獅子の獣人の王位継承者×記憶を失くしたΩの、溺愛執着オメガバース!

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作獅子は運命のΩを求める

ヒューゴ、ルイの過去を知る獅子の獣人・アルファ
ルイ、過去の記憶が無い青年・オメガ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

記憶喪失のルイは男に襲われ、とっさに逃げ込んだ不思議な洋館から異世界に飛ばされるてしまう。そこでルイは、自分の過去を知る獅子の獣人・ヒューゴと出会い、ルイが発情期になるとオスを引き寄せるΩだと説明され恐怖する。途方にくれるルイに、ヒューゴは高価な抑制剤を与え、一緒に住もうと提案してくれる。夜毎にキスをして抑制剤を分け合う二人の距離は縮まるが、王宮から昔のルイを知るシオンが訪れ…。

作品情報

作品名
獅子は運命のΩを求める
著者
佐倉温 
イラスト
すずくらはる 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041074558
3.5

(26)

(4)

萌々

(10)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
90
評価数
26
平均
3.5 / 5
神率
15.4%

レビュー投稿数7

おすすめです!

あらすじとすずくら先生の絵に惹かれて購入。初めての作家さんです。

少しシリアスみもありますが、溺愛ものと書かれているだけあって、二人の雰囲気は比較的甘め。攻めのヒューゴが受けのルイにベタ惚れなのはもう出会ったその瞬間から分かるほど。

起承転結でいう、「転」がくるまではルイの記憶を戻させないようにするヒューゴの真意が読み取れなかったりはしましたが比較的穏やかで、ほのぼのしている印象を受けるのですが、「転」のシーンが来てから一気に物語は加速します。

しかし物語が加速するまでにいくつか発言から伏線を読み取れるので、話がいきなりだなという印象は受けませんでした。

ルイが記憶を取り戻し、過去に自分がヒューゴに対して言ってしまった「大嫌い」の真意、本当の想い、そしてその想いゆえに自分の命を惜しくは思わないという覚悟、そのどれもがとても魅力的でルイというキャラクターに引き込まれました。
記憶喪失のときの気弱な感じも、いろんな想いを背負う本来のルイも、とても素敵です。

一方のヒューゴですが、出会い頭から一貫してバカがつくほどにルイしか見てないくらい一直線で、不器用な優しさがとてつもなく愛おしい、かっこいいライオンのお兄さんでした。笑
彼のそのひたむきな想い、途中から応援したくなってきます。受けちゃんへの溺愛ぶり......最高でした.......

ルイにはルイの考えやしがらみがあるのですが、それを屈服させてしまうほどのヒューゴの「ルイじゃないとダメ」な気持ち、そして感情の我慢をしなくなったルイが本当にめちゃくちゃに可愛いです.......

次元の館シリーズみたいな感じでシリーズ化しそうだなと思いつつ......
とても幸せな気持ちになるのでオススメです。

10

何度でもあなたに恋する

ほのぼの甘々なラブコメのイメージが強い作家さんですが、今回はややシリアス寄り。
異世界トリップ+オメガバースになります。

ちょっと切なかったりするのですが、個人的にはこうゆうストーリーにウットリしてしまう・・・。
何てったって、「記憶を失っても、またあなたを好きになる」ですよ!!
個人的に、こうゆうロマンチックな煽り文句にめちゃくちゃ弱いのです。
ちなみに「人生でただ一度きりの恋」とかにも瞬殺されます。


内容ですが、異世界トリップ+オメガバースです。
過去の記憶が無い青年・ルイ。
男に襲われ、とっさに逃げ込んだ不思議な洋館から異世界に飛ばされてしまいます。
そこでルイの過去を知る獅子の獣人でアルファのヒューゴと出逢い、オメガである自分の発情を抑制する薬を貰う代償として、共に暮らして「世話を焼かれる」契約を結びますがー・・・と言うものです。

ルイですが、元々はこちらの出身。とある事情から現代日本に飛ばされた彼は、記憶を無くしてしまいます。
で、再び元の世界に飛ばされると、自身の過去を知っていて、なにやら因縁のある相手・ヒューゴに溺愛されと言う流れ。

で、この最初の方は超ほのぼの甘々なんですね。
ルイに対してめちゃくちゃ過保護でやたら楽しそうに彼の世話を焼くヒューゴ。
発情期の薬を口移しで分け合い、ルイがクシャミをすれば膝抱っこで暖め、夜になれば抱き締めて眠る。パンのジャムまでヒューゴがぬると言う徹底ぶりです。
めちゃくちゃ甘いです。

