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文章はとても読みやすく、描写も過不足ない塩梅で、ドラマチックな場面も盛り上がって読めました。双角たちがとっても可愛くて癒されました。ときどきどっちがどっちか混乱してしまい、明らかに名前が反対になっている場面もありました。あと、展開がちょっと都合が良すぎて(特に後半から)、何度も巡り合う、切ない運命的な恋の話としては、何か物足りない読後感でした。でも丸くお話を収めるにはまあしょうがないのかなぁとは思いましたが、少しだけ残念でした。
鬼と人間、前半が前世での二人の出会い、後半が現世で再会するお話。時系列に沿って描かれ分かりやすい反面、盛り上がりがエピソード単体によるものになり、淡々としているように感じた。ラストがあっさりご都合展開になって拍子抜け。
タイトルのわりにスケールの小さいお話だった。
大人になるために、人間を喰わなければいけない鬼の紅。だがそのターゲットを愛してしまい……という始まり。紅と有馬の距離が近付く描写が微笑ましく、どちらも“初めて”を与え合う関係で、とても良かった。あと小鬼二人が可愛く、かなり癒やされる。
幸せは長くは続かず、鬼たちによって酷い結末を迎える。
有馬の弟はもっと何かあるかと思ったら、出番はあれだけで肩透かし。有馬の孤独さを見せるために出て来たのかな。
再会後は惹かれ合うのが早い。紅は出会った瞬間から有馬を前世の有馬と同一の個人として見ているようで、ちょっとモヤる。内面や性格を決めつけているような描写があり、現世の有馬でなく前世の有馬ばかり見ているのでは?と。
でも今度こそ幸せになってやる、という紅の心意気は良かった。ポジ思考は応援したくなる。
ラストはちょっと上手くいきすぎかな。ただの賭けなんて曖昧なものでなく、何らかの理由付けがあればまた印象は変わった気がするが。角を取ったら小鬼が蘇るのも謎設定というか、ご都合感を強めたように感じた。
目覚めた瞬間に幕を閉じる、この終わり方は最高。ここで終わりならまだ良かったのに。なぜその後の短編で、樹の不憫さに注目させてしまったんだろう。報われない樹が可哀想な気持ちで読み終えてしまった。
長いこと積んでいたんですがやっと読みました
鬼の設定が素晴らしいお話です
鬼は所謂乳歯のような角をもって生まれる。鬼の結界の中時間をかけて体が(力が?)満ちた時その乳角が落ち、そこからその鬼の使い魔のような小鬼が生まれる。
そして角が落ちた鬼は結界をでて人間の住む世界に行く。そこで出会った強く惹きつけられた人間を食わねばならないのだ。期限は一月。その間なら角が落ちてもまだ体内に鬼の力が残っているから。もし一月内にことを成し遂げられなかったらその鬼は焼かれ別の鬼に生まれ変わらせられる。人を食う事もできない弱い鬼は必要でないのだ。
普通なら4〜50年で大人になる鬼の世界で子供のまま60年を過ごしてきた紅。
周囲に蔑まれていたが落ちた乳角は2本とも小鬼に変わった。普通なら2本のうち一本しか小鬼にならないのだ。2本とも小鬼になったのはお館様以来。周囲の期待と羨望の中紅は二人の小鬼を連れ人間世界に向かう。
時は明治か大正か。文明開花を感じる人間社会で出会ったのは朔という青年だった。
たとえ生まれて60年経っていてしても紅はまだ子供で、自分に課せられた事がどれだけ残酷なものかわかっていないまま朔との日々を重ねていく。
これから来るであろう未来のことを考えながらも幸せそうな2人を読むと複雑な気持ちで胸が締め付けられるようでした。
蒴を食わないといけないことに直面した紅が選んだこと。
蒴が選んだこと。
その結果2人に起きたこと。
そして長い長い空白の日々。
再び出会った2人。
そこで初めて知る食べた人間と鬼との本当の呪いでしかない様な関係性。
この2人がどうやって運命を切り拓く選択が尊かったです。
そして二人を支える二人の小鬼や鬼の仲間樹が二人の関係性を豊かにしてくれます。
個人的には紅の選択を拒んだお館様がとても切なかった。彼は、一月の間人間に惑わされるなと告げる。彼はその相手を食べて鬼になったのでしょうね。愛する者を食べて自分の力にしていく時彼は泣いたのでしょうか…それとも恍惚としていたでしょうか。彼は泣いたんではないかな。だからこそ紅を、理から逃れようとする鬼を許せなかったんじゃないかな。
輪廻や道理の外側にいる鬼の悲しい運命から抜け出した二人が永遠の輪の中で幸せでいますように。
碧と紫と樹が何度も出会う二人を待っていてくれますように。
プロローグに「もしものときは、俺を・・」と紅が語り掛けていて、
紹介文には「成人するために、心惹かれた人間を食べなくてはならない鬼の紅」
・・と前置きされていたら、
これは悲しい結末が待っているんだろうなーと、心の準備をして読み進む
・・・有馬を食わずに済んでも、種類が異なる生き物なので、有馬の寿命は紅より早く尽きてしまう。
種を超えた愛のお約束・・寿命の違いは、どうにもならない。
有馬は「何度生まれ変わっても・・」と言ってはいるけど、
私は再生や転生は実存しないと思っているので、
今生の死別の後の有馬が言う「もしも、の再会」はファンタジー世界でなければ有り得ない。
ペットロスでさえ悲しいのに、番の死を迎えたときのことを想うと、
ハピエンとは言い切れないモヤモヤが残ってしまった。
著者さん、お子さんを出産されて、活動休止中なのだそう。@_ayachiharu_
ママになって、視点が変わった後の続編に期待。
「燃えるような恋のお話を書きたい」って、呟いているので、
愛に溢れた作品の登場に、期待、期待。
2019年3月に綾ちはるさんがしばらく活動を休止すると聞いてかなり寂しく思いました。
今作品は『イエスタデイをかぞえて』と同様に死が大きなテーマになっていると聞きまして、なかなか読み始められませんでした。いや、そのテーマがダメっていう訳じゃないんです。割と好きと言うか、読んでしまう傾向が強いのですけれども。「しばらく読めないのならもったいない」と無意識に思っていたのかも知れません。
死は愛しい人たちとの別れである、ということが延々と書かれている物語の様な気がしました。それは恋をした相手だけではなく、自分を慕ってくれる人たち全てとの別れです。
紅は鬼という、滅多なことでは死なない存在であるが故に別れを何度も繰り返します。彼の生き続ける唯一の希望は朔が再び転生してくること。
いや、これ、かなり辛いでしょう。
生まれ変わる保証なんてどこにもないし、たとえそれがあったとしても、2人の間には出版社あらすじに書いてある様な更なる障害があるのですもの。
待っている間、紅はかなり擦り切れたと思うのですよね。
彼の気持ちを想像すると、悲しいというよりキツイ。
かなり虚無的な気持ちになってしまうんです。
物語は幸せな結末を迎えるのですけれども、読み終わってからも『人が生きる意味』なんていう、非常に重たいことについて考え込んでしまいましたよ。
こんなことを考えなくとも私は生きて死んでいくんでしょうけれども。
8月に綾さんのツイッターに書き込みがありました。また創作もしたいと思っているとのこと。
出来ましたらまた新しい生と死や幸せについての物語を書いていただき、私を悩ませていただきたいと切に願っております。
