ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)

negative

ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神227
  • 萌×265
  • 萌27
  • 中立14
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
50
得点
1490
評価数
342
平均
4.4 / 5
神率
66.4%
著者
はらだ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784801955035

あらすじ

オレたち3人はいつも一緒にいた。
卒業式の日、オレがアイツの想いを拒否するまでは。
だけどアイツらはオレの知らないところで―――。

幼馴染同士のヒリつく三角関係を描いた「後悔の海」「スイメンカ」をはじめ、
光る金属に目を奪われてはじまる「ピアスホール」、
ニューエイジな感覚で描かれる「リスタート」、
女子視点からのBLを描いた「わたしたちはバイプレーヤー」など
〝ネガ〟な作品を一冊に集約した、はらだ節がはじける短編集。

表題作ネガ(表題作 「後悔の海」「スイメンカ」)

名前表記なし,3人仲良しグループのひとり,中学生~
名前表記なし,3人仲良しグループのひとり,中学生~

同時収録作品ピアスホール

私(名前表記なし),マッサージ店勤務
臼井,ボディピアスをしている一見平凡なサラリーマン

同時収録作品「リスタート」・「リスタート/ミキ」(描き下ろし)

名前表記なし,受と体の関係を持つ相手
ミキ,感情の起伏が激しい青年

同時収録作品わたしたちはバイプレイヤー

脇川,地味でガサツな高校生
皇子山,高スペックな高校生

その他の収録作品

  • カバー下:「ピアスホール」キャラ設定

レビュー投稿数50

ネガティブでこそ光るはらだ節

どんな善人でもきっと誰もが持っている「黒い部分」。
そこを抉る手法は、はらだ先生の右に出る者はいないんじゃないかと思います。

【後悔の海】 萌
3人で仲が良かったのに、その中の1人に中学の卒業式の後で告白されてフッた。
気まずくて会えなくなって数年後、2人がキスしているのを見た主人公は…。
「ハメられた人間」と見ると不幸に見えるけれど、「体面を気にして傷付けた人間」であり、「たとえ気持ちがあっても乗り越えられなかった人間」なんですよね。
「好き」という気持ちが何よりも大事で大きければ、後悔をすることもなかったという話。

【スイメンカ】 萌2
前話の「ハメた人間」目線です。
3人でいたけど好きだった相手が、自分じゃない方を好きになったと聞いたとき。
「絶対に手に入れる」と思ったら、ズルいことだって何だってする。それが執着ですよね。
何も知らない2人は彼によって作為的に引き離されて、好きだった相手は自分の手の中に落ちて来たけれど、いつも付き纏う「自分を好きなわけじゃないのかも」という不安。
過去の一瞬を切り取って繋ぎ合わせる手法で、彼が何年もその不安を抱えてきたことがより強く伝わってきます。

【ピアスホール】 萌
おとなしそうに見えるリーマンの意外なボディピアスに惹かれるマッサージ師。
距離が近くなって、自分の体に穴を開けることを許したときに聞かされた告白。
今はピアスを開けた相手には何の思い入れもないからこそ話したんだろうけど、それは通じないよーという展開でした。
そして打開策が何となく、毎回この手を使ってるんじゃないかと思えてしまった。
付き合う人の数だけ穴が増えて、それまでの穴は拡張されていっているのかなあと。

【リスタート】(2話) 悲2
軽いノリのファッションホモ。
それが急に真剣味を増した瞬間、自分が傷つくのが怖くて先手を打った。
そのせいで全てが変わってしまった2人の話です。
世の中にはやり直せることもあるけれど、何をしても取り返しがつかないこともある。
時間は巻き戻せないし、失ったものもまるっきり同じものはもう手に入らない。
一見するとしあわせに見えるけれど、ずっと後悔は消えないんだろうなあという話でした。

【私たちはバイプレイヤー】 萌〜中立
他の女子BLとはちょっと違うような。
展開的にはまさに女子BLなんだけど、途中の展開がわたしにはちょっと無駄に思えてしまいました。

わたしは自分がどちらかと言うと「明るい作品が好き」な方だと思っていました。
好きなものは後に取っておく派なので『ネガ』と『ポジ』も、『ネガ』から読みました。
…こっちが好きな方だった。
『ポジ』はポジティブな面に焦点を合わせたわけではなく、全体にドタバタして、ノリは明るいけれど、残るものがない作品もあって。
こちらは黒い部分を見せられるけど、「好きだからこそ」というのが根底に感じられたので、心に響いて来ました。

引きずるほどの黒さはないので、はらだ先生の作品の入門編にしてもいいのかなという作品集でした。

0

私は好みじゃなかった

レビューを見て期待値も上がっていたし、はらださんの作品がすごい好きだったんですが、なんか思っていたのと違ったなって感じでした。

私は執着攻めのサイコパス感が好きで、「にいちゃん」や「カラーレシピ」みたいなのを期待していたら全ての話切ない感じで終わっていました。
でもまぁ題名通りのネガティブ感はありました。悲しくなる感じですかね。

でもやっぱりはらださんの作品は絵が綺麗だし、内容も他の人が考えないような作品でしたので気になっている方は買ってみてもいいと思います。

はらださんにしてはエロは少なかった気がします。
執着、サイコパス、暴力系が好きな方にはおすすめ出来ません。

0

だから後悔しないように生きなきゃね!

