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かわい有美子先生の作品が大好きで、色々読み漁っています。
ハリウッド映画的なドーン!バーン!ボーン!というド派手なアクションとか、刑事サスペンスとかが好きなのでSITもの・SATものを中心に読んできたのですが、読み終わってしまい、こちらの三部作(なのかな?)を読んでみることに。
以下あらすじなしで、感想のみを。
やー…、しっとりした中に、愛人として決して一番にはしてもらえない辛さ切なさなんかが折り混ざっていて、なんとも情緒豊かな作品でした。
170P強と割と短いお話なんですが、読後のふわふわとした余韻が心地よい。
中盤過ぎくらいまで滝乃×水端はキス一つしないので、焦ったいと感じる方もいるかなと思うのですが。後半も後半、そして終盤にダダダダっと萌えが来た…!
でもこれ、この後の二人が見たいなーーーー!
帰国後やっと再会し、歯車が廻り始めた…!というところでのラストに、くうう、と声が出ました。
どんなもの、ことにも良い面を見出しポジティブに言える滝乃の懐に包まれて、水端にはいつまでも微笑んでいてほしいな、心からリラックスしていてほしいなと思う、美しいラストでした。
地味なんですけど、しみじみいい作品だな〜というわけで、
本当に読んでみるまでわからないな〜と思ったんですが、期待値が大きかった”透過性恋愛装置”より大人のしっぽり感あって好きでした。
不倫旅行(この字面がインモラル〜)で訪れた上海で、水端は滝乃に出会います。モノガミーである水端は、本当は不倫ではなくお互いのたった一人として関係性を築きたいと思うものの、妻子のある男性と恋愛しているゲイ仲間も少なくなく、そういうものなのかなと不倫相手との関係性を受け止めていたのですが、旅行先でうっすら気づいていた相手の嘘が露呈したことによって、すっかり気持ちが冷めてしまうのでした。相手への失望とともに、自分自身への憤りもあったんじゃないのかな…、急に帰国することになった不倫相手が気を利かせて仕事仲間の滝乃に水端のアテンドを頼んだことから一緒に過ごすことになり、適度な距離で紳士的に接する滝乃の対応に徐々に癒やされていくわけです。んでもって、おそらくほぼ一目惚れに近い直感があったんではなかろうか…な滝乃→水端、愛人なんて柄にもないなと交流していくうちに水端の人柄に惹かれていくんですよね…。
いや〜、失恋直後にこんなに気持ちのいい男が現れたら、そりゃ〜なんか好きになっちゃうよな〜な魅力にあふれる滝乃。こういう男っていいな〜な個人的な好みのポイント高めでした。社交的だし、さらっと気が利いて押し付けがましくないし、スマート、大人力高め。若干世間知らずなところのある水端と好相性なペア。上海の旅情感もすばらしくて…。旅が終われば魔法も解けるとばかりに、いったんお別れするんですけど、王子様はちゃんと運命の相手を見つけるんですよね、小さな地方都市の公証役場から!!!わかっちゃいるけど、もうドキドキしちゃいました。
その後、改めて連絡先を交換し合うんですが、、時代的に”スマホでぴ!”じゃないところがね〜いいんです。もうこの”名前、住所、電話番号”を紙に書きつけて、”改めてよろしくお願いします”っていう、やることやった後だけど!いいなぁいいなぁ♪と萌え悶えてしまいました。
この話の後の透過性恋愛装置を先に読んでしまっていたのですが、県内の他の図書館で蔵書されていたので手に取りました。県内の蔵書検索が出来るの、助かる。そして優秀だわ。。
こちらは、北嶋の友人?の滝乃のお話。
佑季はゲイで、バーで出会った伊藤と付き合っていたけれど、伊藤は妻子持ち。でも別れるって言われていたけれど、、、体の相性もたいして良く無いのに不倫関係を続けているような歪な関係。そんな伊藤から上海旅行に誘われる。
が、その旅行中に伊藤の妻が浮気を疑いだし、伊藤は帰国することに。佑季は伊藤に失望し、一人上海に残ることを選択する。
