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表題作薫りの継承 下

平良木竹蔵、レストラン経営者
平良木忍、会社経営者

あらすじ

禁断の愛、衝撃の終幕。
義理の兄と弟。禁忌の秘め事。
愛の終着点にあるのは、破滅か救済か。

兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。
あれから何度も何度も交わっている。
兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。
夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。
義理の兄である忍との関係を、露ほども疑っていない義姉から女性を紹介される。竹蔵は彼女に対してすげない態度を取ってしまい、そして……。
その晩の出来事は、兄弟の運命を大きく変えてゆくのだった。

義理の兄弟の禁断の愛と確執を描いた衝撃作、遂に完結。

姑息な言い訳を用意して、何度も何度も交わる。
我々は卑怯だ。
そして、孤独だ。

作品情報

作品名
薫りの継承 下
著者
中村明日美子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
薫りの継承
発売日
ISBN
9784799726365
4.5

(369)

(296)

萌々

(30)

(19)

中立

(15)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
44
得点
1672
評価数
369
平均
4.5 / 5
神率
80.2%

レビュー投稿数44

まさかの結末……そして、、、!

義理の兄と弟。禁断の関係の終着点はまさかの事実が明らかになり、息を呑む展開に最後まで一気に読んでしまいました!

1冊丸ごと、どこを読んでも覗いては行けない、足を踏み入れてはいけない所に間違って入って盗み見ているような感覚になる背徳感で溢れています。
目隠しのまま目が見えない状態で犯される背徳、誰かに見られながら行為をする背徳、結婚して子どももいるのに男性と関係を持つ背徳、兄弟と身体の関係を持つ背徳、、とあげたらキリがないほどの道理ならざる内容ですが、不義理が明らかになると同時に衝撃の事実がわかり、更にこの作品を禁断のストーリーに昇華しています。ここまでいくと、もはや見事と言わざるをえません。

兄弟の身体を絡めるシーンは繊細なタッチで描かれているのに異常に官能的で美しいです。
そして、描き下ろしで再び唸りました!

仄暗く官能的背徳感溢れる兄弟BLを読みたい方にはおすすめです!

0

最後までうつくしい

上巻のときから思ってたんだ、このまま2人が生きて一緒にいられるわけないと
どうにか妻にバレて関係が破綻するか、弟に妻ができて秘密のまま関係が続くのか…
そう思っていたけど、バレたけど逃避行しちゃったのね
そうかー、逃避行ね、最高かよ…って思ったのもつかの間、やっぱりお兄さん亡くなってたね…
亡くなる間際のうつくしい笑顔、妻に宛てた手紙の、弟を愛していたという告白が、つらいけれど綺麗な終わり方だったと思った
甥っ子が継承していた暗転は、今後どういう展開になるのか、結局父とおなじ道を行くのですね…という気持ちになった

1

メリバの最高峰

メリバ作品をそんなには読んでないですが、なかなかこの作品程のインパクトを残せるものは無いんじゃないかなと思います。
絶望感と高揚感とが同時に湧き上がるような感情を味わっています。

やはり片方が居なくなるというエンディングは個人的には残念なのですが、この2人の場合少しの間だけでも自分の立場と気持ちに折り合いをつけてお互いに愛を確かめ合えた、そこに救いがあったなと思います。

眼帯の浮浪者風の男、あれって上巻で少年期の竹蔵にイタズラした男ですよね?
どういう事なのか、何か深い意味があるのかまだ読み解けてないので再読が必要かなと思ってます。

父親と叔父の関係をくまなく理解していた要がその性癖をしっかりと継承しているのがタイトルに繋がってるんですよね。
この辺りの物語はまだ終わらないという感じ、仄暗さにゾクゾクが収まりません。

1

明日美子先生だから

かつて通しで読んだはずなのに、なんだか展開を忘れているところがありました。上のレビューで「よくある話」と言っちゃってますが、ラストがまた「よくあるラスト」で…こうするしか話は落ちないけれど、それは逃げだよなとも思うし、これぞ様式美でもある。これで竹蔵が女だったら自分は歯牙にも掛けないであろう作品なのに色々とぐだぐだ思えるのは明日美子先生の本だからです。展開を忘れていたのは自分好みじゃないからなんでしょう。どこまでいっても2人は幸せに暮らしましたとさ…が好き。

0

美しい時間は儚くて。咲き匂う花は朽ち果てる。

歪みながらも、それなりに幸せだったのだと思う。
誰にも言えず、秘密裏に。激しく情交を交わし合う竹蔵と忍。
決して互いの生活にそれを持ち込まない様に。壊れ物を扱う様に。ひっそりと熱く。
ところが、幸せな時は短くて。突然終わりを迎える。
下巻は呆気ない程、短く感じられて。少々拍子抜けしてしまった。
彼等の幸せは小さな綻びから壊れて行く。義姉の全くの善意から、(彼女はこの時、実に呑気だ。)独身の竹蔵に育ちの良さそうなお嬢さんを紹介する。
彼女の好意的な誘いを感じた竹蔵は、意地悪くも兄との情交を見せつける。読み終えて仕舞えば、これが破滅へのトリガーだったのだ。
竹蔵は実に余計な事をした。自分の嫉妬と執着の為に、大切なものを自ら壊したのだ。
はるかさんは勿論、先輩である茉利子さんへ告げる。これはおぞましい事なのだと。
茉利子さんは夫である忍に愛されることが無くなっていて。焦燥していたのだと思う。
ずっとモブとして顔を描かれることの無かった彼女が、歪んだ表情で、事実を突き付ける場面は哀しい。可哀想に。彼女はただ、苦しめられただけだ。

話は急に畳み掛けるので。彼等の苦しみや苦い余韻はあまり感じられなくて。
少し唐突な終わりの様な気もしました。
ただ。何処かへ逃避行していた、竹蔵と忍が、2人だけでいられれば幸せだった筈なのに。
忍は多分。その罪の重さに生きていられなくなったのだと思う。
竹蔵が最期に見た、忍のやつれた美しい笑顔が寂しくて。優しくて。涙。
いつも律して、冷たくとりすました様な顔をしていた、忍の柔らかな笑顔。
それは無残にも消えてしまう。

描き下ろし「暗転」は、タイトル通り。暗転したかの様に数年後。
利発そうだが、歪な性癖に目覚めた要はいつかの父親の様に、目隠しをして男に犯されるプレイを楽しんでいる。こうして「薫り」は「継承」されて行くのだと、作者は言いたいのかもしれないが。これは蛇足なんじゃないかとも思う。
要がいくら欲しても、父と同じ様な快楽と愉悦を得られるわけが無い。
竹蔵と忍は、最初からずっと。惹かれ合うしか無い兄弟で、恋人だったのだから。

それにしても、第10話の緊迫感は凄まじい。セリフの無い、ただ暗闇で交わされる、延々と続く情交シーン。息が苦しくなってしまった。

最後の方で出て来た、ホームレスの男は、まさか。学生の頃、旅行に出かけた先で、竹蔵を襲おうとしていた眼帯の男か。彼は何者だったんだろう。

0

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