ボタンを押すと即立ち読みできます!
この「好き」はコワい
短編集です。
病んでるのとかサイコとかメリバがお好きな方向けの仕上がり。
私は病んでるお話もメリバも属性なんですが、それでも1作も共感できる作品がなかった……。
そういうのが好きな人でも人を選ぶ作品たちな気がします。
『残骸はあさってのほう』
沼田が自作のみぃたんグッズを鞄に付けたり面と向かっては藤原さんとしか呼べないのに勝手にみぃたんと呼んで友人にもみぃたん呼びして誰それってなってる感じがサイコっぽくて怖い。
その怖さを裏付けるようにみぃたんの持ち物を盗むしストーカーする。
これどうBLに展開するんだろうと考えたらみぃたんの彼氏(?)のぎゅうちゃんしかいないよな……と思った通りなんだけど、こいつもこいつでなんでタンポンなんて持ち歩いてるの?キモイ。
あとこの歯はどうなっているんだ???
ともあれ、みぃちゃんが好きすぎてぎゅうちゃんと竿兄妹になったことすら嬉しいイカれた沼田くんなのでした。
これはBLなんだろうか...究極のみぃたん愛(?)を見せつけられただけなのでは?
大体ぎゅうちゃんはなんで沼田を犯したんだ???普通そうはならないよね...実は男に興味があるのか???謎……。
でも頬染めてるし...今後もこういう関係が続きそうだし、このまま本当に寝とっちゃうのかもしれない。
イカれたお話は好きな方なんだけど、ついていけなかった。
『東校 Go to hell!』
これまたツッコミどころの多い...!
勢いは強いのでその勢いで読んだ。
『カトルフィッシュ』
カトルフィッシュって何ぞ…と思いググッたら「コウイカ」または「モンゴイカ」のことらしいです。
いじめられっ子でイカ好きな智、なんでイカが好きかというとその生態が自分の境遇に勇気をくれるから。
いじめでゲイAVを万引きして、それが店員に見つかり見逃す代わりに自慰させられる。
智はいつも同じ男優のAVを借りていて、その人は実は近所に住んでいて...その人のことが好きで。
でもレンタルショップの店員に色んな意味で目をつけられてしまっていて、弱みに付け込まれて犯され、その店員は実は───。
うーん、これ智が折れるまでの過程を店員に遊ばれるお話?
イカ=智なのは分かるしこの相関図はわりと好きだけど、いまいち言いたいことが分からない。
『へんてこな校歌』
失恋して長い髪を剃っている(切ってるというより剃ってない?)へんてこな人から始まり、そのへんてこな人に声をかけるあたりヤバそうな人と思った通り、髪フェチ?毛フェチ?の変態。
デブの次は変態に好かれ、3年もなし崩し...の、へんてこな人とへんてこな関係……。
何やこの変な人たちついてけへんわ。(突然の関西弁に対する突然の関西弁返し)
『私鉄 “GOTTA GO TURN”』
教職員が生徒に手を出すのも無理だけど、校内でヤるのが私は無理で。
何が痴漢プレイよってドン引き。
「???さん」って友達ってことでいいの?え???
車内でヤるのもアウトだけど、あの露出は何?白昼夢か何かですか?何これ通報されるでしょ……。
は???の連続。
しかし気持ち悪いなこの教師。
『土曜、木曜、カトリーヌ』
オカマちゃんと優しいけど温かみがない精神科医の恋のお話。
アクが強い……。
え?あなたアナ○ーしてたんじゃないの?抱かれる側なんじゃないの?tn切り落としてもいいって言ってる癖に抱く側なんかい。
『チキンレース』
残骸はあさってのほうの続き。
え?これはぎゅうちゃんは男と付き合ったことがあって、女と付き合ってみたのがみぃたんだったということですか?
それともそういう意味じゃなくて、女と付き合うより普通に男とつるんでる方がめんどくせぇって意味ですか???
