イラストあり
傲慢すぎる攻めが苦しむとか、不憫すぎる受けが攻めの前から消えるだとか、そういうのどストライクなので、このお話すごく好きでした。
8年の時間を経てる上、両者視点で書かれてるので、分冊してもっと細かいところ読みたかったくらいです。
蒼くんは本当に不憫だし、可哀想だけど、それが優吾が引き出してるものでもあって、そのために優吾がちゃんと苦しんで、そんな過程を経て結ばれてるの安心したな〜!!
2人の若さから来てるようなすれ違いがあった分、成長とか覚悟が少しずつ感じられたのが良かったです。
個人的には脇役キャラの額見先輩や、相沢河惣あたりにフューチャーしても面白そうだと思ってます。
優吾がいいとこのお坊ちゃんってこともあるし、蒼くんも前向きに動き始められたことだし、今後の話も読みたいです!
切ない話が好きとか、攻めが苦しむ様を見たいとか、なんかもうとにかくオススメしときます。(レビューとは)
表紙は、yoco さんの絵。
とっても目を引く綺麗な絵です。繊細で臆病な蒼の顔。
よーく見ると、蒼の瞳に「窓を背景にした優吾」が映っている。・・ラストシーンの蒼の顔だと思う。電子版だから、拡大して確認できる瞳の絵。
繊細で優しい蒼は、小説の中で独り忍び泣きする場面が多い。
著者の萌えは「10年愛」、この小説には「著者の萌え」のほとんどを詰めこんだそうです。著者の萌え部分の心理描写は特に細やか。
マイノリティの恋は、こんな風に相手を想って片方が身を引いて終わる場合が多いのかもしれない。マイノリティの恋は、蒼のように忍んで消えることが多そう。
優吾のように、何もかもを動かす力を備えている場合は、特殊な例外。
誰にも相談できない堪えて解決する性格の蒼が、どんどん追い詰められて圧し潰されていく様子が凄く不憫です。
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★読後記憶に残った粗筋と感想
中途入学、編入生の蒼は、いつも向日葵のように優吾に意識を向けて見つめていた。
美術部の先輩に蒼は秘めた恋の相談をする。
先輩と蒼の関係を勘違いした優吾は、蒼を傷つける。
優吾が謝る機会がないまま、蒼は家庭の事情で退学していた。
社会人になって、再会する二人。
優吾は10年前のやり直しをしたいけど、優吾の行動が迫力ありすぎて、蒼は怯える。
蒼はまた黙って消息を絶つ。蒼には優吾に知られたくない事があった。
優吾は、過去の暴力を謝りたいと蒼に積極的にアプローチ。
興信所を使い、調べた蒼の自宅へ優吾は訪れる。
蒼が一番見られたくない場面に突然優吾が現れて、蒼は混乱。衝動的に手首を切ってしまう。
優吾の誠意が裏目に出てしまうのが気の毒。
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恋愛の最初のプロセスが乱暴だったので、蒼は優吾の気持ちが理解できない。理解し合う機会が無いまま、時間の経過と共にすれ違いの角度がどんどん広がっていた二人。
やっと最後の場面・事件の後に、やっと二人の思い違いを互いに解消。
優吾は、蒼を押し切る形で一緒に暮らす同意を得る。
おずおずと蒼が承諾する場面の蒼の顔が表紙の絵。
・・でも蒼の性格だと、大丈夫なのか不安。また黙って消えそう。
暫くは、二人は幸せだと思う。
情交シーン少な目。
想いの交錯を楽しむ心理攻め構成。
あとがきあり。
イラストが綺麗。この作品は、情景描写をかなり挿絵がフォローしています。
★★『kiss you,kiss me』SSまとめがpixivにありました。★★
pixiv.net/artworks/72651085
高校生の頃に、すぐそこに在ったはずの愛に気付けなくて、子供の軽率さから踏みにじってしまうお話。
踏みにじられた方の蒼は、その後転落の一途をたどり、踏みにじった方の優吾は後悔しつつも自分のことを優先して、蒼の事はただの切ない思い出にして順調に御曹司人生を歩んでいます。
そんな二人が偶然再会して…。
若気の至りの切ないすれちがいや、不憫な受け、再会、攻めがが心を入れ替えて受けを引っ張り上げる。
