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驚きっぱなしでした。己がどれだけ固定概念に囚われていたのかよくわかります。
始めからこだわりが随所に見られ、
お見合いのシーンで一昌側に男性が2人いるので、気付かず「一昌の隣の男の人は兄貴かな?」なんて思っていたのに一昌の両親だったとは…。主人公たちが”夫夫”になるようにその親も夫夫である事も普通のことで、「俺の親も夫夫なんだ!」みたいにピックアップされるのでもなく、新婚夫夫のリアルな葛藤が展開していきます。
そうなんです!めちゃくちゃリアルなんです!!
男でも妊娠できるという設定の時点で、ファンタジーとカテゴライズしちゃいそうなところ、孫を急かす姑に悩まされたり、上手くいかない性事情という現実の夫婦も抱えている問題が夫夫にも起きていて、オメガバースがリアルを織り交ぜ、フィクションがありえそうな形として受け入れられる日常ドラマになってる事に感激しちゃいました。また、バース性があるので作中女性の事を「女型」と表記していて「外見的な違いで分けるのか!」と語彙にも徹底していてナイスだと思いました。
Ωの存在があって運命とか身分違いの恋とか、反発してでも貫く純愛というのがスタンダードだったところに一石を投じた作品になったのは間違いありません。
オメガバースもだいぶ世の中に浸透してきたと思います。今作は面白いだけではなく、視野を広げさせられ大変勉強になりました。
元々好きな世界観なので、この作品を読んで今後あえてのβ×βとかα×βとかα受けとか「これもアリだね」と今やいろんな可能性を妄想するようなっちゃいました。
最後に、そういえば先生はΩだったわけですが彼にもいろんな事情があったのかと気になって仕方ありません!なにかしらの形で先生のお話が読めたらいいなと期待しています。
んん〜〜‼︎
面白かった〜!「神」と「萌x2」すごく迷ってる〜!
BLの評価的には「すごく面白かった」の萌x2。
だけど、その他婚姻制度や生殖に関してのあれこれに思いを馳せさせてくれた意味ある作品、という位置付けも加味して、やはり「神」まで上げていいかな…という気分。
帯に「どっちが攻めになるのか」ってあって、あ〜攻x攻の攻防か…と萎えてたんだけど、本作は一味違う。ていうかこの帯は違うでしょう⁉︎
家名が欲しい成金α家と、おカネが欲しい貧乏名家α家の、いわば政略結婚。
そんな出会いながらちゃんと恋愛感情?というか親愛の感情が流れている夫夫のヨメ側が、抱かれる側・妊娠する側にならなければならない事は既に決定している。
ヨメである一昌は頭では理解しつつも、受ける覚悟ができないという事でセックスカウンセリングを受ける、という話なわけ。
本作はオメガバースで、言ってみればパラレルワールド的な話で決して未来の話ではないから仕方ないんだけど、家柄が欲しくての婚姻や、後継者の実子主義や、やはり胎児は誰か人間の体内で育んで出産を経なければならんのか、とか。現代にも続いてる女性を取り巻く古くからの問題よね…
会社の後継って実子だけがいいわけじゃない気がするし。
子供を「産む」という負担を人体からどう減らすか、ってSF的にもテーマになり得る未来的な命題だと思うし。その辺りは今現在のテクノロジーと同じ時間軸ではありますが。
ともかく本作。
やはり自分が抱かれようとしてカウンセリングを受ける一昌がいいし、それを知って自分ごとに寄せてくる隆臣もいいよね。カウンセラー先生の「失敗を2人で共に乗り越える事に意味がある」という言葉が核心を突きすぎててハッ……としちゃったし。
結局受ける側としてのヨメ・一昌が自ら受ける気持ちになって抱かれる。そこにはもう攻防も攻め受けの優劣も何もなく、ただ「愛」がある。(たとえ発情期誘発剤による半強制的なシチュエーションだとしても…)
このHシーンは素晴らしかった…!私はいつも「官能」を求めるんだけど、こちらのシーンはもっと切羽詰まってる。止める事ができない激情。こんなのもいい。
隆臣のスパダリ感、一昌の褐色もとても好みでした!
私がこの作者様の作品で1番最初に購入したのがこの作品です。
とにかく、画力がすごい!とっても絵がキレイです!カバー絵に惹かれて購入したのですが、内容がめちゃめちゃおもしろかったです!