伊藤は仕事の知り合いで上海に来ていた滝乃に佑季のアテンドを依頼する。
滝乃と佑季は観光して時間を共有するうちにお互いが惹かれ合う。
とてもゆったりしたお話です。佑季の置かれた不安定で、ゲイであるからの孤独感、立場が滝乃のキャラクタによってゆるやかに解かされていきます。
伊藤は立ち位置だけみるとめっちゃ嫌なやつなんですが、それすら二人の出会う必然だったのかもなて思えるような時間が流れていきます。そして帰国しても連絡が取りようもなく、、、、偶然仕事で出かけた地方都市で再会。
素直に良かった…って思える二人で、お話でした。
「透過性恋愛装置」にどっぷりとハマったので、北嶋の友人とそのパートナーである滝乃と水端の話であるこちらの作品も読んでみました。
まず水端ですが、物語のスタート時点では伊藤という男と不倫状態にあるので、少しだけ人を選ぶシチュエーションかもしれません。この不倫相手というのが妻子持ちかつ、妻とはいずれ別れると言いつつズルズルと関係だけを続けるという絶妙にありがちで嫌~な感じです。
案の定不倫旅行が相手方の妻にバレてしまい水端は一人上海に取り残されてしまうことになるのですが、伊藤は偶然出会った滝乃に水端のガイドを任せます。不倫相手と別れたばかりで一人異国に取り残され気持ちの晴れない水端に真摯に向き合い、素朴な楽しみを教えていく滝乃が素敵でした。水端がそんな滝乃に惹かれていく一方で、滝乃の目にも水端は清廉でいてどこか色気のある魅力的な存在として映っていました。観光を通して打ち解けていく描写が丁寧に積み重ねられているので、やや性急にも見える最終日の夜のシーンにも不思議と説得力がありました。
キャラクター設定も物語の構成にも派手さはなく素朴にまとまっている作品なのですが、タイトルにもある金魚に絡んだ印象的なエピソードがあったりと、少しだけ非日常的な異国情緒とまったりとした空気感を楽しめる作品でした。
本屋サイトとちるちる読者層は異なるので、ランキング上位本も異なります。
違って当たり前ですが、好みが合わないので、私はいつも他サイトの売れ筋ランキングを参考にして読んで居ます。
本屋サイトのランキング上位に入っていたのが「透過性恋愛装置」。
どうやらスピンオフの三部作で、順を追って読まないとつながらない関連作らしいと分かり、ちょうどセール中だったので3冊電子版でまとめて買いました。
作品に登場する人物は、特に北嶋が壊れていて面白いです。
ちるちるで余り読む人が多くないのが残念。面白いので、是非読んでみて欲しいです。
★レビューに、読書意欲をそそる投稿を幾つか見つけたので、この著者の本を初めて読みました。
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「上海金魚」「透過性恋愛装置」「月一滴」は是非とも三作続けてお読みいただくことをお勧め。(「スピンオフ」だと、紙本の帯に記載あり)
①「上海金魚」→透過性恋愛装置の佑季と滝乃の出会い
②「透過性恋愛装置」→ホテルマン牧田×若手建築士北嶋 「上海金魚」のスピンオフで関連作 ※CDのほうが人気が高い。
③「月一滴」→ドアマンの橋本xマテリアルデザイナーの嵯上 「上海金魚」と「透過性恋愛装置」の続編、『透過性恋愛装置』の牧田に憧れる人の話
★三作通して「北嶋困ったちゃん王子」北嶋は脇役でも強烈なキャラ!
★「月一滴」の『星の滴』で、牧田にお仕置きされる北嶋が面白い。
④「透過性恋愛装置【番外編】 花色景色」→おまけの番外編は北嶋が牧田とお花見に行く前の話。
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・・と、あったので素直に従って、この本から読むことに。先人のアドバイスには素直に従った方が福聚。
★hontoで三日間ゲリラセールが開催されていました。
三冊とも10/18まで50%OFFセール対象本なので、三作と番外編を安く買えました。他にも沢山割引になっています。