Renta!限定漫画付き
櫻川なろ先生の初コミックスです。ちるちるインタビューで気になっていたので購入しましたが、とても素敵でした!
表題作「勇者のはさみ」
舞台はある美容室。
カラーは得意だけどカットはまだまだ未熟な新人美容師の中村(攻め)は、その腕の良さでどんなお客様のコンプレックスも笑顔に変えてしまう「魔術師のはさみ」を持つ先輩美容師の福原(受け)に憧れていた。
だけど福原は長い前髪で表情を隠していて、愛想もなく少しとっつきにくい先輩で…。
ある日、福原が中村の教育係になります。最初は福原のキツい言い方にイラッとするも、的確な指導やカットの技術、そして何より、接していくうちに少しずつ柔らかくなっていく福原の雰囲気に「もっと福原さんを知りたい」と思うようになります。
そんなある日、目付きにコンプレックスがあるお客様が来店して…。
お客様のコンプレックスを笑顔に変えてしまう「魔術師のはさみ」を持つ福原。だけど、本人は笑うことさえなく、長い前髪で瞳を隠している。
…それにはある理由があった。その理由を知った中村は福原に勝負を挑みます。自分が勝ったらカットの練習台にさせてほしいと──。
お客様のコンプレックスはその持ち前の腕で笑顔にしてしまえるのに、当の本人は諦めてコンプレックスを抱えたまま表情を隠している…そんな福原の姿に苛立ちを覚え、「自分が勝ったら髪を切らせてくれ」と勝負を挑む中村が本当に眩しいくらいに真っ直ぐです。このぐらいに真っ直ぐだからこそ、結果的に福原のコンプレックスを笑顔に変えることができたんだろうと思います。
福原の笑顔、可愛かった…!!
さて、お話は更に進みます。新人昇格試験と福原の元教育係である他店舗(2号店)の店長、菱川が現れたり等…。
まだまだカット技術も未熟な自分。それとは正反対に菱川は福原よりも技術があって上手くて、おまけに福原と親しそうで…
「このままじゃ他店舗に飛ばされるかもしれない…福原さんと離れることになるかもしれない…。上手くならなきゃ…そうすれば役に立てる…役に立てれば使ってもらえる…使ってもらえれば側にいられる…」
そのためには、まずは新人昇格試験を受からなければいけない…そう考えるようになった中村は、焦り無茶をするあまり、手を故障してしまって───。
福原のコンプレックスを癒した中村。そんな中村が辛いときに、今度は福原がその手を優しく握ってあげて…。
お互いがお互いに救われてひとつ強くなって、そして惹かれ合っていき、想いが交わる。そんなお話の流れがとても素敵だなぁと思いました。
くっついた時にはほっこりとしてしまうほど。
描き下ろしはお付き合いに慣れてなくてどうしたらいいか分からない福原と、それに振り回される(?)中村のお話。これがまた可愛かったです…!
二人のラブラブな生活ももっと見てみたいなぁと思いました。
同時収録「鏡のない部屋」
こちらは表題作で登場した菱川のお話です。
ある日の飲み会の帰り、突然声をかけられた菱川。
「この辺の人って、ヤッたら金貰えるって聞いたんだけど、あんたもそういう人?」
声をかけてきたのは見るからに高校生くらいの男の子。だけどその男の子は二十歳過ぎてると言い張るので、面倒だと思いつつも仕方なく家に連れていくことに。
脱がせて様子を見るもやはり慣れてないその反応に、菱川はタオルを渡して問いかけた。
何であんな所にいたのか、誰に聞いたのか。遊ぶ金欲しさなら危険だからやめろ、と。きっと母親が心配してるぞ、と。
だがしかし、その言葉を聞いた途端に「帰らない」と言い出した男の子。あんたの言うこと何でもするから、帰りたくない、そう言って菱川の手を掴んだ男の子──あつやには、家庭の事情があった───。
高校生の頃、親がW不倫で泥沼離婚したことで愛情の不在と空虚感から自分の存在意義を見出だせなくなり荒れていた菱川。そして、あつやもまた、母親の再婚話を受け入れられなくて家出をしていた…。
かつて愛情に飢えていた菱川と、正に今愛情に飢えているあつや。二人が出会い過ごしていくうちに垣間見える菱川の隠された過去と昔の恋に、切なく感じると同時に「菱川さん幸せになってほしい…」と願わずにはいられませんでした。
