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表題作ロマンスがたりない

九万哲也,32歳,産業翻訳家
橘圭,スポーツクラブのインストラクター 

あらすじ

超筋肉フェチの圭は、運命の相手を探すため勤務先のスポーツジムで目を凝らしていると、入会希望者の久万(くま)哲也と出会う。ラグビーやアメフト経験があるという彼は、圭の理想そのもの! なんとかお近づきになりたいと、積極的にアタックしようとするが、親友には「テンションあげすぎて自爆するな」とくぎを刺される始末。一方、久万は、通い始めたジムの楽しみがいつのまにか、インストラクターの圭に会うことになっているのを自覚してしまい…!? (実は)押し倒したい!(実は)押し倒されたい――両片思いな二人の顛末は!? 理想の筋肉攻×筋肉フェチ受。

作品情報

作品名
ロマンスがたりない
著者
吉田ナツ 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイデジタルノベルズ
電子発売日
3.8

(15)

(3)

萌々

(8)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
56
評価数
15
平均
3.8 / 5
神率
20%

レビュー投稿数5

良かった〜!

前のめりな肉食系小鹿な圭と、のこのことやってきた気のいい熊さんな九万さんですね。

安心して読めるすれ違いものを教えてもらった作品です。

短いですがとーってもぎゅ〜っとしたお話でした。

日頃の憂さが晴れるような、BL王道街道ど真ん中を行くような、ほのぼのほっこり良いお話です。

九万さんが理性と戦ってるのに圭はめっちゃ妄想でお世話になってて(笑)

お互いとても好物件ですね!九万さんに群がる男女を出し抜いて、無邪気な肉食系の勝利でした。短いのですぐ読めて清々しい読後感です!

圭の一旦黙ろうか!なところさえ可愛いと思ってくれる九万さんも最高!

0

読んでて元気が出る!

中身は小説b-Boy「おバカなこ特集」に掲載された作品で、筋肉フェチのおバカな受けが主人公です。
素朴でやさしいクマさんのような攻めと、明るくてテンション高めな受けによるラブコメで、キャラが生き生きしてて読んでて楽しい。

受けの勤務先であるスポーツジムに、理想を絵に描いたような筋肉ボディの攻めが入会したことからお話がスタートします。

タイプど真ん中の攻めとなんとかお近づきになりたい!と思う受けと、いつも明るくて華がある受けに自然と目が吸い寄せられてしまう攻め。
そんな二人の両片思いが両視点交互で進行するので、テンポ良く読めます。

50Pという中編だけど、過不足なくうまくまとまっててすっごく読みやすいんですよ。
だから、気に入りすぎて短期間で4回も読み返してしまいました。
元気もらいたいなぁって時にピッタリ。

これからも、何かとちょいちょい読み返しそう。

2

言い得て妙なタイトル

これ、本編に対してあらすじが長すぎる(詳しすぎる)と思うんです。あらすじ読まない方が何倍も楽しめます。本編は普通の小説の半分か、それに満たないくらいの長さなので、そして内容的にも小説入門編にはピッタリでおすすめです。イラストも『ここのシーンに挿し絵があったらなぁ』というドンピシャな箇所に5つもある。
あと受→攻→受・・・という交互視点でお話が進んでいくので両者の心情が手に取るようにわかる安心安心の親切設計。

とにかく明るい○○という芸名が思わず浮かんでくるほど圭(受け)の性格が明るい。久万(攻め)に出会うまでの彼は好みの筋肉男とつき合えて、しっとりとした雰囲気になっても相手の筋肉に興奮しきってしまい挙げ句、相手を白けさせること一度や二度にあらず・・・といった感じのいわゆる残念なイケメンです。
久万の職業はフリーの産業翻訳者(BLを読んでなきゃ出会えない職業でした)。一九四センチ・八八キロという圭好みの体格で学生時代はラグビーやアメフト部で活躍するほど運動神経も抜群。でも寂しがりやなので、大学では寮に入っていたというギャップ。

この二人に圭の幼馴染みの桐嶋が、それはもう上手いこと絡んで話が山あり谷ありと進んでいきます。
大きくてあったかい、優しいクマ(久万)さんの目に欲情の火が灯るところ見たくないですか?

