電子限定おまけ付き
どのお話もとっても良かったです!
みんな同じ町で繋がってるのかな?
特に萌えて泣けたのが「落ち葉あふれて」「冬来たりなば」です。
「落ち葉あふれて」
後から後からわかってくる高三郎の気持ち。見事でした。甥っ子が高三郎の代弁者であり、恭の救済者であり。やりたいこと手帳、落語にも同じようなお話があるのかな?
その後東京で二人がお互い大切な人になって。
紫苑が恭にリードされまくり高三郎に嫉妬するとこ!
でも恭には別の思惑があって。小さいコマの小さいフキダシなんですが笑えました。
「冬来たりなば」
仲良しのシュウとこーちゃん。
10年前にこの町を一緒に出よう!って約束はシュウはもう忘れてるのかな…?という始まりで。
母子家庭を町の人達に噂され、こーちゃんは体が弱く、シュウは絶対東京の国立の医大に行って…の理由のくだりは泣けました。
ずっとお互い鏡越しに見てたんですね。それが分かった時も感動しました!
初読みの作家さんでしたが絵も優しくてお話もとっても良かったです。
お初の作者さんでした。
表題作は2本目に収録されています。
それぞれ春夏秋冬をテーマにした短編集で、ちょっと切なくて胸の奥がチクッとするようなお話たちですが、読後はじんわり温かくなるハッピーエンドです。
各お話の後におまけがあって、その後を垣間見られるのもありがたい。
どのお話も良作で甲乙つけがたいのですが、秋のお話「落ち葉あふれて」と「枯れ木に蕾」が1番好きかな〜?
亡き元カレの甥っ子との年の差ラブ。
それぞれ受け目線と攻め目線のお話になっています。
元カレの面影を甥っ子の紫苑に重ねてしまって悲しみが溢れ出すのとか、元カレは恋人に思いを残しながら亡くなってしまったとか、切な過ぎる。
そんな元恋人2人の心残りをなくしてあげようとする紫苑が健気で良い。
遺された2人の、恋の予感から恋になっていくまでがこれまたキュンで良かった。
Hの時は恭がリードして、そのスムーズさに複雑な気持ちを抱えちゃう紫苑の心境含め、大好きなシチュエーションでした。
枯葉を落とした木には新緑が芽吹いて、春にはどんな花を咲かせるんだろう。
この4組のお話は同じ地域でのオムニバスになっていて、表紙裏のMAPがめっちゃ可愛いのでお見逃しなく。
桃子すいか先生の「保健室の先生と〜」がとても好きで買いました!
同じ地域?町?で過ごす4CPのオムニバスです。先生がカバー裏のあとがきにも書かれていますが、大切に描かれたんだろうな、というのがにじみ出ている作品でした。持っている雰囲気は「雨だれの頃」に近いかもしれない。
ストーリーとキャラクターにもう一歩説得力が欲しかったのですが、おそらくどの作品も1冊にすればもっと深く描けるのだと思います。短いながらもここまでグッとくる作品が描けるのはすごい。
4CP収録されるなら、一つぐらい実らない恋があっても良かったなと思うのが、自分のダメなところです。永遠の別れ故に実ってない恋もひとつありますが。
あるいは、もっと全力でポジってるような話があれば良かった。4CPどれも悲劇を前面に押し出し過ぎている感があり。
こうやって一冊にまとまってしまうと少々顔の描き訳が曖昧なところも惜しい。
萌2寄りの萌
自分の好みと少し違うだけで、人にはオススメしたい一冊です。
※電子書籍ひかり 局部描写ほぼなし
カバー下有り、カバー裏無し
限定おまけ漫画1枚
一冊丸々一つの話だと思っていたので、読み始めたら短編集で少し残念だなぁと思ってしまいました。短編って、もう少し先も読みたいと感じたり、もっと掘り下げて描いてほしいと思ってしまうからなんですが、こちらの本は4編の繋がりのない話が、描き下ろしで繋がってました。
こうような描き下ろしって嬉しくなります。
病院での入院中の出会い。
友だちに告白して1ヶ月間だけの田舎2人暮らし。
亡くなった叔父の恋人と甥っ子が、叔父がしたかった事を2人で辿る。
幼馴染みと一緒の医大に行くために頑張る受験生。
それぞれ全く違う設定ですが、どの話も切なくて最後にはほんわかする内容。季節が4つとも違い、その季節の良さが凄く出ていて、特に表題作の夏らしさがとても良かったです。
表紙に惹かれ購入したので、私は初読みの作家さんだったのですが、懐かしさのある絵で、身体つきは受の子でも男子らしい骨格で現実味があって好きです。エッチはサラッとですが逆にがっつりなのも読んてでみたいなぁと思いました。
爽やかさやほんわかさを求めるには、神な作品です。
◆8月のロスタイム(表題作)
大学の夏休みの1ヶ月限定で付き合う2人ということで、途中までは儚さや切なさを感じる作品でした。誰かと付き合う時は毎回誠実に接しているけれど、この子はないなと思ったらすぐ振って見切りをつけるのが早い蓮。ずっと蓮に恋していた翔馬は一番近くでその姿を見てきたので、自分が傷付かないよう1ヶ月だけでいいから、と恋人になってもらいます。セックスはするけどキスはしない、恋人ごっこ。ラジオ体操のスタンプカードで、目に見えて残りの日数が減っていくのがなんとも切ないです。夏休み終盤独特の寂しさと物語の展開が上手く絡んでいましたね。最終的には蓮が、自分の気持ちに正直に生きることを決断しハピエンになります。この1ヶ月が2人にとって思い出ではなくきっかけになったのが本当に嬉しかったです。
◆落ち葉あふれて / 枯れ木に蕾
サラリーマンの恭が亡くなった高三郎の墓参りをしていると、偶然彼の甥・紫苑と出会います。好き合っていたのにほとんど何も言わず病死してしまった高三郎に、恭はまだまだ心残りがあります。そんな彼に紫苑は叔父の手帳に書いてあった、恭とやりたかったことリストを一緒にやろうと提案。高三郎が好きだった食べ物や場所を2人で巡ります。でもある日、恭は手帳が真っ白なことに気付く。実は叔父が生前に恭としたいと漏らしていたことを叶えてあげたいという、紫苑の思い付きだったんです。それを知って、ようやく高三郎への心残りを昇華できた恭。新たな恋を始めた2人がとても素敵でした。
◆冬来たりなば
一番好きな作品です。大学受験の及ぼす影響がかなりリアルに描かれていました。国公立組と私立組の間の溝って結構深いですけど、そういうところまで描かれたBLって少ないんじゃないかと思います。田舎の高校では優秀な成績でも、全国規模だとやはり上には上がいて、ストレートで医学部に合格できないところとかも現実的ですよね。受験のせいで一旦はぎこちなくなった2人だけど、合否発表を機に自分達の本音を晒け出し前向きな関係になれたシーンがとても印象に残りました。特に最後のカーブミラーのオチは秀逸で、めちゃくちゃ萌えましたね。是非読んでみて欲しいです。