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四宮しの先生の作品には毎回、癒しをもらいます。
ほんの少しの毒と人を大切に思う気持ちに、自分のあり方を正してもらえる気がします。
本作は短編集で、宝箱のような一冊でした。
読んでいる最中は切ないけれど読み終わった後には心が温かくなって、少しだけ優しい人間になれたような。
いろんな事を、忘れてしまっていた事を、おもいださせてくれて。
心が風邪を引いた時に読んで栄養をもらっています。
四宮作品でしか味わえないものを、たくさんの方に感じてほしい
白、赤、黄、緑、青、紫、灰、金銀、それぞれ色が隠れたテーマになっている短編集。
フェチシズム、御伽噺風、年下ワンコ、異国モノ、近未来ファンタジー、裏社会と設定も実にカラフルでして一冊で色々な気持ちにさせられました。
好きなのは第3話の"黄"がテーマカラーの話。
「正しい事」を嫌悪している岸が、バイトの後輩美保に正しい方へ導かれるお話です。
岸が居るのは"黄信号"で「止まれるよ」って美保が言ってくれたことで、無意味な不倫に終止符を打つ事が出来たという、短いですが読後感の良い話でした。
このお話の続きが第7話になっていて、美保に告白されて付き合い始めたはいいが、好きとか幸せとか分からずに頭の中が灰色でモヤる…っていう話です。
でも自覚していないだけで、すっかり美保の事好きじゃんっ、て可愛いくて後味のよい終わり方でした。
心に残ったのは、第5話のAIロボットナルと少年トモエのお話。
切なく悲しいエンドになってしまうのですが、描き下ろしでトモエが言った「うれしいきもちはなくなったりしない」というセリフで少し救われたような、それでも切なさは増すような余韻を残すお話でした。
作者さんの作品初読みだったのですが、他の作品も読みたいと思います。
◾️第一話
かっわいい!フェチというテーマは濃くなりがちかと思いきや、高校生の爽やかさに溢れててかっわいかった〜!一見クールそうな風貌で、好きな人からの好感度上げとか下げとか心の中で思ってる男子高校生なんて可愛さしかない。
◾️第二話
口絵から短編集かなと思い、目次から連載かなと思い、二話を読み始めてどうやら短編なのかな?(読後ちるちるの作品紹介欄を見て、そういうコンセプトなのねと知る)御伽噺チック
◾️第四話
ここまで4話とも根底は四宮先生だけど違う味がして面白いです。このお話は手放しで面白いと言い難く、物凄いエグみを持っているけれども。"欠損"系の作品にはダメージを受けてしまうので苦手ですが、物語としてはとても美しく愛しく…葛藤。
◾️第五話
ここから更にロボがくるんですか!!!四宮先生の多才さにテンションが上がり続けます。しかし読み終わって上がったテンションの持っていきどころ…が…
◾️第六話
第一話の展開が嘘のように全体的に闇が深い一冊だと気づく。一話も自分が爽やかに読んだけど、やっぱりフェチものらしく濃さを汲み取るべきだったか。まぁ白は特殊な色なので。
長い事この作品のレビュー(感想)を書こうと苦戦しておりましたが、結論としては「漫画家、四宮しのは天才である」と言う圧倒的証明のような一冊だ。と言う感想しか私には書けないと悟りました。(文章に凄み?を持たせたかったので、失礼な表記になってしまい、申し訳ないです。)
色がテーマの短編集と言う、7色(7話)の短編で形をなすこの一冊は、コンセプトの時点で既に素晴らしいのですが、どのお話もまさに色とりどりで鮮やかに記憶に残り、ストーリーが全く違う方向に面白いです。それでいて、全てのお話がとても美しくまとまっている、物凄い作品。
優して、可愛くて、美しくて、儚くて、けれど時に不気味な恐ろしさも感じさせる絵と、心に刺さる台詞の数々…四宮先生ならでは世界観がぎゅっと詰まっていると思います。
そして、どのお話もただ読んで終わるだけではなく、幸せとは、愛とは、美とは、正しいとは…と、考えさせられてしまう。この作品こそが、自分の中にある常識や固定観念を塗り替える、そんな「色」そのものです。
「それは君 緑に安らぎを求めるのが間違っているんだ。 緑は ぎらぎらもえる命の色だ」
私はタイトルに引用させていただいた、この台詞が大好きです。
読めば貴方のお気に入りの台詞が、きっと見つかるはず!
四宮先生の作品を初めて読む方にもオススメしやすいかもしれません。ふんわりしてるのにどこか寂しい、四宮先生独特のストーリー展開の魅力が詰まっています。短編集なので、もうちょっと読んでいたかったという作品もいくつかあるのですが、この潔い終わり方があってこそ成り立つ四宮先生の世界観だとも思いました。
お気に入りはまず第二話の、主人公・トキがアパート前に落ちていた人を拾う話。BLではありがちな非日常的導入ですが、拾ってもらった清太郎とじっくり愛を育んでいくような展開ではなく、おとぎ話のように一度清太郎が消え去ってから再びトキを迎えに来るという流れが素敵でした。貧しいトキがそこでも清太郎にネクタイを贈ろうとするのも粋ですよね。そして、第四話のロボット・ナルと人間・トモエの話。これが一番温かくて悲しい作品でした。トモエがどこまでもナルのことを一番に思いやっているからこそ、ナルの決断直後の結末が悲しくて。ナルの寂しさはもう永遠に癒されないのかなぁと思うとやりきれないですね。