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僕を救ってくれた先生のために、できること
じっくりした話を読みたい!と思ってヤスエイ先生の作品を読みました。
料理が繋ぐ高校教師と教え子の話ですが、互いの存在が戸惑う過程から、唯一無二の人に変わっていくのが、堪らなく素敵でした。
高校生の葵田が、教師の西田から一歩踏み出す勇気をもらって変わっていくところが、ほんとに良い。
頑張った葵田の周囲の人々も、変わった彼の頑張りを認めて、受け入れて行くのが、優しくて。
何より、高校教師と元教え子になってからの西田の気持ちの変化が、良いんですよね!
高校生あるあるで、身長が伸びたり、たくましく身体も気持ちも経年的に成長するのはね…読んでいる私にもご褒美ですよ!
抱きしめられて、キスされている西田の変化は教師と教え子時代では考えられないですよね~
美味しい料理も、葵田が西田を愛しく思う気持ちが込められているのが分かる。
エロなしだけど、ほんわり満足した素敵な話でした!
走れメロスの音読だけで涙ぐんでしまう西先生、ピュアすぎやしませんか…。
でもそういうところを生徒達にナメられたりせず
まっすぐな先生が魅力的でした。
穏やかだけどちゃんと言うべきときは言う先生らしさも好ましかったです(そうでなければいけないものでしょうけども)
クラスに溶け込まない葵田を気にかけるのも、励まして背中を押してあげるのも
先生であれば当然とはいえ、
あんな風に葵田が健気にお弁当も夕ご飯も作ってくれたら情が湧いても仕方ないですよね。
葵田にとって、自分らしくいられるようになれたのは先生のおかげかもしれませんが
やっぱり本人の覚悟がないと出来ない事だと思うので
兄と比べられた苦しさから抜けられて本当に良かったです。
先生の気持ちが固まるまで待てた葵田、ほんわりしてそうだけど偉い!
先生を大事に想う気持ちの表れですね。
一兄さんとその恋人・戸坂さんの関係性もナイス!
一兄さんがめっちゃ素っ気ないけどそこが素敵だし
全然気にしていない戸坂さんがブレなくて安心出来ました。
戸坂さん×一兄さんで大丈夫ですよね…??
ヤスエイさんの作品読み直しデー5冊目です。
表紙が罪過ぎる。「あたためてくれるひと。」と並ぶ罪な表紙の2トップ。
本編も本当においしそうなごはんばかりで、喫茶店の雰囲気もいいし、そういう点ではすごくツボを押さえられまくった作品なのですが…。
優秀な兄の存在が周囲からのプレッシャーになって押し潰されてしまった高校生と担任教師の話です。
高3になってもクラスに馴染まず、会話をしている様子もない生徒・葵田が気がかりな西。
話をしてみようと思っていたところ、外でひとりお弁当を食べる葵田を見つけて…。
手作りのごはんが結ぶ生徒と教師の絆がテーマの作品です。
葵田は兄のような生徒像を期待する周囲と、兄のようになれない自分に対する自己嫌悪から人の目から隠れるように前髪を伸ばしています。とても個人的な話なのですが、わたしが高校教諭だった頃に受け持った生徒に鬼太郎ヘアの女の子がいました。その子も葵田のようなコンプレックスを持っていてすごく頑なだったけれど、ある日前髪をピンで留めてきた姿を見たときは…。泣くかと思いました。
わたし自身が西のような教員で、周囲の先生から同じような注意を受けたり、「先生が足並み揃えてくれないと生徒がこっちにまで期待してきて負担が増えるからやめて」と苦情を言われたりしたので、西の思いはすごく分かるのです。人生のうちの3年間でも「自分を見てくれた大人がいた」ということを自信につなげてほしい、社会に出る前に「大人も捨てたもんじゃない」と知ってほしいという思い。
ただ分かるだけに恋愛に発展しない教員側の気持ちが分かってしまって入り込めず。相手は「子ども」なんですよね、結局。今は発展途上でまだまだ狭い世界しか知らない。卒業式に意を決して告白してくる生徒もまだ人生で出会うべき人間の半分にも出会っていない可愛い子どもでしかないから、教員としての西に共感すればするほど、人間としての西に共感できず。
ヤスエイさんの作品はお互いに惹かれ合うのがすごく自然に思えるストーリーばかりだと思うのですが、今回ばかりは何度読み返してもこころに入って来なくて、すごく個人的な読み方しかできない自分が無念。
同じ先生×生徒でも先生が先に恋愛感情を持つとか、逆でも生徒が好き好きアピールが激しくて、最初から「先生が好きです!性的な意味も含めて!」みたいなパターンだと一歩引いて楽しめるのになあ。
むしろ優秀な兄がどういう経緯で喫茶店をやるようになったのか、戸坂とのなれそめなどが気になって、そっちのスピンオフが出てくれないかなあと願っています。
コーヒーや喫茶店の設定したもので、表紙の絵柄も好みで、生徒×先生だと思って期待して買ったのに、
お弁当や食事が和食中心でコーヒーに似合いそうな洋食系統があまりにも出ていない、
可愛いシチュが非常に少ない、
生徒×先生なのか先生×生徒なのか曖昧
など自分にとっては食いつくネタがあまりにもなく、見当違いで買ってしまったと後から分かり、ショックではありました(;;)
なので、もう少し趣旨が合うか検討して買おうと思いました(;;)(;;)
ヤスエイさんって食べ物関連の作品多いですね。
本作も、珈琲店で閉店後に自分だけのための夜定食、という設定です。
一見コミュ障の高校生x担任の先生、というカップリング。
ありがちではありますが、心にちょっとしたコンプレックスを抱いて周りと距離を置いている葵田郁(高3)。孤立しているんじゃないか?と心配する担任の西。
郁は自分を見てくれた西に惹かれて、夜はコンビニ惣菜ばかりという西にうちに食べに来ませんか、と誘う。郁の家はお兄さんが経営している喫茶店。自分の弁当も夜の特別「夜定食」も、実は郁が作っていて…
西の励まし・助言でクラスに居場所を作っていく郁。ほのかに西を慕い続ける郁と、全然気付かない西。
でも、郁は西先生にちゃんと告白するんですよね。正に正攻法で。もちろん西は、生徒で男で、の郁に答えられません。それでも実に真っ直ぐな郁に、卒業まで待って(ちゃんと考えるから)、という。
卒業後、大学の栄養学部に進んだ郁と西の距離感はあまり変わらない。でも郁の新しい友人竹内君に嫉妬を感じる西!やっと郁に追いつくのです。
お互いの思いやり、優しい気持ち、恋する心。
最後までエロは無いですよ!「無いんだ…」と思ったけど、すぐ無くて良し!と感じました。
この話はエロ無しで正解。心が浄化できました。