• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作その男、アイドルにつき

中河原輝樹
アイドル
坪井宗一郎
28歳,マネージャー

その他の収録作品

  • あとがき
  • bonus track(描き下ろし)

あらすじ

転職先で坪井は輝樹たちジュニアアイドルグループのマネージャーをすることになった。
半年で辞めようと思いながらも気がつけば6年、輝樹たちは人気アイドルへと成長していた。
そんな輝樹が放つまぶしいきらめきに、視線に混じる熱の意味に坪井は怯えながらも、日々気づかぬふりをするが──。
愛に飢え、愛されることに執着する年下アイドルと、過去の出来事から人と深く関わることを恐れるマネージャー。
孤独を抱えるふたりの関係が少しずつ変化していく愛、開幕──。

作品情報

作品名
その男、アイドルにつき
著者
松崎夏未 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
ISBN
9784813031840
3.4

(54)

(16)

萌々

(14)

(10)

中立

(7)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
10
得点
173
評価数
54
平均
3.4 / 5
神率
29.6%

レビュー投稿数10

アイドルはまるで彗星。やがて永遠に飛び去る…

なんというか…想像と違った。想像を越えたというか。
悪い意味じゃないです。
なんだか…フランス映画みたい。
共に何かを抱えている若い女性と中年男の…いっとき求めあい、そして別れ…
みたいなやつね。
それの、日本の少年アイドルと中年マネージャー版、寂しさを添えた甘口アレンジ。

主人公のアイドルは子役出身。母親の愛を得られない寂しい子ども。
一方のマネージャーは、他人に本当の自分を見せられない。寂しい大人。
はじめは子どもが大人にすがるように。

(ここから結末に触れるネタバレあり↓↓)

アイドルが家庭の問題で引退して、その後ちゃんと大人になってから想いを伝えてついに関係を結ぶ。それでいて、2人は付き合わずに別れる…
この展開はBLではとても珍しいと感じました。
決して傷の舐め合いではなくて対等な関係性でのセックスだったと思うけど、だからこそ続けることを選ばなかったのかな…
なんとも余韻の残る選択だと思った。…けどなんで〜?って思う人も多そうですね。
当人同士は吹っ切れてる様子だけど、私はもっとほろ苦くてもよかったかな。

0

思いがけず神作!

初読み作者さんです。

タイトルからして右側の男の子がアイドルなのだと思ってたんですが、表紙のダークさでストーカー的な陰湿なお話かと思いきや、シリアス切ない映画にしても良さそうなお話でした。

主人公の坪井さん転職したら予定外にもアイドルのマネージャーになってしまってってお話なんだけど、全然コメディ調ではなくちゃんとお仕事してます。子供苦手なのに小学生キッズアイドル3人組のお世話を長年連れ添う事になるんだけども。
その中の輝樹くんが家庭環境に問題があってアイドル活動でファンから求められ、それに応える事で愛情の飢えを補填してる。同じく坪井さんからのちょっとした頭なでなでにも喜びを感じてたりするうちに恋愛感情に昇華していくんだけども。。。

アイドルとマネージャー、男同士、年の差(20歳近く?)と多過ぎる困難の前に身動き取れないのよ。

実は、坪井さんってばゲイなの。だけど過去のトラウマがあったりするの。
それに、芸能人はスキャンダルが御法度だし子どもの頃から面倒見てきてる子相手に恋愛的な感情を持つべきではないと何度も自分を制してるんだ。
あと、芸能界あるあるで坪井さん枕営業させられてるの。(自主的にだけど)

この2人両片思いなのにな、こんな近くにいるのにな。20年近く経過してもやっぱりそれぞれの道なの。仕事や、やりがい、それと恋愛が同時に得られない切なさ。
芸能界でのお話だから余計なのだろうけど、しんどいなぁと思ってしまった。

でも、たまにはこんなBLもあってもいいなと。
こころに染みる人と感想を話したくなるお話です。
表紙がこんなダークな感じじゃなくもっと切なさ推した感じのがもっと読者増えそうなのにな。
読まずにスルーしないで欲しい、漫画として良い作品です。

シーモアで購入
修正が必要なシーンはないです。

1

アイドルだね、アイドルだもんね。

単話版の表紙になぜだかすごく惹かれて読みました。絵もね、しっとり系ストーリに合ってていい感じです。
9話構成+ボーナストラック、読み応えのある一冊でした。
私のつたない読解力ではこの話の魅力を解釈しきれていない自信すらありますが、書き留めておきたい欲も相まって投稿します。

