こっそり生きてこーよ、ふたりで。 大学生×校正者シリーズ完結!

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表題作恋かもしれない(3)

弥生 恭一(大学生)
踊場 優作(本の校正者)

その他の収録作品

  • やさしい男
  • カバー下:校正にチャレンジ

あらすじ

素直でマジメな弥生に惹かれていく気持ちを
なんとかごまかそうとする踊場。

しかし、弥生は踊場の指導の甲斐あって
心もHのテクも成長し、踊場を悩ませる。

そんなある日、踊場は
憧れの小説家・木地に自宅へ招かれる。
対抗心を燃やす弥生は
「一緒に行く」と言い出して…!?

年下大学生×ゲイの校正者シリーズ完結!!

描きおろし後日談「やさしい男」収録☆

作品情報

作品名
恋かもしれない(3)
著者
波真田かもめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
恋かもしれない
発売日
ISBN
9784040694917
4.2

(68)

(28)

萌々

(27)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
287
評価数
68
平均
4.2 / 5
神率
41.2%

レビュー投稿数12

名言に2度泣いた

大好きな波真田先生が得意な日常ほっこり続きモノと聞きつけまとめて拝読しました。
良かったよぉ。読み終わったあともじんわりと幸福感を反芻する感じの素敵な作品でした。萌え要素もいろいろありつつキャラもしっかりしていてお話としてきちんとまとまっていたと思います。


以下ネタバレ含みます。
弥生くんが自立した大人として踊場さんに惹かれていきますが、ノンケなのになんで?という唐突感があまりなかったのは弥生くんの父が偉くてそれなりに挫折を経験しているバックグラウンドと踊場さんの地味だけど自分の仕事に誇りを持って丁寧にこなしていく様子が描かれているからか割とすんなり飲み込めました。弥生くんの若さと勢いのあまり真っ直ぐな気持ちを受け止められずかわしまくる踊場さんの大人な対応と、徐々に絆されていく展開も微笑ましかったです。
キャラそれぞれの萌え要素も思い切りツボでした。弥生くんの華やかなのにDTとか初めてだったのにどんどん吸収してお上手になる成長過程も良かったし笑、踊場さんが地味真面目リーマンと思いきや恋愛には冷めていて実は床上手なところも笑ってしまいました。冷めているけど実は人一倍寂しがりやで、ノンケだった弥生くんの将来家族や子供はいいのか〜と葛藤する踊場さんが弥生くんに素直になれて、「こっそり生きてこーよ、ふたりで」と男前な決断をサラリとできるところも泣けました。さらに2度泣けたのは、すごく現実に立ち返った時にやっぱりゲイカップルって世間的にはまだまだマイノリティで(心根が腐ると忘れがちな現実)こういう発言を明るく言ってしまえる弥生くんのポジティブさが逆にひたむきすぎて切なくなったというか。
そんな関係は素敵だなと思う一方、人前で堂々と手を繋いで、困った時にはお互いだけじゃなくて周りに相談できる未来があるといいよねと思ってしまいました。

とにかくすごくすごく好きな作品でした。波真田先生には長編をもっと描いてほしいです!

6

じんわりと心に響く作品

波真田先生の作品の中、というか既読のBL作品の中でもトップクラスに好きな作品です。
作品について語るよりも読んで頂きたい、購入してもらいたい、という気持ちがありますので、内容に関しては触れませんが、BLという枠組みにとどまらず、恋愛とは、人と関わるということとは、ということをシンプルかつ深く描いた良作だと思います。

恋する気持ちを遠ざけて心が固まっていた踊場さんが、どこかすっと突き抜けたような、あるいは本来の姿に戻ったかのような、とても自然な表情で弥生に接し始める姿が見られて、私もとても幸せな気持ちになれました。
素直でまっすぐな弥生の言葉はものすごくシンプルで、私の心にも深く刺さります。刺さるといってもそれはやわらかな羽根のようで、とても心地よく響きます。
男同士の恋愛、という難しさにも触れられているのですが、これも弥生にかかればとてもシンプルな答えが導きだされていて感動しました。

素直で優しい弥生。意固地であけすけな踊場。
偶然出会ったふたりが少しずつ歩み寄り、近づき、二人して成長していく物語でした。

全三巻という構成が見事でした。
長すぎず、短すぎず、時の経過と二人の姿がきちんと描かれていて、満足です。
波真田先生らしいコケティッシュなキュートさも所々に見られますが、大人の恋愛がとても美しく優しく描かれています。
ぜひ購入して読んで頂きたいシリーズです。

6

「かもしれない」が確信に変わるまで

ゆっくりとじっくりと、迷いながらも自分の気持ちを確認していく。
そうやって出来上がった踊場の恋、完結です。

木地さんが対抗馬にならずに理解者のスタンスを取ってくれたのが、何とも嬉しい。安易に当て馬や対抗馬で話を盛り上げるのは簡単だけど、そうじゃない方法でこの作品に現実味を盛り込んでいくのが波真田さんらしいなと思いました。
それにしても最終巻は若い若いと思っていた弥生に相当やられました。言葉がいちいち刺さります。
弥生自身がそうだっただけに「尊敬が恋愛に変わるの、オレ知ってる」という台詞に込められた嫉妬がものすごく伝わってきました。じりじりするね、恋って。じりじりした分相手を痛めつけたくなってしまうね、と声をかけたくなってしまう。
他にもいーっぱい良い台詞があるけどやっぱり一番良かったのはこれです。
「普段大人しめな踊場さんが、なんで恋愛に関しては『世間に堂々と』しなきゃなんて思うの?」
これ!本当にそう!ただなぜか今まで読んだBL作品では誰もこんなことを言わなかったのです。目から鱗。そうだよ、どうしてそこだけみんな「真っ当でいなきゃ」とか「おてんとさまの下で手を繋げる関係が望ましい!」って決めつけるんでしょうね。
まだ世間を知らない若さと勢いがあるから言えることかもしれないけれど、この問いに何を言っても言い訳にしかならないというすごい台詞だと思いました。それは惚れてしまいますよね。

本当に弥生の成長が著しいです。踊場が求めた「あとひと押し」が元カレとの遭遇という形で現れたときもきっと最初の頃の弥生だったら元カレである先生に食ってかかっていたと思うのです。でも何も言わずに踊場と2人になるまで耐えた。大人になったなあと感無量です。
2月に別れたのにもう1才になりそうな子供がいるという先生の狡さと、真っ直ぐに踊場だけを想う弥生の対比も良かった!どっちがいい男かなんて一目瞭然ですもんね。

言いたいことがありすぎてごちゃごちゃしておりますが、本当に良い作品です。
たびたび取り出しては読み返したくなる。
読むたびに踊場だけじゃなくわたしも弥生の強さを少しもらえたような気持ちになれる。
「毎日つまらないなー」なんて言っている場合じゃないぞ!という気分にもさせてくれる。
そんな作品、なかなかないですよね。
めぐり逢えてラッキーでした。

6

年下彼氏は

シリーズの完結編。
中でも、第11話が作品全体を通しての最大の山場かな。
帯にもなっている
「こっそり生きてこーよ 二人で」
のセリフに至る、踊場と弥生のやり取りが、恋愛の本質を突いていて感動した。
このセリフを言いきる弥生の若さのパワーに、踊場もついに降参してしまうのも納得。

弥生が望んだクリスマスプレゼントは、踊場の自宅の、踊場のベッドで二人で寄り添って眠ること。
何もせずに、狭いベッドで、ただ寄り添って眠って、朝を迎える。
なんてロマンティックなエンディング。

と、思わせておいての、書き下ろしでは、
そうよねぇ、
このまま何にもなしで済むわけないわよねぇ、
の、ベッドで1戦、更にベッドを降りての2回戦と、踊場の年上の貫禄を見せつけて終わる。

3

No Title

人が生きるという事や他人と生活する事の楽しさや苦しさを一貫して描いてる作家さんだと思います。

ほのぼの系BLを好んで読むわけではないのですが波真田さんの作品には一貫してリアリティがあり、
ファンタジーとの配合がとても絶妙だと感じました。

弥生のキャラにしても有名建築家の息子で自身も建築家を目指す学生という高スペックなのに、
あまり恋愛に器用でなかったり意外なところで計算高さを発揮したりとBLのテンプレキャラではありません。

最初は南の島から来た訳のわからない青年であった弥生と踊場が徐々に馴染んできて、
二人が離れがたくなるまでの関係を丁寧に描いています。

途中で踊場の憧れの木地先生などの他キャラが出てきますが、
当て馬という程でなくあくまで二人の間に良い刺激を与えるスパイスです。

踊場さんは最初は「キャラデザ地味、もっと格好良くても」と思ったけど、
弥生に借りた着慣れない服を照れながら着こなすコマが何だかとても良かったです。
波真田さんの描く服やインテリアはこれ見よがしではないけどさりげなくセンスが良いです。

誤解を恐れず言うと紀伊さんのエトランゼシリーズを大人向けにして落ち着かせたイメージです、
充分に売れてる作品だとは思いますがそれでももっと多くの人に読んで欲しいです。

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