描き方が分かりにくかった。
「キモいんだよっ!」にあなたもねと思ってしまったんだけど、ちゃんと自覚してたみたいでよかった(?)...。
なんなんだろうこの2人。
あとがきのイラストを見るに、こんなだけどみぃたんを挟んで両想いな2人なんですかね……。
絵が好みじゃなくても面白かったら気にしないタイプなんですが、合うものが1つもなかった.......。
辛口でごめんなさい。
初読みの作家さんでした。
短編集ですがどのお話もすごく個性が強く、一度でスッと理解するのは難しかったです。
痛いのも無理矢理行為に及ぶのもそこまで抵抗はないけれど、そういうレベルではないというか。
背景にある感情も複雑なのに表に出ている部分まで激しいので、どこを拾っていけばいいのか混乱してしまいました。
表題作はわりとわかりやすいお話でしたが沼田の考えていることが理解できず。男同士のセックス(というかレイプ?)はあるけど、これをBLと言っていいのだろうかと思う部分もありました。
読み返すとまた違う印象になるのかもしれませんが、なかなかそれも難しそうです…。
◆残骸はあさってのほう(表題作)
ちょっと消化不良だったけれど、全体的な流れは嫌いじゃない。推しのアイドルに似ている女子・みーたんの私物を盗む癖をやめられない沼田と、彼女の彼氏であるぎゅうちゃんとの間に芽生える歪な関係。ぎゅうちゃんがどんなに痛めつけても、沼田はそこにみーたんとの接点を見出して悦んでしまう。根っからのストーカー気質なんでしょう。気付けばぎゅうちゃんは沼田という底なしの沼に足を踏み入れているわけです。この年代ならではの精神的な不安定さが暴かれていて、興味深い作品でした。
◆カトルフィッシュ
幸薄系の受けがとことん救われない作品でした。可哀想な受けに萌える、というのは恐らく多くの腐女子が抱えている性癖だと思うので、ある意味王道とも言えるでしょう。根が歪んでいるわけでもなく、本当にいい子なのに、最後の最後まで希望の光に裏切られてしまう受けが哀れだったけど萌えました。
◆土曜、木曜、カトリーヌ
女装キャラはそんなに得意ではないけれど、この作品が一番のお気に入りになりました。歯に衣着せぬ物言いで圧倒的存在感を放つカトリーヌと、彼の担当医である気弱な本郷。お互い相手にないものを持っていて、まさに対極的な存在なんですよね。ありのまま生きることへの渇望や自信を、相手と話すことで手に入れていく2人。良い出会いだなぁと思いました。本郷が受けだったのも可愛くて萌えたポイントです。
期待して読んだのですが私の理解力では到底追いつきませんでした、ごめんなさい・・・。かなり異質な作家さんだと思います。
心地悪く、変な読後感・・・。個人的には村上春樹の「青が消える」や「国境の南、太陽の西」、梶井基次郎の「檸檬」を読んだ印象と似ていて、首を傾げるばかり。基本どのお話も主人公本意です。
短編集でも分かりやすく描かれる方はいらっしゃるのですが、あまりに話が唐突かつぶっ飛んでいて、置いてけぼり感を感じてしまい入り込めなかったです。結末を飲み込もうにも飲み込みきれない。シチュエーションやCP、内容など特に地雷となるようなものはなかったのですが、好きになれませんでした。ある意味読者に一切媚びず、描きたいものを描いている感じがしたのでそこは敢えて評価します。
表題作とカトルフィッシュの受け、カトリーヌはかわいらしかったのですが、それ以外のキャラクターに対して愛着が沸きませんでした><
普段、サイコもの、痛みや闇のある作品は好んで読みますが、どうしても理解の範疇を越えていた印象です。ただ表紙絵や、髪の毛に星を載せてる描写などキラキラしていてかわいいなと思ったのでもったいなかったです。
ある意味衝撃でしたが、あまりにもメッセージ性を汲み取りづらくて多分もう読まないかも。
また縁があれば短編集ではない作品を見てみたいです。
テーマアンソロジー掲載作を集めた短編集なので、どうしても1作品ごとが細切れというか、ぶち込まれたものが濃厚すぎて説明が追い付かず、展開の唐突さが目立つ感じがするのは、まあ、しかたがない。
絵は、デッサンがしっかりしているというか、肉体の量感がしっかり描かれていてとてもお上手。
自在なアングルで、濃厚な内容が、饒舌すぎるほどに表現されていて、なんというか、おなか一杯になった。
ぶっ飛んでいるとか、頭おかしい系の印象は、多分この、画力の過剰によるのではないかな。
もっとさっぱりすっきり系の絵だったら、このストーリーでもさらっと読めちゃったと思う。