「ポジ」の後に読みました。
どのお話も、その後について想いを馳せずにはいられないような余韻の残るものばかりでした。

「後悔の海」「スイメンカ」が1番悲しいお話だったかな。
誰も幸せじゃないエンドは寂しすぎます。
そんなつもりじゃなかった、あの時ああしていれば、あんなことするんじゃなかったなどなど人生に後悔はつき物ですが、そんな気持ちをこの先も持ち続けていかなければならない子たちが不憫でした。

「ピアスホール」は痛そうで、苦手かもと恐る恐る読みましたが、ですます調で淡々と語られるちょっと背徳感漂うお話に次第に夢中になってました。
挿入したままピアスを開けるなんてエロい。
相手にピアスホールを開ける事で独占欲を満たす、そんなお話でした。

「リスタート」「リスタート/ミキ」もまた救いのないようなお話でした。
お互いに本音で愛を伝えられたのがこんなことになってしまってからというのが切ない。
ミキがもしかしてフリをしているのでは?という期待は外されてしまい残念。
こちらも後悔のお話でした。

「わたしたちはバイプレイヤー」は主人公が女子なお話で、こちらは主人公的には悲しいお話でしたが、BL的にはハッピーエンドという複雑な心境の物語でした。

多分頻回には読み返さないだろうけど、きっとまた読み返しては物思いにふけるであろう、そんな短編集でした。

0

刺さるBLを読んだ

やばいです。ただただやばいとしか言えません。語彙力ないのがもどかしいことこの上ないですが…。人間が潜在的に持っている憎悪や嫉妬その他もろもろの醜い感情をこんなにも悲しく、そして美しく作品に昇華させてしまえるのははらだ先生の手腕と言うしかありません。

背景が白か黒のベタ塗りが多いせいか、話の全部がどこか薄暗く、無機質な印象が強いように思いました。
でもそんな無機質に見える世界にはらだ先生の拵えた登場キャラたちを置いてみると、彼らの熱の通った感情が際立ち、とても尊いものとして仕上がっているんです。こぼれる涙や汗、横顔、目の動かしかたひとつをとっても、「生きてる」って感じがします。
ストーリーもさらっと組み立てられているように見えて、非常に綿密に練られているのだと思います。

とりとめのない文章ですみません。ただやっぱり、やばいBLだと思いました。多分、はらだ先生のBLのなかで一番好きです。

0

神でしかない

神としか言いようがない作品の1つ。
ヒリヒリするダークなネガ。
ネガポジでは私は断然こちらです。
この面白さは衝撃でした。
なんでこんなの書けるの?
短編集だけどはらだ先生のは
ほんとにずっしりきます。
はじめの2作「後悔の海」と次の「スイメンカ」が
きつ過ぎてきつ過ぎて
実はこういう事だったんだよ
水面下でこんな風に動いてたんだよって
みんな傷つけてもどうしても欲しかった初恋。
三人組の思いが交錯する苦しい苦しいお話ですが
もう何度も読み返してても
その時系列とか展開に
毎回すごいなすごいなってブツブツ言いながら
読んでいます。
やっぱ天才だなって思うのは「ピアスホール」
こうゆうのを読むとはらだ先生って短編でこそ
実力発揮すんの?って思ってしまいます。
ほんと美しいです。
臼井さん(表紙の人)がピアスホールの告白をした後の展開たまらないです。
こちらも自分の衝撃的作品の一つです。

あと電子じゃなく単行本がいいです。
エロエロと言われるあれですので
竹書房は絶対単行本でがいいなあ〜
白ヌキだめです。

0

ぐさぐさと突き刺さり、傷跡を深く残してゆく…ネガ!

どこか仄暗いのだけど、
しんみりしてしまうのだけど、
どのお話もぐっさり深く突き刺さりました。

『後悔の海』/『スイメンカ』
3人の幼馴染たちの間でぐちゃっと恋が縺れています。
あのとき告白されたのは自分だったはずなのに、
その恋が数年後に失恋として返ってくるなんて…。
好きな人の初恋を奪って、自分の初恋を実らせて、
その行き着く先は…
もはや取り返しのつかない少年たちの感情が切ないです。


『ピアスホール』
…濃ゆい。そして、痛々しい。
平凡の下に潜むアブノーマルがなんとも官能的でした。


『リスタート』/『リスタート/ミキ』
一番好き、というか、一番えぐられました。
もう切なすぎる…。
攻めの心情を思うと、ジュリ同様なんて言えばいいのかわからない…。
2人には幸せになってほしいという願いしか思い浮かびません。
攻めもミキも、同じ想いだったのだから、
ただありのままを口に出せばよかっただけなのに…。
側にいるのに、手をつないでいるのに、遠い。
雪の中に溶けてしまいそうに囁かれる
攻めの「あいしてるよ」に泣きそうになりました。
これは悲劇なのかな?
失うことで手に入れた新たなハッピーエンドなのかもしれない。


『私たちはバイプレーヤー』
おもしろかった~。姫海はBL女子の鑑でした。
BLの世界においては女子は壁役に徹するか、お邪魔な敵役になるか、
あるいは影の応援団となり見守るか。
そう、どんなに彼らが格好良くても、彼らを好きでも、
その恋は実らないし、実らせてはいけない。
「わたしたちが幸せになったら このお話はなりたたないから!」
その通り!

