電子限定特別ページつき
単純には済ませられない
思春期の葛藤がよく描かれているなと思います。
簡単なことなのにプライドを捨てきれず
素直になれないというか
難しく考えすぎるというか。
一也のぐるぐる考えてしまうところをみていると
こっちまで苦しくなっちゃいました‥
周りとの関係や
家族の問題、お金のこと‥
かなりいろいろと盛り込まれていて
読みごたえはあるのですが
脈絡なく新しいキャラやエピソードがきて
混乱してしまう部分があったので
ふたりの恋愛のお話というよりは
普通のDKの日常(BL要素あり)という
印象が大きかったです。
高校生のウィタ・セクスアリスみたい
主人公の正田くんの少し自虐的かつ内省的なモノローグがつづく
でも境遇やらのせいにしているわけでもなく、誠実なのだなあと思う
じつは互いに自分の好きと相手の好きとをずっとはかりかねているから
キスに意味なんかない、と言い聞かせてみたり
いっぽうではキスが特別なのは彼だから、と気づいたら
素直に告白したりして…… かわいいなぁ
正田くんができすぎなくらいな良いこなのに
彼にだけ愚痴めいたこと言ってるのが萌えポイントw
それを聞き流したりせずさらりと受け止めているのもいいね
表紙の絵とデザイン及び帯からイメージしていたよりずっとかわいらしいお話で、
続きを読みたくなる高校生カップルでした
※第一話の表紙絵のほうが好きだなぁ ちょっと手の位置変えてそっちをカラーで見たかった
女の子にも人気の金髪攻め×成績優秀な黒髪受けという高校三年生同士のお話です。
この作品で一番萌えたところは、受けが嫌がらせのつもりでしたおふざけのたった一回のキスにやたら拘って、意味を求めたがる攻めの姿でした。
攻めにとってファーストキスなんかじゃない、それどころか女の子にモテる攻めなので女の子に唇を奪われちゃってるシーンもあるのに。
攻めの気持ちは結構見えにくい。なぜなら、受け視点でお話が進むからです。
受けは祖母の入院に兄弟の面倒、貧乏な家庭事情に伴う進学先やら学費の工面やら、諦めざる得なかった部活動と未だ活動を続けていられる仲間に対する嫉妬などでそりゃあ悶々としてます。
しかも受けは、まぁいっか〜!で済ませることが出来ない理系の優等生。
攻めのバイト先のオーナーが受けの姿を見て「自縄自縛です 一人SMです」と言ってるけどまさにそれ!
自分で自分を雁字搦めにしてるその受け視点で進むので、ちょっと閉塞感が強くて高校生ものらしいキラキラ感は低い。
だけど、ぐるぐると丁寧に描いているからこそ、受けが自分の気持ちに気づいていくところがとても自然で受け入れやすかったです。
毎日のように秘密の小部屋で抜き合いをした二人だけど、簡単にセックスに発展しなかったところも良かった。
だからこそ、肩を落として弱音を吐いて自己嫌悪で落ち込む受けの肩を抱き寄せた攻めから「したい」という申し出には萌えました。
それまで抜き合いで満足していた二人が一歩進むここのシーン。
「お前ももう充分おかしいよ。」という受けに対して「そうかな すこぶるまともよ俺」と答える攻めとのやり取りがいいです。
いまだに「依存」だの「現実逃避」だの思ってる受けに対して、腹をくくって自分の思いを自覚したうえで先に進む攻めって感じで好きです。
そして攻めが最後に落とす爆弾に悶死しました。
チャラそうな男が、真面目くんに「キスの責任を取れ」と迫るんですよ。
「お前はキスされる度に皆にそれ言うのか?」といなす受けに「正田(受け)がキスを特別にしたんだ」と言っちゃうー!
チャラそうな攻めが、こんな王子様からのキスで目覚めたお姫様のようなことを言っちゃうなんて……♡と。
そして描き下ろしでは、実は金持ちの息子だということが本編最後に判明した攻めが、お気楽なボンボン思考全開の甘ったれワンコっぽくなってて可愛かったです。
受験を控えて将来のことや家族のこと色々抱えた問題に悩む高校生同士のお話でした。
受けの優等生くんの追い詰められ感がちょっと重くて、ずっと思考がグルグルしているので、読後感があまりスッキリしませんでした。
閉塞した状況を一時でも忘れたくて煙草とかに走るのも分かるのですが、そんなにスッキリしないよねーと。
全体的にトーンがずっとシリアスなので、もっと弾けちゃっても良いのになーと思ったり。
個人的に高校生物ってもう少しキラキラしていてほしいので、好みの問題だと思います。
すごく良かったです。一冊通してじっくり1つのカップルを描いてるからから、読み応えもあるし共感もできます。
脇キャラが多いですが、それもいいです。
世界に2人だけしかいない、というような恋愛だけのお話ではなく、脇キャラがいて、環境あっての恋愛です。それをとても上手く描けてるから、一体なんで恋に落ちたの??みたいな不自然さもありません。
理系の進学校なんて、自分には縁がない世界ですが、というか、こんなキラキラした高校時代を送らなかったからか、こんなに惹かれてしまうのかも。
家の家計が厳しいこと、受験のこと、推薦のこと、部活のこと、生徒会のこと、バイトのこと、夏休みにスパコンの大会に出ること…
目が回るように忙しく、実際それで主人公は潰れそうになっているわけですが、とても充実してて、ほんとに眩しいです。
学校で忙しい、なんてこと、自分はなかったな…なんてしみじみ思ったり。
そしてそんな中で唯一息抜きできる場所が互いという存在です。
タイプは違うけど、何でも見せられる友達、というか。依りかかれる相手です。
ケンカもするし、弱みも見せあえる。
友達から気になる関係になっていく、早急すぎない感じもよいです。
そして登場人物たちがみんな、どこかコミカルだけど自然体で、説得力がありました。
とてもキラキラしていて、眩しい青春ものです。やっぱりまだ子供だなと思える部分も可愛いし、カップリングの萌えだけでなく、とにかく、高校生活最後の一年の雰囲気がとてもよく出ているところが感動的な作品でした。
青春学生ものが好きな方に是非オススメです。