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表題作主演男優賞

森安幸生/高校生・バスケ部
難波恭一/高校生・バスケ部

その他の収録作品

  • オスカー候補
  • しあわせになろう
  • あとがき

あらすじ

近隣でも知らぬものはいない美貌の持ち主だが、部活のバスケ以外に興味のない高校1年の難波恭一は、冬のある日、あわや交通事故という所を同じ部で同じ学年の森安幸生に助けてもらう。日頃仲の悪い相手だけに居心地が悪く、幸生に借りを返す機会を狙っていたが、返せないまま春を過ぎてしまった。だが、今まで見たこともないくらい真剣な顔をした幸生が、恭一に借りを返さないかと持ちかけてきた。その内容はなんと幸生の恋人役を演じることだった…!! すれ違いエモーショナル・ラブ!

作品情報

作品名
主演男優賞
著者
油山浅野 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861340482
5

(1)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

じんわり泣けるvv

想像してみて下さい。
もしあなたが・・・誠実で優しくて面倒見がよくて、ものすごくさみしがりな男に片想いしてるとします。
男は早々に結婚。そして子供もできます。
そんな男の側で友人として過ごし、またその男の笑顔のために自分の命を投げ出すことができますか?
理解できる方は、泣けると思うので、オススメ!
理解不能な方は、気が向いた時にぜひ^^;

※芸能界物ではなく「人生」が舞台

油山先生のデビュー作で、商業誌はこの1冊のみ。
設定や構成、ストーリー展開もいいと思うけど、あまり人気なかったのかな?確かに、安易かな~って部分はあるけど、淡々とした文章で読者をぐいぐい引き込む力はすごいと思う。
女性キャラも効果的に関わってきて、内容もしっかりしてるし。
森安(攻)がホントどうしようもないヤツで、私はあまり好きになれないけど、難波(受)の一途っぷりにヤられたので、おまけで【神】v

【森安幸生×難波恭一(共に、高校生・バスケ部・身長180㎝越)】
▼以下ネタバレ含む
<オスカー候補>
恋人役を演じるっていうのはよくある話。
でも、それがなぜ犬猿の仲でしかも同じ男の難波なのか。
そこが釈然としないのがもったいない。借りがあるから頼みやすいっていう理由だけじゃ、ちょっと説得力が足りないんだよな~
ケンカばっかりの2人が、恋人同士を演じたことで、少しずつ親しくなって・・・
義母に想いをよせつつも「いい息子」を演じている森安。
森安の想いに気付き彼の「恋人」を演じる難波。
まさに、オスカー候補!の2人。

複雑な想いを抱えてる森安が、ちょっと切ない。
そして、難波の無意識な気持ちの変化みたいなのが淡々と伝わってきて、どうなるんだろう?って感じですーっと引き込まれた。

<主演男優賞>
月日は流れ、同じ大学、同じバスケ部に入った2人。
森安、寂しいからって早々に結婚してそっこーで離婚って何!
元妻も利害の一致で結婚してるから、どっちも自分本位。ある意味正直な生き方なんだろうけど・・・
う~ん、この件で一番傷付いたのは、一途に森安を想い続けてた難波だよ(泣)
森安の結婚で自分の気持ちを自覚したと同時に玉砕;;
(ここで好きっていう感情を自覚するのはいいけど、同じ男なのに何で?とはならずに、すんなり受け入れたことがちょっと残念。もう少しぐるぐる悩んだ方がリアルでよかったと思う。)
森安には相手がいるからと無理やり自分を納得させて。でも、あきらめきれずに一途に想い続けて・・・

これがまた切ないんだぁ~~~
淡々とした文章だからか、よけいに切なくなって、ほろりほろりと涙が落ちて、ひぃ~んってなるのvv
難波の「俺にしろ、馬鹿」っていうセリフとか。
思わず森安の背中にしがみつくとことか。
このツンデレっぷりがもうたまらんっ

そして、難波の『ダイブ』で涙腺が決壊。
森安への想いがひしひしと伝わってきて、号泣しちゃった。
どっちみち、あの状況じゃ、残るかダイブかしかないんだけど。
「子供」の存在に助けられて本当によかった;;
私には無理だろうな。運良く助かってくれって感じで子供だけぐるぐる巻きにして落とす方を選ぶかも(鬼)
だって痛いのイヤ~っ そんな勇気ないっ(残ってもダメなんだから究極の選択だけど)
だからこそ、男気ある難波に幸せになってほしくて、うっかり泣かされましたvv
ギリギリまではっきりしない森安はもう不甲斐なくて・・・しっかりしろって殴りたかった!

誰もが自分の人生の主役、そして、誰かの人生の脇役で、夫・妻・恋人・友人と、いろんな役割を演じてる訳だけど。
この話の主演男優賞は、『森安にとっていい友人』を演じ続けた難波!  森安を一途に想いつつも健気によく頑張った。
でも、都合良く利用してたのはお互い様なんで、2人とももう少し成長しなきゃね。

<しあわせになろう>
想いが通じあったその後の2人。平和で幸せな日常的なラブ。
終わり方が何か地に足がついてない感じ。
元妻との話と2人の日常だけで、森安の義母と難波の家族とか、将来のこととかが置いてけぼりだったせい?
めでたしめでたしでハッピーエンドだけど・・・なんか願望だけで終わっちゃったな。
幸せだね~「世界で一番大事にするから」「しあわせになろう」ってオチで何か物足りない。
言葉だけじゃなくて・・・もっとリアルな何かがほしかった。

登場人物のキャラもしっかりしてるし、タイトルのネーミングもいい。
中々進展しない2人の転機もドラマティックで感動!
富士山ひょうた先生のイラストも作品にピッタリで追加点。
でも、心残りな部分があるので、あと一歩及ばず・・・と、
本来ならば辛口にいくところだけど、難波に免じて高評価(甘!)
油山先生と森安にジリジリさせられた1冊でした。

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