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全寮制のおぼっちゃま学校で出会い、恋に落ち、駆け落ちした「元耽美系」の日下と御厨。順調に関係を続けていると思われていましたが、32歳のある日、日下が別れを切り出して、浮気もしてない・愛も冷めていないのに何故!?と御厨は困惑するばかり。
けれど日下が別れを口にした背景には、御厨が日下にある隠し事をしていたからで・・・。
正直、男同士でこんなに長く付き合ってずっとラブラブ・・・ってほとんどあり得ないよなーと思いつつも、この二人の場合は男同士っていうより、人間としてお互い愛し合っているんでしょうね。
何のヒントもなく「別れたいって言ってる理由を思いついたら撤回してやる」っていうのは一方的過ぎる気がして、相手の愛や気持ちを試す行為でもあるので、あんまり好ましい手段ではないのですが・・・。
御厨の、日下との愛に対する覚悟と、日下の育ってきた環境を考えると、なるほどなぁと納得出来るところがあります。
32歳になった日下のお耽美な演出(えっちな下着とか学ランコスプレとか)も、ストーリーの流れとして丁度いいスパイスだったし、御厨の仕事の手助けのために御厨の職場へ来た際の日下はセクシーでエロティックで、素敵でした。
御厨も本当に日下一筋で、モテるのに日下以外まったく眼中に無いのが素晴らしい。
めちゃくちゃ大きな事件が起きたり当て馬が登場するわけでは無いけど、些細なすれ違いや家族のこと、性生活のことなど、少しずつ波が立っていて、お互い「愛し合っている」という根っこがあるからこその、「日常クライマックス」だなと感じました。
愛する人が同じように自分を愛してくれて、そばに居て一緒に年を重ねていけるって、最高にドラマティックでロマンチックです。
クスッと笑えるユーモアと、ほろっと涙が滲みそうなシリアスのバランスが素晴らしい秀作でした。
付き合ってからのお話が好きなので楽しみに読みました。
御厨の職場のマウント女が覗いてくるよう仕掛けての事後、日下の「敵じゃねぇんだよ」はスカッとしました。かっこよかった。
が、その後なんだかんだと揉めますよね。
15年連れ添うカップルの痴話喧嘩で好きだからこそのやりとりだからそこが尊いのだと思うのですが。
日下がほぼツンだし。
御厨がイケメンと言われるほどか?となるし。オールバックの似合ってなさがわざとなんですかとツッコみたくなるし。
日下を笑わせるためにバカにもなる御厨に愛は感じますけども。
日下のツンも愛の賜物ですしね。
ただずっとこの調子を見せられてるな〜と思ったところで日下の「面倒くせえ!」が出たのでやっぱりそうよね〜と笑いました。
ところどころでパワーワードなどがおもしろかったです。
あとがきの「元耽美」でおお!そうだったと思い出しました。
担当さんに「もうちょっと耽美を」と言われ忘れていて「はっ」とする先生×2にいちばん爆笑しました。
良いお話なのかなとは思うのですが、細切れ感のある話運びで若干読み難く、ストーリーに入り込めないまま読み終えてしまいました。
過去回想がドラマチックに感じられず残念。
わりとダイナミックな職場セックスのシーンがあるので苦手な方は注意が必要だと思います。
個人的に職場でのエロは苦手な要素なのですが、本作の場合は同僚への牽制を兼ねた見せ付けエロで良かったです(ダメだが)。
牽制発言する受けが最高だったので私の中では良しと言うことになりました。
なかなか面倒くさい受けだったなと思います。
メインキャラどちらも特に好きになれず、しかし嫌いという程不快なキャラではありませんでした。
攻めがモテモテで同僚女性の性格が悪いのですが、性格の悪い女性たちよりも受けを見た同僚の反応「…あれは抱ける」の方が不快でした。
シンプルに気持ち悪かったです(コミカルな一コマ)。
本編とは関係ありませんが耽美を目指した作家さんと編集さんのあとがきが面白かったです。
大恋愛のその先にあるのは、ただの日常。その日常が実はとんでもなくドラマチックなことを再確認させていただきました。倫敦巴里子先生のお話が大好きで、これは何回読んでも最高です。本当に好き。受けちゃんの可愛さや攻めくんの愛情深さ、よし美さんの優しさとかどれをとってもいい。すごく心に沁みます。どんなに好きでも一緒にいる時間が長くなると見たくないところが出てくるもので、けれどそれを丸ごと愛してくれる攻めくんの懐の深さにうっとりです。ほんとにいい男。受けちゃんの境遇とか、いきなり別れ話から始まる展開とか、穏やかじゃないのにこんなにも心温まるお話に仕上げられるのがホントにスゴイ。
冒頭が15年後から始まる珍しさ!
出会った頃の学生の頃の話が度々出てきますが、基本的には現在の32歳をメインに進みます。
学生時代に親にカミングアウトして駆け落ちした二人。
それから15年後経った今でもずっと隣にいる。
だけど変わったこともある。
あの頃のように若くはないし、美少年と呼ばれていたのに今やオッサン。
その変化を受け入れられず、変わってしまった自分を攻めがこのまま好きでいてくれるのかと悩む受けの心境がとても切なかったです。
二人とも落ち着いているし、悩みも恋愛も大人です。
なので、青春系の学生BLとは違い、やはりグッと来るものがありました。
老後を見据え、互いを尊重できるからこそ同性の問題に思い悩む受け。
対する攻めがとても明るいのが救われました。
いつだって受け一筋で、受けの事をちゃんと考えている本当にいい子。
全ての事情を知っている大家さんが、また良かったです。
15年も連れ添った熟年夫婦なこともあり、私が普段読んでいる激しい愛といったものはなかったのですが、これもこれでありだなぁ~と思えました。