菱川はきっと、とても優しい人なんだと思います。それでいて臆病な人でもあって…。
でも、誰しも本当は愛されたいし愛したい、そんな想いがあるんですよね。必要とされたくて側にいたくて…。
恋を諦めていた菱川と、そんな菱川に恋をしたあつや。
二人がくっつくまでの過程と、最後、くっついた時に見せた菱川の笑顔に、なんだか少しだけうるっとしてしまったのは内緒です。笑
この二人もまた、少しずつ時間をかけて愛を育んでいってほしいなぁと思います。
長くわかりづらいレビューですみませんでした。でも、どちらのお話もとても素敵でした。きっと何度も読み返す作品になると思います。
全部読み終わって、表題作はあまり印象に残りませんでしたが、「鏡のない部屋」は萌えました。
相沢さんと菱川さんの友情シーンはよかったです。
カップリングも菱川×あつやが好みで、もっと先が見てみたいですし、こちらの方が話が膨らみそうな気がします。
相沢さんも絡めつつ…。
ぜひ続編をお願いいたします。
発売前から気になっており、購入させて頂きました。
絵がとても綺麗でかわいいのですが
お話が勿体ないなというのが
率直な感想です。
物語設定もキャラクターもとても良いのに少し残念でした。
お話の展開が遅いと言いますか、
中村くんと福原さんのお話というより
中村くんの美容師としての成長物語という感じがしました。
もちろん二人の恋愛の話なのですが、
恋愛要素は全てがぽんぽんと事が進んでいき、
難は中村くんの美容師生命?で
美容師のお話が主なのかな…と読んでいて思いました。
もっと福原さんのトラウマの話を絡めて
福原さんが中村くんを好きになったお話や、
中村くんが福原さんに助けられ、どれだけ好きなのかなど、
BLとしてもっと色々な展開が出来たはずなのになんでだろうなと思います。
この展開にするなら福原さんの目のくだりがなくても書けたのでは?とも感じてしまいます。
福原さんのトラウマを作ったならそこを生かして欲しかったなと。
勿体ないなと感じてしまうからこそ、
こんな内容のわざわざ書かなくて良いようなレビューを書いてしまいました。
申し訳ないです。
ただ本当に絵はかわいく、中村くんにも福原さんにも
とても癒されました!
次回作を楽しみにしております。
表紙の画像を見たときに、ビー玉みたいなきらきらした目に惹かれて赤い枠で囲まれている感じがなんだかよくて購入を決めました。
本を持った感じ他と比較するとわりと多めのページ数で厚みを感じました。
一冊に大きく二つのお話が入っているのですが別ものではなく同じ世界の話で、主人公が変わったのと新たな登場人物が出たのみなので、まるまる一冊の本として捉えることもできます。
最初試し読みを読んだとき主人公が『なんだこの一直線の目が見えない恐ろしい前髪は!』と思い、ここでギャグめなのかなと思ったりもしたのですが、髪を切ってから美人美青年で普通に読めます。
とにかく目が綺麗なところと黒髪で綺麗でもりもり食べるギャップもいいです。
ただ自分的には年下の攻めのビジュアルがあまり好まず...
後半の主人公がもっと好意ありの圭ちゃん圭ちゃんってなってたら楽しめたなと思います。
また表紙からみるとちょっとファンタジックなのですが、いたって日常的なおはなしです。
美容師たちのスパークリングラブ
やわらかい甘めなおはなしです。是非!
この表紙って、、、
最近流行なのかな、
顔アップの表紙。
それにしても、既刊の別の作家さん達の他の本達と、ほぼほぼ見分け付かないような、、、
とりあえず、超おっきなタイトルロゴが乗っかってたり、後ろにちゃんと攻めキャラもいたりはするけど、インパクト大な表紙絵だけに逆に陳腐化してるというか、差別化が難しいというか、、、
表題作の内容的には、このカバーイラストはすごくマッチしていて、もう、これ以外には無い!っていう感じも充分伝わる。
でも…とエンドレスループに。
とりあえず、カバーイラストのことは置いておいて、
本編の美容師さん達のお話、お仕事物としてはおもしろかったです。
絵もきれいでお上手です。