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女性おぶもいもいさん

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海のある風景

初夏を感じると読みたくなる『海シリーズ』。
もう何度目かの読み返しでした。

3作とも何度読んでもやっぱり切なくて
重たい部分がズーンとのしかかってくるけれど
でもしっかり救済があるので
まったく後味悪くないんですよね。
胸を締め付けるところとそこから解放されるまでの
バランスが絶妙だからなのだと思います。

わたしはハピエン厨なので
最終的にはふたり一緒に幸せになる結末が
見たい派なのだけど、
あえてそうならない表題作が一番好きです。
もう二度と会えないというのは
どうやったって変えられない現実ですが
それでも畠が"生きること"に前向きになるように
和久井が導いてくれたので
切なくて悲しいだけのお話にはなっていないのが
本当にしみる…。
何度読んでも新鮮に感動してあたたかい気持ちにさせてくれるお話だなと改めて思いました。

キャントバック コミック

七瀬 

あとには引けない…?

出会ったときから一目惚れ的な勢いで
北条に惹かれていた明だけれど
過去の恋の苦い思い出に振り回されて、
一歩踏み出す気持ちなど1ミリも起こらない…
というところから。
わりとトントン拍子にことは進んでいって
それぞれの気持ちがすれ違いなく交わる感じが
すごくBLらしくて読みやすかったけれど。

ゲイではない北条が明のことを
すんなり恋愛感情込みで見ることができる、
というところは
だいぶ都合よく映ってしまって。
それも含めて「BLらしい」のかもしれないけど
やっぱりドキドキ感は薄れてしまったな、という
印象です。

そして。明の元カレさんの言動が
一番意味わからなかったです。
一応円満に別れたんじゃないのだろうか…??
再アクションを起こしてこなければ
『トラウマを植え付けただけの過去の人』
ポジションだったのに、
また現れてアレコレ言ってきた時点で
だいぶ萎えてしまったのでした…。

警戒心バリバリだった明が少しずつ
北条に心を開いていく様子に萌えはあったけど
それぞれがゆるめな人だからこそ
気になるところにも目がいってしまった
作品でした。

ぶっ刺さり…!

すう先生のデビュー作が
自分の好みどストライク!だったので
これは何が何でも読まねば……!と、
手に取った作品でした。

表紙のみっちゃんの怯えた表情をみた時点で
バシバシ刺さるものはありましたが
ま、まさかの方言!最高!
そして不器用男子も大好物なので
結果、ぶっ刺さりまくりでした…!

清野は普段とてもスマートな人なんですが
ふとしたときに見える脆さがまた
人間くさくて素敵。
グイグイ強引に押しまくるのかと思いきや、
臆病になってみたり後ろ向きになったり。
でもすべてにおいて真っ直ぐに前を向いて
自分をしっかり持っているところが
めちゃくちゃ推せました。

ふたりの恋路は障害があるようで
実はない…?
みたいな感じで重たい展開にはなっていなくて
そこもまた読みやすかったです。
でも途中でしっかりハラハラさせる
エピソードがあり、
スパイスがピリッときいているのがイイ。
メリハリのあるストーリーで読み応えがありました。

そしてなにげに鳥越の秘書さんがお気に入り。
きっとめちゃくちゃいいキャラなはず!
BLの世界に生きていない人なのかもしれないけど
彼のお話も読んでみたいなと思いました。

絵がめちゃくちゃキレイ

最初の出会いから同居するまでは
"BLあるある"的な流れで進むので
王道ストーリーなのかな?と思ったけれど
それぞれの心境に変化が起こったり
間紫の過去が明かされたりしていくと
その表情が変わって
最初とはまた違うストーリーになっていく
様子に引き込まれました。

まるくんの不器用さも愛おしかったし
一見ダメ男な間紫だけど根っこにある優しさが
日々の暮らしのなかでしっかり見えていたのも
良かったし。
少しずつふたりの心の距離が近付いていくのには
とてもほっこりしたのだけど…

でも恋愛に発展していく要素が薄くて
あまり熱を感じられなかったな、と。
一つひとつのエピソードにインパクトはあるけど
うまく繋がっていないてチグハグ感も気になって
いまいちハマりきれませんでした。

幸せと不憫さと

人生を悲観しているうちは
きっとまだ上昇できる見込みがあって、
そこを通り越すほどの苦しみのあとには
『無』が待っているのだと
葉の不憫な人生をみて気付かされる切なさよ…。
不幸続きの日々を抜け出して
生きているだけで幸せを感じられるようになる、
そんな彼の変化を描いたお話だけれど
すべてに後ろ向きな彼を見るたびに
ぶり返してくる苦しみが本当にツラかったです。

葉の不憫さが描かれているのは最初だけで
瑠可と出会ってすべてが好転していくし
展開はめちゃくちゃハッピー!なのだけど。
その幸せを信じ切ることができない姿が
やっぱり悲しくて、
どうしてもハッピーに浸りきれなかったです。

瑠可はとても良い人でまったく裏もなく、
ただただ葉をあたたかくつつみ込んでくれる
愛情深い人柄はとっても素敵だし、
彼のおかげで少しずつ前向きになっていく
葉には救われて。
ストーリーには嫌なところは全然ないのだけど、
葉の過去がずっとチクチク痛くて、
最後まで引きずってしまったのでした。

一緒に成長できるって素敵

英二の仕事がうまくいかないのは
そこに向き合う姿勢に問題があるとか
スランプに陥っているとかではなく
周りとの人間関係で躓いているから、というのが
原因で
『十貴田組』での日々は彼にとっては
まさに不得手なことだらけ。