ストーリーは、転職してマネージャーになった坪井さんが3人組の子役たちのサブマネージャーになるところから始まります。前職・営業は人に関わるから向かないとやめたから、この職業も一か月でやめよう、半年でやめようと思っているのになんだかんだ続けていきます。
その3人組の子役の一人、輝樹さんとのお話です。

坪井さん(受け)、たぶん同性愛者で、でも好きだった相手と幸せになったり、思いが通じたりした経験はなく(一方的に告白はしたことあるみたいだけど)、女の人と幸せになること以外は幸せの道はないと思っているようです。加えて、汗っかきでいじめられた経験がある描写があり、多くのトラウマや苦い記憶を抱えて多方面に憶病な性格と見受けられます。

一方、輝樹さん(攻め)の方はお母さんがだいぶよろしくない感じで、愛情が欠乏したまま大きくなったようです(初登場時はまだまだ子供ですが)。母親から得られる”情”や認知を周りの人に求めながら、子役やアイドル稼業をして育っていきます。坪井さんは(仕事として)きちんと自分を見てくれるから、褒めてくれるから。そう思って追いかけ続けていつの間にか性愛的にも好きだと思うようになる。

輝樹くんが18歳ぐらい?のところまで、坪井さんは成長していく輝樹くんに惹かれ続け、輝樹くんは坪井さんへの感情が育ち続けます。輝樹くんが好意を持って自分に目を向ける顔が昔好きだった男性に重なったり、自分に向けられる強い情から必死に目をそらしたりと、アイドルの”輝樹くん”をつぶさないため、自分がもう傷つかないため、坪井さんは自分の感情を認めない。輝樹くんのほうは自分の気持ちを自覚し、言葉にしなくても行動にはどんどんと気持ちが滲み出る始末。
で、輝樹くんの不安定なポイント、お母さんが倒れたことをきっかけに輝樹くんはアイドルを辞め、坪井さんへの気持ちも流れで伝えてしまっているのですが、坪井さんもウルトラ客観視で自分の気持ちを表に出さず、そのまま二人は別れていくんですね。
親子関係という特殊で不安定なものを、ホントに複雑そのまま表していて、現実世界のどうしようもなさが現れているなと。やりきれない気分で読み進めた部分です。「じゃあ僕のもとに!!」って手を差し伸べない坪井さんが人間っぽいわ……みたいな(語彙力が!ない!!)

数年後、時間が空いてから、輝樹くんは再び坪井さんのもとに姿を現します。落ち着いて考えても、アイドル業界という特殊な場所から身を引いてもやはり坪井さんのことが好きだと。
坪井さんも認めて、一応気持ちが通じて夜をともにするのですが、輝樹くんは芸能界に戻ってくることにしているから、坪井さんは「それなら一緒に居られない」という結論を出します。芸能界だからね。どこでも人の目があるしなんでもネタにされるし。
自分が輝樹くんの弱点になることだけは絶対に避けたかったんだろうな。
でも、この短き蜜月は坪井さんも輝樹くんもが「自分も幸せになれる場所」を体感できた大事な時間だったんだろうなと思います。


最終話のモノローグ、”「夢のような場所」があることを知っている” ってところ、そのおかげで自分は生きていけるのだと言っていて、「その夢のような場所というのが、輝樹くん(男の人)が好きな自分が認められて愛されて幸せになれる場所のことなのかなあ、そうであってほしいなあ」と考え至り、今もしみじみと読後感に脳が浸食されております。

あとがきとボーナストラックを見たところ、あの一夜の後、会うのは2回。2回って。2回って!!で、そのあと会わないかも!?
私のつたない想像では、坪井さんが退職して田舎に引っ込むとかかなって思いますが(リスクは冒さんと思うから会わないと思う)、その2回はどんだけ切ない時間なんだよ、ボーナストラックになってない方の1回は目も当てられないほど切ないんじゃないかと……

