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表題作ふたりでつくるハッピーエンド

岩舘春樹
人気俳優,39歳
中原友理
役者志望の東大生,18歳

その他の収録作品

  • ふたりで過ごすウィークエンド
  • あとがき

あらすじ


役者志望の大学生・友理は、親に反対され家を飛び出し行き場をなくしていたところ、人気俳優・岩舘春樹の家に居候させてもらうことになる。春樹は友理がオーディションに参加している作品の主演俳優。子役時代から40歳を迎える現在まで一線で活躍し続けている。春樹が素で醸し出す大人の魅力に同居初日から参ってしまう友理だが、一方の春樹も友理の賢さと一生懸命さが可愛く見える自分に戸惑っていて……?

作品情報

作品名
ふたりでつくるハッピーエンド
著者
安西リカ 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524301
3.6

(79)

(21)

萌々

(31)

(17)

中立

(1)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
14
得点
281
評価数
79
平均
3.6 / 5
神率
26.6%

レビュー投稿数14

年齢がもっと近ければ

 人気俳優×俳優を目指す東大生で親子ほど年の離れた二人の話でした。
 東大生の受けは高校の頃、芸能事務所に所属する同じ学校の後輩の家庭教師をしたことがあり、そのときに後輩のマネージャーを通じて俳優である攻めから映画のDVDを借り、感想を添えて返す、という交流がありました。
 受けは舞台のオーディションを受けますが、父親から芸能活動を反対され、家出をします。ちょうどその頃、攻めの家政婦が退職し、新たな家政婦が来るのが一か月先だったため、家出中の受けが住み込みで家政婦の仕事をすることになりました。攻めのマネージャーを通して受けの実家には了承を得ています。

 二人は映画の好みが似ていて、一緒に映画を見たり、受けの演技練習に攻めが付き合ってあげたりして距離を縮めていきます。
 元々、受けにとって攻めは憧れの俳優でしたがが、攻めも真面目で一生懸命な受けに自然と惹かれていき、約束の一か月が終わる頃には互いに恋愛感情を自覚するまでになりました。
 結果的に受けは最終選考でオーディションに落ちますが、受けが家を出ていく前日に攻めのほうから告白し、その日のうちに一夜を共にします。受けは誰ともつき合ったことがなかったので、一晩のうちにファーストキスから挿入まで一気に大人の階段を昇った形です。

 つきあうまでは特に障壁もなく順調にいきましたが、その後、攻めが舞台の共演者である俳優(受けが家庭教師していた後輩)との写真を週刊誌に載せられます。それを見た受けの親友の彼女が、攻めのファンだったために後輩君の売名行為を疑ったり、攻めのマネージャーである実姉に交際のことを話さざるをえなかったり、そのマネージャーから別れるように言われたりとハードルが続きました。
 二人とも気持ちが揺らぐことはなく、それを見越したマネージャーから、マスコミ対策として受けが攻めの付き人になる案を提示され、それで丸く収まりました。

 子役の頃から芸能界にいるせいでどこか浮世離れしている攻めも、真面目でしっかり者の受けも好感のもてるキャラでしたが、やはり親子ほど年が離れていて、40歳になる人気俳優が高校を卒業したばかりの18歳の子とお付き合いをするというのは、リアルで考えたら引いてしまうなと思い、話に入り込めない感じがありました。悪いことをしているわけではないことは重々承知ですが、受けの親友の彼女のように、世間の人達から好意的に受け止められないだろうことをわかっていて、芸能カメラマンに狙われているかもしれない状況で観覧車デートをするのは、長年応援してきたファンの気持ちを全く考えていない行動に思えます。
 個人的には、もう少し年齢差が近いほうが楽しめました。

0

21歳差のときめきとかわいさ

終始穏やかな雰囲気進む、とっても甘くて素敵なお話でした。21歳の年の差ものはなかなかないのではないでしょうか?

人気実力派ベテラン俳優の攻めと、ひょんなことから攻めの家に居候をさせてもらうことになった大学生の恋の物語。
両視点で語られる日常生活の中に小さなときめきがあちこちに散らばっていて、読み進めながらときめきを拾い集めてはじわじわと萌えが積み重なっていくようで、最初から最後までふわ〜っとした甘い香りがするんですよ。
はー、良かった…!お互いをかわいい・かっこいいと想い合う2人の姿に思わずにこにこしちゃいます。
両片想いでもだもだとする姿に、なんてかわいい2人なの…!と幸せな焦ったさでいっぱいになりました。

こちらの作品、なんと言ってもキャラクターが良くって!
年上の俳優攻めって、いわゆるスパダリだったり…THE頼れる大人が多い印象があります。
もちろんそんな完璧な人物像も大好きなのですけれど、今作の攻め・春樹はどこかぽやぽやとしていてぬけた部分のあるキュートな人なんです。
普段は俳優として年相応な色気たっぷりの演技を魅せてくれるだけに、素の姿が本当にかわいらしくてギャップにやられてしまう。絶妙にツボを押してくる良い攻めでした。

そして、彼の相手となるのは演劇の世界に強い憧れを持つ役者志望の大学生・友理。
前向きで気持ちの良い性格の努力家で、なおかつ物事を俯瞰で見られる賢さを持っていて好感度大です。
一生懸命な子って応援したくなりますよね。
しっかりしているので子供っぽさは感じませんし、精神年齢で言うのならきっと春樹よりも年上なのかもしれません。
でも、恋愛面ではまだまだひよっこ。初めての恋に戸惑い悩む姿は年相応のかわいさでいっぱい。

同居生活を送りながら、共通の趣味である映画鑑賞会で距離が縮まっていく様が自然で、年の差ものならではのもどかしい葛藤の数々の描き方も読みやすい丁度良さ。
安西先生の書かれるお話、好きだなあ。
相性抜群の2人のやり取りが気持ちが良く、非常にかわいらしい1冊でした。
俳優として忙殺されてきた春樹の心を明るくするような友理の一言が印象的で、今後も良い関係のまま一緒にいる未来が想像出来る素敵な2人です。

1

春樹推し!