なので最初のほうは
本当に大丈夫か??と思うところも
たくさんあったのですが、
彼自身がしっかりと状況を見て
シナリオライターとしても人間としても
成長してくれるので、
安心して読み進めることができました。

十貴田さんと英二の恋のお話ではあるけれども
ソレだけではなくて、
上司と部下のピリッとした空気だったり
ゲームオタクとしての仲間感だったり
様々なやり取りの中で見える表情が違っていて
恋愛部分だけを見つめるストーリーではないのが
すごく良かったです。

そして。
十貴田さんのキャラが好みどストライクすぎて
悶えまくりでした…!
一見無愛想でとっつきにくく
何を考えているかわからない人だけど、
ツンツン不機嫌な表情の内側には
不器用すぎる優しさを秘めているところに爆萌。
そしてそれを引っ張り上げる英二も
超絶不器用というのがこれまた推せる。
ふたりまるごと好きなキャラで、
脇キャラたちも魅力的で。
さらにはitz先生のイラストも最高で…!
ものすごく大満足でした!

メインキャラもいいけれど…

大学入学時からずっと
喬介に片想いをしているけれど
自分の気持ちを絶対に気付かれてはいけないと
思うあまり、
見事なまでに空回りしまくる錬の言動が
なんだかすごく痛々しくて切なくて。
この恋を応援してもいいのだろうか…?と
思ってしまうほど、
途中まではもう見ていられないよ〜という
気持ちになっていたけれど
矢崎さんの登場によって錬だけではなく
読み手としてもすごく救われて、
その後の行方を肩の力を抜いて
見守れたかなと思います。

なので必然的に(?)矢崎さん推しになったのだけど
スピンオフ的なものはないようですね…。
うーん、残念。

何があっても錬のすべてを受け入れる喬介の
大きな愛、
そして胸のなかに渦巻く激しい執着と嫉妬が
絶妙なバランスでマッチして
すごく幸せな恋のお話となっているので
ふたりのストーリーには大満足。
ですが、どうしても矢崎さんの幸せも
見届けたかった…!という気持ちでいっぱいです。
それくらい最高な脇キャラでした。

健康を願うことって愛なんだな

BL×風呂キャンって
相性どうなんだろ…?と、
おそるおそる読み始めたところはあったけど
『風呂キャン』に不衛生さも嫌悪感も
感じさせないストーリーとなっていました。

過去と現在の想いをうまく織り交ぜながら
駆け引きめいた恋模様と
風呂キャン界隈要素もしっかり。
さらには和葉の元カレも登場してハラハラするところもあるのに、
全然ごちゃごちゃしていないんですよ。
さすがは丸木戸先生。展開がうますぎます…!

恋に発展するまでのミカと和葉の『ザ・先輩後輩』なやり取りもすごく良かったし、
和葉の元カレである大河もめちゃくちゃいいキャラでした。
彼のお話も是非読んでみたいです…!

瞳に囚われて

たくさんの向日葵がふたりを囲む表紙がとても素敵。
英雄のヒマワリの瞳とかけてますよね。
こういうのすごく好きです。

でも表紙はわりと明るめ?な感じだけども
ふたりの間に恋の雰囲気が出てくるまでは
重ためというかダークな空気感が漂っています。
そもそもふたりの立っている場所が違いすぎるので
交わるときはくるのだろうかと疑問に思うくらい何もかもが遠かったけれど、
過去と現在で絡みまくった糸を丁寧にほどいて
彼らの人生がまた正しく編まれていく様子には
運命すら感じました。

英雄への想いにはどうやっても蓋をすることはできず、
すべては過去のことだと折り合いをつけたつもりでいても忘れられないまま。
表面上では強がってツンツンしてしまう晴人の天邪鬼っぷりが本当に痛々しくて愛おしかった…!
不器用すぎる真っ直ぐさにハラハラする場面もありましたが、
遠回りして傷つけあいつつもその想いがしっかり英雄に届くまでを見守れて良かったです。

千地先生の作品は両視点で交互に描かれていることが多いので、どちらの気持ちも知りながら読み進められるのがすごく好み。
今作も英雄と晴人双方の葛藤を捉えながら読めたので、単なる再会モノや初恋のやり直しではない深さを感じることができました。

奇跡と運命の恋

カラフルでポップな表紙がめちゃくちゃ可愛い一冊。
でもストーリーは
それぞれが持ち合わせている心の弱さや闇、誰にも明かせない痛みなどを織り交ぜて進んでいくので表紙のような明るいものではありません。
なので、あれ?チグハグ?と思いがちなんだけども、読み進めていくとこの鮮やかな表紙がふたりにぴたっとフィットしているのがわかるのが最高に良かったです。
(表紙が素敵すぎて熱語り。笑)

慎吾の目のことも武が表に出ない理由もなかなかに重たくて、ふたりの間に恋愛要素が生まれるほどに切なさも増していってだいぶ苦しかったですが。
お互いの求め合う気持ちと踏み出す勇気、そして周りの支えのおかげでふたりの恋が進展する様子がとてもあたたかく感じられて、
ハラハラしながらも幸せな気持ちで見守れたかなと思います。

畑違いだけどもふたりともアーティストなので、少し変わっている似た者同士な感じもすごくツボ。
『奇跡』や『運命』という言葉がよく似合う、とっても素敵な恋のお話でした。