使命に殉じる捜査官に秘められた意外な宿命──和風獣人ファンタジー!!

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作花吸い鳥は高音で囀る

鵙矢
かつて「伝説の鳴かせ屋」と呼ばれた男
白井奏多
司法警察職員,28歳

同時収録作品花吸い鳥は高音で囀る

眼白
奏多の17歳上,妖鳥化した
白井奏多(誠)
司法警察職員,28歳

同時収録作品自由を知る

あらすじ

美しい高音で囀り、人身売買の対象として取引される獣人『眼白』-- 特別司法警察の捜査官として、眼白の保護に奔走する白井。捜査のために、 これまで多くの眼白を調教してきた伝説の鳴かせ師・鵙矢に協力を仰ぐことになり…⁉

作品情報

作品名
花吸い鳥は高音で囀る
著者
中原一也 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009211
4.5

(62)

(43)

萌々

(12)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
281
評価数
62
平均
4.5 / 5
神率
69.4%

レビュー投稿数10

こういう関係性たまらなく好き

面白かった!発作を抑えるエロといった定番はありながら、BLではあまり見ない設定。メイン二人は、淡々とした中にしっかりとした信頼が見える関係性で萌える。山場の緊迫感もすごくて、最後まで一気に読めた。挿絵は圧巻。

白井は眼白であることを隠しながら、眼白に関する捜査を担当する刑事。自身のルーツを探りたい想いと私情も見え隠れするが、新人にしては冷静な仕事ぶり。鵙矢と遠慮なくやりあう会話が読んでいて楽しい。

鵙矢は余裕たっぷりで捜査の協力者として安心感がすごい。鳴かせ屋としての腕が伝説級なのは、徹底して尽くすかららしい。肉体と精神のコンディションを整えるだけでなく、愛されている自信を持たせている感じなのかな。

鳥人が登場するファンタジーかつ事件ものでもあって、二人が追う敵は人身売買の黒幕。白井がかつて慕っていた眼白や鵙矢のトラウマ源の妖鳥など、全てが絡まり合って何度も絶望的な展開に。

危機的状況には、白井が自分の意思で行動できなくなることにより陥るので、もどかしくも緊張してしまう。そんな中で秘密が明かされていき、一時も目が離せない。瀬戸際の演出もお見事で、読み応えを感じた。

二人の間に恋心は見えなかったが、吊り橋効果もあって、相手への執着が生まれるのは自然な流れに思える。こういうくっつくき方がたまらなく好き。

欲を言えば、通常時のくるぶしの羽も挿絵で見たかった。羽が生えるのはなぜ首とくるぶしなのか、羽の役割が気になっていたので。他にも不思議なところはあったけど、特に意味はないのかも。

新鮮な設定と凝ったストーリーに魅力的なキャラもいて、とても面白かった。

0

表紙絵がとても綺麗

目白、鳥のメジロではなく、鳥人の「眼白」のお話。

繊細で丁寧なタッチの笠井あゆみさんの表紙がとても綺麗で、目を引く本です。笠井あゆみさんの表紙が付くだけで、ひょっとしたら売り上げが上がるんじゃないのかな?本の内容が一目でわかる構成の絵は何時もスゴイと思う。

「眼白」という鳥人は、遺伝子組み換えで生まれたデザインベビーと考えたらいいのかな。他に無いオモシロイ設定のSFサスペンスで、惹きこまれて、あっという間に読了しました。
続篇がもし出るなら、こんな哀しい生物がこの世に生まれた経緯について触れたものを出して欲しい。人が人の価値を決める行為は、競いあいがある限り消せない行為だけど、商材にしてはならないと思う。本気で遺伝子を改造している人達が居るので、怖い。

眼白の人身売買を取り締まる捜査官になった白井が、
眼白飼育の名人、伝説の鳴かせ師・鵙矢と組んで潜入捜査を開始する。

養子だった白井。
幼い頃出会った美貌の眼白と、違法の眼白の「鳴き合わせ」会で再会する。そして、マーキングに反応してしまい、自分も眼白であることを隠せなくなる。

再会した美しい眼白は、妖鳥化して共食いをする生物になっていた。
白井の推測通り、美しい眼白は、白井の出生の秘密を知って居る。
妖鳥化して自制が効かない美しい眼白、狂ったなりの精一杯の好意と狂気の自制を示す妖鳥眼白が気の毒で憎み切れない。
結末は、不幸とも幸せとも言えない、死に別れを伴う結末は物悲しい。
---
目白=蜜吸い鳥
メジロ(目白・繍眼児、Zosterops japonicus)は、鳥綱スズメ目メジロ科メジロ属 目のまわりの白いフチドリ(これも短い羽毛です)。からだのあざやかな黄緑色から、ウグイスとまちがえやすい、囀りが違う。