私自身はオメガバースについては特に何も思うところもなく、そういう設定なのね、みたいな感じでそれぞれの作品の中の設定と解釈に沿って読むだけ、みたいな感じでした。
でも確かに、このα×αは珍しい。しかもこの作品では、αもβもΩも男も女もみーんな妊娠できる設定なのです。男女は、男型・女型と呼ばれていて、作中に一昌が、『俺は元々女型フェチで…』というようなセリフが出てくるのですが、ここで、なるほど、この設定であれば、男男、女女、男女のそれぞれのカップルが珍しくもなく普通に存在するのだな、と分かりました。
オメガバースは多くの場合は男ではΩのみ妊娠可能としている設定が多く、確かにこれだとα×αでも全然いいけど子供ができない。オメガバースの最大の特徴は男でも妊娠できる世界観という感じだったので、確かに全員が妊娠できれば話の幅も広がるかもしれないなぁと思いました。
α×αで両方攻になりたい夫夫の話。でも、二人にはちゃんと愛があって、隆臣も一昌もお互いを思いやってとっても優しいんです。
私は個人的には隆臣のファンなのですが、隆臣は時間をかけてもちゃんと一昌が納得して受け入れるまで待つつもりでいる。嫌がることは絶対しないと一昌を無理やりに抱くようなことはしません。隆臣の男らしさに惚れ惚れします。
なのに一昌がカウンセリングを受けに行くきっかけになったのが、前の夜、隆臣に抱かれたくなったら寝室に来いと言われて、本屋さんにテクニック本を買いにいったときにたまたま見つけたカウンセラーの本がきっかけという(笑)一昌、めちゃめちゃおもしろいです(笑)
この作品は随所に笑いのセンスが光っていて、クスクスしながら読める本です。αとΩの番をめぐる…みたいな重苦しい雰囲気がなく、跡継ぎを義母に切望されて悩んだり、夫婦間での性の不一致みたいな実社会でもよくあるリアルな問題に主人公たちが真面目に、ときにユーモラスに向き合っていくお話です。
この作品のスパイス的な役割となるカウンセラーの京和先生。もう、一昌と先生のやりとりがめちゃめちゃおもしろい。
一昌って本当に真面目で素直なかわいい人なんですよね。隆臣のことが好きだけど、なかなか受になりきれない自分。葛藤しながら、でもチャレンジすることも忘れないし、なによりこの問題に正面から真面目に向き合ってなんとかしようと行動する。本当に素敵な奥様です。
自宅でおもちゃ(?)を挿入して試しているところに隆臣が帰宅して見られちゃった場面(笑)読みながら声を出して笑ってしまいました(笑)一昌が真面目にやっているから、そのコミカルなやりとりがとっても可愛くて楽しい。
隆臣も結婚記念日に花を送ったり、二人でカウンセリングに行ったときは、一昌が先生に身体を触られて認識変化に至ったことが許せなかったり。心から一昌のことを大切に思っていて、めちゃめちゃ優しくてかっこいい旦那様です!
最後は隆臣ママの仕掛けた罠にはまり、めでたくセックスするのですが、京和先生のフェロモンに当てられた隆臣が、自分の手を噛んで必死に耐える場面は、その描写がすごくて隆臣の一昌への愛と信念の強さにゾワゾワしました。
別の作品にて、後日談になるお子様はαが収録されていて、子供が生まれてからの隆臣と一昌を見ることができます。
政略結婚ではあるものの、ちゃんと二人は愛しあっている普通の夫夫で、番やΩの生きずらさみたいな話がまったく出て来ないので、オメガバース作品が苦手という人でも読みやすい作品だと思います。
それに、やっぱり、隆臣と一昌の人物設定がちゃんと作り込まれていて、感情や行動の描写が丁寧。二人ともとても魅力的だし、読んでいて展開に無理がないので、気持ち良く楽しく読める作品でした!
このオメガバースはすごく好き!
α×α、そう!
際立ったΩが出てこないオメガバース!とても良い!
そう言う作品好きです、不幸な人などいない!(先生は読者の感性によっては不幸な人なのかもだけど)
そして一番良い!と感じたのは、プライドの高い幼稚な俺様αが出てこない!これに限ります。
タチ同士の激しい攻防戦・ケンカップルな話かと思えばそうでもなく、最終的に受けは誰が読んでも一目瞭然。
隆臣の一昌に対する思いやりが超甘い!けどそれに負けず一昌の隆臣への思いやりもとても甘い!
エピローグの隆臣の一昌への思いやりがたぶん、女性読者にはとても理想の男性像として映るのではないでしょうか。
運命の番が出てこないオメガバースでも、ここまで甘い作品って言うのが本当によかったw
そして読み終えてから思ったのが、もし今後この2人に運命の番が現れたらどうなっちゃうんだろう?と。
一読者としては出てきて欲しくないですけど!
ギャグ要素が多く、オメガバースという設定を重くなりすぎずに受け止めることの出来る作品です。
設定を受け入れやすいだけでなく、現実感があるところが、この作品の1番の魅力だと感じています。
①α同士の契約結婚という、この時代なら有り得る設定をテーマとしている点。
②この作品の出産シーンには帝王切開の描写が入っており、その点を珍しく感じると共に、「男性同士なら当然、そうだよなぁ……」と、納得させられる点。
オメガバースの持つある意味ファンタジーな印象を覆す、素敵な作品だと思います。