SS付き電子限定版
ちょうどいい感じに気が抜けた気怠さのある色気というのですかね。飄々としていて、大人の余裕がある雄の香りが強めの中年男性が登場するお話が読みたい時は中原先生!と思っています。
今作の苫澤もとても素敵なアダルト攻め。エロおやじ度はやや控えめです。
お仕事描写あり、癒しあり、猫あり、テンポ良しな1冊でした。
作中に登場する猫たちにとっても癒されますよ。
豚泥棒容疑をかけられる受けが登場するのはきっとこちらの作品だけなのではないかと思うのです。
酔ってふらふらと迷い込んだ養豚場で豚と共に一夜を共にし、豚泥棒の容疑をかけられた受けを通りかかった攻めが救ってくれて…と、なんとも不思議な出会いから始まる物語。
通販会社のクレーム処理を担当する受け・神木の、職場で尊敬を集めるクレーム対応のスマートさと、そのストレス解消に酒を飲んではどこでも寝てしまい、度々警察に保護されている酒癖の悪さのギャップったら。
地域猫たちが集まる苫澤の事務所に通っては、仕事のストレスを抱えて限界状態な神木が少しずつ癒されていく図に読み手側も癒されます。
神木の人柄もとても好感が持てるものでしたし、普段は頼られる側の彼が年上の苫澤に「かーいいな」と甘やかされ戸惑う姿もすごく良いのです。
大人な苫澤のワケアリ部分の描き方も、2人の関係性の変化も無理のないもので読みやすかったです。
雰囲気が良く安心して読める2人でした。
ムードメーカー的なサブキャラクター・犬山くんも良かったです。彼がいるだけで場面が明るくなります。
中原先生の作品は主人公たちの周囲の人物も非常に魅力的ですよね。
ただちょっと、後半は少々バタついた展開だったかなと思います。本来ならもっと読み応えがある展開のはずなのだけれど、突然始まって突然終わってしまった感があり勿体なく感じました。
神木の仕事描写は大変そうでありながら興味深かったのですが、お話のバランスを考えるともう少し控えめでも良かったのかも?
※honto電子版はカラー口絵・挿絵共に無し
素直に一言『面白かったv』
導入部からなんだこの主人公⁉︎と思ったら、
酒癖の悪さとは裏腹に
実に『かーいく(可愛く)』出来るサラリーマンでした!
ストレスだらけの彼を癒すのが
もふもふの野良猫達というのがまたいいv
今回は神木さんサイドだけでなく苫澤さんのターンもあるので、
どちらにも素直に感情移入できて気持ちよく読破。
苫澤さんの後輩が『犬山』くんというのもいいv
相変わらず脇のキャラがいい味出してますv
苫澤さんは確かに昔「負け犬」ではあったのですが、
数々の中原オヤジの中ではダントツ好きなタイプですv
一つ大きな目標を達成した彼が、
今後どんなふうに生きていくのか見たい気もしますが、
そうそう物語になるような事件に遭遇していたら、
神木さんが可哀想な気もしますw
主人公の神木さんが、
本当に嫌味のないいい人なので、
最後まで気持ちよく読破。
もふもふの魅力も手伝って、
評価は神に近い「萌×2」で!
またまた渋い男盛りの攻めの登場ですね。
大人の男の魅力を見せつけてくれてます。
今回の敵は強力でしたね。ただドタバタはラストに短く一回でした。
お互いに癒される出会えて本当に良かった存在になりましたね。
受けの真っ直ぐさに癒される攻めと、攻めの大人の魅力にはまり猫達に癒される受け。
攻めが8年かけて負け犬から這い上がり敵を倒すまで。危ない目にも合いましたが受けのおかげで頑張れました。
クレーム処理についてもお勉強になりました。
『負け犬の領分』って、実に中原さんらしいタイトルだと思います。
丸々1冊、警察官崩れの探偵、苫澤の色気を楽しむお話。
酸いも甘いも噛み分けたオヤジを書かせたら抜群の中原さんですもの。
仕事がクレーム処理担当のため、かなり神経をすり減らしている神木と一緒に、苫澤の色気にドキドキしてください。
あと、猫ですよ。
私は筋金入りの『犬派』ですけれども、そんな私ですら苫澤の事務所にたむろする地域猫を「モフモフしたい!」と思いましたもん。
人疲れしている時なんか、これはもうたまらんでしょう。
正確に言えば、このお話はハードボイルドではないんじゃないかと思うのです。
過去に苫澤がはめられて、警察を追われることになった事件の調査が詳しく書かれる訳ではないので。
主人公はあくまでも『ネット通販会社のクレーム処理に疲れている神木篤成、31歳』なんですね。彼がやっている事って、ハードボイルドな苫澤を見つめることなんですよ。物語の後半には事件に巻き込まれますが、そこが中心じゃない。
多分、このお話は『ハードボイルドの空気を楽しむお話』なんじゃないかな?(あと『モフモフ』ね)
本格的なハードボイルドって、私は結構読んでいて疲れるのです。
でも、このお話はそんなに構えなくとも大丈夫。
むしろ読者に癒やしを与えてくれるタイプのお話だと思います。
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」なんていう名台詞にガツンと来ちゃうタイプの姐さま方、
お疲れの時にご一読いただければ、疲れが和らぐんじゃないかと思います。
安定の「中原節」とも言える渋オヤジ攻め(推定40前半らしい)モノです。
主人公は、ネット通販会社のクレーム処理担当・神木(31)。←示へんに申すの神です。変換できない。
会社では厳しいクレームも穏やかに的確に処理する、頼れる主任。しかし実際は客には頭を下げ、社員には疲れた顔は見せまいとし、そんな日々のストレスを酒で紛らわす。しかも何度も飲みすぎて保護される警察署では有名人…
そんな神木がまた泥酔して今度は養豚場に紛れ込み、捕まった所を助けてくれたのが元刑事で探偵の苫澤。
当然「中原一也の攻め」ですから、渋くてセクスィーで、チョイ悪で優しくて大人で。(バイで。)
その上、苫澤の探偵事務所には野良猫、地域猫がゾロゾロと。
猫が寄る人っていい人なんですよね!
事務所に出入りするようになる神木も猫たちに受け入れられて、仕事でストレスがたまると猫に癒されに来る神木です。同時にノンケの神木は、苫澤の大人の包容力にどうしようもなく惹かれていくのですが、そんな時に神木の部屋に泥棒?が入って…
この辺りから、物語はハードボイルド調に変化していきます。
苫澤が警察を辞めることになった事件、そこに関連するある議員の汚職。その議員を密かに追う苫澤に迫る暴力団の影。神木もその危険に巻き込まれます。
この辺り、さすがBLエンタメ王。無理めな展開もなんのその、グイグイと読者を引っ張っていきますね。苫澤と神木が検察庁に急ぐシーンなど、もうハラハラドキドキ。
その後急に事件が落ち着いてしまうのがちょっと物足りなくもあるのですが、最後は2人のアツいHと、食えないスケベ心全開のラストシーンです。
中原さんのファンには安定、初めて読む人には「中原さんてこういうのかー」とわかるような作品だと思います。