1

「のびしろ」発言にいたく感動してしまいました

『小説b-Boy 2012年5月号』掲載作品の電子化です。表紙絵だけではなく本文中にも挿絵あり。

吉田ナツさんの描く『もてるのだけれど実は恋に不器用な攻め』と『オタク(っていうより、個人的にはマニアって言う方が近い感じがしますが)が入っているけれど一生懸命で可愛らしい受け』が堪能出来るお話。今回も大変楽しめました。

あらすじは上記の通りで(これ以上書くと読む楽しみがなくなっちゃう)正直、端から見ていると劇的な事件が起きる訳ではないのに、ドキドキワクワクさせてくれるのですよね。
だって、職場に自分の好みの男性が、好みど真ん中の格好(このお話の場合、圭はくんは筋肉フェチなので『Tシャツ一枚にワークパンツ』なのですけれども)で『のこのこ、という感じで』自分に向かって歩いてくるんですよ!
おまけに名前が九万(くま)さんだし(笑)。
もう、これだけで「うっわーっ!」ってなっちゃうでしょう?想像したら。

地味にハイスペック(変な言い方ですが正にその通りなんですもの)なのに、慎重を通り越して臆病とも言える攻めさんと、素直で隠し事が苦手で、好きなものを前にするとハイテンションになっちゃって、その勢いで『誘い受け』に豹変するくせに実は初心い受けさんが繰り広げる、両片思い。
またしても、ほっこりと幸せな気分になってしまいました。吉田ナツさんのこういうお話は外れがないなぁ……
品質保証があまりにも万全なので、吉田さんには『BL小説界のJISマーク』を差し上げたいです。

蛇足
「圭くんが初心い」と書きましたが、お話の終わり近くで彼が
「のびしろはいっぱいあると思うんです!」と力説するシーンがあります。
私はここで大笑いをしちゃいました。
どんなシーンかは詳しく書きませんので、コメディ好きの姐様方は是非読んでいただいて、笑ってください。そして笑った後に、彼の一途さにジーンと来て貰いたいのですよ。

4

筋肉フェチと大きい熊さんの両片想い


スポーツクラブのトレーナー・橘圭(受け)は筋肉が大好き。が、自身はどんなに頑張っても筋肉の付きにくい体質でした。
自分にないなら恋人に求めようと、ゲイの圭は恋人には背が高くて筋肉隆々の人を理想としているのですが、なかなか現れません。
たまに、おつきあいできる人がいても、筋肉の話でテンションを上げすぎてしまいダメになってしまうのです。

フリーの産業翻訳家の久万(攻め)は地味な性格に反する自身の大きな体が苦手でした。女性にはモテるのですが、ロマンチックな雰囲気が苦手で女性をがっかりさせてしまうのです。
取引先の桐嶋(圭の幼馴染)に紹介された圭のいるスポーツクラブに入会するのですが、きらきらしている圭のことを苦手に思っているのに気になって仕方ありません。

両方の視点で両片想いが楽しめます。
圭のことを心配した幼馴染の桐嶋が自分の取引先の久万をスポーツクラブへ紹介したことに始まる二人の恋。
どちらも一目惚れ同士で、相手はノンケだから(実際久万はそうです)せめて友人でいようとする姿はちょっと切ないのですが、話はテンポよく進み、そして圭のテンション高めな行動のせいであまり切なさは感じません。

話しの展開は王道だと思うですが、友人が絡まれてると思ったら自分が不利な状況でもすっ飛んで行って喧嘩を買うとか、かわいい容姿に似合わない強い圭はかわいいけどかっこいいです。
久万は普段とても穏やかで優しいのに圭のピンチになると熊のような迫力ある怖さを発揮するのも優しい熊さんというだけでないのもよかったです。
ちょっと変わった二人ですが、ベッドでも筋肉を眺めたりなでたりしながらテンションアゲアゲになってしまう圭に呆れたりしらけたりしないで付き合ってあげられる久万と圭はお似合いのカップルでした。

圭の幼馴染の桐嶋がとてもよい仕事をしていました。クラブの紹介に始まり、キャンプに誘い、今までの失敗を圭に思い出させ、二人が気まずくなったと聞いたら会えるようにセッティングしたりと大活躍でした。
来年には結婚する桐嶋は小さいときから面倒みてきた圭を託せる相手が見つかって安心していることでしょう。

この方の書かれる受け様はちょっと変わった人が多いのですが、流されることなくちゃんと自分を持っている人が多いと思くて好感が持てます。お話も暗くならず、明るく楽しめるのでとても好きです。

この話を読んでいて思い浮かんだのが、小さいヤマネと大きな熊の二人が仲良しな「もりいちばんのおともだち」というお話でした。絵本のような、ちょっと笑えてほのぼのしたお話だったと思います。

2

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