Renta!限定版
忠実な異人の助手×闇を恐れる年上技師
綺麗な表紙に惹かれ、上下巻同時購入しました。
人気の作家さんですが、初読みです。
明治のお話…と聞くと、ごちゃごちゃ難しいイメージですが、こちらは台詞数も少なく、技術的な事も簡潔に書かれているので、サクッと読めました。
サクッと読めるのに、じっくり伝わってくる、とてもいい作品でした。
水力発電所の計画技師・亮二(受)は、現場先で放浪の外国人・エドワード(攻)を拾う。美しく吸収力の高いエドワードは、どんどんと知識や言葉を得、亮二の優秀な助手になっていった。そんな時、新しい現場で亮二の元主人である、中原と再会する。この難しい現場が中原の計画だったと知り、驚く亮二だったが、亮二には中原に逆らえない過去があり…。
ただの技師と助手だった2人の関係が、中原の出現により、少しずつ変わっていく。それに伴う感情が言葉少なくとも、綺麗な絵柄で充分に伝わってきて、胸がキュッとなります。
上巻ではまだまだ想いがエドワードの一方通行ですが、触りあいっこからの、初セックスまで描かれており、思い繋がる前とはいえ初々しいセックスはなかなか♡綺麗な絵に眼福です。
ちょいちょい描かれる亮二の可愛さには、エドワードでなくとも惹かれちゃいますよ。
ラスト、とっても複雑な感情のところで終わっていますので、続きが気になり過ぎて…そのまま下巻へ突入することをオススメします!(笑)
出来心で拾った男がスパダリに成長し自分を口説いてきた。でもそれは雛鳥の執着だろう?――な上巻。
明治末期、電気技師の亮二は電気開発のために訪れた町で、その日暮らしの肉体労働をする身汚い男に出会う。
言葉をろくに理解せず、皆から知恵遅れと呼ばれるその男のことをなぜか放っておけず、宿場に連れ帰った亮二。
よくよく観察してみると彼の正体は知恵遅れではなく、視力が悪いために動きが鈍くなり、母国語が異なるために話を理解できなかっただけの若き異国人エドワードだった。
その後、亮二の教育を受け成長したエドワードは亮二の寝食の世話から仕事の手伝いまであらゆることを難なくこなす優秀な従者になっていた。
しかしどれほど亮二の役に立てども、亮二の心にはある男が住み着いているようで……。
関係を近づけたいエドワードはある日とうとう亮二を組み敷いてしまい――?
ラブストーリーの構成自体は、主従の壁を超えていけ!な王道展開なのですが、いかんせん
演出がとても良い。
特に五感を生かした設定とストーリー運びがとってもお上手でびっくりしました。
とりわけ「視覚」は完全に話のキーポイントになっていますね。
エドワードの低視力問題、亮二の暗闇問題。
はっきり見えたり、ぼんやりしか見えなかったり、暗くなったり、明るくなったり。
その度に心理的にも物理的にも近づいたり離れたり。
エッチシーンもよくよく見ると、さりげなく眼鏡が脇に置かれていたり、ふっとランプが消たりと芸が細かい。
おかげで二人の間では音、匂い、味、肌触りと視覚以外の全ての感覚が研ぎ澄まされている様子がしっかりと伝わってきます。
この演出がね、非常に艶っぽくて素敵なんですよ。
コテコテドエロでもなく、あっさり印象薄にもならず、作品の雰囲気にとても良く合っています。
他にも中盤、亮二がかつての思い人中原さんにお口を弄られるシーンも、ネクタイひとつ緩めずにこんな艶めかしさ出せるんだ!!ってなくらいドキドキなワンシーンでお見事でした。
なおかつヒューマンストーリーとしての読み心地も良好。
明治の電気開発事業を軸に、主人公たちの洞察力、処世術、向上心、熱意、葛藤などが自然に盛り込まれ、純粋に上品でカッコいい。
しかし説明過多になりすぎることもなく、本筋のラブの邪魔になることもなく、ファンタジー感、ご都合主義感も多少ありで、結果としてBLとして最適なバランスに仕上がっています。
望むまま与えよう。
雛への褒美として。
いつか巣立つ日まで。
エドワードの熱い思いを受け入れながらも、どこか俯瞰している亮二。
二人の関係の行きつく先は?
そして無事電気は開通するのか?
で終わる上巻です。
大丈夫。上下同時発売です。
首を長くして待つ必要はありません。
時代は明治、発電事業を進めながらのBLです。昔特有の嫌な部分はさらっと流されてるので読みやすいです。正体不明の青い瞳のエドと、エドを拾って住まわせる技師のカプ。
メイン二人の関係性は、作中でも言及されてましたが、まさに雛鳥が初めて見たモノを親と思うような感じ。エドが亮二に執着するのは必然に思えます。でもそれがすごく良くて…きゅんが詰まってるんです!
亮二の方は他に思い人がいます。発電事業の大元となる中原という男で、その妻に過去に酷い目に遭わされてるのに健気に期待に応えようとしてます。エドもそれに気付いてて、嫉妬バリバリの三角関係が出来上がってるのに萌えます。
キーアイテムは眼鏡で、ストーリー上たぶん上手く使われてるんですが、偶然持ってた眼鏡で解決なので、深刻な病気とかでなくただの近視っぽくエピソードとしてはハマれませんでした。一酸化炭素と近視は関係ないし、原因が描かれてないのでそこに意味を持たせてるのか分からず…。
上巻はメイン二人が体だけつなげたところまで。あまり喘いだりしなくて、しっとり官能的な雰囲気が漂ってて良かったです。
思うところはありつつも、雰囲気やキャラの魅力を神レベルに好きだと感じた作品。この時点ではまだエドの片思い状態で、続きがとても気になります!
過去編の連載が始まってますよね〜!
本編では断片的に語られていた過去の話をなんとなくで想像していたわけですが、その場で語られる話はそうなるしかなかったよね、と思うばかりでとても切ないです。
上下、過去編と通してのレビューになってしまうかもしれませんがお許しを…
みお先生の描く表情はほんと繊細で、特に今回のような時代ものでイメージする、どこか耐えて押し殺しながら生きている人物像にぴったりだなぁと終始、うっとりしながら読んでました。
亮二さんの過去、エドの過去、不運ともいえる過去を抱えて、でも強かに生きる2人。
エドの素性もこれから語られたりするんでしょうか、もぅそうなるとミステリーに人間ドラマに、ボリュームがすごいんですけど!
めちゃめちゃ期待しちゃいます!!
そして今回も読めば読むほど、キャラが好きになる感じで
ほんとみお先生の作品は堪らないです。
今回は、特にエドが…!年下ワンコ攻めにこんなにときめいたの初めてです❤︎
美しい顔立ちに逞しい身体と、賢く動ける行動力と冷めた頭脳の持ち主。一言でいうとスパダリなんだけど、どこか品があるのがまたグッときます!
亮二さんは…もしかしたら、置かれた環境から男性しかいけなくなったんですかね…正に薄幸美人なんだけど、日本の美男子を絵に描いたような佇まいと知性が魅力を増すというか…!
そして2人の間に垣間見える劣情!!
何層にもなっていて味わい深い、先生の時代BL。これからもめちゃめちゃ楽しみです!!