電子特別版
この程度の風評に影響を受けるような、ヤワなパンツは作ってない!
試し読みで挫けなくてよかったです。
試し読みで既に主人公・岩瀬くんがド派手にセクハラをされていたので、ドン引きし回れ右しようかと一瞬よぎりましたが、がんばってそこを乗り越え最後まで読んでよかったです。
初っぱなからの豊坂社長の行き過ぎた行為はまあ、セクハラ以外なら何物かというと性犯罪……？ と言わざるを得ないですけど、真剣交際無罪かなって。岩瀬くんも社長に一目惚れですし、社長は最初から最後まで真剣ですし。
真剣に、岩瀬くんにも仕事にも困難にも向き合う社長が素敵でした。
社長も素敵だったけど、何より岩瀬くんがすごく可愛くてよかったです。
主人公の一人称文。自分に自信が持てずネガティブな性格……なのに、彼の語りから自然と滲み出てくる謙虚さと純朴さは好感度バリ高です。総合格闘技の世界タイトルを取ったというのに、傲らずイキらず、それどころか自身なさげですらあるなんて、こんな「剛腕の貴公子」を好きにならずにいられるか！ って感じです。
ヴィジュアルプレスというお仕事が思ったよりも奥の深いお仕事でした。かなりガチのお仕事BLで、アパレル関係に縁のない私には眩しく興味深い世界でした。
挿画も美麗で眼福です。ただ、欲張りな私はサブライムのおパンツをこの美麗な絵でもっと見たかったな！ と思ってしまいました。
特にフリルいっぱいの純白ブライダル仕様のおパンツなど…………女っぽいところがひとつもないという岩瀬くんがそれを穿いたときの倒錯美は、想像にお任せしますではなくイラストでおがみたかったです！ ガーターベルト付きで！ 性癖ドストライクなのでどうか！
下着にかける情熱が滾っているお仕事BL
小山田あみさんの絵につられて表紙買い。
受けの成人は元キックボクサーのノンケということで、もうちょいヤンチャなキャラかと思っていましたが、完全に乙女でしたね。
最初の仕事、かつ初対面で攻めの声にジュワンとしちゃって、フェラまで許しちゃってて、えっ‥‥？？？と思いました。
最初から社長にぽわわ〜ん♡だわ、触られればジュワッと下着を汚してるわでノンケってなんだっけ？？と思ってしまうほど。
社長は、一言で言うなら極上って感じでした。顔良し、性格良し、育ちよし、ガッツあり、包容力大。
あとがきには「受けを好きすぎて残念な方向に進んでしまう」とありましたが、残念感はなし。
（でも出会ってすぐあんなことするの、どーなの？という点はある。）
国内大手の下着メーカーの御曹司として生まれながらもそれに甘んじることなく自分の生き方に悩んでいたときに、成人の試合を目にしてそれ以来、成人を心の支えかつミューズとして生きてきたお方。
実は童貞というビックリおまけつきでしたが、キスは手練れてるしエッチもやたらうまいしで、童貞って嘘だろ？？って感じでした。
あと、成人をスカウトするときに、成人が提示した500万円は他の社員との折り合いがあるからと却下して350万円を提示するんですね。
中卒でなんの資格もない成人なので350万円で雇ってくれる会社は他にはないのが現実だろうけど、それでも、えっ？？「年棒は弾む」と言った割にはしょぼ……と思ってしまいました。
恋愛面に関しては、成人とミューズと崇めている社長と、ノンケってなんだっけ？レベルであれこれ許してる成人なので、最初から両想い！って感じ。
そして初対面時のフェラから始まって、なんやかんやと合体前のエロも多いので、エロ多いなぁ〜……とちょっと飽きてしまいました。
でもお仕事面が面白かった。
社長は国内最大手の下着メーカーの御曹司でありながら、親の敷いた道に背いてメンズ専門の下着メーカーを起業するんですね。
だからガッツと情熱があって、下着への拘りが半端ない。
そんな社長の元で働くことになった成人の戸惑いと、仕事に対する頑張り＆社員さんたちとの絡みが面白かった。
読む前はお仕事BLだとは思っていなかっただけに予想外の収穫というんでしょうか。
こんなアツいお仕事BLを読めて嬉しいです。
決して簡単な仕事じゃない。お仕事BLとしてもアツい作品
何の事前情報もなく、初読みの作者様。
読んでみて、非常に面白かった！
主人公は、網膜剥離で現役を引退したキックボクサー・岩瀬成人。
職探しは難航。そこで紹介されたのが選手時代のスポンサーだったアパレル企業。
だがそこは男性用下着専門のメーカーで…
…と始まります。
実は社長の豊坂は岩瀬をミューズとして下着をデザインしており、ぜひブランドのイメージモデル/広告塔、つまり「ヴィジュアルプレス」として我が社に！と熱烈に迎え入れられることになります。
なので、もう初めから社長は岩瀬にメロメロだし、社員のみんなも社長の想いを良く知っている。
岩瀬は真面目な性格だし、そんな岩瀬は当然社員たちに温かく迎えられる。
そんな感じでいわゆる「波乱」的なものはありません。
あるとすれば、オレみたいな下層の人間がこんなに凄い社長に好かれていいのだろうか、とグルグルする展開が長い、ということだけ。
当の社長も仕事にアツい想いを持って取り組んでるし、「お仕事BL」としても良い読後感で読める作品です。