本人たち的には ”離れていても思いは知っている” という感じじかもしれませんが、なんだろ、このやりきれない気持ち……
だって二人とも下手すりゃ生涯一人じゃん……。こんなことまで想像していいんか知らないし、作者様の考える方向性とは全然違うかもだけど、坪井さんの葬式に通夜だけひっそり輝樹くん行ってさ、あとから一人暮らしの自宅で静かに静かに涙を流すとかそういうレベルですよね??いや、通夜とか行けたらまだまし?
でも、社会に生きる人の恋愛とか出会いってこんなもんなのかも。すべての想いがかなうわけじゃないし。そもそも情愛100%じゃ社会で生きていけないし。やー、残酷さを想起させてくれるねぇ……

……はい、想像は尽きないし頭の中をぐるぐるといろんな考えが回っておりますが、この辺で。書きっぱなしの長文、読み苦しくご迷惑をおかけしております。

作品評価は「神」にさせていただきました。
好きだし、エンタメとしてはよき時間を与えてくれたので。
好きな作品は何度でも楽しみたいタイプなのですが、この作品はもう再読できないかもしれないな……こうやっていろいろ考えて読後がつらいし、悲しいから(単純だ)
ホント、今、消化不良という無重力空間に放り出されたみたいな気分ですよ……ハハ
メリバ系有名作はちるちる特集記事とかで先に知ってしまって回避しちゃうから、前情報なしで読み込めるという素晴らしい時間をありがとうございました。

あ~~~!!リアル感あって中盤は「うわ、読み入る。これは再読必須だな!」って思ってたのに~~~泣
年の差も年下攻めも黒髪受けもオジサマ受けも大好きなのに~~~!!!泣泣

2

マチ520

やっぱり何度でも言わせてください。単話版の!陶酔的にすら見える表紙の絵が!!刺さりすぎて!!!刺さっています!!!!単話版のレビューに書きたかったけどレビューできんかった!!!
単話版の表紙が!!!すごく好きです!!!何度見てもいい!!!!
良かったらみんな見て!!!!!すごくイイから!!!

今まで見逃していたなんて!

Kindle Unlimitedで読ませてもらったのですが、読後にはすっかり「買わねば」と思ってました。すごく好きです。

始まり方こそ坪井が好きじゃないかな〜とか思っていたら、アレよアレよと飲み込まれ、終わり方は好みドストライクでした。このラストが苦手って方が多いんですかね。自分はここまで好きな終わり方はないってぐらい好きです。

個人的な解釈ですが、そういう関係にするなら、その歪さも分かっている2人なんだろうなと。特に輝樹にとっては小さな世界で出会ってしまったことも。
坪井の枕もあくまでもあの量の描き方で、読者も輝樹も想像するしかないところがまた良い。結局本当のところは坪井しか知らない。

「芸能人のマネージャーやって"た"」ってところが引っかかりました。今はやってないのかな…チーフマネになってたとしてもマネージャーはマネージャーだよね。仕事辞めちゃったのかな。辞めてるならひょっとして2人は…と思わなかった訳ではないのだけれど、あとがきに書かれていることが真実。

うーん余韻が深い。

3

キラキラ系アイドルじゃなかった

キラキラ系アイドルが読みたかったわけでもないとは思うんですが なんで手を出したのかわからないまま 積み本の中から発掘

きっと はじめましての作家さんでタイトルで取っつきやすそうかな? なんて軽く考えて買ったんだろうなと


母に疎まれ入れられた芸能界
小さな身体に日々溜め込まれていくのは欲しい言葉を貰えない苦しさ


ほんと申し訳ないんだけど たまに どう読めば正解だったのか・どう感じとれば報われたのかがわからない作品があって

正直これもその中に入っちゃうのかな?と


いや わかる
二人が抱える 人からの拒絶に苦しんだ子ども時代の反動や 受け入れたくない現状に 取り残される虚無感 擦り合わせの出来ない孤独

ちがうな 言いたいのはそこじゃないんだろうけど
何回読んでも 各々の孤独だけを押し出してくれてて 報われない思いのやり場も互いに吐き捨てるだけ


これって 誰か幸せになれたの?

再会した二人が身体を重ねたってのはわかるんだけど

う~ん
コレって どう幸せになったの?
好きな人が一瞬でも自分を受け入れてくれた ってのでハピエンなの?

評価下げたいわけじないですよ そんな悪意はないです 悪意はないいんだけど
あとがき読んでもよくわからなかったとこみると 感情的に物事捉えすぎるあたしには難しすぎる 根性論とか精神論的な意味合いが強いお話だったのかな?と 思っちゃってもいいですかね?←ごめん 苦手すぎて逃げました

6

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP