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表題作明日はきみと笑うシャラララ

広川秀美,ハウスキーパー,24歳
片山隆二,元芸人の放送作家,36歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

花丸WEB新人大賞受賞作で堂々デビュー!
笑いと涙が痛みを癒す、魂の救済の物語

人気お笑いコンビ「らんな〜ず」のひとりだった片山は初恋の相手でもあった亡き相方・中本のことが忘れられず、表舞台からは去り放送作家に転身した。相方亡き後の人生はただの消化試合だと荒んだ生活を送っていたある日、片山の元にハウスキーパーの広川がやってくる。施設育ちの広川にとって「らんな〜ず」は希望の光だったと語る彼の不思議なマイペースさに触れるうちに、片山の心は少しずつ癒されていく。ところがある晩、片山は中本のことで自棄を起こした末、広川と関係を持ってしまい……。

作品情報

作品名
明日はきみと笑うシャラララ
著者
くもはばき 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592877424
3.8

(42)

(19)

萌々

(12)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
10
得点
154
評価数
42
平均
3.8 / 5
神率
45.2%

レビュー投稿数10

重い

初っ端から重い。表紙やタイトルとイメージ違うなーと思いつつ読み進めるも、やっぱり重い。
「重いのどんと来い!」の時に読まれるのが良いですよ!
中盤終わりぐらいでこれから軽くなるのかな?と思わせてより重くなるあたり、徹底してます。
それとも私の人生経験が足りない所為で必要以上に重く受け取ってしまうのかしらね。

比喩が妙にロマンティックで詩的。これ書いてるの男性かな?と思いました(男性のほうがよりロマンティックであるというステレオタイプの思い込みです)。
文章はリズムが良くて軽やかで、メロディのようです。内容の重さとのギャップ。

終盤に、展開の唐突さで戸惑い、今まで軽やかだった文章が、軽やかなままちょっと何言ってるか分からないです、という場所がほんの少し散見。これも私の人生経験が(ry

正直言うと、この文章でもうちょっとライトなラブハッピーなものが読みたいです。
でもこの重さが売りなのかもしれないしなぁ。
他の本はどんな感じか気になりますね。

2

長い喪失からの再生

タイトルから楽しいお話かと思っていましたが。

亡くなったひとを忘れる事が出来ず苦しんでいる片山の姿は、とても哀しく。とても苦しく。
前に進めと言われてもできない。
自分だけが立ちすくんでることもわかってて、前を見ようとする人を非難する気持ちも湧き上がって、自己嫌悪したり。
また、そんな片山の前に現れるハウスキーパーの広川のオドオド具合もかなりなもの。
後半広川の生い立ちが明かされるのですが、これがまた救いがなくて。
しかし、2人の恋は別に傷の舐め合いでもなければ共依存でもありません。だからそこは前向きで良かったです。
片山の背中を決定的に押すのが中本の幽霊、というのは……両刃の剣のような気もしました。片山の哀しみが昇華される効果はありますが、いきなり「幽霊」が出てくる違和感というか唐突感というか、そういうものもあるかな。
哀しみに囚われていた片山の再生物語として、良いハッピーエンド、いや希望のある良い始まりで、これから広川も片山も2人ともどんどん楽しい時間を共に過ごすんだろうな、というところは疑いなく信じられる。そこはとても良い読後感と思いました。

2

ポッカリ空いた穴の周りをグルグル歩いてるような気分。けれど温かい。

関西には馴染みがあるので読むのは苦労しなかったですが
文字数が多くて思った以上に読むのに時間がかかりました。

しかし、
世界観にドップリ浸れました。
だからか、ずっと悲しかった。

読んでる間中、ずーっと寂しい気持ちでいっぱいでした。
ポッカリ空いた穴の周りをグルグル歩いてるような気分。
でも温かさがあります。
温かいけど寂しい。
寂しいけれど温かい。
亡くなった人への想いや、その後の生き方。
周囲の叱咤激励や愛情。

色んなモノが刺さり頭痛くなるほど泣きながら読了です。
読んでる間中ずっと悲しかったけれど、前向きで、とても良い作品でした。


お笑い芸人”らんな~ず”を中心に展開するお話です。

自分の半身ともいえる相方であり、
長年片思いしつづけた愛する人を亡くし。
その後、生きてる理由といえば、亡くなった彼が残したモノを守ることだけー。
受けの片山は生きながらにして亡くなった彼にしがみつく浮遊霊のようで、
人知れずさみしさを抱えています。

そんな中で出会ったハウスキーパーの広川。
実は広川は半ストーカーとも言えるほどのらんな~ずを追いかけてきたファン。
らんな~ずの話をしていても、亡くなった彼を『過去形』にしない部分に片山は安心感を覚えます。

広川といると心が穏やかになれる。
まるで亡くなった彼がそこにいるかのような充足感。
しかし、広川と彼の些細な違いを見つける度に、彼がいないことを再確認する。
周囲が前向きに未来を見て生きている中で1人ぽつんと留まる姿が切ないです。

広川は片山の気持ちは痛いほど分かっていて。
片山の支えになりたいと思う一方で、
いつまでも亡くなった彼にしがみつく姿を見ているのが辛く。
2人の間にある空気が変わっていってーーーと展開します。
生きながらにして死んでるような片山の再出発までをじっくり読むことが出来ました。

タイトルの語感ほど明るいお話ではないですが、
関西弁が明るくコミカルに仕上げてくれるのであらすじほど重すぎず。

ちょうどいい塩梅なんですが、
いかんせん、上にも書いたようにやたら刺さる部分が多くて個人的に不安定になってたのか。
きっと笑うシーンなんだろうなぁってとこでもやたらと涙が出てしまって(;///;)ウウウ
ずっと悲しくて寂しかったけれど、片山が1つの区切りをつけて1歩踏み出せて救われました。
上手く言い表すことが出来ず、すごく良かったの一言だけです。
悲しみも、思い出も、これから先の未来も、みんな抱えながら生きてるんだなとしみじみ感じました。

ただですね。
肝心のBがLするラストが物足りないよー!
え?そこで終わっちゃうの?後日談は?ってなりました。残念。
後日談は同人や特典で書かれているんですね(;ω;)
今からじゃ無理か…(涙)

2

割と軽く読めた

コミカルで軽快なタッチで、わりとするする読めました。

長年想った相方を無くして投げやりになっている主人公と、そこへやってきたまじめくんなハウスキーパーとの恋物語。

なかなかまじめくんのエンジンがかからずゆっくり進行しますが、この出会いが、主人公である片山の、人生に立ち直るきっかけとなります。

しんみりしがちな設定もありますが、私はそれほどしめっぽく感じずに読めました。お涙ちょうだいにならずにほっとしたというのが正直な感想。

後半、幽霊の元相方が登場。どうやら両思いだったっぽいですね。
このエピソードはなくてもよかったのかなとも想いました。

筆達者だと想いますが、やや設定があちこちいった感があります。

1

切なさと漫才、絶妙なバランスで

人の死が関わるお話なので、読み終わった後寂しくなったら嫌だなと思っていたのですが、切ない中にお笑いの要素があったり、出てくる人達が色々な事を乗り越えていくので、最後はよかったねと思えました。方言BLいいですね。奈良さんのイラスト、表紙も好きです。

1

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