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萌作品

エキスパートレビューアー2023

女性おぶもいもいさん

レビュー数41

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今年度7位

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「必ず」に流されない

出逢ったら必ず相思相愛になるという「魂の番」をテーマにしたお話。 
占い師の律と新人漫画家・玲央がその当事者として出会うところから始まります。

お互いひと目見た瞬間に感じるモノがあって、すぐに魂の番だと気付いたふたり。
やり過ごすこともできないくらいすぐに身体に変化が表れた玲央は受け入れられずに戸惑い、そして律も玲央を遠ざけたいように見えて。
魂レベルで惹かれ合うことはすごく幸せなことのように思えたけれど、突然の出会いは必ずしも幸せを連れてくるわけではないのだなとなんだか切なくなりました。

でも。番になることについての考え方が違うのは当たり前で、戸惑いや温度差があるのも仕方がないこと。
いくら身体が反応しても抗いたい気持ちが少しでもあるならばそれは「魂の番」だと呼べるのか?という気がしていたので、流されずにそれぞれの過去や背景をしっかり知って、彼らなりに受け入れた運命を応援したいなと思ったのでした。

オメガバースは色んな設定があるので、作家さんごとの捉え方が知れるのが本当に面白いですね。
コメダ先生初読みでしたが、過去作も読んでみようと思いました。

美しいお話

シロツメ草の花冠の輪の中で、微笑み合う高瀬と陽葵。
まるでおとぎ話の世界にいるふたりを眺めているような幻想的な表紙がとっても素敵で、思わず目を奪われました。
その優しげな印象がお話の中でも覆されることはなく、オメガバースなのでほんのりツラいところはあるけれども基本的に苦しさは感じない展開となっています。

「カケモノ」という妊娠ができない身体という設定の部分で陽葵が悩み、自分の気持ちを閉じ込めてしまおうと葛藤する場面はあるけれど。
それも高瀬の言葉でスルッと解決していくし、口では抗っていても高瀬のことを受け入れたい陽葵の本心は見えていたので、ふたりのやり取りはハラハラすることなく見守ることができました。

不安なことをひとつずつ取り除くように丁寧に愛していきたい高瀬の想いが伝わって、素直に心を明かせるようになった陽葵。
顔を見合わせるふたりの表情がすごく幸せそうで、心がじんわり温まったのでした。

あっさりと読み終えてしまった感はあるし、やっとスタートラインに立ったところで終わっているのでちょっぴり物足りなさもあったかな、と。
駆け足気味にではなく、もっとじっくりとふたりの世界に浸りたかったです。

陽気な悪魔

悪魔士官学校での落第を免れるべく、出された課題をクリアするため人間界にやってきた落ちこぼれ悪魔のメティストフェレス。
そしてアパートの隣人・山田と出会い恋に落ちるというお話でした。

冒頭部分からポンコツでだめだめなニオイがぷんぷんするメティストフェレスだけれど。
でもそこが彼の魅力でもあって、可愛くて憎めないキャラにみんなが絆されていくわけです。
人間界に来てお酒ばっかり飲んでいる悪魔という設定も斬新でツボでした。 
ちなみに山田の前では「うみ」と名乗っているので、メティストフェレスという名前がほぼ使われていないのもなんだか面白かったです。

来る日も来る日もお酒を飲んで酔っ払ってばかりの彼を山田も学校の先生さえも責めないので、メティストフェレスにとってツラい世界なんてないのでは…?と思うほどでした。

あっさりと契約まで交わしたふたりだけれど、この先どうなっていくのか?とかは一旦置いておいて、幸せな気分に浸るふたりを見てほっこり。
ただただ明るくて楽しい雰囲気に元気を貰えるようななお話でした。

優しさあふれる、

トリミングサロンで働く秋芭と新人スタッフ・橘の、トリマーさん同士のお話でした。

橘の教育係として一緒に働いていくなかで、やがて距離が近付いていくのかなー?と思いきや。
橘の好意は唐突に出現した感じで最初はちょっぴり戸惑ったのだけど、徐々に彼のことやお互いの過去がわかってくると、橘の言動もしっかり理解できる展開となっていました。

人間を好きになることはないと頑なに閉ざしていた秋芭の心を、時間をかけてゆっくりとほぐしていく橘の優しさが素敵で。
動物たちにもすぐに懐かれる理由がわかるほど、彼のあたたかさがじんわり伝わってきました。

心打たれるようなドラマとか大きな波とかはないのでさらっと読めてしまうお話ではあるのだけど、すごく優しくてほのぼのした気持ちになれるのが良かったです。

設定は好き

北見が通う高校に麗が転校してきたところから始まる、DK同士のオメガバースでした。

転校してきたときが初対面ではなく、実は小学生の時の同級生だったふたり。
北見は麗にいじめられていた過去があり、しかもそのことが原因で転校することになって人間不信を拗らせてしまっているので因縁の再会なはずだけど…麗はなぜか反応が薄いんですよね。
単に忘れているのかそれとも…?という、謎の深まる展開にドキドキ。

その謎があっさり明かされた後もインパクトのある設定が続くので、わくわくして読み進めることはできましたが、どれもさらっと過ぎてしまいすぎなのが残念だったな、と。
麗の母親の病み具合やそれに付き合い続ける家族たちが"そうなってしまった"理由とか、サイが麗に瓜二つなのも何か関わりがあったのか?とか。
オメガバースの部分ではない部分をもう少し深く知りたかったです。

