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笠井さんの挿絵に釣られて購入。ネタバレ含んでいます。ご注意を。
主人公は月島西署の刑事・折本龍。ほぼ彼視点でストーリーは展開していきます。
彼の最近の悩みは「自分が他の男になって、男に抱かれている夢を見る」という事。全く別人になった自分が、男色の趣味はないはずなのに男に抱かれて喘いでいる。
悩みすぎて仕事にも影響が出始めたときに、彼の不調に気づき手を差し伸べてくれたのは同僚の刑事である葵。葵に勧められ、彼の知り合いだという神野という男性のもとを訪れ相談するが…。
というお話。
主人公が刑事という事で、サスペンスの面もあります。龍が夢で見た「自分になっている男性」は高級男娼の祐貴で、さらに祐貴が殺されるという事件を担当することになるがー。
立て続けに起きた殺人事件の解明、そして龍が頻繁に見る「淫夢」の謎。
大きくこの二つを軸に進んでいくストーリーでした。
殺人事件よりも龍がみてしまう淫夢の方に重点が置かれていることもあって、ミステリーものというよりもよりBL感が強い作品ではありますが、その夢がなんとも意味深で面白かった。なぜ龍が祐貴になって淫らな行為をしているという夢を見るのか、という謎も最後にきちんと解明されているので読後はすっきりします。
愁堂さんらしい読みやすい文体にテンポよく進むストーリーで、さらに謎だらけの展開という事もあってページを捲る手が止められませんでした。この作品のテーマが「淫夢」なので龍がみる夢は濡れ場が多いのですが、タイトルや表紙からイメージするほどエロに特化した作品ではなく、いい意味で裏切られる作品だったと思います。
で、夢を見る因子が、なかなかに萌えました。理由よりも、その動機に萌えます。ネタバレしちゃうと面白くないと思うのでこれ以上書くのは避けますが、ぜひともご自身で読んで、その動機を堪能してほしいです。
笠井さんの描かれた挿絵は文句なしの美しさ。
特に表紙が素晴らしいと思います。
ちょっと、というか、かなりエロい絵柄ではあるのですが、読後にじっくり見てみると、この絵柄にこめられた意味が理解できるんではないかと。
ハイスペック男子である葵、綺麗なビジュアルの龍。どちらも素敵な男性でしたが、個人的には神野が非常にツボに入るキャラだったので、スピンオフを書いていただきたいなと思ったりしました。
電子書籍版を購入。
あとがきあり、挿し絵なし。
神と迷って、萌え×2評価。
忘れていましたが、これぞ愁堂れな作品。
最近、二時間ドラマ風味な作品ばかりを読んでいたので、忘れていました。
(まぁ、二時間ドラマ風味な作品もそれはそれで好きなのですが)
愁堂れな作品で一番好きなのが『純愛』。
あの、オカルトとエロス、そしてサスペンスが絶妙なバランスで融合した作品を読んだときは、あまりもの素晴らしさに頭を殴られたような衝撃を受けましたっけ。。。
今回の作品は、それと通じるものがあります。
今回の作品を気に入った方は、是非、『純愛』をオススメします。
逆に、『純愛』を気に入ってる方は、是非、本作を手に取ることをオススメします。
いつもの二時間ドラマ風味が好きな方は。。。本作はイマイチかもしれません。
プロローグとエピローグで泣かせる、いつものあの涙がホロリとこぼれる人情的な展開とは、ちょっと遠いかも。
二時間サスペンス調 BL版推理小説
「サブリミナル効果」を仕込んだビオ・・と書いたらネタバレになりますね。
このシリーズ、1は、直球すぎてどんでん返が甘い。
3→2→1の順で読んじゃったからかな??
シリーズ3作目の半分ほどの面白さだった。
何故だろうと考えたのですが、
3巻は、柳さんという強烈な個性を持っているキャラのおかげで、読後の余韻があって深みがあった。
2巻は、ヒロインの冬樹の片思いが切なくて読後、可愛そうスギルと心が乱れた。
1巻は、才と愛が印象に残るだけ。ちっとも深みが無い、司会者的な二人。推理の謎解きが終わると、本の世界からすぐ抜けてしまう。
1巻と比較すると、二巻、三巻の当て馬の不幸度が段々増していくってことかなー。
初読み作家さんです。
笠井さんの挿絵にひかれて購入しました。あとは刑事ものが好きなので、あらすじからわくわくしていたのですが、読んでみると思っていたのと違いました。
初読み作家さんなので、どんな作風かもわからず読みましたが、刑事もので作中でも事件が起こりますが、そちらがメインではなく主人公が何故あのような夢を見るようになったかを探る方がメインらしく。事件はあまりにもさらっと終わってしまい、もう少し深く掘り下げてほしかったです。
また、笠井さんの挿絵に騙されました!私は読む前に挿絵をパラパラと見るのですが、その時に攻めと受けともう一人の3 Pの挿絵があり、何があってそんな展開になるのか楽しみにしていたのですが、どうやらそれは主人公の夢だったらしく、、、楽しみにしていたのに肩透かしを食らったような。見事笠井さんの挿絵にまんまと嵌りました(笑)
あとがきにて作者様ご自身のコメント『サスペンス調のラブストーリーにエロティックさとオカルティックな雰囲気を加えたような作品』、これがもうズバリ本作の説明になっています。
主人公は刑事の龍で、最近同じ夢をよく見るようになったのだが、内容が自分が少年になって抱かれている、というもので、その少年に心当たりはないし、男性に性欲を抱いた事もないし、なぜそんな夢を何度も見るのか意味がわからず、誰にも相談もできず、寝不足が続いている…という冒頭。
捜査でコンビを組む葵に、細かい内容はぼかして同じ夢ばかり見て悩んでいる、と話すが、そんな時殺人事件関連で聞き込みに行った相手の顔が夢で見る少年だった事に驚き、夢の内容ももっと過激になっていく…
夢の内容がエロエロだという事と、夢に出てくる知らない人物が実際にいて、しかも夢の通りに殺される事態になる、というオカルトめいた展開が、怖い話好きな私のツボを刺激してきます。
謎解きをするのが葵の知り合いで天才肌の才。
後半才の謎解きが炸裂し「そうだったのか!」とバっとパズルのピースがはまっていく感覚があり、なかなか爽快。
ですがその真相は賛否両論ありそう…ネタバレ無しで読まれるのが最善だと思いますので内容はハッキリ書きません。だからわかりにくい言い回しになりますが、才の助手の愛(女装男子?)が嫌う通り、腹黒で策略で執着の末の結果、という感じで、やっぱりこういう絡め取り方はかなり怖いかも。
結局のところ、「オカルティック」に見えるけれど非常に「科学的」な根拠によるサスペンスです。
才と愛の関係性なども興味深いので、続編orスピンオフあったらいいな。