0

「後悔の海」「スイメンカ」が好き

「後悔の海」と「スイメンカ」が大好きです。この二つの話に出会えただけでも、ネガを買ってよかったと強く感じます。

受けを振る友達。何も知らない友達。水面下で進められたトライアングルラブ。
三角関係の恋は大体一人は幸せになれないというお約束があるけれど、これらのお話では全員が幸せでなく後悔を背負い込んでしまう。けれどもそんな、やりきれなさの余韻がすごくよくて。
子どもでも大人でもない、その中間に置かれているが故の脆さや醜さ、青さだとか。
そんな感情の機微を、力強い、または繊細なタッチで掬い上げようとする描写が所々に見受けられて、見返すたびに毎回ぞくぞくします。

この作品は確かにネガでダークな「闇」の部分が濃いでしょう。でもだからこそ、そこに投じられた一つの光はうんと冴えるのかもしれない。
的確に心に抉り、痕を残してくれるBLでした。評価はもちろん「神」です。

0

ネタバレなし

クズ、鬼畜が煌めく作風のネガ。確実な面白さで安心して読むことができました。個人的には対になっている「ポジ」の方がナチュラルに狂っていて誰にでも描けるもので無いと言う点で衝撃的でした。それにしても先生は一体どんなお人なんだろう…頭の中を覗かせてもらいたい、何人か住んでいそう。読めば読むほど興味を掻き立てられます。

1

仄暗性癖詰め合わせ

「後悔の海」「スイメンカ」の三角関係が胸に残りました。
無邪気な仲良し三人組が出し抜いたり出し抜かれたりする関係になるとは。
ここで終わるなんて救いがない、と思いつつ、ここで終わるから美しいのかなとも思います。この切ない読後感が良いのでしょうね。
それはそれとして、蛇足だとしても彼らの今後を想像せずにはいられません。

「ピアスホール」はフェチズムの塊のようなお話。
残念ながら私の癖には刺さりませんでしたが、独特のエッチさがあるのは確か。
痛いのが平気で不自然さに興奮する人には最高なんじゃないかなと思います。

0

ネガポジ反転して、光の射す方へ。

私も「ネガ」の方が好きかも。
最初に読んだ時は、文字通り痛過ぎて。無理めだと思っていたんだけど。
心揺さぶる物語性というところでは、この「ネガ」の方がギュッギュッと詰め込まれているかと思う。
どの物語も秀逸だが、やはりゾッとするやるせない切なさと、執着の強さに込み上げるものがあって。
巻頭の「後悔の海」「スイメンカ」は心掴まれる。
「ポジ」の「メシアの凶日」と好対照に、ここでも三人の思惑が描かれる。
淡くも脆い三角関係。一人の男子生徒の初恋を巡って、二人が愛情の火花を静かに散らす。
どんなことをしてでも、友情にヒビが入っても。手に入れたかった恋。
罠にかけられて、自分の気持ちに嘘をついた恋。
友達を想って、静かに終わらせようとした恋。
手に入れたかった恋は、人の心までは、どうにも止められなくて。
無力感だけが、その手に残る。
自分の業が、自分に罰を与えたその時、崩れ落ちる。
誰が悪いのか、もう分からなくなって、切なさに涙。

そして、最も耽美的で美しい「ピアスホール」
詩のように綴られるモノローグと、白と黒のコントラストが美しい絵。
私事だが、私はピアスホールを開けてはいない。
理由は簡単で、痛そうだからだ。ジュエリーデザイナーの友達にずっとピアスホールを開けろと迫られているが、応じることは無い。なので、イヤリングやイヤクリップを使う。
臼井さんはその美しい身体の、最も痛そうな箇所にピアスホールを開ける。
その痛みに打ち震える事こそが、愛情の証しだと言わんばかりに。
言葉の醸し出す美しさを味わって読む物語。…しかし、痛い。

もぅ、戻らない哀しみの「リスタート」。
愛し合えているのに、言葉にしないまま、すれ違っている二人の切ない物語。
アンサーソングのように語られる、ミキ視点の後編が切ない。
二つの物語のラストには両方ともに涙する。
愛はもう、届かないかもしれないけれど、そこに確かにあるということ。
残酷だが、優しく包んでくれるようなショートストーリー。

そうして、この「ネガ」な気持ちをちょっとだけ和らげてくれる
「わたしたちはバイプレーヤー」。
ここに出て来る女子たちはイコール読み手側のほとんどの女子かもしれなくて。
ちょっとだけ「ネガ」な気持ちを持ちながら、BLという彼らを見守る「ポジ」なのだ。

ネガポジ反転して、心に光。アイロニカルな心の闇を描いて、それでも光ある結末を。
やっぱり「神作品」だと思う。

2

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