そんな生活が続くうち、ヒューゴに惹かれてゆくルイ。
しかし、ヒューゴが本当に見ているのは、今の自分では無く「過去のルイ」でしかない。
また、頑なにルイが過去の事を知ろうとするのを拒むヒューゴ。
ルイはもどかしさと怒りを覚えと言った所でしょうか。

で、ここから徐々に明かされるルイの過去。
過去のルイですが、強い言葉でヒューゴを突き放し、拒んでいます。
この「拒んだ」と言う事実だけが最初に明かされているのがお上手です。
読者としては二人の過去に何があったか気になって気になって。
与えられる情報の断片から、ルイが本当の意味でヒューゴを嫌って拒んだワケでは無さそうだぞとヤキモキする。
そして、過去のルイの真実が分かると、なんとも切ない気持ちにさせられたりして。
う~ん・・・。相手を思うからこそのすれ違いと言うのは心が痛みます。

あとですね、記憶が無いルイですが、とても素直で割と甘え上手だったりします。
が、記憶が戻るとクールで感情をセーブした印象。
記憶が無い状態になって初めて、あんな風に素直に甘えられたんだなぁと思うと、なんだかこれまた切ないです。

ラストでの、二人がやっと自分の気持ちに素直になれるシーンにはホロリとさせられました。
まぁ定番ではあるのですが、オメガバースの醍醐味「二人は運命の・・・」とかで。

ところでこちら、迷い人を本来の世界に帰す役割を担う「次元の館」が存在します。
これ、シリーズ化しそうだなぁと言った印象を持ちました。

9

貴方が傍にいる幸せ

今回は森の中で一人暮らす獅子になる獣人と
異界の狭間に落ちた記憶のない青年のお話です。

受様が記憶を取り戻し
攻様が望んでいた伴侶を得るまで。

受様は5年前以前の記憶がありません。
ふと気づくと街中で倒れていたのです。

自分の名前しか追い出せないまま
コンビニのアルバイトで
なんとか生活していていますが

数か月に1度高熱を出して
性欲が高まり「抱かれたい」という
衝動を抑えられなくなる自らの身体を
持て余していました。

今日もその予兆があり体調不良でしたが
バイトのゴミ出しにでたところで
目が合った見知らぬ男に突然
追いかけられる羽目に陥ります。

いつも熱の出始めは
まだ何とか乗り超えられるのですが

無情な追いかけっこは
受様の体力を奪っていき、
受様は目の前に現れた洋館に
とっさに逃げ込んでしまいます。

そこは思議な「次元の館」で
現れた燕尾服の紳士は
受様は本来の世界から
次元の狭間に落ちた迷い人で

この館はそんな迷い人を
本来の世界に戻す役目を
担っているのだと告げるのです。

半信半疑の受様ですが
紳士は壁に無数にある絵画の中で
受様が目に留めた1枚の中へ
受様を突き飛ばし…

…気づくと受様は
見ていた絵の中と似た森の中に
ぽつりと立たされていました。

とにかく人を探し始めた受様が
見つけた小屋に住んでいたのは
獅子に変わる美貌の青年でした。

この獣人こそ今回の攻様です♪

攻様は受様を知っている様で
再会に驚きつつも喜ぶのですが
記憶のない受様には
攻様に見知らぬ人です。

それでも
受様自身が荒唐無稽と思う
今日の出来事を話し始めると
意外なことに攻様は全てを信じ

この世界にはα、Ω、βとう
3種の人間がいる事、
受様がΩである事、
今の受様はΩ特有の発情期である
ヒートになっている事を
教えてくれます。

ヒート中のΩは
匂いでαを惹き寄せ欲情させるので
Ωは抑制剤を飲んでいるそうで
幸い攻様も抑制剤をもっていました。

しかし
攻様は受様に抑制剤を譲るなら
ある条件をのめと迫ります。

その条件とは
「ここに住んでずっと一緒に暮らせ」
というものでした。

受様は本当にこの世界の住人なのか!?
知り合いだという攻様の真意とは!?

佐倉さんの初オメガバースは
アルファ、オメガ、ベータの諸設定には
それほど特異な設定はありませんが

異世界トリップ、もふもふ獣人、記憶喪失、
身分違いの恋、王位をめぐる兄弟の駆引き等々
いろんな萌え要素がてんこ盛りで

攻様が隠している秘密を解くべく
ドキドキ&ワクワク読み進めました♪

攻様が登場した段階で
攻様が受様をとても大事にしていた事は
想像に難くないのですが

攻様は自分を忘れた受様を
そのまま受け入れて溺愛、
過去とは違うか関係を築こうとし

受様は攻様と過ごす中で
徐々に攻様に惹かれていきます。

そのままほのぼの路線でいっても
ハッピーエンドにはなった感じもしますが

物語的には2人の関係を揺るがす
事件がないと盛り上がりませんので

2人の共通の幼馴染と
今は王となった攻様の弟の登場で
受様に危機が迫ります。

受様が失われた過去と思いを取り戻し
一度は拒んだ攻様の伴侶の座についての
大団円までとても楽しかったです。

攻様が受様の記憶がないのをいいことに
抑制剤を2人で飲まなきゃ駄目と
偽ってベロチューを楽しんだり

記憶がないがゆえに
素直に攻様に甘えてくる受様を
攻様が全力でお世話したり

受様じゃなきゃ
伴侶も王位もいらないっていう
攻様の態度もかなりMYツボでした♡

もちろん、
ホントは攻様が大好きなのに
自分では攻様を支えられないからと
攻様を振っちゃう健気な受様も
とっても良かったですよ。

受様が記憶を失う為に
オメガ故の辛さや悲壮感は
冒頭シーンでしか前面でていないので
オメガバース初心者さんにも
読みやすいかなと思います (^-^)

今回はオメガバース繋がりで
淡路水さん『狼獣人と恋するオメガ』を
おススメとします。
こちらの攻様も獣人です♪

4

そばに居るだけでいい

電子書籍で購入。
次元を超えて飛ばれた異世界人が「次元の館」から再び元の世界に戻されるところから話は始まります。
記憶が戻らないもどかしさ、戻ってからは身分違いの恋に苦しみ愛する人のために命をも捧げる覚悟には泣けました。


<あらすじ>
ルイ(受け)は5年より前の記憶がありません。
気が付いたら、路上に倒れていたのです。
新たな戸籍を与えられ生活を始めるのですが、自分はこの世界に嫌われているんじゃないかと思うくらい、何をやってもうまくいきません。
今も、バイトをしている途中、突然知らない男に追い回されています。頭の中に響く「逃げろ」という声に従い逃げ回った結果、逃げ込んだ先は知らない館。
ぼろぼろになったルイをその館の執事と思しき人は「あなたはΩで、この世界の人間じゃない」というのです。ルイのように次元迷子を元の世界に戻すのが仕事というその執事によってルイは元の世界と思しき世界に飛ばされるのです。
そこは森の中、途方に暮れるルイを助けてくれたのは、ライオンに変身する獣人ヒューゴ(攻め)でした。ヒューゴはルイのことを知っているようなのですが、ルイは全く思い出せません。
体調不良だったルイは実は現在ヒート中で、抑制剤を服用しなければならないのですが、何も知らないのをいいことにヒューゴは高価な抑制剤を譲る代わりに自分にルイの世話をさせろといいだします。かいがいしく世話をしてくれるのですが、無くした記憶を取り戻したいと思うルイに、ヒューゴはそれを拒むように過去については一切教えてくれようとしないのです。

ルイの元居た世界は男女の他にα・β・Ωという第2の性別のある世界。
自分がΩと聞かされて、前の世界でたびたび体調不良になったり、男に襲われそうになったりする理由がわかります。
異世界に一度とばされた時に記憶を封印されており、異世界で5年で培った常識しかないため、今までのしがらみもなく、ヒューゴと新たな関係を結ぶことになります。
二人で穏やかに過ごしていたのですが、ヒューゴの親友・シオンが現れ、否応なく過去の自分を意識させられるようになるのです。
ヒューゴが自分に親切にするのは過去の自分を見てるからだと、過去の自分に嫉妬するルイ。

なんとか記憶を取り戻したいルイと取り戻してほしくないヒューゴ。どちらもお互いを想いあっているからこそすれ違うのですが、それを外野が許しません。
現在の王が実は王族であるヒューゴを警戒し二人を引っ掻き回すのです。
この王の暴挙によって、ルイは記憶を取り戻し、本来の役割を全うしようと動きます。
ただ、この行動はヒューゴにとっては再び絶望に叩き落すもので、前回ルイを失ったときのヒューゴを知らないルイだからこそできた行動だったと思いますが、その時のことを知っているシオンにとっては許しがたい行動だったのではないでしょうか。

本来なら王位についていないといけないヒューゴのルイさえいれば何もいらないという愛と愛するヒューゴのためなら命もいらないというルイの愛。どちらもすさまじい愛情でもってお互いを想うが故、すれ違ってしまったことが本当に気の毒で。
身分違いでかなわない愛のため、せめてそばにいてヒューゴを支えたいと思うルイの想いにも泣けますが、一番守りたいものを守れなかったヒューゴの絶望を思うと本当に切ない。
自分に対するヒューゴの気持ちを軽く見過ぎなルイには思うところはありますが、先王とヒューゴがもう少し早くからきちんと言葉で伝えておけばこんなことにならなかったのにと思うと何とも言えません。
再び同じことにならなくて本当に良かった。
再び同じ結果になったら、ヒューゴは今度こそ国を滅ぼしていたことでしょう。

記憶を取り戻したルイは性格が180度変わってしまい、記憶をなくしていた気弱なルイが本来のルイの姿だと思うとルイの努力がしのばれます。記憶を無くしたことにより両方の性格が、表に出たことにより、ヒューゴとルイが向き合えるようになったことは結果的には良かったのではないでしょうか。
ここで終わってしまうのが少しもったいないくらいで、二人の幸せな話がもう少し読みたいと思いました。


これはシリーズ化するのでしょうか。ラストは再び「次元の館」。新たな迷い人が来たようで、次の物語が始まるという形で終わっているので、また違った話が読めることを楽しみにしています。


電子限定おまけ ヒューゴ視点
巣作りするルイにヒューゴが自分の服にまで嫉妬する話。

忙しくてなかなか共寝もできない日々が続いたある日、自室の衣裳部屋に入ると、衣装が一着もありません。
誰かの嫌がらせかと思っていると、覚えのあるルイの匂いがどこからかするのです。匂いをたどっていくと寝室の天蓋付きベッドで。
覗いてみるとヒューゴの衣装に埋まっているヒート中のルイが・・・

突然来たヒートに、ルイはヒューゴの衣装で巣作りしていたのです。ヒートで本能に引きずられ自慰するルイと普段の冷静なルイのギャップがすごいです。
そして、それを見たヒューゴが自分の衣装にまで嫉妬するがおかしくて。

3日間引きこもった後、シオンに発情期のたびに部屋に籠るのかと嫌味を言われます。きっとこれからもこんな会話を何回もしながら、ルイがそばにいる幸せを噛みしめるのではないでしょうか。
ルイがそばにいてルイが望むなら良い王であろうと、言い換えればルイが望めば国を滅ぼすのも厭わないヒューゴの決意が感じられる話でした。

1

薬は正しく服用しましょう

すずくら先生の挿絵目当てで購入。苦手なオメガバースものなはずだったのに、受けの性格が好きだったので萌です。どっしり重いわけではないですが、シリアス純愛路線かな。「本編220P弱+あとがき」です。

コンビニバイトで生計をたてているルイ。コンビニでごみ捨てに裏に出たら見ず知らずの男と目があい、その途端、本能で「ヤバイ、逃げろ」と一目散に逃げ出します。その男に追い詰められ、逃げ込んだ先の洋館で、なぜか燕尾服を来た男性に「お出迎えが遅れて申し訳ありません」と迎えられ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
シオン(攻め受けの知り合い)、レオパルト(攻め弟)等。不思議な「次元の館」の執事っぽい方とその主人も気になる存在ですがー。
オメガバースの設定は王道、ヒート、抑制剤あり、噛まれて番、オメガはアルファの子をはらむ等々。私がだんだん慣れてきたからか、ヒートの記載はありますが、そんなにしんどくなかったです。オメガの扱いはひどい設定のようですが、そのひどくされる記載自体が少なかったように思います。

**以下は好きだった受けさんの性格等

本来所属するべき次元じゃないところにいたため、記憶がなく、自己肯定が少ない受けさん。なんでも控えめなやや弱弱しい印象だったのですが!本来の次元に戻り、記憶を取り戻すや否や!まるで調教師!!!!猛獣使い★の方の調教師さんです!つんつんさんや、きりきり働く受けが好きな方は、後半のルイさん、好きなんじゃないかなあ。最後なんか「報告行かないと!」と攻めを引きずって行ってましたよ(笑)つえー。
攻めさんはちょっと純情一直線すぎて、王様としてどうなんだというのが正直です。また攻めの弟もなんだかなー等々、色々思うところあって、萌どまりです。

もふもふ方面はライオンさんであるためか、しっぽ耳記載より、たてがみ記載が印象に残りました。「たてがみは顔の方向を変えるためにひっぱる」という使用法があるようです(笑)受けさん専用かもしれませんけど。

オメガバース初めてという方でもそんなに構えず読めるのではと思った次元トリップもの&オメガバースでした。タイトルは抑制剤の服用方法に関するコメントです。良い子の皆さんは、こんな薬の飲み方してはいけません♡でした。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP