愛や恋じゃなくても 結ばれなくても 繋がっていられるならそれでいい

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表題作フレンドライン

深水幸生
26歳,会社員
宮森慎
26歳,会社員

その他の収録作品

  • カバー下・キャラクタープロフィール 漫画
  • 描き下ろし フレンドライン-after-

あらすじ

会社の同僚で友人の深水に、自分がゲイであること、
同棲中の彼氏の英治に暴力を振るわれていることをカミングアウトした宮森。
その帰り道、二人は英治にばったり会ってしまい、宮森は殴られそうになってしまう。
それを深水が助けてくれ、そのまま家に泊めてくれる。
翌日、お金が貯まるまでの同居を提案してくれる深水の言葉に甘える宮森だったが、
じつは入社当初は彼に想いを寄せていて……。

作品情報

作品名
フレンドライン
著者
佐久本あゆ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(エンターブレイン)
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
ISBN
9784047276543
4

(165)

(57)

萌々

(60)

(40)

中立

(7)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
652
評価数
165
平均
4 / 5
神率
34.5%

レビュー投稿数13

友達じゃなくても、ずっと一緒にいれる関係に

『若葉寮で、君と』に続いて読んだ佐久本あゆ先生の作品です。
佐久本先生は絵が綺麗で、コマ割りがスッキリしているので読みやすいです。

会社員の深水 幸生くん(ノンケ)と同僚の宮森 慎くん(ゲイ)のお話。

ある夜、深水くんと宮森くんは会社の帰りに飲みに行きます。
その帰り道、2人で歩いていると、若い男が現れて、宮森くんを連れて行ってしまいました。
週明け 深水くんが会社に出勤すると、顔に怪我をした宮森くんがいました。
「転んでぶつけただけ」と言う宮森くんですが、今までも何度も怪我をしていることを不審に思う深水くん。
肩を痛がる宮森くんのシャツを開くと痣だらけで…。

この作品の設定は、ノンケとゲイの恋愛では王道なのかも知れませんが、それだけではないリアリティさがあると思います。
ゲイであるため、DVな恋人でも妥協してお付き合いをしたり、宮森くんが「俺だけ別の生き物みたい」と考えてしまうなど、このお話の中には、現実にありえることが多く描かれているように感じました。

宮森くんは入社の時から深水くんがタイプでしたが、ノンケ相手にその先はないと思い、よき同僚、よき友人として繋がっていようと考えていました。
そんな時、彼氏の暴行の痕を深水くんに見つかり、ゲイであることをカムアウトします。
深水くんは宮森くんがゲイであることを理解し、DVを受けていることに
「おまえがゲイだとか関係ねぇだろうが」と怒ってくれました。
さらに、自分の部屋に同居までさせてくれます。
今まで読んだ作品では、友人同士で同居すると何かしらのきっかけがあって、Hなことをすることが多かったのですが、この作品はお付き合いするまで健全な友人関係です(笑)
宮森くんが深水くんとの関係を大切にしていることが感じられて、とても良かったです。

「ノンケだろ 無理じゃん」
宮森くんの彼 英治くんの言葉は、現実でも大きな問題でしょう。
終始、宮森くんはこの問題に悩み続けます。
ノンケとゲイの関係を含めて、恋愛は何が正解で何が不正解なのかは誰にもわかりません。
ただ、相手のことが本当に好きで、大切にしたくて、守りたいと思う気持ちがあれば、乗り越えられることもあると思います。
この作品は、そんな2人の純愛のお話です。

最後は、両想いになった2人が玄関先でキスをして、宮森くんが「あること」をしてあげるのですが、出来ればベッドかソファでお願いしたかった。
そこだけが、もったいなかったかな(涙)
宮森くんの過去を垣間見てしまったようで、ショックを受ける深水くん。
うーん、わかる気がする。宮森くんって純粋そうだもんね(笑)

描き下ろし『-after-』
深水くんと宮森くんの初Hシーンがあります。
嬉しさで泣いちゃう宮森くんにこちらもウルウルしました。
深水くんは、外見も中身も男前なので、宮森くんをずっと大切にしてくれるだろうなと感じます。
宮森くんが幸せになってくれて嬉しい。
最後の一緒にお料理を作っているコマが良かったな~。

ゲイである故の苦しみや葛藤、恋人からのDVなど、重くなるエピソードも佐久本先生が上手に描かれているので、最後まで暗い気持ちにならずに読めます。
たくさんの方におすすめしたい素敵な作品です。

いつか、深水くんと宮森くんの同棲中のイチャイチャが見られたらいいな ( *´ω`* )♡

3

同僚からの変化

ノンケの深水とゲイ受けの宮森のお話。

同僚だった2人が、宮森の付き合っていた男のDVによる怪我をきっかけに関係性が変わって行くわけです。

深水は、人間的に魅力的。真っ直ぐに宮森の事を心配して、どうにか良い方に向いて欲しいと願って宮森の問題に踏み込んで行きます。

やっぱり、DVは駄目。最初はプレイからの流れだったようですが、どんどん肉体的にも精神的にも支配されてしまいます。

本当に好きで付き合っていた訳じゃなくても、恋愛じゃなくて、それは「共依存」のように変化していったものだと思います。

DVから宮森を守るため、深水の家で同居を始めるんです。そこから、互いが同僚としては知らない事を知って行くのが良かったです。

宮森がゲイの自分と、さんざん向き合って、引け目を感じながら生きてきた事も重い事実。
ただ、性嗜好と分けて宮森自身を知って理解していく深水は、すごいなと思うわけですよ。

同居してから、気持ちが変化していく深水。もともと宮森には深水に対する好意があったからこその、深水の変化でも有るのでしょう。
嫌悪がなくて、友人としてみていた同僚がゲイ。恋愛対象になるんだ、みたいな心境変化があるのかな?

同僚から、恋人への変化。恋愛要素が入って、2人の生活は確実に変わるでしょうし。
深水が、感じて来なかった同性同士の恋愛の壁なども直面することもありそう。

2人が尊重しあって生きていけると良いなと思いました!

1

王道?

うん、まあ予想通りですね。王道というのでしょうか。

受けが健気で。友達なら一生そばにいられると本気で好きになって友達でいられなくなるくらいなら離れようと。気持ちを知られたら友達でいてくれないだろうと。

ゲイで相手に不自由して妥協で付き合って長続きしなくてDVでというのはありそうですよね。
攻めも男前で懐が深くて空手やってて長男でってスパダリですね。
同期で最初は攻めが受けをライバル視してましたが、いつのまにかお互い認め会う戦友みたいで。

しかしノンケがあっさり男を抱けてちょっと違和感。まあ受けの行動にモヤったり嫉妬したりはいいですね。

数ヶ月後とか数年後も1ページでもいいから見たかったな。

1

同僚モノ王道展開

深水 × 宮森 (同じ会社に勤めるサラリーマン)

王道の詰め合わせ過ぎて、どうしても萌えられなかった。絵は綺麗で丁寧なのですが、自分が最初で躓いてしまった感じ。

1話で宮森の腕を取った時点で、BL展開の定番が続くだけで刺激的な展開はないんだろうな〜と思ったら、やはり無かった。深水が終盤で事故に遭うのもここまでテンプレを詰め込まなくても!と思ってしまう。

ノンケ攻めに冷めていた時に読んだので、この評価で申し訳ないのですが、読み返したら変わるかも知れないです。

1

そのラインを越えるとき。友達と恋との境界、ノンケとゲイの線引き。

タイトルそのままをテーマにした、普遍的なストーリー展開。
ゲイである事に引け目を感じて、付き合ってくれるなら誰でも、な宮森は依存体質。
DVをする彼氏にも我慢して付き合っている。それが恋では無いかもしれなくても。独りになるのが怖いのだ。
会社の同僚の深水は、怪我をしてくる宮森を心配している。
兄弟がいる深水は兄貴肌で、実に誠実ないい男なのだ。
宮森は、見た目も好みで、親切に接してくれる深水に最初から魅かれていたが、
友達でいる為にその気持ちをひた隠しにしている。友達でいさえすれば、恋の様に終わる事が無いのだと。
宮森の想いが切なくて、胸がぎゅっと締め付けられます。
そんな宮森をどうにも放って置けなくて。それだけの気持ちから、宮森の引いたラインを軽々と越えて来てしまう深水。ノンケとゲイの間には、いつだって深い溝がある…筈なんだけど。
それを物ともしないから、深水は男前なんだと思います。
まぁ、リアル感には欠けちゃうかもしれないけれども。
宮森視点、深水視点と交互に描かれていくので、特に宮森の気持ちが素直になっていくところは丁寧に描かれていると思います。自分の望むままに気持ちを出せる様になっていく。
そう、自分をも大事に出来ない人に誰かを大切にはきっと出来ない筈だから。

想い繋がって、アッサリ抵抗無くサカれる深水にはビックリさせられますが、
それは宮森にとって、とても幸せな事だった筈。心から祝福したいと思いました。
宮森が精液をゴックンした事に、「こういう事に慣れている」感を感じて、早くも嫉妬を感じる深水が可愛い。この二人は大丈夫と思わせてくれます♡
恋の成就までを丁寧に描いているので、その後の二人をもっと見たかったな。
忘れそうになるけど、同じ会社に勤めている二人。その後はすごーく気になります。

4

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