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「天狗」シリーズの4作目ですが、こちらはスピンオフ作品となっています。
時間軸は前作「天狗の恋初め」の20年後。
主人公は、大天狗が寂滅した後の小さな御山・荒磐岳に生まれ、ただ一人残った烏天狗にようやく育てられた弱い天狗・水篶(みすず)。
前3作、特に直前作は、大天狗の伴侶に子供が生まれその子の大きなパワーが炸裂する物語で、いわば「陽の気」が満ち溢れていた。
しかし、本作はなんとも寂しげで、悲しげで、陰の気に覆われていますね…
水篶は、無理心中の生き残りである幼い冬征(とうせい)を助けて一緒に時を過ごしてしまう。
天狗と人間の時間の過ぎ方が違うのに、知識も覚悟も足らず結果的に人間の冬征に頼る形で人間界で暮らす事になってしまった水篶。
水篶と暮らすうちに水篶に恋するようになった冬征。
冬征と水篶の将来に明るさが全く無く、その上、すでに荒れ放題の水篶の御山・荒磐岳への廃棄物不法投棄問題も加わってかなり救いのないストーリー展開。
荒れた荒磐岳は台風シーズンに山崩れの危機。
そこに現れるのが、これまでのシリーズの登場人物である「六花」です。
天狗界のサラブレッドで強い神通力を持つ六花は、弱い水篶が守れない山崩れをいとも簡単に直してしまう。
他の天狗を知らない水篶は劣等感に苛まれますが、六花は水篶と冬征を助けてくれます。
本作はとても現代日本の話と近くて、天狗の生き辛さ、人間との距離感など前作たちとはかなり色合いが違います。
天狗と共に生きる冬征をバケモノ扱いして襲う人間。
腹を刺されて死にかかる冬征に遂に愛を告げる水篶。そして自分の命の源を分ける水篶。
結局冬征と水篶にとってはハッピーエンドな展開になるのですが、明るく生命力あふれる本編3作に続いてのスピンオフがこのように悲しげな物語になるのは、読む側の勢いを削ぐ形になると思うなぁ。
高徳坊様の強い強い庇護の元で、睦みあって転成を果たして!と祈りたいです。
天狗シリーズの第4弾です。今回のカップルは愛する天狗の為25歳になるまで童貞を守り続けた人間と、天涯孤独で神通力もとても弱い天狗です。
20年前、人の立ち入らない山で迷子になっていた冬征を天狗の水篶(みすず)がみつけ助ける。冬征を両親の元へ帰そうとするが、両親は近くの木で自殺してしまっていた為やむなく水篶が彼を養うことに。それから2年後、冬征は祖父母のところで育てられることになったが、水篶を慕う彼は離れようとはしなかった。やがて、冬征は天狗になりたいと考えるようになる。
お助け天狗の六花が立派に育っていることが感慨深かったです。挿絵を見る限りでは、剛籟坊の顔つきにも似てきた様な気がしますね。強いだけじゃなくて、弱い者を助けられる優しさを持った天狗に成長して、雪宥もさぞや喜んでいることと思います。
とはいえ、水篶は力も弱く、サポート体制が整っていないので剛籟坊雪宥カップルに比べて前途多難です。
まだ続きそうな気配がするので、次巻が楽しみです。
初めて高尾先生の作品を読みました。
以前に出ている天狗シリーズは読んでいなかったのですが、問題なかったです。
天狗の水篶と幼いころ水篶に助けられた冬征。
不老不死の天狗なので水篶はなんと90歳。
しかも人間(童貞)の精液が元気の源って設定がすごすぎます。
お話は家族のいない二人が、お互いを家族としても恋愛対象としても大事に思い合うという優しいお話でした。
(萌度は低いけどさらっと読める感じです)
天狗として生きていく覚悟を決めた冬征が天狗に転成するための一歩を踏み出しますが、結果は判明せず。
続編が出そうです。
孤独な天狗の水篶(受)と、少年の頃水篶に助けられてから一途に水篶だけを想い続ける冬征(攻)の、人間だけど水篶の為に天狗に転成したい、二人で添い遂げたい為に六花に助けてもらいながら決意していく物語ですが、これは続編があるのでしょうか?
水篶の天狗らしくなく健気で、人間に近い感覚のある所や冬征の一途さ等、凄く読みどころがありました。
25まで無垢を貫き続けた冬征もあっぱれです(笑)
それにしても六花は若いのに冷静に判断でき、二人に適切なアドバイスが出来る良い天狗になっていますね。
六花の成長した姿や、今も、かかさま(雪宥)ラブなのかなぁとか、天狗としての修行は順調なのかなぁとか、主役そっちのけでそんな事ばかり考えてしまいました(笑)
水篶の天狗としての力が弱い為に、まだまだ苦労しそうな二人ですが、高尾さんがあとがきで、蓮生山での二人の様子はこういう感じかな…と書かれてあるのですが、もしかしたら続編は無いのかな?あって欲しいな。どうなんでしょうか(笑)
林業作業士25歳×天狗90歳(外見は20代)。天狗である受けの山に置き去りにされた5歳の子供が、やがて成長し、受けに欲望を抱くようになる話。
受けは力の弱い天狗で、一生懸命でケナゲで寂しがりやで、すごく攻めを大事に想っています。攻めも受けが大好き。
その時点ではほのぼのな予感しかしないのですが、天狗にとっては童貞男子の精液が神通力を高める何よりのごちそう、という設定が萌えの種です。なので、力を補給する必要ができるたびにお口でいたします。大好きな攻めにフェラされる攻めの「うれしいんだけど、それ以上には進めない」という葛藤が面白くて萌えで仕方ありません。その上「天狗の精液は人間にとっては毒」という設定まであるもんですから、相互フェラさえできません。
受けだけが攻めにご奉仕する、というシチュエーションはあまり好みではないのですが、こういう設定さえあったらすごい萌えるもんだなぁ、と感心しました。あと、受けのために25歳になっても童貞を保っている攻めが、堂々としつつもちょっと恥ずかしげなのにも萌えました。
大好きな攻めにフェラされる攻めの→大好きな受けにフェラされる攻めの、の間違いです、スミマセン。