俺の友里はやっぱり最高!

もうすぐ40歳の俳優春樹と俳優志望の東大一年生の男の子友里のお話です。

明るく楽しく良いお話でした。
両視点が交互に書かれています。

私は春樹の方に興味を引かれました。
子役から始めてブランクなしで芸歴35年。
人の人生を演じるばかりで自分の人生は空っぽだなって振り返るところとか。
普通の学生生活など味わえなかったものがいかに貴重だったか。

ずっと年下で可能性の塊みたいな友里が可愛くて眩しくて。大ベテラン俳優の自分のパワーバランスとか、こんなおっさんがとか悩んで迷って可愛かったです。

春樹が初めて自分で選んだ恋人や充実していくプライベート。素敵な恋人ができて本当に良かったね!

友里もしっかり者の男前で。春樹が出来なかった分俺が挫折や苦労をするのを見ていてくださいって。

春樹の友里は最高だな!

0

キャラ&カップリングが最高

人気俳優と俳優業に憧れる大学生のお話。年の差もので、素晴らしくよき年上攻めですね。好きな作品です。

芸能一家に育ち、子役から始めた芸歴は35年。呼吸するように演技モードに入ることができるベテラン俳優・岩舘は、姉でマネージャーの絹を通して知り合ったかつての高校生・友理と再会します。大学生になった友理は俳優を目指し、岩舘も出演する舞台のオーディション真っ只中でした。

家族に芸能界入りを猛反対されている友理は、父親を説得させるために現役で東大に合格したガッツのある子。奇跡的にオーディションの最終選考まで通過して無料レッスンを受けられることになったけれど、他の面子と自分を比べて自信を失います。ここまで残れたのはビジュアルと素人臭さを期待されてのことだと。

そんな二人が急遽、同居生活を始めるのですが…

岩舘がめちゃくちゃ魅力的なんですよね〜。BLに登場する俳優キャラには珍しいタイプかもしれない。天才肌なのに柔らかくてちょっと抜けてて、いいかげんでも自暴自棄でもない。キャリアも長いし、絹の教育のお陰もあってなのか、俳優岩舘が世間やファンにどう見えるかを優先しながら生きるのがあたりまえになっているプロ意識。今も昔も男は40からがセクシーだと思っている身としては、岩舘がツボすぎてずっと悶えていました笑

俳優を志す友理は、好きな気持ちや努力だけでは突破できない向き・不向きがあることを若いうちに身をもって思い知ります。でも、途中でやる気をなくしたり、腐ったりせずに最後までやり遂げて自分なりに何かを掴む強い子です。恋愛に関してはうぶうぶなところがまた可愛いくて、あっけらかんと前向きな欲望が若くて健康的で眩しいよ…(イラスト効果も有り)。彼の10年後、20年後がどうなっているのか、ものすご〜く興味あります。

年の差だからこそ補い合えるような関係が綺麗に出てて、カップリングがなんたって最高ですね!

俳優としては充実した人生を送っているかもしれないけれど、素の人生は中身がなくてスカスカだと落ち込む岩舘に、これからも努力して何度でも挫折する自分を姿を見ることで、一緒に人生を経験して欲しいって友理が伝えるシーンなんかもー、グッとくる。

安西作品は、これ一目惚れじゃね?と思いながら読んでるのが結構あって、でも始めは戸惑って素直に認めないんですよね。ノンケなら当然なんですが、そこから恋愛に発展するようでいて、やっぱ一目惚れじゃん!ってなる笑。だからどうも好きになるのが早すぎる〜っていうのと、受けの若干高めな乙女度が引っかかってしまうんですけど、ガチで巧い作家様だと思ってます。

0

安西先生の年の差・年上攻めのお話は最高でした

安西リカ先生の作品は、自分的にはハズレが無いんです。そして今回も最高に素敵なお話でした。

役者志望の友理の希望が簡単に叶わない点もリアリティがあって良いんです。そして春樹との同居生活でお互いが特別になって行くのが、丁寧に書かれているのにテンポが良いのが流石だと思いました。
好きなのに臆病になってた二人なのに、気持ちを伝えようとしたタイミングが同じだったのにはかなり盛り上がりました。

書き下ろしの「ふたりで過ごすウィークエンド」では、春樹が姉の絹に「別れなさい」と言われた時は二人がどんな選択を取るのか心配だったんです。
ここも二人とも別れない決意をするタイミングが同じで、なんてお似合いの二人だろうと思ったんです。

友理の初めての外デートに拘る春樹が可愛くて、二人のデートをワクワクしながら読みました。観覧車ではしゃぐ二人の金先生のイラストが最高に可愛いです。

そしてデートする二人の姿は一般人によってSNSに投稿されていて…腹を括ってる二人は強くて、そして絹も絶妙な案を携えて二人の元を訪ねて来た事にグッジョブと叫びたくなりました。

年の差カップルだけども友理が賢くてしっかり者だし、春樹は天然でおおらかなのであまり年齢差を感じないんですよね。
このまま素敵なパートナーになる予感を感じさせるカップルでした。
安西先生の年の差ものも良いですね。

2

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