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気になっていた作品をようやく読み始めることができました!
天涯孤独で健気な受け設定で自分好みの作品!
シリーズが今後も続く作品で、崎谷はるひ先生のしっかり丁寧に書きこまれる表現!大好きなので読みごたえがありました
世間ズレしていない受け様が、攻め様と暮らし始めて
色々な事に戸惑いながらも、今後の自分の身の振り方を考えていきます
恋というものを知らなかった(考えてない)受け様が
攻め様に対する気持ちをどう言ったらいいかと苦しんでいるところは
グッときましたし
どうにもならなくなり、受け様が家出をした時のおき手紙のシーンなんて
感動モノでした!
よくある話とは言えない、特殊な環境。
そしてちょっと珍しい人物。
ちょっと特殊な環境の中で育った世間知らずな藍が
突然これまた違った環境に放り出され
そこで出会った志澤という男に惹かれながら少しづつ
いろいろな意味で成長していくお話。
最初は志澤の本心がなかなか読みづらく
志澤の中で藍がどんどん大きくなっていくのに
それをあえて避けるように、自ら離れて・・・
だけど藍の方は、そういうことがまるっきりわからない
ある意味気持ちはまっすぐで無垢で幼くて・・・
好きなら好き、そばにいたいならいたい、そんな風に直球で。
志澤にとっては、我慢の限界が来ているのに、
そんなことぜんぜんわからない藍。
なんとも切ない、やりきれない感じもしますが・・・
そこでいい味出してるのが、志澤の後輩弥刀紀章。
彼の存在が、志澤と藍のこの先を左右すると言っても過言ではないほど
重要なポジションにいます。
藍の大切な相談役であり、ある意味歳の離れた友人以上恋人未満な関係・・?
特に志澤にとっては、彼がいなかったら藍とこういう関係にはならなかった
というより、なれなかったと言った方がいいのかも。
このお話は、藍の亡くなった祖父がたいそうな画家という設定なので
1枚何千万という値段のする画の売買とか、どことか焼の高級な焼き物とか
ちょっと専門的なことや、一般人にあまり馴染のない世界が舞台なので
最初のうちは、よくわからない説明が多くて二人の絡みは最後まで
なかなか出てきませんでしたが、最後の最後にかなり濃厚なシーンで締めくくられています。
このお話はこの後まだ続きますがこれからに期待できそうな終わり方でした。
白鷺シリーズ第1作目です。いまさらですが、好き過ぎてなかなかレビューできなかったんですよ。
そう、これは私が崎谷さんでいちばん好きなシリーズです(本編です)。それだけではなく、本来の私の好みである『年の差(年上攻)』『健気受』ものの中でも、特に好きなんですよね。
とにかく、志澤(攻)も藍(受)も、とても好きなキャラクターですね。高スペックで完璧に見えて、意外と余裕がない志澤も、健気だけど決して弱くて流されるばかりじゃない藍も、とても魅力的に描かれています。
藍が、現代ではもうあり得ないくらいに純粋で、世間知らずな存在なんですが、その理由(背景)が納得できるので、スムーズに受け入れられました。
私は崎谷さんはかなりの確率で読んでいるんですが、これは他の作品とは毛色が違うな、と感じました。
正直崎谷さんは、好き作家さんには違いないんですが、微妙な作品・好きとは言えない作品も少なくありません。でも、これを読む限りは、やっぱり上手い作家さんだな~と思いますね。キャラクターの心情描写も細やかで、美術に関する蘊蓄(?)も、私は興味深く読みました。それに、崎谷さんと言えば、とにかく『エロ!』という印象が強いですが、それだけの作家さんではない、と改めて感じました。
以下続刊ですが、シリーズ通して相当重い・暗い部分も多い作品なのに、特に気になりませんでした。いえ違いますね、そういう重さ・暗さも含めてお気に入りだということです。
日本画の大家である祖父と、鄙びた田舎で働くこともなく、自然に囲まれ、静かに暮らしていた一之宮藍。けれど、その祖父が突然亡くなってしまう。
呆然とする藍に残されたのは、莫大な祖父の遺産とそれに伴う相続税。
家と土地だけでも膨大なのに、何気なく藍が使っていた食器類まで価値のあるものだと知らされ、また祖父の絵自体にもとんでもない値段がついていて、それら全ての相続税を藍が支払うことなんて不可能だった。
藍に残された選択肢は「相続放棄」しかなく、働いてもいない藍は住むところもお金も全てを失うことになってしまう。
そんな途方にくれる藍の下に現れたのは、志澤グループの後継者・志澤知靖だった。
志澤は、グループの会長である祖父と藍の祖父が旧知の仲であったと告げ、祖父の作品を藍の住む家ごと買い受けたいと言い出したのだった。
すっかり諦めていた藍の下に差し伸べられた救いの手だったが、志澤は更に、藍に新しい住処と仕事を与えてくれるという。
選択する余地なんてなかったけれど、それでも藍に考える時間と調べる時間とをくれた志澤の申し出を藍は最終的に受け入れる。
そして、志澤に案内された新居は、志澤の自宅であった。
おまけに、突然カードを渡され、生活費はすべてそのカードで支払って構わないと言われる。
志澤は藍に自分が何をしたいのか考える時間をくれたのだった。
当初、祖父以外の人間とほとんど接することがなかった藍は、志澤との同居に不安を覚えたが、志澤はほとんど自宅に帰ってくることがなかった。
そんな志澤と藍は何とかコミュニケーションをとろうと、階下のオフィスに泊まり込んでいる志澤に食事を差し入れたりし、徐々に志澤との距離をつめていく。
ところがそんな日々も長くは続かず、再び志澤が帰ってこない日々が続き始めた。
藍は志澤を失いたくないと思い、何とか自分の身体で志澤を繋ぎとめようと、衝動的に自分には何も返せるものがないから身体を差し出す、と口にしてしまうが……
というような内容でした。
話としては、藍が自分の気持ちに気付くまでの日常的なシーンが2/3くらいを占めています。
でも、そのシーンの書き方がとってもうまくて。
どちらも過去にトラウマを抱えていて、お互いがお互いを想い合ってて、でも、想い合ってるがゆえにすれ違ったりしていて、そういうのがとてもよくわかる書き方がされていて、とてもよかったです。
おまけに、藍が「自分のやりたいことを見つけろ」って言われたにも関わらず、数ヶ月経っても何も見つけられなかったのもリアルかなー……と思いました。
だって、「見つけろ」って言われてすぐに見つけられたら苦労しないと思うんですよね。
この話には続きがあるようなので、藍のそういうことに決着がつくのは、そっちを読んでからなのかなー……と思います。
静かな話が好きな方にはオススメです。
二巻を読んだのちに一巻を読んだので、二人のいきさつがわかり、ぐっと色濃くなりました。
「何も知らない子ども」である藍を最初はビジネスとして提示する志澤というはじまりが面白く、それを恋人同士にさせるまでの過程が割と書くほうは難しいと思います。
しかし、崎谷さんは藍の子ども・無知さの捕らえ方をうまく使って、身体を差し出すところまで描き、そして志澤を怒らせるという、二人が本当に自身の気持ちに向き合ういいきっかけになったと思います。
祖父や古きよきものを尊ぶ気持ち・アートへの描写。
こういった恋愛以外の要素をしっかりと描ける作家さんは少ないと思います。崎谷さんのよさはなにも濃厚なエロだけじゃないと思わせる一冊です。