そんなこんなのお話が好きなら、ここに全部揃ってます。
但し、ついでに、不憫な受けの常備アイテムの売りやモブ姦やリストカットも揃っているので、不憫ゆうたらそんくらい揃ってなんぼのもんじゃいって方におすすめ。
一目見てyoco先生のカバーイラストにやられた!!と思いました。
この子は何を見ているんだろう
何で泣いているんだろう
いったい何があったの?とぜひ読まねばという思いに駆られました。
いつもながらいいイラストです。
健気でいい子なのに、次々襲い来る障害にますます不幸になる受けが最後には誤解が解けてハッピーエンドという展開は大好きです。
でもこの苦労知らずな優吾があまりにも楽観的でもうちょっと大人になれと言いたくなりました。
美術部の先輩がすごくいい人で、いろいろ訳ありな様子。
蒼が辛いときに優しくしてくれる唯一の人でした。
蒼の辛さを知っていて優吾にチクチクといじわるしたり
きついことを言っている場面ではもっと言ってやってと言いたくなりました。
先輩の物語も読んでみたいです。
スピンオフ熱望します。
心が疲れている時にはオススメ出来ません。
……が。
受けの不憫さに頼むからもうやめたげて(泣)と懇願したくなる気持ちでいっぱいになりつつ、何が悲しいかな【攻めの心ない行動に傷つく→不憫受けがズタボロに傷つく→それをみて攻めが己の不甲斐なさに落ち込む】のセットにめちゃくちゃ萌える質でして…(∩´///`;)
あ、あと【受けが忽然と消えて探し回る攻め】もすごく好き。これも盛り込まれてて指先ビリビリさせながら悶えて読みました(;///;)
受け視点・攻め視点を交互に進むのも良かったです。(受け視点だけだと攻めの心を察することが出来ずただただ責め立てる気持ちで読んでしまったかもしれない…)受け視点→攻め視点→受け視点と間に挟まることで、後半の受けが誤解してる部分が見て取れ、すれ違いに悶えました。
私の感覚がおかしいのかもしれませんが、個人的には思ってたほど酷い攻めじゃなくて安心しました。(ネタバレを踏まない程度にザザッと感想をナナメ読みして最悪な攻めを覚悟して読んだからかな…?)高校時代のやったことは確かに悪い。けど。若さだよなぁ…とも思っちゃうんですね。独占欲の裏返しで素直になれないところがもどかしいなぁ…と。「受けは自分のもんなのに…!」と所有欲を発揮する攻めを見るのも萌えるせいかもしれません。自分を正当化しようとするクセも人間臭さがあって嫌いじゃなかったです。
大人になって再会後も一瞬同じ轍を踏みかけたけれど、反省した後は優しく穏やかに受けを癒やす姿にジンワリ。何も言わずに寄り添って過ごす時間はとても温かくて、ホントにホントに受けが可哀想過ぎたからホッとしました。
受けはとにかくもどかしかった。高校時代なら無知でも仕方ないんです。けれど大人になってからは…そんな無茶な…と言いたくなる。借金にしても返済の資金繰りにしても。まさに転落人生で痛々しいシーンが多いんですが【無意識に自分を大事に出来なくなっていた】事実が一番辛かったです。愛されることを知ってたらまた違ったでしょう。多感な思春期にそれを踏みにじったのは攻めなんです。その業が攻めにのしかかるのがもうね…切な痛いんですよ…(;///;)
初めて恋した相手は攻め、
傷つけられた相手も攻め、
宝物のような思い出も攻めとの時間で、
死にたいほど絶望させてくるのも攻め。
受けは攻めへの想いで溢れていて、幸せに出来るのもやっぱり攻めしかいないんです。攻めも攻めで自分が幸せにしたいんだと強く願って接しているのがとても良かった。躓いた過去は変えられないけれど今から変えていこうとする受けの強さも見られて涙・涙でした。
正直細かい部分をツッコむと展開が唐突だなぁと感じる部分が無きにしも非ず…。思わず「んん!?」となって読み返す作業を何度かしました。(小説読み慣れていないせいかも…)それを踏まえ評価は神寄りの萌え×2であげます。めっちゃ萌えたけど気軽に読み返せないシンドさもあり。でもすっごい好きな設定だったの。それは神。