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ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)

negative

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表題作ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)

名前表記なし,中学生~,3人仲良しグループのひとり
名前表記なし,中学生~,3人仲良しグループのひとり

同時収録作品ピアスホール

私(名前表記なし),マッサージ店勤務
臼井,ボディピアスをしている一見平凡なサラリーマン

同時収録作品「リスタート」・「リスタート/ミキ」(描き下ろし)

名前表記なし,受と体の関係を持つ相手
ミキ,感情の起伏が激しい青年

同時収録作品わたしたちはバイプレイヤー

脇川,地味でガサツな高校生
皇子山,高スペックな高校生

その他の収録作品

  • カバー下:「ピアスホール」キャラ設定

あらすじ

オレたち3人はいつも一緒にいた。
卒業式の日、オレがアイツの想いを拒否するまでは。
だけどアイツらはオレの知らないところで―――。

幼馴染同士のヒリつく三角関係を描いた「後悔の海」「スイメンカ」をはじめ、
光る金属に目を奪われてはじまる「ピアスホール」、
ニューエイジな感覚で描かれる「リスタート」、
女子視点からのBLを描いた「わたしたちはバイプレーヤー」など
〝ネガ〟な作品を一冊に集約した、はらだ節がはじける短編集。

作品情報

作品名
ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)
著者
はらだ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
シリーズ
ネガポジ
発売日
ISBN
9784801955035
4.4

(448)

(300)

萌々

(89)

(32)

中立

(17)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
53
得点
1969
評価数
448
平均
4.4 / 5
神率
67%

レビュー投稿数53

ネガは反転するとポジになる

​ 楽しみにしていた『ネガ』。もう最初に書いちゃう。すごく良かった。1話目の冒頭部分からやられてしまいました(T_T)
 そして装丁が素晴らしいです。対になった白黒の表紙に、対になった白黒帯。帯を外すとどちらもシンプルで、その状態で二つ並べてもとてもカッコいいです。はらだ先生を知らなかったとしても、これは表紙買いしてしまうな。

・『後悔の海』『スイメンカ』
 3人の幼馴染の初恋のお話。どんなゲスが出てくるのか、誰がクズなのかと期待して読んだのですが、ゲスな子もクズな子もいませんでした。みんな純粋で、欲しい人を求めて、それぞれが傷ついて。名前もなかった彼らがすっごく愛おしくなってしまった。みんないい子。すごくいい子。傷つけて傷ついたぶん、幸せになって欲しい。

・『ピアスホール』
 すごいぞ、これは。一人語りのモノローグがまるで昭和の官能小説のようです。しかもその語り口がなんとも耽美で仄暗く、ピアス好きサラリーマンの臼井の姿が、リアルと幻を行ったり来たりするのを見ているような不思議な感覚です。臼井の姿態はまるでヌルヌルとぬめった液体のようで、とても妖しげです。身体中にピアスをあけたり拡張したりするので、痛々しい場面が沢山あるけれど、望み望まれての行為、しかもかなりエロティックなので興奮しました。痛いの苦手な方は注意です。

・『リスタート』『リスタート/ミキ』描き下ろし
 すごいしか言えない自分が悲しいけど、つくづくはらだ先生ってすごいと思う。こちらもピアスいっぱい男子のお話。しかもエモボーイですよ!ピアス、エモ、ファッションホモ、高次脳機能障害、そしてパートナーシップ条例。はらだ先生が時事ごとをたっぷり詰め込んで描いたニューエイジャーの両片思いは、こんなお話になるんですね。いや、本当にお見事です!都会の片隅にきっと彼らはいるんだね。そんな切なさです。

・『わたしたちはバイプレーヤー』
 姫海という才色兼備な美少女視点のお話。姫海と学年の王子さま皇子山と、地味系男子脇川。姫海と脇川の体が入れ替わって…。好きだったはずの皇子山よりも、意外な顔を見せた脇川に惹かれて行く姫海。最後は納得の展開だけど、姫海は私たち自身だから腐女子ならみんなオチは読めるはず。

 そうかこれがはらだ先生の『ネガ』なのか。カラーフィルムは現像すると色が反転してネガになる、そしてネガはプリントすることで再反転してポジ(カラー)になる。根っこに愛があればきっとポジに出来るんだ。帯に書かれた 【「ネガ」の中で、あなたなりの幸せを見つけてみてください】 ってたぶんそう言うことなんじゃないのかな。

『ネガ』と『ポジ』どちらも面白かったけれど、私は圧倒的に『ネガ』が神です!!

22

胸にドスンときました

最高でした。はらださんの作品はどれも大好きなのですが、これは別格です。
読んでいる最中何度も胸が締め付けられ、 一旦本を置いて深呼吸して落ち着いてから再び読み進める…といった感じで ゆっくりじっくりと読みました。

「後悔の海」「スイメンカ」の 誰も幸せにならないまま終わる感じがたまらないです。田舎が舞台というのもまたどことなくリアリテイが加わっていて素敵でした。すべて方言で進んでいくBLも少し珍しいかな?と思いました。とても良かったです。後味がたまりません。
「ピアスホール」はまるで官能小説のようですね。していることは痛そうなのですが 暴力などによるものでないので読んでいてとてもドキドキしました。なんだかいけないものを覗き見しているような気分です。挿入したままホールを開けるというのがまたいやらしかったです。
「リスタート」はこの本の中で最も好きな話です。エモ系BLというのもなかなかないですよね。ミキが明るくてアホっぽい性格なだけに物語の重さや仄暗さが際立っていた気がします。もう一度読んだときにミキが淫紋を撫でるシーンに気付いて、また切なくなりました。あとジュリちゃん本当にいいやつで大好きです。
「わたしたちはバイプレイヤー」はギャグ色強めかと思いましたが、ラストで思わずあぁ〜!と声に出ました。そういうことだったんですね。姫海さんが倒れるシーンの構図がものすごくて最高でした。笑

15

とても良い。

はらださんの新刊ということで楽しみにしていました。つい先日『カラーレシピ』、『ある男の悲劇』が刊行されたと思っていたら、ここにきて『ネガ』『ポジ』の2冊同時発売。描くのが早いなあ、と感心します。

さてさて、それでは感想を。
『スイメンカ』はアンソロの『エロとろ』に収録されていた作品で、すごく好きなお話でした。
どうしても好きな人を手に入れたい攻めの青さ。
そして、受けの切ない恋心。
この二人の続編が読みたかったので鼻息も荒く読み始めましたが、収録されていたのは『後悔の海』。
うん、はらださんにやられましたね。続編ではなく、時系列的に『スイメンカ』の前にあたる話を持ってくることで『スイメンカ』の話がより引き立っていました。

『ピアスホール』
このお話も雑誌「Citron」に収録されていたので既読でした。
が、このお話も大好き。この二人の間に流れるちょっと病的な愛情と、耽美調の語り口が、はらださんの絵柄にぴったりだと思うのです。
体中にピアスを開ける話なので読んでいてすごく痛々しい。そして直接的な表現もない。それでいてにじみ出ているエロさがとても良かった。

『わたしたちはバイプレーヤー』
これ、爆笑しながら読んでしまいました。
この直前に収録されている『リスタート』が何とも重く暗い話だったのでそのギャップがツボにはまってしまいました。
頭をぶつけて中身が入れ替わるとか。
モサっとしているさえない男友達が実はイケメンでナイスガイだったとか。
まあ、なんというかよくある設定なんですが、それを乗り越え神作品にしてしまうはらださんに脱帽です。BL作品の女の子視点のお話は微妙な気持ちになることも多いのですが、とにかく面白かった。
でも、一点。
モサ男の脇川くん×イケメン王子の皇子山くんの絡みがもっと見たかった!イケメン二人の絡みがもう少し見たかったなあ…。

いつも個性的な表紙を描かれるはらださんですが、今回の『ネガ』『ポジ』の表紙も良い!センスいいです。

はらださんらしい、まさに神作品でした。

11

BLの域を超えているBL

はらださんの本は初読みです。
いままで絵柄で敬遠していましたが、手に取ってみるとずるずると沼に引き込まれる!そんな感動を味わいました。
文学作品のような濃厚な作品、でもちゃんとBLしていますエロもあります。本当においしい1冊でした。
では、ここからは話ごとの感想を

【後悔の海/スイメンカ】
どちらも同じ話の別視点ということでしょうか。
後悔の海読了後、「ん?」となりました。あまりにもあっさりしてないか?と。
でも、そこはスイメンカで補正されています。
物語の本質、作者が書きたかったであろうものもスイメンカで描かれています。
仲良しグループ3人の話。もちろん三角関係です。
設定、話自体はありきたりなのですが、登場人物の心情がよく描かれている。最後のコマで衝撃を受けました。

【ピアスホール】
これは、小説のような作品でした。文字が多い!
恐らくそれが先生の狙いなのでしょうが、漫画では珍しい表現に驚きました。
この話の受けの臼井さんがこの本の表紙にもなっています。
臼井さんの不気味さ、またそれに堕ちていく攻め。世にも奇妙な物語みたいな何かを感じました。

【リスタート】
この話が自分的にこの本で一番好きな話です。
事故により記憶を失って幼児化してしまった受けのミキ。このキャラが本作で一番好きです。
ただ可愛らしいだけではなく、他のキャラのようにどこか不気味さがあり、またとても健気です。
これはこれでハッピーエンドなのでは?と思いましたがどうなのでしょう。

【私たちはバイプレーヤー】
他の話よりも一見明るめの話。
BLの核心をついた問題作です(私の中で)。こういう発想もあったかと衝撃を受けました。
女子BLに収録された女子目線の話で、序盤は一般誌のような普通のラブコメです。
が、もちろんそれだけでは終わらないのです。
少し風変わりな女主人公が少し、不憫ですがBLとしてハッピーエンド。

最後にどの話でも共通して言えるのが、はらだ先生の発想力、着眼点のすごさです。
使い古されたシチュエーションをうまく活用して斬新な作品に仕立てています。
とても衝撃を受けた作品でした。これを機にはらだ先生の他作品にも手を出してみようと思います!

10

新たなはらだ節に神一択!

あまりにも神過ぎて、先に読んだ「ポジ」が完全に吹っ飛びました。
こっちばっかり読み返しています。
(「ポジ」も凄く面白かったのですよ!)

ダウナー系ってことで「やじるし」のような作品を想像していましたが、全然違います。
こんなお話も描かれるのか…!と、私の中のはらださんのイメージが見事に一新されました。

はらださんのコミックスは帯にも毎度唸らされるのですが、今回はこれ。
───「ネガ」の中で,あなたなりの幸せをみつけてみてください.
右にならえの事なかれ主義を嫌う人ほどいくつもの幸せが見つかる1冊かもしれません。
万人受けはしなさそうですが、とりあえず私は自分と同属のバンギャルちゃんに向けて全力でオススメしたい。

“ダウナー系抉り愛”と帯にあるように、切なく抉ってくるお話が殆どですが、単純に「バッドエンド」で片付けてしまっては勿体無いような作品ばかりです。
(実際バッドエンドってこともないですしね)
そこに確かにある登場人物達の痛いくらいにピュアな想いにガシガシ涙腺をやられます。
読み終わって残ったのは悲しい気持ちよりも不思議と優しい気持ちの方が大きくって、全員に幸あれ、光あれと願わずにはいられませんでした。

「後悔の海」「スイメンカ」
誰も幸せになれない、哀しいトライアングルラブ。
三者三様の涙。後悔の海。胸を抉られます。
けれど気付けた幸せというのもあるはず。
漫画になるから悲しいけど、現実はむしろ彼等3人の誰かに当てはまる人達で溢れてるとも思うのです。
どうしたら皆が幸せになれるんだろうね。

「ピアスホール」
この作品集の中で突出して異様なインパクトを放っています。
ピアスを開ける行為や付ける行為そのものに潜むエロスを描き出した、はらだ作品には今までにない1編。
首、乳首、おへそ、舌、そして…
拡張行為への意味付けに至るまで、はらださんのピアスへのこだわりがうかがえます。
ストーリーに合わせたのであろう蛇顔の臼井(表紙の彼)の表情と肢体がとてもエロく艶かしい。
ピアスが嫌いな人には痛くて気持ち悪いだけのお話かもしれませんが、私個人は耳たぶ以外に開いているピアスホールには刺青と並んでエロスを感じるので、恐ろしく引き込まれました。

「リスタート」「リスタート/ミキ」
そんな「ピアスホール」を経ての、顔面ピアスだらけのエモボーイ達が主役のお話。
一番切なかった…
ピアスと派手なファッションで自分を鎧って、好きな相手に本心伝える勇気がないからファッションでホモ気取ってセックスだけはして、だけど当然虚しさは肥大して…素直になれないバカな2人の関係に神様が下したのは、鉄槌?それとも解放?
やりきれないけど、幸せなのかもしれない2人のリスタート。

「わたしたちはバイプレイヤー」
リブレの「女子BL」に寄稿されたあの作品。
このひどくエモーショナルな短編集のトリを飾るに相応しい1編でした。
BLに出てくる女の子達は当然だけど主役にはなれない。
恋が報われないだけでなく、下手したら読者にウザがられもする。
はらださんの作品に出てくるムギちゃんやしおりちゃんもそう。
BLの女子キャラとして生まれてしまったばっかりに報われなかったBL女子達にはらださんが贈る鎮魂歌のようにも読めます。
ラストの見開きに思わず息が詰まりました。

改めて、はらださんの才能に溜め息が漏れました。
大袈裟でなく、新風を吹き込み続けてらっしゃる作家様だと思います。

7

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