎えた中原のその後を知ることができたのが良かった。エド一家に対し行ったこと、妻に対する仕打ち(愛していたとはいえ、、)、色々許せないところはあれど、なぜか愛すべき人物のように思えて、シリーズ中一番印象深いキャラクターでした。

関東大震災など、史実を絡めた見事な展開にため息。
素晴らしい主従物語の締めくくりを見せていただきました。

2

2人はたしかに激動のなかで生きていた。

というのも、いきなりあとがきのネタバレからで恐縮ですが、、、
本編読了後に先生が書かれていた100年スパンな時系列表を読むと、ああ…たしかに2人は必死にそこで息をしていて、必死に前向きに生きようとしていたんだなあという軌跡が読み取れ、感涙しました。(最近すぐ泣くまりあげは)


そして今回物語は、現在に軸を起きつつ、ある手紙が亮二とエドのもとへ届いたことで、中原と出会った過去や、エドの妹ととの再会編などを歴史的出来事と交えて進んでいきます。


改めてあの時代の歴史を学び、悲しい犠牲があったことなどを噛み締めつつも、亮二とエドが奏一を迎え、そしてみよさんとも再会し、新たな家族を作りスタートさせたことは、まさに光と闇から生まれるものの1つだったのではないでしょうか。


終盤、大地震が起きます。
中原からもらったものが燃えて無くなります。
亮二は一瞬、未練を残します。
しかし、とうとうその未練を手放し、中原との過去を捨て、エドと。
4人とで、先へ進もうと決意します。

葛藤があったであろう、あの時の決断。

こちらまで辛く、けれどその強い決意に大きな拍手で送り出したいと思わされました。


ここから復興していく日本。

そして、4人。

4人の未来に幸あれ! そう願いたくなる素敵な続編でした。



2

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