「男性用下着」をゲイ市場に売り込む描写も、ギャグ/エロだけに転ばずに販売戦略としての理念やデザイン性などが描かれていて読みやすい。
一つ引っ掛かりがあるとすれば…
2人のエロはラストに1回だけでも良かったかもしれない。
いえ、最後までのセックスというのは1回だけだけど、序盤からキワどい戯れのようなものは数回あって、社長は余裕ある風だったからそこが余計だったかな。
イラストは小山田あみ先生。
当然素晴らしいかっこよさが炸裂して、作品の良さを更に高めていると感じました。
真面目で純粋で優しい受けでした
表紙買いです。
銀髪の彼が受けで元キックボクサー。
奥の黒髪が攻めで、受けを自社のヴィジュアルプレスにとして採用した社長。
受けが面接に行くと、すぐ様際どいパンツを穿かされ写真撮影。
つい勃ってしまった受けに社長がイカせるんですが、おいおいおい…と突っ込まずにはいられませんでした(^^;;
スポンサーとして世話になってた・就職先に困ってた・辞めたとはいえ元キックボクサーだし手を出したらアウト…という背景があるけど、抵抗心もなくヴィジュアルプレスを受け入れた受けにビックリ。
実は社長は10年前から受けが好きで恋心を拗らせてるんですが、あれでDTは胡散臭い。
受けにやるアレコレ、めっちゃ慣れてませんか？
純愛アピールなのかもだけど、普通に恋愛経験してる設定で良いのに…。
受けの母親がビッチ系だったせいで受けが女の人に対して興味がない、というのが後々になって分かります。
その設定、もっと早くに出してくれたら受けが社長に惹かれていく違和感も少なかったのにな〜と思いました。
辛口な事ばかり書いてしまいましたが、受けのピュアっぷりは可愛かったです。
そりゃ社長は溺愛するだろうな…(*´ω`*)
恋にお仕事に、一生懸命なお話でした。
中立と萌で悩みましたが、今作がデビュー作との事で、今後に期待を込めて「萌」評価で。
設定は面白いが
小山田さんの美しい表紙に釣られ購入。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
メンズ用アンダーウェアブランドの社長×元キックボクサーのお話。
怪我を理由に、元世界チャンピオンという輝かしい経歴を持ちながらもキックボクシングの世界から引退した成人が主人公。
キックボクサーとしての知名度は高いものの中卒、車の免許なし、職歴ナシの彼はなかなか就職できない。そんな時に、かつてお世話になっていたジムのトレーナーからキックボクサー時代のスポンサーだったアンダーウェアメーカーの社長である豊坂を紹介され…。
というお話。
下着を身に着け、自社の製品を売り込むモデルとして起用された成人ですが、学歴もなく両親も不在という自身に対して絶大な信頼を寄せてくれる豊坂に、徐々に気持ちを寄せるけれど。
一言で言ってしまうと、キックボクサーを辞めて何も持たなくなった成人の、シンデレラストーリーです。男性版プリティウーマン、と言っても良いかも。
成人が抱えた借金。
両親不在の成人を育ててくれたおばあちゃんとの心温まる深い愛情。
後ろ盾のない成人を、愛し、守ってくれる社長の豊坂。
途中、会社倒産危機が訪れるものの、基本的には優しく穏やかなストーリーです。
ゆえに、もう一歩欲しい感が半端なかった。
男性用アンダーウェアというなじみのない仕事の内面が垣間見れたのは面白かったですが、BLという視点から読むと、起伏もなく波もたたない。
豊坂が、成人にべタ惚れなのが初めから見えているから。
そして、成人の思考が乙女だから。
かな、と。
初っ端から甘い空気が漂っている。
過去に出会っていたことがある彼らで、その出来事が豊坂を救い、そして成人に惚れてしまったのだろうということは理解できるのですが、成人が豊坂に惚れていく過程がちょい甘い。
お金持ちで、自分に絶大な信頼を寄せてくれて、仕事にも誠実で、そりゃ惚れてしまうのも無理ないだろ、って感じなのですが、でもそれだけなら仕事上の信頼できる上司でしかないわけで、そこから恋愛感情が育っていく過程が大切だと思うんだよな…。
その割に取引相手との契約が危機に陥ったり、成人を買おうとする不遜な輩が出てきたり、母親の過去の黒い話が出てきたり。でもなんかそれが上滑りしてるって感じ。設定を広く盛りすぎちゃってる、というのか。もう少し、一つのことに絞ってじっくり描いた方がよかったんじゃないのかな、というのが正直な感想。
あとごめんなさい。
タイトルは、これは違うタイトルの方がよかったんじゃないかなあ…。
タイトルからイメージする内容ではない気がしました。まあ、完全に好みの問題ですが。
ただ彼らを取り巻く周囲の人たちも、優しく、二人の関係も温かく見守ってくれる。
痛い展開になることもほぼなく、安心して読める1冊かと思います。
これがデビュー作のようですが、文体はとても読みやすかった。
次回作に期待したいです。
小山田さんの挿絵は今回もやっぱり神だった。
アンダーウェアを取り扱っているという事で下着姿の男性も多く出てきますが、綺麗な体つきで絵だけで萌えが滾りました。
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