桜の樹の下に桜の花が沢山落ちていますが、アレは花の蜜を吸うのがヘタクソなスズメの仕業。蜜がある花茎をちぎっています(多分蜜を吸えていないと思う)
目白は「蜜吸い鳥」と言われるように、蜜を吸うのが上手で、花を落下させずに蜜を吸い取っています。

1

「眼白」なんと美しい鳥人!

「眼白」ー闇取引されるほど美しい声で鳴き、眼の回りに白いタトゥーのようなアイラインを持つ鳥人。
この設定だけで胸が高鳴ります。

眼白であることを隠した刑事、白井と、伝説の鳴かせ屋、鵙矢が闇取引の黒幕を暴くべく、身分を隠して潜入捜査を行う。

幼い白井に恋にも似た憧れを植え付け、マーキングした眼白の謎、鵙矢の過去、闇取引の黒幕。
ぐんぐん引き込まれるストーリーと、時折挟まれる妖鳥化した眼白の美しくおぞましい描写。
不安に苛まれながらも気骨のある白井と冗談や皮肉ばかり口にしながら、頼れる鵙矢の軽妙な会話がさすが中原先生の主人公!
笠井あゆみ先生の挿絵も素晴らしく、本当に面白かった!
続編読みたい!!

1

めちゃくちゃ面白かった

眼白という鳥のような特徴を持つ獣人を、人身売買組織から保護する捜査官のお話しでした。

新米捜査官の白井は「伝説の鳴かせ屋」の鵙矢と、弟子として一緒に潜入捜査をする事になるのです。

もう眼白という人とは違う存在も面白いし、鵙矢が眼白を丁寧に世話をする事で綺麗に囀らせていた事も面白かったです。

白井の秘密が段々と隠せなくなって行く辺りが最高に緊張しました。

そして白井が幼い頃に出会ってた眼白の正体にびっくりです。

眼白が妖鳥と化すと共喰いをする設定も光っていました。人身売買組織の黒幕の島へ潜入し、白井が妖鳥に攫われて巣に連れて行かれたのがまた恐ろしいです。

甘さはあまりないですが鵙矢に世話をされて、最後に眼白の白井が体調が良くなってるのが微笑ましかったです。

鵙矢が引退した原因の妖鳥の話も番外編で読みたいと思いました。

1

最強のハラハラドキドキ。終わり方もよし!

ハラハラドキドキワクワクしました。甘くないけどそこがいい!

半分まではなかなかページが進まずでしたが、そこからは一気読みでした。

白井は捜査官で眼白で、それでも自身の正体を知らず認められず眼白の人身売買など犯罪を追って。
さらに子供時代の話にも繋がりなんと!あの優しいお兄さんが白井にマーキングしてたなんて!
喰いたい喰いたいって長年執着されてて。

はぁ、上手く書けません。とにかく波瀾万丈で眼白という生き物のこと、鳴かせ屋としての潜入捜査や仕事、眼白との交流、胴元を引きずり出すまでの地道な努力、そしてとうとう対面してからの攻防。

特に島に渡ってからは息をつかせぬ展開で。
白井がなんとか鵙矢の言葉を心の支えに踏みとどまるところも絆を感じました。白井の囀りを頼りに探し出すところも。

無事に終わって良かったです。三方得?警察も白井も鵙矢も良い形で収まります。

しかし兄が実の弟を相手に…。色んな意味で衝撃でした。長年の執着と実の親のことやマーキングの呪縛や喰いたいとかその前のお楽しみとか。
島から出るつもりで船に行った所は特にハラハラしました。白井が自分の手で終わりにしましたね。
鵙矢の強靭さしぶとさもびっくりです。

白井と鵙矢がどうなるかも気になってましたが、目の前で兄に犯されるのを見られちゃって。でも妖鳥ですから絶対白井を助けてやると奮起したのかな。

ダラダラ行ったり来たりまとまらなくてすみません。
二人のイチャイチャはありませんがそれでいいかも。一緒に住んでお互いにやるべきことをやり、囀るために尽くされてそばにいて。
いい終わり方でした。

2

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP