電子限定かきおろし付
「俺の横で寝ろ」が良過ぎた。なにあれ〜また抱き締めてるし。大村もうまいこと教えればすぐに恋人っぽい関係になれそうなところ、そうしないからこそ曲がったことは許さなそうな雷遊と信頼関係築けるのね。
ヤスが散々バカ呼ばわりされてるのに特進クラスという突然の萌ポイント。
後半からいよいよ悲しい終わりを予感させる雰囲気になってきました…完結してるのでおおよそ知っているのですが、コメディで続けることも出来そうなのに終わりを見据えているのは誠実。かなり作家さんの人生観でてそうな。
雷神、改めて命を知るの巻。
始まりは学生モノの定番、夏の海でバイト回。わいわい賑やかで楽しく、おばかなリーゼントヤンキーが相変わらずいい味出してて良かった。
そこからじわじわと何かが近づく気配を感じる。大村の辛い過去が見えたり、雷遊にはっきりと大村の存在を意識させる(恋じゃなくても)きっかけがあったり。
水の美味しさを知った雷遊は、また一歩人間に近づいたってことかな。
雷遊が金魚の死に触れて、その後田舎で二人過ごす一連の流れは、ラストページに向けてじわじわ泣かせてきた。雷遊のふいの行動に萌えが爆発し、意味深なモノローグに切ない未来を予感して泣いてしまう。
とにかく早く先を読まねば!と思った。
雷遊の方も大村に対する特別な気持ちを大分自覚してきたみたいなので、もうBL作品といってもいいんじゃないかなと思います。2人とも根が思いやりある人格なので、終始穏やかで温かい空気が漂っていて読んでいる側も心地良いですよね。雷遊のチートさに笑い、彼のふとした言動に大村と共にきゅんとし、時々人間や生き物であることの尊さを思い出させられる。この繰り返しがこのシリーズ最大の魅力であり、改めて好きだなぁと感じました。雷遊が本当に人間になれるのか、大村を恋愛的意味で好きになれるのかはもう二の次でいいから、とにかく2人で思い出を重ねている今この日々を大切に生きていって欲しい、そんな気持ちになる3巻でした。