絵も綺麗だったし好みな設定だったけれど、駆け足気味だったのが本当にもったいない!と感じました。
こちらがデビュー作とのことなので、次の作品に期待しています。

おもしろ可愛い

なかなかにぶっ飛んでいるし非現実的な設定ではあるのだけど、えっちゃんが可愛いし面白いのでなんでも受け入れてしまいたくなるような(笑)
そんな不思議な魅力があるお話でした。

セックスが下手だという理由でいつもフラれてしまう悟の前に現れたエロ神様のえっちゃん。
そして相性がいい相手として選ばれたのは俳優の星名で、そんな上手くいくわけ無いだろうと思いきやトントン拍子にセックスまで進む美味しい展開に。

色々と上手く行き過ぎな部分は本当に多いのですが、そんな中で自分たちの意思で惹かれ合っていく様子が素敵でした。

サクッとエロ展開になるのでどうしてもあっさりめな印象になってしまいましたが、とても可愛くて面白いお話でした。

バッキバキ

DK同士のケンカップルオメガバース。
久々に読み返しましたが表紙の持月の腹筋、すごいですね…!
でもこのバッキバキ、作中ではあまり拝むことができませんので表紙でしっかり堪能させてもらいました。

オメガバースとしてはややあっさりめで、最初バチバチにいがみ合っていた理由さえふんわりとしていますが。
石尾のバレバレな態度に気付かない持月の鈍感で脳筋なところも可愛く見えて、なんだかんだ微笑ましいカップルなのが良かったです。

石尾の許嫁のあり得ない言動には引いてしまいましたが、大事になる前に石尾が登場してその後甘い絡みを見ることができたので結果的に良かったのかな、と。
番になる約束も果たし、相変わらずギャーギャー言いながらも幸せそうなふたりにほっこりできた作品でした。

大切だからこそ、

漫画家の司と幼馴染で幼い頃からずっと支えている佳寿人(児童書編集者)とのお話。
出版社シリーズのくくりに入る作品ですが、これまでのシリーズをすべて追えているわけではなくても問題なく読めたので、単体でも楽しめるお話となっていました。

自身の担当編集に恋をして告白するも玉砕してしまった司。
彼を慰めている佳寿人ですがそのスマートな振る舞いの裏に幼馴染以上の感情を抱いていて、しかも相当に拗らせた溺愛っぷりで想い続けてきたため、その振り切れた言動には思わずくすっと笑ってしまうほど。

でも恋愛感情だけではなく司の家庭環境が複雑だったからこそ守りたい気持ちもあるので、衝動的にキスをしたことに後悔してしまっているのがなんとも切なくて…。
司は佳寿人の真意がわからないので混乱し拒絶、そしてすれ違ってしまうふたりにすごくハラハラ。

司が佳寿人の想いを知ってからも微妙な食い違いはあったものの、しっかり向き合ったことでお互いの気持ちを明かし合って無事に両想いになってくれたので本当に安心しました。

こちらはまだ続くそうなので、次巻以降どんな動きがあるのか楽しみです。

心を埋める

公園で暮らすホームレスのタカと、エリートリーマン・正木。
普通に生活していたら接点が無さそうなふたりがひょんなことから出会い、そして気持ちが交わっていくまでを描いたお話でした。

生活費を稼ぐためにウリをやっているタカのことを正木が"買った"ことから始まるふたりの関係。
一夜限りのモノにならなかったのはタカと一緒だとよく眠れたから、という理由だったけれど
でも正木自身は最初から自分の心を埋めてくれる人だと感じ取っていたのでしょう。
一緒に過ごすうちにいい意味で人間くさくなっていく正木を見てそう思いました。

ウリをやっている相手にハマって合鍵を渡し、繋ぎ止めるためにたくさんお金も出して。
危なっかしい言動ではあるのだけど、人との関わり合いを避けてきた彼にしてみれば精一杯の愛情表現なんですよね。
当然タカにはそれが伝わるはずもなく、すれ違うふたりにハラハラ。
でも離れた時間がまた正木を成長させてタカの心も解すことになり、最後にはお互いにとって幸せなところに辿り着いてくれてとても嬉しかったです。

ホームレスと恋をするというのはなかなかに激しいテーマだなと思いましたが、何気ない日常の中でふたりの関係は進んでいくので、
突飛なお話にならずそれぞれの感情を追いながら読むことができた作品でした。

優しいふたり

田舎でパン屋を営んでいる光善と異世界からやってきた褐色の王子様・アレクのお話でした。
異世界転生モノではなくて異世界から現代にやってきたという設定なので、環境も生活もほぼ変わらぬまま並行世界が存在していることを感じられるのが面白かったです。

突然現れたアレクは次々に"夢みたいなこと"を言うので最初は戸惑うけれど、アレクがあまりにも当たり前のように話すものだから、厨二病だと勘違いする光善(笑)
実在しない国なのに言葉も通じるし、特に違和感なく過ごせているので勘違いするのも仕方ないかもな、と。
深く突っ込まず受け入れるところに光善の優しさが見えて、ふたりのやり取りは本当に微笑ましかったです。

ちょっぴり噛み合わないところもありながらなんだかんだアレクとの日々は充実していて、元カレとのいざこざで心に負っていた傷も゙癒えていき、やがて惹かれていく様子にキュンとしました。

国に帰ることになってもあまりハラハラせず、ただふたりには幸せになってほしいなと思ってしまうような。
のんびり優しいお話にとても癒やされました。
めちゃくちゃハピエンだし綺麗にまとまってはいるけれど、フィントクラルクでの暮らしを見てみたかったー!というのが正直なところ。
続編として読めたらいいなと思いました。